水は必ずしも0℃以下で凍るわけじゃない?仰天の「熱」トリビア
意識することは少ないかもしれないけれど、私たちは常になんらかのかたちで「熱」の恩恵を受けているものです。
そこで、ぜひ読んでおきたいのが、きょうご紹介する『暮らしを支える「熱」の科学 ヒートテックやチルド冷蔵、ヒートパイプを生んだ熱の技術を総まとめ!』(梶川武信著、SBクリエイティブ)。
エネルギーの専門家である著者が、さまざまな分野や領域で「縁の下の力持ち」として大切な役割を果たす熱についての疑問を解き明かした書籍です。
きょうはそのなかから、さらに数字に関連する項目を抜き出してみましょう。
■1:水は0℃以下でも凍らないことがある?
ご存知のとおり、通常の冷却方法によれば水は0℃で氷に変わります。なぜなら水にとっては、それがいちばん安定する状態だから。
ところが、0℃以下でも凍らない状態がまれにあるというのですから驚きです。
この現象が起こるのは、0℃以下であっても水分子の集まりが一時的に安定した状態にとどまっているから(準安定状態)。
この状態を「過冷却」というそうです。
ただし過冷却は強固なものではないので、過冷却水に外部から振動などの物理的な刺激を与えると、すぐに本来の安定状態である氷に移行することに。