柴山紗帆×井澤駿がのぞむ新シーズン開幕公演『ドン・キホーテ』
ブラックホールの中を突き進むような自分との戦いの連続で、そうしている間に毎年新しいシーズンを迎えていた」と振り返る。「どのシーズンも、目の前のこと一つひとつに、大切に向き合っていくことがダンサーとしての目標です」。
これまでも度々一緒に踊ってきた二人だが、『ドン・キホーテ』で組むのは初めて。「この二人にしかできないものが出せたら」と柴山はいう。「今までバレエ・ブランのような正統派の演目で一緒に踊ってきましたが、今回初めてコメディでペアを組むので、また新しいものが見えてくるのではと思います。別の日には街の踊り子という大人びた女性も踊るので、どう踊り分けるかも試行錯誤していきたいです」。井澤も「僕も別日程でエスパーダを演じます。皆が憧れる、町で一番カッコいい男性ですから、そこは振り切ってやりますが(笑)、バジルもエスパーダに張り合うくらい大人っぽく演じてもいいのかなと──いや、これはリハーサルで探っていきます!」。
果たしてどんな演技で魅せてくれるのか、注目したい。公演は10月20日(金)から新国立劇場 オペラパレスにて。チケット発売中。
取材・文:加藤智子