ミュージカル『バンズ・ヴィジット』日本版初演開幕へ
それでも場面場面で感情が動かされ、旅先で出会った見知らぬ人と通じ合った日々を懐かしく思ったし、観劇後は長い旅を終えたような高揚感と切なさを感じた。
本作の最大の魅力はやはり音楽。警察音楽隊が芝居をしながら舞台上で生演奏を繰り広げるのだが、いわゆる歌唱曲以外にも、場面転換の際に流れる音楽もしっかり聴かせる演出。民族音楽やジャズ、即興演奏を得意とするヴァイオリニストの太田惠資、サックス・クラリネット奏者としてフリー ジャズを中心に幅広い分野の第一線で活躍する梅津和時ら、錚々たるミュージシャンが奏でる音楽にぜひ酔いしれてほしい。
トゥフィークを演じる風間杜夫は「いっときも早くお客様の前で演じたい。緊張感もありますけど、初日の幕が開くことを楽しみにしております」と挨拶。
ディナ役の濱田めぐみは、本作の楽曲の見どころを問われた際、「稽古場で初めて楽隊の音色を聞いたとき、みんなから拍手が沸き起こった」と生バンドの魅力を伝えつつ、「楽曲は素晴らしいのですが、歌い手側はものすごく難易度が高い。今までやった演目の中でトップクラスで稽古を重ねたぐらいメロディが難しかった」。
カーレドを演じる新納慎也。