小曽根真率いるビッグ・バンドが魅せる“ベスト”な“ショー”
『No Name~』は、僕が日本で初めてそんなワクワク感を感じたメンバーです。この間それぞれが自分の活動と並行しながら、アルバムをつくるごとに集まり、刺激を与え合いながら成長してきました」。
『THE BEST』は、それぞれが名プレイヤーで名作曲家であることを知ってもらえるよう、メンバーの個性がよく現れた名曲を厳選。自身が作曲した『ザ・パズル』に加え、彼が大きな影響を受けたという2人のミュージシャン、オスカー・ピーターソンの『ノリーンズ・ノクターン』と、昨年亡くなったチック・コリアの『ラ・フィエスタ』が小曽根のアレンジで新録音されている。「レコーディングを通して、『全然衰えないまま円熟している』と実感しました。曲順はシークエンスを大切に、物語をつくるように考えているので、短編集を読むように楽しんでほしいですね」。
そんな注目のアルバムを携えた全国ツアーも注目だ。「ドラムから始まる曲をピアノで始めたり、4拍子の曲を3拍子で演奏したり、ステージで僕はよくメンバーにいたずらをしかけるのですが、何をやっても見事に受けて立ってくれるのがこのバンドの凄さ(笑)。
“その瞬間だけの生きている音楽”を、ビッグ・バンドでやれる無謀さがこのコンサートの醍醐味ではないかと思います。