ドビュッシー:《月の光》
ストラヴィンスキー:《火の鳥》(1919版版)
冨田勲:《ドクター・コッペリウス》第7楽章「日の出」Rise of The Planet 9より
《ジャングル大帝》は手塚治虫のアニメ(1965)の音楽による管弦楽作品。《コッペリウス》は生前の冨田の構想に基づき補完された遺作で、終楽章「日の出」は先の東京オリンピック開会式の聖火点灯シーンでも流れた。
「火の鳥が象徴する不死鳥=蘇るというテーマが、演奏会全体の核になっています。《ジャングル大帝》の陽が昇る情景から始まり、月の光を挟んで、闇から始まる《火の鳥》。そして最後に「日の出」で、本当に感動的なクレッシェンドから、また陽が昇ります。ひとつの大きな波を作って希望に向かうストーリーです」
映像的なイメージを軸に構成されているから、誰もが音楽の世界に入り込みやすいはず。とくに《ジャングル大帝》では名バリトン大山大輔の歌と語りが入る。「物語の温度や空気感をさらに具体的に感じていただけます」。
「冨田先生の音楽が、日本の遺産として受け継がれるべきものであることを、みなさんと一緒に認識していけたらいいなと思っています」
(宮本明)