渡辺えり&高畑淳子、「老後の資金がない」ことを明るく喜劇に
新橋演舞場、大阪松竹座にて上演される、『喜劇 老後の資金がありません』。垣谷美雨の小説を原作に、平凡な主婦に襲い掛かる仕送り、年金、葬式資金と、誰にも覚えがある「老後の資金」問題を、脚色・演出にマギー、主演に渡辺えり、高畑淳子を迎え、喜劇として描き出す。
渡辺が演じるのは主婦の後藤篤子。夫は家計に無頓着、姑へは仕送りがあり、さらに長女の派手婚と、様々な問題が降りかかる自身の役について、普通の人などいないとしながらも「地味な、目立たない、普通の人になりますね」と話す。「派遣の契約社員として働く中で、娘が派手婚を決めて、急に出ていくお金が増え、自分を犠牲にして夫や娘のために尽くしてしまう。家計をやっていくというのは難しいんだな、というのを再認識させられる」と、自身の役を現代社会が抱える延長にいる人物と捉えたコメント。高畑演じるのは、夫と小さなベーカリーを営む神田サツキ。「基本たくましそうな人に見えるけど、そういう自分になりたかったというセリフがあって」と高畑が語る通り、年金を当てにしていたが姑が認知症になり……とサツキもまた問題を抱える役だ。
お互いの色々な作品を観ていたというが、意外にも二人は舞台初共演。