伊藤純奈「裏表あるマドンナをギャップで」、『腹黒弁天町』で拓く俳優道
撮影:荒川潤
ふぉ~ゆ~の福田悠太と辰巳雄大が主演を務める、パルコ・プロデュース2022『腹黒弁天町』。本作へ出演する伊藤純奈に、稽古前の心境を語ってもらった。
夏目漱石『坊っちゃん』の世界観にインスパイアされた鈴木聡が書き上げ、自身の主宰する劇団ラッパ屋で1994年に初演した本作。劇中では、東京から田舎の弁天町に赴任してきた2人の若い教師が、計略や陰謀にまみれた上司に同僚、街の有力者や芸者らと出会って対照的な道を歩んでいく姿が切なくもコミカルに描かれる。今回はカムカムミニキーナの松村武が演出を手がける。
伊藤は、台本を読んだ感想を「人間くさいキャラクターの行く末を、お風呂に浸かりながら夢中で読み進めました」と振り返る。同じ鈴木作の『阿呆浪士』(2020年)に出演した際の印象も踏まえて「鈴木さんの作品って哀しみとおかしさが絶妙なバランスで溶け合っていて、今回も考えさせられました」と続き、「その世界でまた役人物として生きられるのが本当に嬉しいです」と目を輝かせた。
自身の役どころは、街の“白百合”と称される英語教師・美智子。
だが、いわゆるマドンナ的な存在に終始しない裏表のある美智子について、伊藤は「女の武器を最大限に活用する、芯があって強いキャラクターですよね」