器楽奏者である青木だが、言葉と音楽は切り離せない関係と言い切る。「演奏はもちろん、教えるという場でも常に意識しています。フレーズや和声、テンポや呼吸。作曲家がそこに託した言葉を読み取ろうとする試みが演奏の基本であり醍醐味です。今回マイムと一緒に表現することで、その言葉を、より具体化しなければならないと感じています。彼らとコラボレーションすることで、ひとつひとつのフレーズがマイムの動作とつながって、より細かい単位で聴こえてくるようになり、演奏がより豊かに、より自由になっている気がします」
コンサートは2幕構成で、第1幕は言葉本来の役割である「対話」をテーマに、第2幕はタイトルに「言葉」を持つ作品で構成。バッハから日本の現代作曲家・柿沼唯まで、時間と空間を縦横に行き来する。
オルガンの魅力は、その膨大な「可能性」にあると青木は言う。
長い歴史を誇るレパートリー。何千というパイプが奏でる無限の音色。そしてひとつとして同じ楽器が存在しないという魅力。オルガニストにとっては毎回が新しい出会いであり、新たな発見なのだ。
「どの時代をとってもどこかで聞いたことのある作曲家のオルガン作品を見つけることができます。