数ある“クラシック史上に残る名曲”の中でも、極めつけの名曲のひとつが、ヨハン・セバスティアン・バッハ(J.S.バッハ)による、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータに違いない。作曲時期は1720年。ケーテン宮廷楽長として、数多くの室内楽や協奏曲(世俗曲)を作曲していたJ.S.バッハ35歳の作品だ。それぞれ3曲のソナタとパルティータで構成される内容は、ヴァイオリンの可能性を究極にまで追求した“音楽の小宇宙”といった趣で、「無伴奏チェロ組曲」共々、J.S.バッハの魅力の全てが盛り込まれた濃厚な作品に違いない。古今東西のヴァイオリンの名手たちが、演奏と録音を繰り返してきたこの作品において、これまで唯一足りなかったパーツが、ビオンディによる同曲の演奏だ。1990年、エウローパ・ガランテを率いてヴォヴァルディのヴァイオリン協奏曲集『四季』での衝撃的なCDデビューを飾ったファビオ・ビオンディは、今やイタリア古楽界の旗手として、ソロ、室内楽、そしてオーケストラ、オペラの指揮と、世界中で精力的な演奏活動を展開するスーパースター。そのビオンディが、“ヴァイオリニストのための聖書”といわれるJ.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を遂に録音。そのお披露目となるコンサートとなればこれは絶対に見逃せない。「驚異的に豊かな音。そしてゆったりとした音楽による感動的なバッハ」と絶賛されるビオンディの実演に触れるチャンス到来!ファビオ・ビオンディJ.S.バッハ 無伴奏 ヴァイオリンの夕べ■チケット情報()2月15日(木) 19:00開演住友生命いずみホールファビオ・ビオンディバッハ無伴奏全曲■チケット情報()2月17日(土) 18:00開演神奈川県立音楽堂●ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン)Fabio Biondiイタリア、パレルモ出身。12歳でソリストとしてイタリア国立放送交響楽団(RAI)と共演し、国際的キャリアをスタート。1990年、イタリア・バロック音楽アンサンブル「エウローパ・ガランテ」を結成し活動を始める。さまざまな音楽祭に加え、ミラノ・スカラ座、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ロイヤル・アルバート・ホール、ウィーン・ムジークフェライン、ニューヨーク・リンカーンセンター、シドニー・オペラハウス、東京・サントリーホールなどに招待される。ソリスト、指揮者としては、サンタ・チェチーリア管弦楽団、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、ハレ歌劇場管弦楽団、ノルウェー室内管弦楽団、モンペリエ国立交響楽団、マーラー室内管弦楽団など数多くのオーケストラと共演。ピアノやハープシコード、フォルテピアノとのデュオでも、世界中で活動を行っている。2005年よりノルウェー・スタヴァンゲル交響楽団のバロック音楽のための芸術監督となり、2015年には同交響楽団とアントニオ・カルダーラのオラトリオ「キリストの死と埋葬 Mortee Sepoltura di Christo」をレコーディングする大プロジェクトを行った。2011年よりサンタ・チェチーリア国立アカデミアの正式メンバーである。2015年よりバレンシアのパラ・ド・ラ・アルテオーケストラの音楽監督を務める。オープニングシーズンにはヘンデルの「シッラ」と、モーツァルトの「イドメネオ」と「ダヴィデ・ペニテンテ」を上演。2015年、彼はフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを授与された。2019年には、ポーランド政府から、文化における際だった貢献に対して与えられる「勇気と真実のメダル」を贈られている。ビオンディは長期にわたるワルシャワショパン・フェスティバルとのコラボレーションにおいて、スタニスワフ・モニウスコの諸作品の再発見に力を入れており、その功績が認められたのである。彼の使用楽器は1686年クレモナ製のアンドレア・グァルネリ。また1766年製のカルロ・フェルディナンド・ガグリアーノも使用しており、この楽器はパレルモの彼の師匠が携わる、サルヴァトーレ・シチェーロ基金から貸与されている。
2024年02月05日アフタヌーンティー・リビング(Afternoon Tea LIVING)のテーブルウェア「クラシック ロゴ(CLASSIC LOGO)」シリーズが、2024年2月14日(水)よりアフタヌーンティー・リビング店舗ほかにて発売される。“ビストロ風”クラシックなロゴ入りテーブルウェア1990年代に人気を博したテーブルウェア「クラシック ロゴ」シリーズが復刻。“アフタヌーンティーロゴ”を象徴的に配したクラシックなデザインはそのままに、今の暮らしに合うテイストを加えた新定番として展開する。なんといっても魅力は、パリのビストロで見かけるようなラフで重厚感のある質感。熟練の職人による技術を駆使して1点1点作られた美濃焼の器は、シンプルな料理も美しく際立たせ、クラシカルな雰囲気を演出してくれる。パスタボウルおすすめは、ひとり分のパスタ量に絶妙に合うサイズ感がポイントのパスタボウル。自然と高さが出るので、サッと盛り付けるだけでお店のように洗練されたビジュアルを叶えてくれる。マグカップギフトにもぴったりなのが、紅茶にもコーヒーにも合うシンプルなマグカップ。底部に重さのあるシルエットで、安定感があるデザインが魅力的だ。ホワイトとネイビーの2色を展開するので、色違いで購入して、家族や恋人とペアで楽しむのも良さそう。プレートクラシカルなフォントをぐるりとあしらったプレートは、2サイズを用意。Mサイズは焼き菓子やスイーツ、Lサイズはメイン料理にと、用途によって使い分けできる。かしこまりすぎず、家でもビストロの雰囲気を味わえるプレートは、おもてなしにも活躍すること間違いなし。タンブラー透明感のある、クリスタルガラスのタンブラー。アイスコーヒーやカフェラテに細身のストローを添えて、お洒落なカフェ気分を楽しんでみて。【詳細】「クラシック ロゴ」シリーズ発売日:2024年2月14日(水)取扱店舗:アフタヌーンティー・リビング店舗、公式オンラインストア価格:・パスタボウル 3,300円・プレートL 3,300円・プレートM 2,200円・マグ 2,200円・タンブラー 1,650円
2024年02月03日アップルによるクラシック音楽のために特別に設計されたアプリ「Apple Music Classical」が1月24日より日本で提供されることが発表された(同日より提供開始)。「Apple Music Classical」は、どこにいても利用できる、500万以上の楽曲をそろえたクラシック音楽の最大級のストリーミングカタログだ。その機能については、音楽学研究者のチームが7年以上の歳月をかけて基本的なメタデータを作成し、5,000万のデータポイントを利用できるようにしたことで、完全に最適化された検索機能と閲覧機能が実現したという。12万以上の作品、40万以上の楽章、2万人以上の作曲家が最高の音質で提供され、何千ものアルバムを没入感のある空間オーディオで聴くことができることは朗報だ。さらには、関連する作品や作曲家にもとづいて厳選した何千ものおすすめや、世界トップクラスのクラシック音楽のエキスパートやアーティスト、インフルエンサーが特別に監修した700以上のプレイリストが用意されているということで、リスナーは大好きな音楽を楽しみながら、さらなる発見をすることができそうだ。「Apple Music Classical」が、すでに先行提供されている北米とヨーロッパでは、公開されるやいなや、たちまちApp Storeの無料アプリランキングでトップとなり、Appleが提供するApple Musicのグローバルチャートではその週、クラシック音楽がそれまでで最も大きな記録を達成したという。公開の2日後には、クラシックのアルバムも世界140か国以上でアルバムチャートにランクインし、このジャンルの新記録となったとなればこれは期待できる。世界最大級のクラシック市場である日本において、どのような変化が起きるのか興味津々。1月22日に記者会見が行われたApple表参道店においては、アンバサダーとなった村治佳織(ギター)と佐渡裕(指揮)が登壇。アプリの独創的な魅力が語られたことも印象的。プロフェッショナルはもちろん、クラシック初心者においても利用価値の高いアプリの登場となれば、これはクラシック音楽の民主化に大きく寄与する絶好のチャンスとなりそうだ。同様に、Apple Music Classicalにとってアーティストや演奏団体とのパートナーシップが非常に重要であることは間違いない。現在、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク音楽祭、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、メトロポリタン歌劇場などの代表的な団体と提携。これらのパートナーシップによって、ほかでは見つけることのできない独占コンテンツがリスナーに提供されるとなれば、これは魅力的だ。今後5年間にわたってウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演の新レコーディングが、Apple MusicとApple Music Classicalだけで独占的に公開されるのもその一例。今後の展開が益々気になる。ちなみに「Apple Music Classical」は、Apple Musicのサブスクリプションの登録者であれば、追加費用なしで利用できる。
