休館のため、2022年度の事業が新館長としての初シーズンとなるが、休館中にも、最新のVR技術を駆使する「移動型みなとみらい」で病院などを巡り、ふだんホールに来場することができない人々にホールを体感してもらいたいというプランを明かした。まだ計画段階だが、音楽ホールの新しいあり方を探る姿勢をさっそく示した格好。一方で、たとえば現代音楽の新作を委嘱する「Just Composed」など、池辺が手がけた意義ある企画はしっかり継承していきたいと約束してくれた。
つづいて発表された2020年度の公演ラインナップでは、やはり2020年ならではの企画が特徴的だ。「Tokyo 2020」開催期間を含む7~9月を「MMMusic for 2020」と名付け、音楽ジャンルや伝達メディアを超えて体感するアート・プログラム「きこえる色、みえる音」や、子供たちのための参加型イベント「みなとみらい遊音地」などを開催する。そして生誕250年のベートーヴェンの「第九」をメインに据えたのが10~11月の秋シーズン。リスト編曲のピアノ版と、ピリオド楽器オーケストラ「オルケストル・アヴァン=ギャルド」による2つの「第九」が演奏される。