くらし情報『徳光和夫、約60年のアナ人生の中での歌番組への思い』

徳光和夫、約60年のアナ人生の中での歌番組への思い

徳光に背中を押された丘は、2017年にはNHK紅白歌合戦に出場するまでの人気歌手となった。

また番組でムード歌謡の名曲を山内惠介や真田ナオキ、新浜レオンら若い歌手に歌わせたのも徳光の功績のひとつ。ファンの好評を得て、いまでは彼らのコンサートでもムード歌謡が歌われるようになった。「ムード歌謡を絶やしてほしくないという思いでした。歌番組の司会者には、過去の名曲や隠れた名曲をつなげていく役割が課せられていると思うし、それがこの番組でできたと思います」

入社1年目で歌番組担当となったが「僕は長嶋(茂雄)さんの一挙手一投足を自分の言葉で伝えたくてアナウンサーになった人間なので、ちょっと残念でした」と明かす。だが、美空ひばり、北島三郎、加山雄三らの歌唱に触れ、グループサウンズの興隆を目撃するなど「歌番組の中心で、歴史を“体感”することができたのは、アナウンサー人生を振りかえって3本の指に入る感動です」と語る。

こうした経験を踏まえ、今回の明治座公演では「TVの内側や変遷についても語れるんじゃないか?これまでの明治座の舞台とは違うものがお届けできるんじゃないかと思っています」と意気込みを口にした。公演は、11月14日(火)~11月20日(月)まで。


取材・文:黒豆直樹
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