2024年01月25日ディズニー音楽のエキスパート、ブラッド・ケリーが率いるビッグバンド・プロジェクト『ディズニー・ワールド・ビート2024』が開催される。19年にスタート、22年に続き3回目となる今回のテーマは「Music Journey~世界の旅へ!」。『ディズニー・ワールド・ビート 2024:Music Journey~世界の旅へ!』 チケット情報ディズニー作品の舞台となった世界の国々を、ビッグバンド17名のベテランメンバーと4名のシンガーたちが繰り広げる音楽とスクリーン映像で巡る。ブラッドが16年間指揮を務めたコンサート『ディズニー・オン・クラシック』よりもカジュアルな味わいだ。ディズニー・ワード・ビートの初回から参加している、ピアノ・キーボード担当のジョナサン・カッツとサックス・フルート奏者のスティーブ・サックスが「演奏は自由度が高く、演出も楽しい!」と達者な日本語で公演の魅力を語った。アニメ映像を見ながら、観客は飛行船で世界を回る音楽の旅に出る。例えばインドが舞台の『ジャングル・ブック』ではエレクトリックシタールの演奏、『モアナと伝説の海』ではポリネシアのパーカッションが加わるなど、それぞれの作品の雰囲気を音楽的に表現。ディズニー音楽の魅力を「メロディが覚えやすくてきれいで、楽曲としてハイクオリティ。この公演で、映画を観たことがある人たちは物語を思い出して共感できると思う」(ジョナサン)、「今、困難の多い世界の中で、ディズニーのすごくポジティブなメッセージをお伝えできることにワクワクしています」(スティーブ)。演出も楽しい。トロンボーンの4人がサングラス姿でクールな曲を演奏したり、スティーブは『ライオン・キング』でトランペッターのジョーとハイトーンの曲を響かせ、迫力のサックス・バトルまで披露する。「お客さんも音楽に乗って、自由に体を動かして楽しんで」とスティーブ。さらに、観客参加の"曲当てクイズ"は、メンバーと日本語でおしゃべりも。日本語検定5級受験のブラッドに、在日歴の長いジョナサンとスティーブが通訳でサポートする。「ディズニーの音楽と映像を、生演奏の空気の振動、響きで、多くの人に素晴らしい感動体験をしていただきたいです」(ジョナサン)、「馴染みのある楽器で、みんなが知っているディズニーの曲を素晴らしいアレンジと表現力豊かなメンバーの演奏で。おもしろい発見がいっぱいあります」(スティーブ)。息の合ったメンバーたちで生み出す上質のサウンドに「この世界はやっぱり素敵!」というメッセージを乗せ、全国19公演のツアーへ。大人気のコンサートグッズも、"旅"をテーマに多彩に用意されている。取材・文:高橋晴代
2024年01月11日世界的なピアニストのクリスチャン・ツィメルマンとの室内楽ツアーやエベーヌ弦楽四重奏団への客演など、チェリストとして世界的注目を集める岡本侑也が、プラハ交響楽団の「新世界」1月8日(兵庫県立芸術文化センター)「ニューイヤー・コンサート 2024」の1月12日(ミューザ川崎)、14日(サントリーホール)の公演にてドヴォルザークの「チェロ協奏曲 ロ短調 op.104」を演奏する。公演への思いや20代最後の1年を迎えての抱負を岡本が語ってくれた。「プラハ交響楽団」のチケット情報はこちらチェコの国民楽派を代表する音楽家・ドヴォルザークの楽曲をチェコのオーケストラとの共演で演奏できることを「光栄に思います」と語る岡本。「ドヴォルザークはメロディを作る天才であり、どの曲のどこを切り取っても素敵なんです。押しつけがましさがなく、聴いていても演奏していても自然の豊かさを感じます。以前、チェコのあるオケと共演した際に、チェコの人々の素朴で温かい人柄に魅了されまして、それが演奏やドヴォルザークという音楽家のキャラクターにも通じていると感じました。スラヴの空気感に浸りながら、音楽づくりをできるのが楽しみです」「チェロ協奏曲 ロ短調 op.104」は、2017年のエリザベート王妃国際音楽コンクールにて第2位に入賞した際にも演奏した。「人生で体験しうる様々な感動が1曲の中に詰まっていると思います。第3楽章で印象的なヴァイオリンソロとチェロの掛け合いなど、他の楽器との1対1のパートがありますが、そこは、この曲のキーポイントかなと思っています。もちろん、フルオーケストラで大々的に演奏するのも印象的ですが、1対1の密なコミュニケーションに感情が凝縮されていると感じますし、コンマスやフルート奏者の方たちとの掛け合いを楽しみにしています」2023年はツィメルマンとのツアーに加え、代役で参加したエベーヌ弦楽四重奏団で初めて本格的に弦楽四重奏に取り組むなど、実りの多い1年となった。「クリスチャンさんとのピアノカルテットだと、バスパートがピアノの左手と被ることがよくあるんですけど、エベーヌでピアノなしで自分が音楽の流れや柱を責任を持って立てなくてはいけない場面に直面し、改めてクリスチャンさんにどれほど引っ張ってもらっていたのか、その偉大さを痛感しました。ヨーロッパ各国の主要な会場で演奏する機会もいただき、本当に大きな1年でした」10月に29歳となったが「気持ちは12歳くらいで止まったままなんですが(笑)」と冗談めかしつつ「いろんな経験を積ませていただき、音楽の幅も広がっていると思うので、何が待ち受けているのか、30代も楽しみです!」と力強く語ってくれた。取材・文:黒豆直樹
2023年12月05日この秋開催されたARK Hills Music Week 2023 サントリーホール ARKクラシックスより、ARKシンフォニエッタGALA第1夜(9月30日)と第2夜(10月1日)の公演が12月1日よりオンライン有料配信が開始した。【動画配信】ARK Hills Music Week 2023 サントリーホール ARKクラシックス ARKシンフォニエッタ GALAの視聴券購入はこちら〈サントリーホール ARKクラシックス〉は、毎年秋に開催されている都市型音楽祭〈ARK Hills Music Week〉期間中に開催されるコンサート・シリーズとして2018年からスタート。ピアニスト辻井伸行とヴァイオリニスト三浦文彰がアーティスティック・リーダーを務め、今年は9月29日~10月3日の5日間開催。清水和音、セルゲイ・ナカリャコフ、ARKシンフォニエッタ、ARK BRASS、田中彩子、松井秀太郎といった国内外の人気アーティストが大集結し、多彩な公演が繰り広げられた。期間中はサントリーホール大ホール、ブルーローズでの公演の他、アーク・カラヤン広場では各公演が大型ビジョンに映し出され、ビールやワインを片手に音楽に耳を傾ける光景が恒例となっており、合わせて約1万2千人が来場。大盛況となった。今回配信されるのは全2公演。第1夜、第2夜ともに豪華なソリスト陣が続々と登場し、モーツァルトにベートーヴェン、シューマンやブラームスの名曲を披露する超豪華なオーケストラ・コンサートとなっている。第1夜は三浦文彰、清水和音、高木竜馬(※)、辻井伸行が、第2夜は三浦文彰、清水和音、辻井伸行がソリストとして出演。一生記憶に残る感動的コンサートを、配信にてふたたび体験してほしい。視聴チケット:¥2,000(税込)チケット販売期間:発売中(2023年12月8日(金)19:00まで)《オンライン有料配信》配信期間(2公演共通):2023年12月1日(金)20:00~12月8日(金)23:59※高木竜馬=高の表記は、はしごだかが正式表記となります。
2023年12月04日第11回「全音楽界による音楽会」が2024年3月11日(月)に開催される。未曾有の大災害となった東日本大震災から13年。年月と共に復興支援も風化しつつあるが、絶対に忘れられない大勢の人がいて、今も遠く離れた土地で生活しなければいけない人も大勢いる。日本全体のこととして、東日本大震災のことを次の世代にも繋げていくために、11回目の開催が決定した。「全音楽界による音楽会」は、2011年3月11日に東北地方を襲った未曾有の大震災の現状を見た大友直人、コシノジュンコ、三枝成彰、堤剛、林真理子、矢内廣、湯川れい子など、様々な音楽ジャンルを代表し、音楽に深く関わるメンバーが発起人となって、東日本大震災直後の同年4月20日にチャリティコンサートを開始したのが始まりだった。趣旨に賛同し、ボランティアで出演するアーティストやオーケストラの有志メンバーや、会場であるサントリーホールなど、多方面からの協力を得て成立している本コンサートも、今回で11回目を迎える。全出演者が無償で出演し、会場もサントリーホールのご好意により貸し出されている。そして、かかった費用以外の寄付金の全てが「公益社団法人3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構(3.11塾)」を通じて、東日本大震災で被災した子供たちを支援するための資金に充てられている。「3.11塾」の基本理念は、子供自らが選択した進路や希望を実現できるように継続的な支援を行うこと。支援を希望する子供は3.11塾の塾生として基礎学力の強化、進学や就職の相談、音楽やスポーツなどに興味のある子には、必要な様々なサポートを行う。また、将来は外国で勉強したいという夢を持っている子供たちにも、置かれた状況や希望に出来る限り寄り添える支援活動を目指している。これまでに3.11塾の塾生は、塾や家庭教師、音楽や芸術などの文化スポーツの支援を得て、医者やパイロット、音楽家、俳優、ビジネスマンなどの関連大学や専門学校に合格し、夢に向かって歩んできている。チケット予約は12月14日(木)より開始。
