M3の『スポットライト』は、ジェイミーの親友プリティがメインのナンバー。優しく、そして力強くジェイミーの背中を押すプリティだが、その美しく伸びやかな旋律は、聴く人すべての応援歌になるだろう。
M4『伝説のロコシャネル』は、これまでの楽曲から一転。ジェイミーをドラァグクイーンの世界へと導くロコシャネルの半生が、ムーディなメロディに乗って語られる。特に冒頭のシンバルとトランペットが印象的。M5『もし昔の私に会えたなら』はジェイミーの母親マーガレットのソロ。一音一音をたっぷりと響かせるスローバラードで、マーガレットの後悔や悲哀を秘めつつ、その根底にあるのはジェイミーへの愛だと感じさせる切ないナンバーだ。M6『芸術』はジェイミーや生徒たちによるアップテンポなナンバー。
リズムで聴かせつつ、カットインする重厚なギターサウンドがカッコいい。そして最後はM18『アンコール』。こちらはぜひ劇場でご確認を…。
『ジェイミー』の楽曲について前嶋はこう語る。「ポップスを下敷きにした数あるミュージカルの中でも、この作品の楽曲はすごく覚えやすい。どの曲もスッと入ってくるので、ぜひラフな感じで楽しんで欲しいです」
取材・文:野上瑠美子