パナソニックが5000億円もの研究開発費を惜しまずに使う理由
■研究開発費に関して「もったいない」は禁止
企業は、長期的な優位性構築のために投資を行なうもの。いまの利益を生んでいる商品は、基本的には過去に投資があったからこそ存在するということです。
つまりR&D投資をやめてしまうと、いまの利益にはつながるものの、長期的には会社を衰退させてしまうことになります。
だからこそ、成功している大企業ほど多額の研究開発費を使っているのです。
たとえばパナソニックだけでなく、トヨタも8000億円強、グーグルにいたっては1兆円を超える研究開発投資を行なっているのだとか。
「いま儲かっている」「いま勢いがある」ことを武器として長期的な繁栄につなげるためには、思い切ってR&Dに投資をしていくことが重要だということ。「もったいない」と考えてはいけないのだそうです。
■新しい基準のせいで産業界の大問題が勃発中
ところがR&D戦略に関して、近い将来、重要な構造変化が起きるかもしれないと著者は指摘しています。
現在の日本の会計基準では、研究開発費は発生したときにすべて費用として処理することが可能。節税にもつながるということで、各企業が積極的に投資をするという現象が起きているのだといいます。