2023年11月27日11月15日(水)初日の新国立劇場のヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》(新制作)。開幕直前、ゲネプロを取材した。新国立劇場オペラ「シモン・ボッカネグラ」のチケット情報はこちらその音楽の素晴らしさを多くの識者たちが特筆するのは伊達ではない。オーケストラの短い導入部。穏やかで慈しみ深い音の海がいきなり心を摑む。全編を濃厚に彩る管弦楽は大野和士指揮の東京フィル。低声歌手たちが活躍する作品だ。題名役シモンのロベルト・フロンターリ(バリトン)は貫禄。派手なアリアはないが、迫真の声の演技で、愛と平和に生きるがゆえの英雄の孤独を描き出す。政敵フィエスコのリッカルド・ザネッラート(バス)、悪役パオロのシモーネ・アルベルギーニ(バス・バリトン)。個性の異なる低音の魅力が満開で、なんとも渋いかっこよさ。主役級唯一の女声はイリーナ・ルング(ソプラノ)。新国立劇場でも《椿姫》や《ルチア》を演じているが、今回は華やかなレッジェーロより、リリコの豊かでこまやかな表情が、シモンの娘アメーリアの優しく強い心の表現にフィットしていた。第1幕で父シモンと再会する二重唱のドラマは圧巻。そのアメーリアの恋人ガブリエーレ役のルチアーノ・ガンチ(テノール)は、コロナ禍の2021年に《ドン・カルロ》《蝶々夫人》がキャンセルだったので、待ちに待った新国立劇場初登場。トゥッティでも突き抜けてくる輝かしい声は、いまが旬のテノールのポテンシャルをまざまざと見せつけて爽快だった。演出はエクサン・プロヴァンス音楽祭総監督のピエール・オーディ。著名な現代美術家アニッシュ・カプーアとのタッグが生んだ舞台は、(プロローグを除いて)逆さに吊るした火山の下で展開する。これは古代ギリシャの哲学者エンペドクレスに触発されたものという。エトナ火山のほとりで孤独に死と向き合い、ついには火口に身を投げたその生涯を、シモンの孤独に重ね合わせた(オーディはさらに、火口は女性性の象徴でもあると語っている)。舞台はその火山が放つ赤と黒、そして物語の舞台であるジェノヴァ国旗の赤と白が象徴的に支配する。プロローグで黒く這いずり回る民衆や、第1幕フィナーレで白と黒に分かれた同じ顔のクローン議員たちがショッキング。ラストの不吉な黒い余韻も印象的だ。新国立劇場では初上演の演目。「満を持して」の充実の出来栄え!公演は11月26日(日)まで。(宮本明)
2023年11月16日認定NPO法人あっちこっち(理事長:厚地美香子)他主催、クラシック・ヨコハマ2023『0歳からのクラシック~クリスマス・コンサート』が2023年12月7日 (木)に瀬谷区民文化センター あじさいプラザ音楽多目的室(神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷4丁目4-10 ライブゲート瀬谷 3階・4階)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 認定NPO法人あっちこっち公式ホームページ Facebook 本格的でありながらリラックスできて、ワクワク楽しいクラシックをお届け。親子でたくさん歌って、踊って、リズムをとって楽しめるクリスマス・コンサートを開催します。コンサートのポイント 大人も子どもも赤ちゃんもリラックスして楽しめる工夫がたくさん!・ベビーカーのままでの入場もOK。・会場にはマットを用意し、親子で座ってのびのび聴ける!もちろん椅子席もご用意!・一緒に歌っても手を叩いてもOK!泣いてもOK!・演奏中の出入りOK!うたのおにいさんおねえさんとピアノのおにいさんと一緒に歌って踊ってクリスマスを楽しみましょう♪青木佑磨(あおきゆうま)武蔵野音大大学院を首席で修了。2014年ブダペスト春の音楽祭(ハンガリー)にてリサイタルデビュー、同年よりリスト音楽院へ留学し2018年帰国。現在武蔵野音楽大学講師。ソプラノ:池羽由(いけばゆう)茨城県出身。日本大学芸術学部音楽学科声楽専攻卒業。同大学院修了。歌のお姉さんとして全国各地のファミリーコンサートやNHKキャラクターショー等に多数出演。テノール:宮原健一郎(みやはらけんいちろう)東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中に劇団四季のオーディションに合格し、ミュージカルの基礎を学ぶ。これまでに多数のコンサートや、ミュージカルの舞台等に出演。~認定NPO法人あっちこっち~芸術を通した社会貢献事業を行う非営利団体として横浜で発足。こどものためのワークショップを多数制作。2021年子ども・若者育成支援部門の活動に対して内閣府特命担当大臣表彰を受ける。~クラシック・ヨコハマ~デビューしたばかりの若手演奏家を応援する音楽イベント。市内の音楽団体、ミュージアム、サロン、大学、等の協力のもと多様なコンサートを開催しています。HP: 開催概要クラシック・ヨコハマ2023『0歳からのクラシック~クリスマス・コンサート』開催期間:2023年12月7日 (木)会場:瀬谷区民文化センター あじさいプラザ音楽多目的室(神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷4丁目4-10 ライブゲート瀬谷 3階・4階)■出演者ピアノ:青木佑磨ソプラノ:池羽由テノール:宮原健一郎■曲名・フンパーディンク:「踊りましょうよ」オペラ《ヘンゼルとグレーテル》より・ロッシーニ:猫の二重唱・L.アンダーソン:そりすべり*ピアノ・ソロ・中西圭三:ぼよよん行進曲・クリスマスソング・メドレー他■スタッフ主催:認定NPO法人あっちこっち、クラシック・ヨコハマ推進委員会、毎日新聞社、横浜市■開催スケジュール12月07日(木)午前公演11時開演午後公演14時30分開演※開場は開演の30分前■チケット料金大人:1,000円(中学生以上)こども:500円(0歳~小学生迄)(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年11月15日スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』をはじめ数多くの映画音楽を作曲、竹内まりやが2019年のNHK紅白歌合戦で披露した『いのちの歌』や工藤静香の『勇者の旗』などへの楽曲提供ほか、幅広く活躍している作曲家・ピアニストの村松崇継。今回、3年ぶりとなるソロコンサート『Piano Sings 2023』を開催する。村松崇継(p) チケット情報手掛ける楽曲は、映画やドラマ、舞台の音楽、さらにジャンルもポップスから演歌まで多岐に渡り、オファーが途切れることはない。作品や歌手に寄り添い、その魅力を輝かせる仕事の中で、年に1度、自分自身を見つめるコンサート。自ら提供した『彼方の光』を歌う、天使の歌声で知られるボーイソプラノユニットLIBERAの来日公演に出演した翌日、ソロコンサートへの思いを語った。始まりは映画音楽だった。クラシックを学んでいた大学在学中に自ら売り込み、2001年に天海祐希主演の『狗神』の音楽を担当したのが初仕事。「その後は来たお仕事をやっていったら、どんどん広がっていったんです」。敷居が高いと思っていたポップスは竹内まりやに背中を押され、縁がないだろうと思っていた大好きな演歌や歌謡曲は山内惠介の歌謡曲の話が来て『こころ万華鏡』が生まれた。「オファーはご縁ですね」。作曲家でピアニストの村松は自らを「僕が作ったオリジナルを、自分の手で奏でるアーティスト」と言う。彼の楽曲は優しく温かく、透き通ったメロディが心に染みる。「みんなの心に響くいい曲を作ることが大前提で、それを自分の演奏するピアノで癒しや希望や元気を伝えるコンサートをしたいんです。今回は、いろいろあるけど、みんなで頑張って行こうねっていうのがテーマ」。コンサートは観客と対話しながら展開する。村松のコンサートは通常ではありえないほどMCが多い。「めちゃくちゃしゃべります。1曲終わったら『どうだった?』って聞いたり(笑)」。これも大きな楽しみのひとつだ。「僕も1年に1度、みんなと会うことでパワーをもらい、癒されて疲れが取れるんです(笑)」。即興コーナーもあり、観客が開演前に書いたリクエスト曲を弾いて3曲をプレゼントする。歌は歌わないが、思いはピアノとおしゃべりで伝える。「曲でみんなをハッピーにする、エンタメな感じです」。村松は大阪を「ホーム」と呼ぶ。「アットホームなファミリー感がすごくあって、気取らなくていい。カッコ悪いところを出してもOKみたいなところがあるから、大阪公演ではほんとの自分が出せるんです。だからもう一回、大阪の地で自分のコンサートをやりたいと思って企画しました」。公演は、12月15日(金)東大阪市文化創造館 ジャトーハーモニー 小ホールにて。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2023年11月15日国内外で注目を集める尺八演奏家・藤原道山と、ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めるフォルクハルト・シュトイデが率いるシュトイデ・トリオが待望の再共演。福岡シンフォニーホールにて、福岡では9年ぶり、全国で福岡のみという唯一無二のアンサンブルを披露する。「藤原道山&シュトイデ・トリオ」のチケット情報はこちら「日本の伝統芸能ということで、少し敷居が高いと思われがちな尺八をもっと多くの人に聴いて欲しい」という思いと、「もっといろんな音楽を知りたい」という自身の興味から、伝統音楽の演奏活動や研究とともに、マリンバ奏者SINSKEとのデュオ、妹尾武(ピアノ)、古川展生(チェロ)との『KOBUDO-古武道-』、尺八アンサンブル『風雅竹韻』などのユニット活動、映画音楽、舞台音楽、音楽監修、執筆など国内外を問わず多岐にわたる活動を行なってきた藤原道山。シュトイデとは、2009年にシュトイデ弦楽四重奏団の来日時に共演したのをきっかけに、共演を重ね、彼らとウィーンでレコーディングした楽曲を収録した『FESTA』を2011年にリリース。以降、数年ごとに公演を行なってきた。本公演では、藤原道山による『アメイジンググレイス』、シュトイデ・トリオによるシューベルトの『弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調D171』をはじめ、藤原道山&シュトイデ・トリオで『MINORI』(藤原道山作曲)、ルーマニア民族舞曲(バルトーク作曲)、『La Festa』(大島ミチル作曲)他を演奏予定。「洋楽器、和楽器の違いはあれど、音楽家として五線譜という共通言語を通して会話している感じ。数年ぶりの演奏でも、そのブランクを忘れるくらい違和感がないんです。今回の楽曲は公演用にリアレンジされたもの。ですから、以前リリースしたアルバムともまた違う響きになると思います」と語る。「尺八は、竹そのものを素材にしていることから、1本1本が非常に個性的で、音色も吹く時の感覚も違う」という藤原の尺八コレクションはなんと約50本。キーチェンジの役割も兼ねるとのことで、公演では、10本ほどの尺八を曲に合わせて使い分ける。「いろいろな音が出せるため、一緒に演奏する楽器をリスペクトし、融合したいときは近づき、際立たせたいときは離すこともできる」という「尺八」の多彩な音色と弦楽器の調べが融合する極上のアンサンブル、『藤原道山&シュトイデ・トリオ』をこの機会にぜひ味わってみたい。公演は11月27日(月)福岡シンフォニーホール。チケットは発売中
