中井貴一「終わりという言葉を使う年齢になった」 リーディングドラマ『終わった人』
撮影:五月女菜穂
定年退職後の家庭を描き、映画化もされた小説『終わった人』。本作を原作としたリーディングドラマ『終わった人』が8月から上演される。
50歳で窓際部署に飛ばされ、そのまま定年退職を迎えた主人公・田代壮介を中井貴一、そして愛人にしようとするがどこまでいっても“メシだけオヤジ”を卒業させてくれない久里、すべてを見通している娘・道子、カッコイイバーのマダム・美砂子、さらに妻・千草をすべてキムラ緑子が演じる。
この度、本作の取材会が行われ、出演する中井、キムラのほか、原作者の内館牧子が登壇。
原作について、内館は「勤めている人なら誰もが経験すると思うが、サラリーマンには定年というのがある。 それまでどんなにいい仕事をして、華々しく最前線にいようとも、外から『もう終わりですよ、次の人に譲ってください』と言われる。本当はもっと仕事がしたかった、もっと人の役に立ちたかったのに、もう世の中的には『終わった人』になってしまう。そこの悲哀を書きたいと思った」と話す。
その上で「今回の朗読劇のお話をいただいて、正直嬉しかった。私が向こう見ずに書いたことをお二人がどうやってくれるのか、すごく楽しみ。