くらし情報『中川晃教版『銀河鉄道999』、歌に思いを乗せ三たび発車!』

中川晃教版『銀河鉄道999』、歌に思いを乗せ三たび発車!

さらに、原作にはない鉄郎の父親のエピソードを盛り込むことで「思いを繋ぐ」という大きなテーマを浮き上がらせた。中川の鉄郎は透明感がありつつも鋭い強さのある歌声を武器に、少年らしい真っ直ぐな純粋さと、どこか影のある達観した視点、子どもらしからぬ紳士的なふるまいを自然と同居させ、“星野鉄郎だからこその強さ”で、父から繋がる思いをしっかり受け止める。そしてキャプテン・ハーロック役の三浦涼介、クイーン・エメラルダス役の北翔海莉、大山トチロー役の藤岡正明らが、原作を抜け出したかのような造形で魅せるとともに、限りある命を生きることの尊さをその姿で体現し、鉄郎へ続く“思い”を渡していく。

同時に、メーテルの葛藤や罪といった面も丁寧に描かれる。演じる花總まりはこの人らしい浮世離れした美しさで、体温の低そうな“謎めいた女性”として登場するも、母・プロメシュームとの邂逅前後から見せる葛藤は生々しく、新鮮。ラスボス感たっぷりに演じるプロメシューム役の松本梨香の迫力とともに、この母子の宿命はこのミュージカル版の見どころのひとつになっている。鉄郎の敵役の機械伯爵も、知られざる悲しい過去が描かれ、切ない存在に。佐藤流司が二面性のある役柄を熱演した。

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