2023年11月10日創立135周年を迎える世界最高峰のオーケストラのひとつ「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」の来日記者会見が開催。指揮者のファビオ・ルイージ、同楽団のマネージング・ディレクターのドミニク・ウィンターリングが出席した。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のチケット情報はこちら今回の来日公演は神奈川公演を皮切りに、愛知公演、京都公演と続き、11月7日と9日に東京公演が行われる。プログラムは2種類が用意されており【プログラムA】ではウェーバーのオペラ「オベロン」序曲、リストのピアノ協奏曲第2番イ長調、チャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調 op.64を、一方の【プログラムB】ではビゼーの交響曲第1番 ハ長調、ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95「新世界より」が演奏される。ファビオ・ルイージは、ピアニストのイェフィム・ブロンフマンを迎えてのリストのピアノ協奏曲第2番に触れ「1988年に私が彼と初めて共演した際の思い出深い曲であり、日本のみなさんにお届けできるのを嬉しく思います。当時はお互いに若かったですが、彼は既にロシアピアニズムを代表するピアニストで、卓越した技術を持っていました。リストのピアノ協奏曲第2番はオーケストラとの掛け合いが難しい曲ですが、深く理解し合いながら作り上げていくことができました」と当時をふり返りつつ、感慨深げに語る。これまで幾度となくコンセルトヘボウで指揮棒を振ってきたが、その音のキャラクターについてルイージは「特徴的な音色、その音質を保ちつつ、革新し続けている稀有なオーケストラであり、気品にあふれた音楽的なアプローチは常に革新的なものがあり、共演できることはこの上ない喜びです」と称える。2027年より同楽団の首席指揮者をフィンランド出身の27歳の俊英クラウス・マケラが務めることが決まっているが、ウィンターリング氏は団員の投票でマケラの就任が決まったことを明かし「若いながらも卓越した音楽性と自信に満ち溢れています」と期待を口にする。ちなみにマケラがコンセルトヘボウで初めて指揮棒を振ったのは、コロナ禍のさなか、ルイージの代役としてであり、奇妙な縁で両者を結び付けることになったルイージは「このプロジェクトに私も携わることができて嬉しいです(笑)」とユーモアたっぷりに語り、以前からよく知るというマケラについて「彼の世代を代表する才能あふれる指揮者であり、楽しみです」と笑顔を見せていた。■日本ツアー日程[東京公演]2023/11/9(木) 19:00開演文京シビックホール 大ホール※公演終了11/3(金・祝)ミューザ川崎シンフォニーホール11/4(土)愛知県芸術劇場 コンサートホール11/5(日)京都コンサートホール 大ホール11/7(火)サントリーホール 大ホールイェフィム・ブロンフマン(ピアノ) 出演日:11/4(土)・5(日)・7(火)公演
2023年11月08日上野を舞台に2024年3月15日(金)から開催される「東京・春・音楽祭 2024」概要発表が10月30日に行なわれた。「東京・春・音楽祭 2024」公演情報はこちら桜咲く春の上野を舞台にした国内最大級のクラシック音楽の祭典として2005年にスタートした音楽祭も来年の開催でちょうど20周年を迎えることになり、メインビジュアルのデザインも一新。市松模様に「祭」という字が入った新たなデザインがお披露目された。20周年ということで各プログラムもスケールアップ。これまでオペラ公演(演奏会形式)は2作が基本だったが、来年は倍となる4演目が上演される。音楽祭の“顔”とも言える「ワーグナー・シリーズ」では念願の「トリスタンとイゾルデ」がマレク・ヤノフスキ指揮/NHK交響楽団により行われ、ついに主要オペラ10演目がコンプリートされる。「プッチーニ・シリーズ」ではピエール・ジョルジョ・モランディ指揮/東京交響楽団で「ラ・ボエーム」が、さらに巨匠リッカルド・ムーティを迎えた東京春祭オーケストラによる「アイーダ」、そして2005年の第1回でも取り上げられたシュトラウスの「エレクトラ」がセバスティアン・ヴァイグレ指揮/読売日本交響楽団により上演される。20周年記念公演としては、ヤノフスキ×N響によるワーグナー「ニーベルングの指環」ガラ・コンサートが開催。さらに東京春祭としては11年ぶりとなるバレエ公演も開催され、上野水香を迎え「東京バレエ団 上野水香オン・ステージ」としてラヴェルの「ボレロ」をはじめとする演目が上演される。他にも国内外の一流アーティストによる演奏会が目白押し! オーストリアの至宝と称されるピアニストのルドルフ・ブッフビンダーを迎えてのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏(全7回)に、生誕150年を迎えるシェーンベルクの特集公演ではディオティマ弦楽四重奏団の安達真理らの競演、さらに20世紀を代表する音楽家のひとりであり、東京春祭ともゆかりの深いピエール・ブーレーズ(2016年逝去)が創設した「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」が東京春祭に初めて出演する。開園150周年を迎えた上野恩賜公園内に点在する美術館や博物館の展示室などで行われるミュージアム・コンサート、子どもがクラシックに触れ合う貴重な機会となる「東京春祭 for Kids」などの東京春祭ならではの個性豊かな人気企画も充実。これまでの20年の確かな積み重ねを踏まえつつ、新たな未来へと踏み出す多彩なラインナップとなっている。「東京・春・音楽祭 2024」は2024年3月15日(金)から4月21日(日)まで開催。取材・文・写真:黒豆直樹
2023年10月31日ブレゲ(Breguet)から、新作腕時計「クラシック トゥールビヨン 3358」が登場。直営ブレゲブティックほかにて発売される。ダイヤきらめく「クラシック トゥールビヨン」新作腕時計ブレゲ創業者アブラアン=ルイ・ブレゲを象徴する発明「トゥールビヨン」を備えた腕時計のコレクション「クラシック トゥールビヨン」。その新作「クラシック トゥールビヨン 3358」は、華やかなダイヤルばかりでなく、時計機構にもダイヤモンドがきらめくモデルだ。ホワイトゴールド製とローズゴールド製の2種類を用意する。“星のまたたく夜空”を彷彿とさせるホワイトゴールド製モデルホワイトゴールド製のモデルでは、マザーオブパールに艶出し加工を施したミッドナイトブルーのダイヤルの上に、ダイヤモンドをあしらったゴールドの星を散りばめることで、星がまたたく夜空を彷彿とさせる表情に。さらに、ベゼルやラグにもダイヤモンドをセットするほか、リュウズにはローズカットダイヤモンドをあしらった。ダイヤルの6時位置には、きらびやかなトゥールビヨンを。流れ星をかたどったブリッジには、ダイヤモンドをくまなく敷き詰めるとともに、中央に深い青を湛えたブルースピネルをセットしている。ダイヤモンドを敷き詰めたローズゴールド製モデル一方、ローズゴールド製のモデルは、弧を描くようにダイヤモンドを散りばめたダイヤルが特徴だ。ダイヤルの下部には、楕円型の小窓を設け、精緻なトゥールビヨンを配置。曲線を描くブリッジには、きらびやかなダイヤモンドをあしらった。トゥールビヨンの機構を引き立てるのは、ホワイトゴールドとローズゴールドの上品なコントラスト。さらに、ベゼルとラグにはダイヤモンドがセットするとともに、リュウズにはローズカットダイヤモンドで装飾を施している。50時間のパワーリザーブを誇るキャリバー187Dを搭載「クラシック トゥールビヨン 3358」のいずれのモデルにも、キャリバー187Dを搭載。50時間のパワーリザーブを誇る手巻ムーブメントを備え、堅牢さと精密性を特徴としている。詳細クラシック トゥールビヨン 3358発売日:2023年10月24日(火)販売店舗:直営ブレゲブティック(銀座、阪急うめだ本店、伊勢丹新宿店、日本橋三越本店)、全国正規代理店※入荷状況に関しては要問い合わせ展開アイテム:・18Kホワイトゴールド 20,680,000円・18Kローズゴールド 22,154,000円■仕様・ムーブメント:手巻キャリバー 187D、パワーリザーブ 50時間、振動数 2.5Hz〈18Kホワイトゴールド〉・ケース:18Kホワイトゴールド、ベゼル、ラグ、リュウズに70個のダイヤモンドをセット(約2.145カラット)、ケース径 35mm、ケース厚 9.3mm、3気圧防水・ダイヤル:ブルーマザーオブパールにダイヤモンド6個(約0.0596カラット)、オフセンターのチャプターリング・機構:時、分、トゥールビヨン、トゥールビヨンバーに45個のダイヤモンドをセット(約0.08カラット)・ストラップ:アリゲーターストラップ、ホワイトゴールド製三つ折りフォールディングバックルに42個のダイヤモンド(約0.247カラット)・部品数:168〈18Kローズゴールド〉・ケース:18Kローズゴールド、ベゼル、ラグ、リュウズに70個のダイヤモンドをセット(約2.145カラット)、ケース径 35mm、ケース厚 9.3mm、3気圧防水・ダイヤル:ゴールドに281個のダイヤモンドをセット(約0.837カラット)、 オフセンターのナチュラルホワイト マザーオブパール製チャプターリング・機構:時、分、トゥールビヨン、トゥールビヨンバーに14個のダイヤモンドをセット(約0.837カラット)・ストラップ:アリゲーターストラップ、ローズゴールド製三つ折りフォールディングバックルに42個のダイヤモンド(約0.247カラット)・部品数:168【問い合わせ先】ブレゲブティック銀座TEL:03-6254-7211
