ミュージカル俳優らの歌、ダンス、笑い!贅沢エンタメショー『CLUB SEVEN ZEROⅡ』
アドリブのシーンでは、出演者らも互いの即興芝居に素の笑いを浮かべる。毎日なにが起こるのか!?上演回によってAとBの2バージョンのスケッチがあるので、どちらも観たくなる。
20分の休憩を挟んで2幕冒頭は、ミニミュージカル『F』。1920年代のNYではマフィアとギャングの対立が激化していた……。笑いに溢れるスケッチとは一転、そこは裏切りと血の匂いが漂う闇の世界。響き合う歌声にそれぞれの苦悩が重なり、裏社会に住む男女の生き様が描かれる。大人の色気溢れる1作だ。
大人気の「50音順ヒットメドレー」も期待を裏切らない!全77曲を歌って踊る怒濤のエンタメショー。
懐メロ、アイドル、CM曲などに乗せて、1曲ごとに衣装が変わったり、小芝居が繰り広げられる。次になにが来るのかわからないおもちゃ箱のようなメドレーだ。
表現力豊かなダンスと歌、フィルム・ノワールのような演技からバカバカしいギャグまで。長年、技術と経験を積み重ねてパワーアップし、観客ひとりひとりを受け止めるような懐の深いショーとなった。上演時間は3時間超だが、何時間観ていても飽きない……が出演者達は「大変だからやめて」と笑いそうだ。それでもどっぷりと浸っていたい贅沢な時間だった。ツアー公演は7月に愛知、大阪にて。
取材・文・撮影:河野桃子