最先端の茂山狂言は笑い満載! 兵庫公演観劇レポート
いや、大した意味はありません、舞ってみただけ(笑)」。
お豆腐のようにどんな型にもはまる柔軟で自由な芸風が持ち味の彼らは、敷居が高いと思われがちな古典芸能の枠を軽々と越える。普段はこの会で上演しない古典作品も、今回はツアーでの狂言初心者向けにポピュラーな『棒縛』を上演。「ちゃんとした狂言はこれだけ(笑)」(逸平)。留守の間に酒を飲まないよう、主人が太郎冠者と次郎冠者を縛って出かけるが、何としてでも酒を飲みたいふたりは…というお話。古典の中に今どきな味わいもある楽しい茂山狂言だ。
15分休憩の後に3プログラム。「一応、狂言のルールに従って作っていますが、怒る人もいると思う(笑)。
ツッコミどころ満載です」(逸平)。人気演目の第2弾『全力で小舞を作ってみた~カルチャーセンター編パート2~』は、宗彦と逸平兄弟が宗家と家元に扮して謡い舞う“MHK和の講座 小舞への誘い”。次の『IB争い』は、観光地の精や和食の精らが登場し、インバウンドに向けてPR合戦する新作狂言。かなりぶっ飛んでいて笑える。
『呼声・改』(よびこえ・かい)は、居留守を使う太郎冠者の家を主人と次郎冠者が訪れる古典『呼声』を現代風にアレンジ。