2023年10月28日バレンシアガ(BALENCIAGA)のバッグ「エブリデイ 2.0(EVERYDAY 2.0)」「ネオ クラシック(Neo Classic)」ラインから新作が登場。人気バッグラインの日本限定カラーバレンシアガの人気バッグラインより、日本限定カラーや新作アイテムがお目見え。注目は、2024年春コレクションで発表された「エブリデイ 2.0」の日本限定カラーだ。優しげなライトグレーのマテリアルを基調に、中央にバレンシアガロゴが配されている。2020年冬コレクションで初登場した「ネオ クラシック」のハンドバッグも見逃せない。こちらも日本限定色として、秋冬の装いにマッチするニュートラルなライトグレーが展開される。「エブリデイ 2.0」の“ふわふわ”フェイクファー素材トートバッグさらに、「エブリデイ 2.0」より“フェイクファー素材”を用いた新作デザインが到着。強度が高く普段使いにも最適なショッパー型のフォルムはそのままに、リサイクルナイロンをベースとした“ふわふわ質感”のカーリーフェイクファーを採用した。カラーはブラックorライトベージュを用意。センターには反対色でブランドロゴが刺繍されている。【詳細】バレンシアガ 新作バッグ発売時期:2023年10月・エブリデイ 2.0 XS ノースサウス ショルダートートバッグ(ライトグレー) 159,500円<日本限定カラー>・ネオ クラシック ハンドバッグ(ライトグレー) 313,500円<日本限定カラー>・エブリデイ 2.0 XS ノースサウス ショルダートートバッグ(ブラック/ライトベージュ) 185,900円【問い合わせ先】バレンシアガ クライアントサービスTEL:0120-992-136
2023年10月26日神奈川県を本拠地とする唯一のプロ・オーケストラとして1970年から活動を続ける神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下 神奈川フィル)が、2024-2025シーズンのプログラムを発表した。神奈川フィルハーモニー管弦楽団の公演情報はこちら2024年4月には、よこすか芸術劇場で『Dramatic Series 歌劇「夕鶴」』が上演される。神奈川フィルの桂冠芸術顧問であり横須賀の地に暮らした作曲家の團伊玖磨は生前、現在の神奈川フィルの音楽監督である沼尻竜典によこすか芸術劇場のことを「横須賀に行ってごらん、ミラノのスカラ座が建っているよ」と語っていたという。團が愛した地で地元の横須賀芸術劇場少年少女合唱団の子どもたちも参加しての公演は、神奈川のオーケストラとして意義深い。定期演奏会では、まず新シーズンのオープニングとなる4月に、2024年に生誕200年を迎えるブルックナーの『交響曲第5番』を、7月には2024年末で活動を終えることを宣言している井上道義の指揮で、ドビッシーの『夜想曲』に加え、伊福部昭の『ピアノとオーケストラのための「リトミカオスティナータ 」』『日本狂詩曲』を取り上げる。11月には神奈川フィルの定期演奏会が400回を迎える。記念すべきメモリアル演奏会を飾るのはヴェルディの『レクイエム』。ソプラノの田崎尚美、メゾソプラノの中島郁子、テノールの宮里直樹、バリトンの平野和、そして「プロ歌手による神奈川フィル合唱団」と大編成の管弦楽で挑む大作に期待したい。2025年1月にはコリヤ・ブラッハーと神奈川フィルの初共演が実現。ベートーヴェンの『ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61』ではヴァイオリンを演奏しながら指揮をする、いわゆる“弾き振り”を目の当たりにできる。続く『交響曲第5番』は、2023年1月~3月に放送された日本テレビ系列のドラマ『リバーサルオーケストラ』でも話題となった。神奈川フィルはこのドラマに出演し演奏を担うことでこれまでのクラシックファン以外の客層からも注目を集め、2023年1月にはドラマ内で演奏された作品を集めたスペシャルコンサートも開催している。沼尻監督は「僕は台詞がなかった」とジョークを飛ばしながらも、その波及効果に感謝し、「チャイコの5番」への意気込みを覗かせた。SNSやYouTubeの動画配信などでもファンを増やしている神奈川フィル。2024-2025シーズンは、2025年4月から休演となる神奈川県民ホールでの最後の一年となるが、神奈川からクラシック音楽の魅力を発信し続けるオーケストラの活躍を見守っていきたい。取材・文:清水井朋子
2023年10月25日今年で41回目を迎える『サントリー1万人の第九』が、12月3日(日)大阪城ホールにて開催される。本公演は、1万人がベートーヴェンの「第九」を合唱するコンサートで、総監督・指揮を25年連続で佐渡裕が務める。「サントリー1万人の第九」チケット情報佐渡裕とともに、コンサートを盛り上げる今年のメインパーソナリティーには俳優の田中圭、第1部で楽曲を披露するゲストにはEXILE TAKAHIROの出演が決定した。素晴らしいゲストを迎え、今年は「ブラボーの復活」をテーマに、2019年以来4年ぶりに、一般から募集した1万人の合唱団を大阪城ホールに迎え、力強い歌声とハーモニーを奏でる。ソロ活動10周年イヤーを迎えたEXILE TAKAHIROは、佐渡裕総監督の指揮、オーケストラとの演奏で共演し、1万人の第九合唱団と一緒に歌うスペシャルバージョンの楽曲も披露する。チケットは、10月20日(金)18:00から24日(火)11:00まで先行抽選プレリザーブの受付を実施。
2023年10月20日この秋を彩る来日オーケストラの中でも注目度が高いのがフィンランド出身の天才指揮者クラウス・マケラが率いるオスロ・フィルハーモニー管弦楽団だ。東京芸術劇場で行われたツアー初日のコンサート・レポートをお届けする。オスロ・フィルハーモニー管弦楽団の公演情報はこちらマケラはまだ若干27歳。だが2020年からオスロ・フィルの首席指揮者、2021年からパリ管弦楽団の音楽監督、2022年からロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のアーティスティック・パートナーになるなど、驚くような一流オーケストラから次々と指名が来ているマエストロだ。昨年のやはり10月にパリ管と行った来日公演が大評判となったが、今回は長くタッグを組んでいるノルウェーのオスロ・フィルとの来日。しかも演目は彼自身と同じフィンランドの巨匠シベリウスの交響曲第2番と第5番である。劇場はほぼ満席で、クラシック・ファンの期待がひしひしと感じられる熱い雰囲気だ。長身のマケラが登場して交響曲第2番の演奏が始まった。フィンランドの広大な自然の、深い森や川が互い呼び合い、次第に集まってきているような有機的な音楽が聴こえてくる。第2楽章のファゴットは神秘的な音色、そして第4楽章では金管が迫り来る。後半にはより規模の大きな交響曲第5番。内声のヴィオラやチェロも力強い。最後の和音の連続で終わるまで、重厚なシベリウスの音楽は大きな盛り上がりの中に観客を巻き込んでいった。マケラの才能はまず、作品とオーケストラへの洞察力が並外れていることがあげられるだろう。一年前のパリ管の華やかな響きやラヴェルの「ボレロ」などにおけるソロ奏者の個性が際立つ演奏と比べて、オスロ・フィルの音色はより骨太で、北欧らしい直裁的な響きが魅力だが、そのオーケストラの最高の演奏に立ち会っている、という感覚は変わらない。マケラは作品の本質を見抜くのと同じ深さで、自分が指揮をするオーケストラの美質を見抜く力があるのだ。そしてもうひとつの大きな美点は生命力にあふれた音の響きと、客席への届き方だ。スケールが大きいフレージングと、思い切った棒から生まれるタイミングと音の勢いの見事さ。おそらく生まれ持った音楽性なのだろう。その素晴らしさは録音でも味わえるが、彼の音楽と一体になる幸せは同じ空間にいるからこそだ。終演後の客席では熱い拍手が長く続いた。アンコールに演奏されたシベリウス「レンミンカイネンの帰郷」の疾走感も目を見張るものがあった。取材・文:井内美香■オスロ・フィルハーモニー管弦楽団2023年ツアー 今後の日程10月20日(金)アクトシティ浜松 大ホール21日(土)愛知県芸術劇場 コンサートホール22日(日)フェスティバルホール23日(月)サントリーホール 大ホール24日(火)サントリーホール 大ホール26日(木)熊本県立劇場 コンサートホール※ソリスト:辻井伸行 (10/24以外)
