くらし情報『活動30年。作曲家・林晶彦の破天荒な音楽人生』

活動30年。作曲家・林晶彦の破天荒な音楽人生

アカデミズムとは無縁で、往年の名ピアニスト・作曲家のミロシュ・マギンにプライベートで師事した。「黒板の前で勉強するのは僕の音楽ではないと思った。体験したことが音になるから。ただ、僕は体験したことがはちゃめちゃなんですけどね(笑)。ある音楽家の方に、どんなシステムで作曲しているのかと聞かれたことがあったのですが、システムはないんです。出会った人にインスパイアされて作るので。理論では作っていないんです」

20歳のとき、今度は突然イスラエルへ。中東に一触即発の空気が漂っていた1970年代半ばだ。
「パリで病気で入院して死にかけて、しんどくてどんな音楽も聴けなくなってしまったときに、ガールフレンドがくれた、イスラエルの歌の入ったテープだけは聴くことができたんです。それでどうしても行ってみたくなった。何のツテもなくテルアビブへ行きました」

そこでも音楽は独学。イスラエル・フィルのリハーサルを覗き、楽旅で当地を訪れたピアノのウラディーミル・アシュケナージに飛び込みでレッスンを受けるなど、さまざまな武勇伝。1年後に帰国。芦屋のライヴハウスでピアノを弾いたり、新婚旅行で訪れたインドで2か月暮らしたり。

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