人はなぜ2択で迷ったときすぐに「決める」ことができないのか?
山田「いや、でもそんな簡単な話では……。他の要素もふまえて総合的に判断しないと」
深沢「……そうですか。では他の要素とはなんですか?」
山田「見積額とか……」
深沢「……では、仮に判断基準が実績と見積額のふたつだとしましょうか。まず実績はどちらの企業があるのでしょう。そして、見積額はどちらが安いのでしょう」
山田「どちらも同じくらいなんですよね…。見積額もほぼ同額なんですよ」
深沢「でしたら、その実績という概念を無理矢理にでも数値化してください。全体を10としたら、その2社の比率は何対何ですか?5:5はダメです。絶対に差をつけてください」
山田「え?そんなこと言われましても……。
無理矢理にでも差をつけるなら、6:4でA社でしょうかね……」
深沢「では、A社でよいではありませんか」
山田「いや、でも……。そんな決め方でいいのでしょうか…?」
■2択は無理矢理にでも差をつける
さて、みなさんはこの会話を読んでなにを感じたでしょうか。失礼ながら、この山田さんは典型的な「決められない人」でした。
なぜなら、「そもそも本気で決めようと思っていないから」。
複数のなかからひとつに決めるという行為の本質は、無理矢理にでも差をつけることです。