100人に0.9人前後で発症する「自閉症」の生き方を問う言葉
彼の著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール)は、20ヶ国以上で翻訳され、世界的なベストセラーになっています。
一般的な会話ができない東田さんが、社会のなかで居場所をつくっていけたのは、小さいころから言葉や文字に対する興味があった東田さんを、それを活かすかたちで導いていったご家族のおかげかもしれません。しかしそれを差し引いても、本書のなかの東田さんの言葉は名言だらけです。
東田さんの瑞々しい言葉を中心に、本書をご紹介していきたいと思います。
■1:「自分のことを好きだと言える人は幸せです」
いまの時代、障害があってもなくても、自分のことをちゃんと「好き」といえる人が少ないように感じます。また、特に恵まれない生い立ちでなくても、自己肯定感をうまく持てずに大人になってしまう人も多いですよね。
東田さんは子どものころ、人と違う自分がいやでたまらなかったそうです。
ですが、「自分の人生の主人公は僕でも、この世界の主人公ではない」ことを両親から学び、知識によって、世界にはたくさんの人たちが暮らしていて、それぞれ困難に向き合いながら生きていることを知りました。
そして、成長していくにつれて、他人のなかにいるときに感じていた疎外感はなくなっていったそうです。