「40代は”女子”じゃない」論争に、そろそろ決着をつけようか
少女であり、オンナであり、母親である「ナナ」。そして、我々の胸のうちにエロティックな欲望と無邪気なわくわくを同時に喚起する〈ホーン〉。ニキ・ド・サンファルの一連の作品はこんなふうに、子供でもあり思春期の少年少女でもあり大人でもあるという、境界線のない多義的な人間のイメージを我々の前に提供します。少女時代に性的虐待を受けたトラウマや、女同士である自分と母親の間で埋められなかった溝、友人の妊娠を祝う気持ちーー「女性」に対するさまざまな感情が、ニキにこのイメージを作らせたのでしょう。
「いい年した女が”女子”っていうな!」という一連の批判には、確かに耳を傾けるべき要素もあると私は思います。しかし、彼らは「ナナ」を前にしても、「いい年して子供みたいに飛び跳ねたり逆立ちしたりするな!」というでしょうか?おそらく、そんなことはいいません。境界線のない多義的なイメージはときに人を混乱させますが、「ナナ」を見ていると、それこそが本来の人の姿であると、我々は思い知らされることになります。
さて、「40代女子論争」に、私はうまく決着をつけられたでしょうか?判定はこれを読んだあなたに委ねますが、「女子っていうな!」