くらし情報『ノットと東響が明らかにする、唯一無二の作曲家たちの傑作の真価』

ノットと東響が明らかにする、唯一無二の作曲家たちの傑作の真価

、ベリオ「声(フォーク・ソングII)」、そしてブルックナーの交響曲第1番の3曲。今年生誕100周年のリゲティは20世紀ハンガリーを代表する現代作曲家で、ノットは以前から継続的に取り上げてきた。今回はチェンバロの難曲「ハンガリアン・ロック」を大木麻理がオルガンの超絶技巧で聴かせる。続く「声」は20世紀イタリアのベリオによる技巧的ながら古雅な響きを保つヴィオラのソロに現代的な管弦楽の響きが絡む楽曲で、ヴィオラの世界的名手ディミトリ・ムラトのソロで聴けるのは嬉しい。19世紀オーストリアのブルックナーもノットが取り組み続けている作曲家で、初期の意欲作である交響曲第1番をどのように瑞々しく構築するのか注目となる。
10月に取り上げられる5人の作曲家たちは、それぞれが生涯にわたり独自の音楽語法を追求したユニークな存在である。特にドビュッシー、ヤナーチェク、ブルックナーの3人は、19世紀に生まれて当時主流の音楽の強い影響下で育ちながらその影響から脱し、他のどの作曲家にも似ていない唯一無二の音楽を作り上げて音楽史に輝く存在になったという共通項がある。ノットと東響の実演で、彼らの重要作の真価を体感したい。

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