大原櫻子が、12人の女性陪審員と対峙する殺人犯役に
撮影:石阪大輔
『チルドレン』、『チャイメリカ』と日本での上演も続き、気鋭の作家として注目を集める英国人劇作家ルーシー・カークウッド。彼女が2020年に発表した新作『ザ・ウェルキン』が、人気の加藤拓也の演出により早くも日本で上演される。そこで物語の核となる女性サリーを演じる、大原櫻子に話を訊いた。
舞台は1759年の英国の田舎町。サリーというひとりの女性が、殺人罪で絞首刑を宣告される。しかし彼女は、死刑を免れることが出来る“妊娠”を主張。その真偽を判定するため、12人の女性が陪審員として集められるが……。「かなり重い作品ですよね。
登場するすべての女性が人生において戦ってきた人ばかりで、それぞれとても個性が強い。毒々しい台詞も多いですし、衝撃的なシーンもあって。本当にすべてをさらけ出さないと出来ない作品だなと思いました」
大原にとって初の殺人犯役だが、サリーに対してはこんな意外な感情を抱いているそうで……。「すごく魅力を感じる女の子だなと思いました。考え方や行動が非常に子供っぽく思える瞬間もありますが、その本能に従って生きている姿が、とても素直で、ピュアで、どこか可愛らしさも感じる。また、死に対する恐れはそれほどないけれども、とにかく恥ずかしい死に方だけはしたくない、そう思っているのかなと。