「生地選びが大変でした。独特のゴシック調で、シェイクスピア劇を見るようなイメージ」と吉田。昨年2月には衣裳の打ち合わせのために渡英するも、その直後に感染状況が悪化、上演延期が決定的に。「ですが、逆によかった。ゆっくりと時間をかけてダンサーたちのことを知り、彼らに私が何を求めているか理解してもらえた。今回の上演は完璧なタイミングだと思います」。
日替わりで主役を演じるダンサーたちも登場。オデット/オディール役の米沢唯、小野絢子、柴山紗帆、木村優里、ジークフリード王子役の福岡雄大、奥村康祐、井澤駿、渡邊峻郁、長野公演で同役を演じる速水渉悟が、舞台への意欲を言葉にした。
その後、本作の魅力について改めて問われた吉田。「『白鳥の湖』にはいろいろな演出がありますが、初演から40年、ライト版『白鳥の湖』が上演され続けているのには理由がある。これは、『白鳥』本来の魅力を残しつつ、彼自身の解釈を入れて成功している作品。改めて、素敵な演出だなと感じています」と確信に満ちた笑顔を見せた。
公演は10月23日(土)から11月3日(水・祝)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。