2023年10月20日新国立劇場の2023/24シーズンが、プッチーニ《修道女アンジェリカ》とラヴェル《子どもと魔法》のダブルビル(2本立て上演)で幕を開けた[10月1日(日)新国立劇場オペラパレス]。新国立劇場オペラ「修道女アンジェリカ」「子どもと魔法」のチケット情報はこちら正攻法の修道院のセットで演じられた《修道女アンジェリカ》。やはり何と言っても題名役のキアーラ・イゾットン(ソプラノ)が圧巻だ。伯母の公爵夫人によって息子の死が告げられた後の20分ほどは(合唱はあるものの)アンジェリカの一人芝居。会えないままに死んだわが子を思う悲痛なアリア〈母もなしに〉。毒をあおって自死を選ぶ罪と、それによって天国で子どもに会えないかもしれないことを悔い怖れる叫び。深い響きの力強い声で客席を唸らせた。事前開催のトークイベントで、ラストシーンの「奇跡」の描き方が見どころと語っていた演出の粟國淳。彼がアンジェリカに用意したのは、亡き子が聖母に導かれて現れるショーアップされた奇跡ではなく、黒い十字架の下の、孤独で静かな死だった。納得。休憩を挟んで後半はラヴェル。粟國は、ダブルビル上演でよくあるように舞台美術を共有するのでなく、2作品を独立した作品として扱う。アニメ映像が生の舞台へ変わっていくカラフルなファンタジー。子どもたちが観てもきっと楽しい、ワクワクする《子どもと魔法》を描き出した。主役の「子ども」を演じるクロエ・ブリオ(ソプラノ)を別にカウントすると、上映時間45分の短い作品の中に9人の歌手たちが入れ替わり立ち替わり登場して20の役を歌う。物語の構成上も、そして音楽的にも、そうした短いエピソードの集積でできているので、見どころ・聴きどころが満載だ。コロラトゥーラの名人芸からダンス音楽まで、さまざまなジャンルの音楽が玉手箱のように詰まっている。一人だけ、最初から最後まで出ずっぱりなのが子ども役のブリオ。フランスの若手だが、この役をすでに200回(!)歌っているそう。やんちゃな少年ぶりで、いわば狂言まわし的に各場面を巧みに結ぶ。ラヴェルっぽい4度下行の「ママ!」がメジャー7の和音とともにふっと消えるラストの、幻想的で不思議な余韻。指揮の沼尻竜典が東京フィルから音のニュアンスや色彩の変化を鮮やかに引き出すのを目の当たりにして、彼の作曲の師が、ラヴェルをことさらに愛した三善晃だったことをあらためて思い出した。公演は10月9日(月・祝)まで残り3公演。(宮本明)
2023年10月03日「ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会 2023」が9月16日(土)の文京シビックホール 大ホールでの公演を皮切りに、全国32都市・51公演が開催される。「ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会 2023」のチケット情報はこちら本コンサートは、ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークの音楽を、ニューヨークで活躍するヴォーカリストとオーケストラの生演奏でお贈りする、大人のための音楽会。21回目を迎える今年は「With You ~愛を奏でる」をテーマに、アニメーション映画『美女と野獣』をフィーチャーするほか、「ディズニー100:ディズニーが育んだ物語」と題し、19作品をフィーチャーした特別なメドレーなど、ディズニーの輝く名曲の数々を楽しめる構成だ。ミュージカル『Godspell』などの地方公演に出演し、ディズニー・オン・クラシックには2度目の出演となるシェイレン・ハージャー(Shaylen Harger)。今回『美女と野獣』のベル役を歌うことについて「小さい頃に見て大好きだった作品。あの頃の気持ちや何が大好きだったのかを思い出しながら、役をどう表現しようかと考え準備しています」。日本の観客については「米国と比べてリアクションが控えめで、楽しんでいただけているのか心配していましたが、コンサートの途中で涙を流している姿などを見て、皆さんの“内なる子ども”が深く感じてくださっているのだと知りました。今回もお客様とつながって、喜びや幸せを共有できたら」と話す。ミュージカル『スウィーニー・トッド』など、地方公演での主要キャストを経験し、今回が初来日となるヒュー・エントレキン(Hugh Entrekin)。今回の野獣役については「実をいうと結構難しい役。最初は誰に対しても尊敬も愛もない彼が、誰かを、そして自分を大切にする過程を描かなくてはいけないから。今回の『With You』というテーマにも通じますが、愛にたどり着く素晴らしい過程を表現することになるので、僕自身も楽しみです」。恐らくファンにとってはお馴染みの指揮者、リチャード・カーシー(Richard Carsey)は「日本に来て毎回すごいなと思うのは、一つひとつの行いが綺麗で丁寧で誇りを持って行われていること」と話す。そして「我々がこのディズニー音楽に対する愛を一生懸命表現して、皆さんにお届けします。ディズニーに対する愛をお客様とも共有したいと思います」と語った。取材・文:五月女菜穂
2023年09月26日いま国内屈指の成果を挙げ続けているオーケストラと指揮者のコンビが、東京交響楽団と音楽監督ジョナサン・ノットである。2023/24シーズンも「エレクトラ」の超名演をはじめ、マーラーやブラームスの交響曲など信頼を深める彼らならではの演奏を聴かせている。ノットは10月の東響公演で、こだわりあふれる2つのプログラムを披露する。まず14日・15日はドビュッシー(ノット編)交響的組曲「ペレアスとメリザンド」とヤナーチェク「グラゴル・ミサ」。近代フランスのドビュッシー唯一のオペラ「ペレアスとメリザンド」は彼独自の精妙極まりないハーモニーと音色が美しく後世にも大きな影響を与えた重要作。「グラゴル・ミサ」は近代チェコのヤナーチェクの代表作で、4人の独唱と合唱が加わる大作だ。ミサ曲でありながら歌詞は古代スラヴ語、独特の技法で書かれた音楽のユニークさは痛快なほどで、最終盤にはパイプオルガンの超人的なソロまで登場する。いずれもノットの精緻かつ情熱的な指揮でこそ聴きたい傑作で、ヤナーチェクは本場の名歌手陣と東響コーラスと共に心のこもる演奏を作り上げる。21日はリゲティ「ハンガリアン・ロック」、ベリオ「声(フォーク・ソングII)」、そしてブルックナーの交響曲第1番の3曲。今年生誕100周年のリゲティは20世紀ハンガリーを代表する現代作曲家で、ノットは以前から継続的に取り上げてきた。今回はチェンバロの難曲「ハンガリアン・ロック」を大木麻理がオルガンの超絶技巧で聴かせる。続く「声」は20世紀イタリアのベリオによる技巧的ながら古雅な響きを保つヴィオラのソロに現代的な管弦楽の響きが絡む楽曲で、ヴィオラの世界的名手ディミトリ・ムラトのソロで聴けるのは嬉しい。19世紀オーストリアのブルックナーもノットが取り組み続けている作曲家で、初期の意欲作である交響曲第1番をどのように瑞々しく構築するのか注目となる。10月に取り上げられる5人の作曲家たちは、それぞれが生涯にわたり独自の音楽語法を追求したユニークな存在である。特にドビュッシー、ヤナーチェク、ブルックナーの3人は、19世紀に生まれて当時主流の音楽の強い影響下で育ちながらその影響から脱し、他のどの作曲家にも似ていない唯一無二の音楽を作り上げて音楽史に輝く存在になったという共通項がある。ノットと東響の実演で、彼らの重要作の真価を体感したい。(林昌英)東京交響楽団のチケット情報はこちら■公演日程2023/10/14(土) ミューザ川崎シンフォニーホール (神奈川)2023/10/15(日) サントリーホール 大ホール (東京)2023/10/21(土) 東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル (東京)
2023年09月25日プッチーニ《修道女アンジェリカ》とラヴェル《子どもと魔法》のダブルビル=2本立て上演(新制作)で幕を開ける新国立劇場の2023/24シーズン。指揮の沼尻竜典と演出の粟國淳が演目の魅力を語るオペラトークが開催され、熱心なファンが集まった(聞き手:井内美香)。[9月18日(月・祝)新国立劇場オペラハウス ホワイエ]新国立劇場オペラ「修道女アンジェリカ」「子どもと魔法」のチケット情報はこちらダブルビルというと、多くの場合は舞台装置を共有して上演する。しかし今回はあえて別々の装置を組み、作品の書法の違いをはっきりと見せることで、逆に両者に通じるテーマがどこにあるのかを感じてほしいと語った粟國。その共通性については今回、「母の愛」という大きなテーマが掲げられているが、他にもたとえば、「それは本当に起きたことなのか?」。《修道女アンジェリカ》のラストは、死んだ愛児が聖母とともに現れる奇跡のシーン。約100年前のMET初演時は、写実的すぎる演出が不評だったのだそう。粟國は「奇跡は本当に起きたのか。奇跡というのはみんなに見えるものではない。アンジェリカが奇跡と感じればそれが奇跡なのだという方向で描きたい」と話した。一方の《子どもと魔法》は、物や動物たちが動きしゃべるファンタジーな世界観そのものが、本当に起きていることのか、夢なのか。言われて初めて気づいたのが、両作品に登場する「子ども」の年齢。アンジェリカが未婚の子を産んだのが7年前。《子どもと魔法》の主役である子どもの年齢も6~7歳という設定だ。「短く言うと“7歳ダブルビル”です」という沼尻の「分析」が大いにウケた。沼尻が明かした修道女たちの衣裳に関わるエピソードも面白かった。立ち稽古では各自が役名のゼッケンをつけているのでわかりやすいのだけれど、同じ修道服を着て頭巾を被ると区別がつかず、指揮者としては歌のきっかけを与えるのに苦労するのだとか。しかし粟國によれば、それこそが大切なポイントだそうで、個が曖昧な修道院という社会の中で、修道女一人ひとりの個性が少しずつ描かれ、それがやがて大きく展開してアンジェリカの絶望と自殺につながるのだという。なるほど!後半には歌手たちが登場して楽曲紹介も。眼前で繰り広げられるこまやかな歌唱の能弁さに、本番へのわくわく感が一気に最高潮に達した。新国立劇場の『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』は10月1日(日)から9日(月・祝)まで全4公演。新国立劇場オペラパレスで。(宮本明)
