会社をやめて爪を塗ったら「爪をぬる人」になった話/誰に見せるでもない爪
なんとなく爪を塗ったら「つめさん」になった
転機と転機の間。
誰かと出会い別れてから、また、出会うまでの間。
その間に生じる一人の時間は「自分のためだけの時間」とは限らない。
私は前職をやめた次の日に、それまで全く興味のなかった「爪に色を塗る」ということをはじめた。その後、今の会社で働きながら、あくまで趣味としてつけ爪を作るようになり、とりあえず分かりやすいから、というだけで「つめをぬるひと」という名前をつけた。
その後、一人になるタイミングがあって、より一層自分の活動と向き合うことになった。
ただただ、やりたいことに奔走した数年間。
人に爪を塗る企画を開催したり、Dommune(ライブストリーミングサイト)の番組内容を爪に描く“Dommune爪”をはじめたり。
その奔走がなければ、今現在の活動や、周囲にいる人には会えなかった。
「初回だから自己紹介にしたほうがいいだろうか」と、さっそく駄文を書いてしまっているこのコラムだって、その奔走がなければなかったお話。
転機と転機の間に生じる一人の時間は、自分のためだけのように見えて、実は意外なところで次の転機に作用し、誰かと共有する時間になることがある。