世界は「亀の甲羅の1枚の断片」?ネット住民が誤解していること
そして、それぞれの1ブロック=甲羅の断片が、「クラスタ(集団)」や「島宇宙」。
すなわち、趣味、話題、思想、製品、年代、その他もろもろで細分化された、「それぞれが同じような性質・性向を持った人々=ユーザー」が暮らす、ネット上での空間。
ここで重要なのは、「マス」が存在しないネット空間にあっては、「1枚の亀の甲羅」のなかの世界こそがすべてであるということ。
だから、「1枚の亀の甲羅」を飛び越えて、「亀の甲羅同士」が横断的に結びつけられる「マス」的ななにかは、ほとんど存在していないといいます。
■ネットの世界に「マス」は不在
インターネットのどこかに自分が共感できる「1枚の亀の甲羅」を見つけ、そこに入り込むと、そこが「大多数」の住処であると思ってしまいがちだということ。
しかし実際には、ネットの世界には「マス」は存在しない。そこで共感している人たちは、ネットの外ではまったく無名であり、認知されていない。
だからこそ、インターネットのなかから発せられる声(書き込みなど)は世論を代表しているのではなく、あくまでもその「島宇宙」、つまり「1枚の亀の甲羅」というムラ的なコミュニティを代弁しているにすぎないと意識すべき。