戦闘シーンも注目のミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ」上演中
旧日本軍中佐の藤堂鏡志朗役の砂川脩弥は、ゆるぎない意思と決意を全身からにじませた。そのほか、主要キャストが個性豊かなキャラクターを巧みに演じ、世界観を膨らませた。
人型自在戦闘装甲騎「ナイトメアフレーム」での戦闘シーンは、複数の視点を様々な方法で同時に見せることで、舞台ならではの臨場感と立体感を演出。リアルな映像と体に響く爆音でも戦いのすさまじさを表現した。どの戦いもアンサンブルキャストの身体能力がいかんなく発揮されており、見ごたえ十分だ。また、戦闘がすさまじいほどアッシュフォード学園での若者たちの生き生きとした姿がまばゆく、戦争のない世界の尊さを実感した。
出演者全員による群舞も圧倒的で、この作品にかける熱量がそのままダンスにも注ぎ込まれているよう。物語を彩る楽曲にも注目だ。
各々の心情を丁寧に歌いあげ、現在地や関係性が明確に。赤澤と小南によるハーモニーも心地よく、白と黒という彼らの衣装も相まって、対照的な生き方を選んだスザクとルルーシュの関係性がより美しく見えた。何が正しく、何が間違いだったのか。それぞれの正義を探す旅は、始まったばかりだ。
取材・文:岩本和子