みんなで何かやるのと「1人でやる」を比べてわかった人間の本質
かつてビートたけしさんは、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と言って一世を風靡しました。
たしかに、「みんなでやっている」というものは時に免罪符になってしまうことがあります。集団心理って怖いですね。
ところで人は、どういう状況で自分の行動に責任を持つのでしょう。逆の言葉で言えば、どういう状況だと自分の行動に責任を持たなくなるのでしょう。
今回は、この心理状況にまつわる数字をお伝えします。
■8人いると1人の時の半分以下しか力を出さない
責任を持つ行動を調べた有名な実験に、心理学者リンゲルマンが行った“綱引き実験”があります。
調べ方は簡単。
綱引きを行う人数によって、どのくらい個人は自分の力を出すかを調べたんです。結果は、ずばり“8人で半分程度の力”でした。
1人で綱引きをした時の力を100とすると、2人だと93、3人では85……と徐々に下がっていき、8人になるとついに49と半分を切りました。みんなでやれば、1+1は2でなくて、相乗効果で3にも4にもなるという話があります。
しかし、数字は残酷で、むしろみんなでやればやるほど「自分はやらなくてもバレない」という心理が働き、こうしたことが起きます。