2022年9月26日 10:20
世界的演出家のもと、佐々木蔵之介が“どケチ”な老人に
写真・石阪大輔
2017年の『リチャード三世』で観客に大きな衝撃を与えた、ルーマニアの巨匠シルヴィウ・プルカレーテと佐々木蔵之介のタッグが再び実現。今回はモリエールの名作『守銭奴』に挑む。そこで主人公のアルパゴンを演じる佐々木に話を訊いた。
5年前のプルカレーテとのクリエイションの日々について、佐々木は興奮気味にこう語る。「このシーンはこうであろうという僕たち俳優の考えが、毎回稽古場で覆されるんです。別にテキストを無視しているわけではないのですが、驚くべき演出が繰り返されていく。ただ2、3時間もするとご本人は帰ってしまうので(笑)、あとは僕らだけの復習の時間。でも次の日には、またガラリとプランを変えてこられる。
だから作っては壊し、作っては壊しをやる楽しみがあって。とにかく僕が惹かれたのは、プルカレーテさんの演劇を作る視点の面白さ。これは客席で観たい!と思ったほど、毎日の稽古が非常に刺激的でした」
念願の再会となる『守銭奴』。佐々木演じるアルパゴンと言えば…。「“ケチ”ではなくて“どケチ”、よく言えば究極の倹約家ですよね(笑)。ケチの具合が度を越していますから。自分の子供たちよりも、とにかく金を愛している。