音楽で繋がったふたりの男の愛憎を描くG2の新作舞台
A.B.C-Zの橋本良亮がルートヴィヒを、別所哲也がワーグナーを演じる。「橋本くんとは去年、全公演中止になってしまった音楽劇でご一緒し、その時からルートヴィヒにいいんじゃないかと思っていました。感受性が強過ぎる、あまりオープンじゃない王様の役がとても合いそうだなと。別所さんのワーグナーは、これハマり役だと思いますね。先日一曲だけ歌ってもらう機会がありましたが、いきなりイメージ通りで。憎たらしい、嫌な感じの男をうまく演じてもらえそうです」
音楽もすべて書き下ろし。三谷幸喜作品でもおなじみの荻野清子が手がける。「僕の演出意図を汲んでもらい、演出代行なくらいの気持ちで曲を作ってもらわないと出来ない芝居なので、荻野さんに参加してもらえたのは本当に嬉しいです。
自分でもこれは理不尽だなと思ったオーダーが、芝居の流れ的に、『最初は楽しくて最後が絶望的というのを一曲の中でやって欲しい』というもの。言うは易し、ですよね(笑)。でもそれが見事に出来上がってきて。今回の僕の目標が、『どこから輸入したの?』と言われる作品に必ずすること。ミュージカルが輸入産業になってしまっている、今の日本の演劇界を変えたい。そのために一石を投じるような作品にしたいなと思います」
取材・文:野上瑠美子