「舞台っておもしろい」岸惠子ひとり語り『輝ける夕暮れ』開幕
一人芝居『わりなき恋』
5月・6月に全国を巡る 岸惠子 ひとり語り『輝ける夕暮れ』が5月18日に開幕。それに先がけて囲み取材が行われた。
第1部で一人芝居『わりなき恋』(朗読劇)の上演、第2部でフリートークを行う今回。第1部の『わりなき恋』は、岸が2013年に発表しベストセラーになった小説で、一人芝居は2015年に初演、2016年に再演。今回はそれを「要になる場面を編集し直して50分にまとめてやることにしました」(岸)と、新演出・凝縮版で上演する。「私がこの小説を完成させたのが80歳、今は86歳です。テレビで高齢者の惨めな様子ばかり映すことに憤りが湧いて、“人生の夕暮れ時に、偶然でも夢でもいいから、パーッと虹が立つような美しい景色がないかしら”と思って書きました」と執筆のきっかけを振り返る。描かれているのは、成熟した女の愛と矜持の冒険譚。
生々しい描写もあるが「高齢者の恋にはさまざまな障害があるんですよ。男にも女にも身体の変化がありますからね。私はそういうものから逃げずとことん書くぞという覚悟で、パリでは産婦人科の先生数名に話を聞き、日本でもいろんな取材をしました。今日もそういう場面はあります」