7作目にして刷新、演劇「ハイキュー!!」は新章へ!
思慮深い狐爪を軸に、黒尾らチームメイトが彼の周辺で大きなうねりを見せた。お祭り騒ぎのように盛り上げる梟谷学園高校は、中心人物の木兎光太郎役を桜庭大翔が熱演。長身を生かした熱血プレイヤーを演じた桜庭は、初舞台とは思えぬ頼もしさを見せた。巧みな心理戦で相手チームをじわじわと追い詰める、狡猾で冷血な戸美学園高校。その頭脳である大将 優役を演じた福澤 侑は、ポーカーフェイスで相手を惑わせる難役をクールに演じ、勝負のゆくえを見守る観客をも翻弄した。
試合の見せ方も絶妙だ。ネットやコートをほぼ介さず、混然一体となりながらも、アクロバットやフォーメーションでバレーボールという競技の醍醐味を味わわせてくれた。もちろん青春群像劇の要素もふんだんにちりばめ、バレーに駆ける彼らのかけがえのない一瞬一瞬をキラキラと映し出していた。
シリーズも7作目。これまでを知るファンの方には新鮮に描く一方、山本あかね役の重石邑菜と灰羽アリサ役の楓がストーリテラーの役どころとなり初心者を誘う。“東京の陣”の背景や展開を分かりやすく解説するふたり。彼女たちの存在が、今作から演劇「ハイキュー!!」の世界に飛び込んでも躊躇なく楽しめることを保証している。