2023年09月21日2021年のショパン国際ピアノ・コンクールにて反田恭平と2位を分かちあい、またクリスティアン・ツィメルマン賞(ソナタ最優秀演奏賞)を受賞したアレクサンダー・ガジェヴ。昨年6月~7月のリサイタルではソールド・アウト続出、また「題名のない音楽会」などへの出演でさらにファン層を広げた。ショパン・コンクール後もイタリアで最も権威ある「フランコ・アッビアーティ賞」の2022年ベスト・ソリスト賞を受賞、同年には優れたピアニストに与えられるイギリスのテレンス・ジャッド賞を受賞。また2025年欧州文化首都ノヴァ・ゴリツァの文化大使に選出されるなどなど多彩な活動と芸術性が高く評価されている。ガジェヴの音楽は常に文化的背景や思想を感じさせるもので、新しさと発見に満ちており、とはいえ難解ではなく、常に心をキュンとさせるガジェヴ節でファンの心を捉えて離さない。アレクサンダー・ガジェヴ チケット情報はこちら今回のソロ・リサイタルは11/7(火)東京オペラシティ コンサートホールほか各地で開催。“「心の動き」を巡るプログラム”と題し、バッハの変ホ長調のフランス組曲第4番、フランク「前奏曲、フーガと変奏曲」、ショパンのノクターン(夜想曲)とスケルツォ第3番、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」をお届けする。全国ツアー以外にも大阪フィルハーモニー交響楽団との共演の公演もあるので、そちらもぜひお見逃しなく。チケットはいずれも好評発売中。【アレクサンダー・ガジェヴ ピアノ・リサイタル】2023/10/23(月) グランシップ 中ホール・大地 (静岡)2023/11/1(水) 札幌コンサートホールKitara 大ホール (北海道)2023/11/4(土) 北九州市立響ホール (福岡)2023/11/7(火) 東京オペラシティ コンサートホール (東京)2023/11/11(土) 住友生命いずみホール (大阪)2023/11/12(日) 東広島芸術文化ホールくらら 大ホール (広島)【大阪フィルハーモニー交響楽団 京都特別演奏会】2023/10/29(日) 京都コンサートホール 大ホール (京都)[指揮]秋山和慶 [ピアノ]アレクサンダー・ガジェヴ
2023年09月19日東京二期会が新東京二期会オペラ劇場「ドン・カルロ」 の公演情報はこちら制作『ドン・カルロ』を上演する。二期会創立70周年記念公演シリーズの一環で実現する、シュトゥットガルト州立歌劇場との提携公演、また気鋭の女性演出家ロッテ・デ・ベアの日本初登場の舞台として注目される。稽古場での囲み取材に現れた彼女が、作品への思いを明かした。日本での初演出について、「実は、自分のキャリアのかなり初期に、アシスタントとして一度来日したことがあります。その頃から夢見ていたことが実現し、とても嬉しく思います」とチャーミングな笑顔を見せるデ・ベア。過去の来日というのは、2011年2月の、鬼才ペーター・コンヴィチュニー演出による『サロメ』上演時のことだ。アムステルダム芸術大学で演出を学んだのち、コンヴィチュニーの薫陶を受けた。2019年にシュトゥットガルトで初演されたこのプロダクションでも、そこで育まれた鋭い視点、大胆な手法が存分に発揮される。大航海時代のスペインの宮廷を舞台に繰り広げられる愛憎劇『ドン・カルロ』。恋人が父である王の妻となり苦しむカルロのみならず、様々な立場の人物の葛藤する姿が描かれるヴェルディの大作だ。「このオペラの価値は、永遠に続くものと思っています。人々の権力闘争は、過去のものではないのです」と語るデ・ベア。「このプロダクションが初演された2019年、米国ではトランプ大統領とペンス副大統領が、人々の、たとえば女性の権利を奪おうとしていた。私は、この作品の時代設定をいまから40年後の世界としています。いまもこの世界では戦争をはじめいろんなことが起こっていますが、これがどんどん酷くなったら、という想像のもとでの設定です。そこで、自由を奪われ、様々な規則の中で生活する女性たちのことを表現できるのではないかと思いました。私はいつも、普通の人間を、表現したいのです」。演出に取り組む際には、「なぜいま、この作品を演じるのか」ということを最初に考えるという彼女。2022年9月にウィーン・フォルクスオーパー初の女性芸術監督に就任、オペレッタの殿堂に新風を吹き込むという大仕事にも取り組む。オペラの未来を担う才能の登場に、期待が高まる。指揮はレオナルド・シーニ、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。9月30日(土)よこすか芸術劇場を皮切りに、10月7日(土)・8日(日)札幌文化芸術劇場hitaru、10月13日(金)~15日(日)東京文化会館 大ホールで上演。(取材・文:加藤智子)
2023年09月08日サントリーホールと日本フィルハーモニー交響楽団の新企画「にじクラ」が好評だ。そのタイトルは、“平日の午後に楽しむクラシックコンサート”という額面通りのものながら、「虹」をイメージさせるあたりに夢がある。気になるコンサートの内容は、クラシック好きの俳優高橋克典が案内する大人のためのトーク付き名曲コンサート。まさに、クラシックに興味はあるけれど、何を選んだら良いのかわからない、という方々にピッタリの新企画だ。どこかで耳にしたことのある名曲も、その曲名はもちろん、作品の背景を知ることによって親しみが倍増すること間違いなし。そんなお手伝いをしてくれるのが、音楽全般に幅広い関心を持つ俳優高橋克典なのだから言うことなし。第2回目となる9月26日(火)公演のプログラムは、サン=サーンスの『ワルツ形式の練習曲によるカプリース』に、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」から第2楽章&メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調」から第3楽章に、チャイコフスキーの幻想序曲『ロミオとジュリエット』という名曲のオンパレード。平日の午後をゆったり過ごすのにピッタリの選曲だ。さらに嬉しいのは、コンサートの始まる20分前に、オルガン・プレコンサートが開催されること。サントリーホールの巨大なオルガンをまだ体験したことがないという方には絶好のチャンス到来。これぞ“1粒で2度美味しい”コンサートのあり方だ。大人の午後はこうありたい。日本フィル&サントリーホールにじクラトークと笑顔と、音楽と第2回9月26日(火) 14:00開演(13:20開場)※オルガン・プレコンサート 13:40~サントリーホール 大ホール■チケット情報指揮:広上淳一ヴァイオリン:成田達輝ピアノ:萩原麻未ナビゲーター:高橋克典ン゠サーンス(イザイ 編曲):ワルツ形式の練習曲によるカプリースモーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K. 467 より 第2楽章メンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調 より 第3楽章チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
2023年08月28日10月6日(金)より、70名以上を率いて20年ぶりに日本公演を行う、アメリカの至宝“ボストン・ポップス”。開催まであと1か月半となった「ボストン・ポップス on the Tour 2023」の、10月8日(日)東京国際フォーラム ホールA、10月13日(金)大阪・フェスティバルホールで行う「STAR WARS:The Story in Music」のストーリーテラーが決定した。「ボストン・ポップス on the Tour 2023」チケット情報10月8日(日)の東京国際フォーラムホールA公演でストーリーテラーを務めるのは、「スター・ウォーズ」シリーズで、カイロ・レンの日本語吹き替え版声優を担当する津田健次郎。一方、10月13日(金)の大阪・フェスティバルホールのストーリーテラーは、「スター・ウォーズ」シリーズでアナキン・スカイウォーカーの日本語吹き替え声優を務める、浪川大輔が担当する。エピソード1~9の名曲たちと共に、観客をスター・ウォーズの世界へ誘う担い手として、「スター・ウォーズ」シリーズの日本語版声優を務めるふたりが、本公演のストーリーテラーを担当することになった。なお、今回の「STAR WARS:The Story in Music」は、本場アメリカで今年初披露となるプログラムで、アメリカ国外では世界最速、日本初上陸となる。また、東京、大阪両公演ナビゲーターに、元フジテレビアナウンサーで、現在はフリーとして活躍する笠井信輔が就任。年間130本以上の新作映画を鑑賞するほどの映画好きとしても知られる笠井が、映画音楽の巨匠、ジョン・ウィリアムズが作り上げた「STAR WARS」の音楽をじっくりと楽しむことができるこの公演を、さらに盛り上げる。「STAR WARS:The Story in Music」の各公演チケットは発売中。
