夏川椎菜「前のめりで観てほしい」舞台『未婚の女』に出演
声優やアーティスト活動を中心にしてきたが「舞台を観るのも好きですし、機会があるなら出演してみたいとスタッフに伝えてきました」。そして念願のプロとしての初舞台が『オルレアンの少女』だった。「身体の使い方や声の出し方が今まで自分がやってきた世界とは全然違って。前作の経験は、自分の声優としての仕事にも生かされているようにも感じます」。
再びタッグを組む深作への信頼も厚い。「読み合わせの稽古で、この戯曲が書かれた背景や作者の生い立ちを含めた考察をお話してくださいました。深作さんは〈なぜこのセリフをこのタイミングで言ったのか〉〈このセリフを聞いて観客にどう思ってほしいのか〉といったことを大切にされている演出家だと思います」と語る。
観客に対して夏川は「ドイツ演劇自体、エンタメとしての演劇ではないと思う。
戯曲の内容やセリフを1ヶ月間かけて噛み砕いて、自分たちなりの解釈で表現するものを観客に受け取ってもらい、そこから再び考えてもらうところまでがセットになる気がしています。前のめりで受け取る姿勢で観ていただけたら、嬉しいです」と話した。
公演は10月22日(日)まで。
取材・文:五月女菜穂