2023年08月18日ドイツを拠点に活躍する本格派ピアニスト、河村尚子とアレクサンドル・メルニコフ。ちょっと思いがけない顔合わせで、この11月、初めてのデュオ・リサイタルがひらかれる。東京芸術劇場コンサートホールの響きのよい空間で、2人のピアニストが向き合うシリーズ「VS」の第7弾にして、外国籍の演奏家が登場する初めての機会だ。「サーシャ・メルニコフとは10年以上知り合いですけれど、共演するのは初めてですし、本当に大スーパースターだから。すごく優しい、いい人なんですよ。でも、ロシア人らしく、口では本当に厳しいことを言う。つねに真剣に、作曲家の意図を理解し、それを表現しようとしている人だと思います」と河村尚子は言う。シューベルト晩年の「幻想曲」で始まり、ドビュッシー自身の4手連弾版による交響詩「海」、ラフマニノフの2台ピアノ版「交響的舞曲」へと時代を進む多彩なブログラム。シューベルトの音楽は近年集中して取り組んでいるが、オーケストラでも名高い2曲は、河村尚子にとって新たな挑戦となる。「シューベルトは掘り下げてきて、また違う顔がみえてきたし。『幻想曲』はすごくシンフォニックで、2手では弾ききれないことがたくさん詰まっていると思うんです。ドビュッシーとラフマニノフはメルニコフが提案してくれました。オーケストラの曲を弾くのは私も好きなので、うれしいなと思って。あまりコンサートでは採り上げていませんが、ドビュッシーは大好きなんです。音を弾くとともに色彩が空気に広がって、なんて素敵なんだろうって。ラフマニノフは聴いていて面白いし、かっこいいし、じーんとくるし。彼の和声がやっぱり私はとても好きなんですね」。ピアニストどうし、それぞれの視点でみつめる作曲家の世界が対話する場でもある。「3人の作曲家にもっている意見や感情が、きっと私とメルニコフでは異なってもいるでしょう。思いが違っていて全然かまわないし、その表現の違いを私は彼から聞きたいと思うんですよ。10月にベルリンでリハーサルをするので、そこで思う存分話して、意見を交わしていければと。いろいろ学びたいですし、コンサートがどういうふうになるのか、すごく楽しみです」。芸劇リサイタル・シリーズ 「VS」 Vol.7 河村尚子×アレクサンドル・メルニコフnoの公演情報はこちら取材・文青澤隆明(音楽評論)
2023年08月09日『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』など、スタジオジブリの映画で長く愛されている楽曲を歌う井上あずみと娘のゆーゆ。またテレビアニメ『ポケットモンスター』の主人公サトシを26年務め、オープニングテーマの【めざせ!ポケモンマスター】を歌う松本梨香。この3人が大阪交響楽団の演奏でアニメソングの名曲の数々を披露するオーケストラコンサートが、初めて兵庫県立芸術文化センターに登場する。「大阪交響楽団 夏休みアニメソング・オーケストラコンサート」 チケット情報指揮はドイツを拠点に国内外で活躍する齋藤友香理。トークやクイズコーナーも織り交ぜ、ジブリやポケモンの歌を親子で一緒に歌える楽しい夏休みの企画だ。【となりのトトロ】を35年間歌い続け、今年歌手デビュー40周年となる井上あずみが来阪、歌とコンサートへの思いを語った。『となりのトトロ』と言うだけで、すぐに歌が口をつくテーマ曲。あの透き通った歌声が井上あずみだ。海外でも多くコンサートを開催してきたが「みなさん映画やDVDで『トトロ』をご存じで、トットロ、トットロって歌ってくださるんです」と笑顔で。1986年にスタジオジブリ作品『天空の城ラピュタ』の挿入歌【君をのせて】に抜擢されて以降、『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』などにも参加。「ずっと歌い続けて行ける曲に巡り合って、40年コンサートを続けて来られたのはすごいこと。大事にしていきたいです」。今回は初めての会場で、大阪交響楽団、指揮者の齋藤とも初共演、さらにプライベートでも仲良しの松本梨香とオーケストラのコンサート共演は初めてで「めちゃめちゃ楽しみです」と喜ぶ。今回のコンサートで最初に母娘で歌う曲は『となりのトトロ』から【さんぽ】。「ここでみんなが大きな声で歌ってくれたら、つかみはOKみたいな感じの曲です(笑)」。声出し禁止だったコロナ禍を経て「この曲の子供たちの大きな声で、あぁ、日常が戻って来たんだなとわかります」。今回、特に聴いてほしい曲がある。まずは『天空の城ラピュタ』より久石譲作曲の【君をのせて】。「オーケストラ用に作られた曲なので、フルオーケストラだと大迫力になると思います」。もう1曲は【ビリーブ】。アニメの曲ではないが、小学校の卒業式などでよく歌われ、大人になってから聴くと歌詞が心にしみる。「今回は、小さなお子さんにフルオーケストラの迫力を知ってもらえるいい機会だと思います。クイズコーナーはお客様にも参加していただける構成なので、みんなで歌いに行く!みたいな感じで楽しんでいただけたら。夏休みの思い出の1ページになるようなコンサートにしたいと思っています」。公演は、8月11日(金・祝)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールにて。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2023年08月01日夏休み。子供たちのオペラデビューにぴったりの作品が上演される[8月5日(土)6日(日)東京芸術劇場シアターイースト]。昨年ルクセンブルクで初演されたばかりの《アトランティス・コード》。演出を手がけるのは、ドイツを拠点に活躍する菅尾友。タイトルは「アトランティスの暗号」の意。しかし本作は、1万年前に海中に沈んだ伝説の島を描いたSFアドヴェンチャーではない。母子の成長の物語。「お母さんと息子の関係が中心で、そこにファンタジーの要素が入り込んできます。少年の成長。それを通してお母さんも学ぶという、非常に面白い物語です。音楽は現代的な音で書かれていますが、それが違和感なく、感情や物語のシチュエーションがすごくよくわかるように作られています」ドイツ人の作曲家フランク・シュヴェマーと台本作家ミヒャエル・フロヴィンのコンビによる作品。「10年ほど前に、彼らの《ロビン・フッド》という子供向けの作品を一緒にやって衝撃を受けました。巧みな言葉遊びと、その言葉に密接して書かれた音楽の面白さ。二人と一緒に作った新作の《アトランティス・コード》を、ぜひ日本の子供たちにも楽しんでもらいたいと思っていました」言葉遊びを感じてもらうためには日本語翻訳が必須となる。日本語台本も菅尾が手がけた。「難問でした(笑)。さいわい作曲家と作家と近い関係で、彼らが何を目指しているのかはわかっているので、ドイツ語を直訳するだけではなく、日本の感覚に置き換えて意訳したり、別の面白い方法を考えて。ミヒャエルも、東京の地名に変えた日本用に改訂した台本を書いてくれました」ルクセンブルクの初演も菅尾が演出しているが、今回はそれとは別の新プロダクション。「カラフルで楽しい強い舞台。大人たちも本当に楽しめると思います」母と二人、貧しく暮らす少年は、読み書きに軽い障害があって苦労している。ある日アトランティス島の謎が書かれた本と出会った彼は、本の力で現れた不思議なアトランティスの住人との交流の中で、文字を読めるようになり、失われた島の謎を読み解こうとする。謎が明らかになると、人類によって再び滅ぼされてしまうと心配する不思議な生き物。一方、本を売れば金持ちになれると目論む母親。思いは三者三様だ。少年を反中洋介(テノール)、母親を柳原由香(ソプラノ)、不思議な世界の生き物を宮地江奈(ソプラノ)が演じる。5人編成の小オーケストラ。指揮は齋藤友香理。(宮本明)
2023年07月28日日本で最も長い歴史を持つ交響吹奏楽団「オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ(Shion)」が、創立100周年を記念して、CMや映画でも有名なカール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」の吹奏楽バージョンに挑む。祝100周年!オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ 特別演奏会「カルミナ・ブラーナ」 チケット情報「おお、フォルトゥーナ(運命の女神よ)!」。一度聴いたら忘れられないド迫力の合唱で始まり、力強いリズムの繰り返しで命の喜びを歌う「カルミナ・ブラーナ」が、オーケストラを吹奏楽に替えたフルバージョンで上演される機会はめったにない。合唱と児童合唱、3人のソロ歌手、2台ピアノと打楽器群は原曲のまま、吹奏楽ならではの圧倒的な輝かしさを体験できる。Shionは1923(大正12)年、元陸軍第四師団軍楽隊の有志が「大阪市音楽隊」として結成した。大阪市民に愛されて洋楽普及に貢献し、「大阪市音楽団」へ改称。2014年に民営化し、現在の名前に。吹奏楽コンクール課題曲の参考演奏や、選抜高校野球大会の入場行進曲収録も担当している。指揮を務める大植英次は、小・中・高校時代に吹奏楽に打ち込み、打楽器、トロンボーン、フルート、ホルンに親しんだブラス・ファンでもある。「Shionはブラスアンサンブルの頂点に立つ団体。仲間意識がタイトで固有のサウンドを持った、大阪の宝、日本の宝」と語る。曲目はほかに吹奏楽コンでおなじみの「大阪俗謡による幻想曲」、「ダフニスとクロエ」。吹奏楽・合唱に打ち込む子供たちにもお勧めしたい、必聴のコンサートだ。《第61回大阪国際フェスティバル2023》祝100周年!オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ 特別演奏会「カルミナ・ブラーナ」チケット発売中Pコード:239-024■開催日時9月2日(土) 15:00開演(14:00開場)■会場フェスティバルホール(大阪市北区中之島2-3-18)■出演者吹奏楽:オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ指揮:大植英次合唱:大阪フィルハーモニー合唱団、岸和田市少年少女合唱団独唱:老田裕子(ソプラノ)、清水徹太郎(テノール)、青山貴(バリトン)■曲目オルフ:「カルミナ・ブラーナ」(吹奏楽編曲版/マス・キレス編)大栗裕:大阪俗謡による幻想曲ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲(吹奏楽編曲版/佐藤正人編)※バルコニーBOX席、学生席は取り扱いなし。未就学児童は入場不可。
2023年07月27日