人間の脳は「6000年前より劣化」した?脳についての意外な話
■脳の「どうしようもない部分」
人間の脳の特徴な点は、抽象的なことを考えることができる能力。「メタ組織」といって、いろんなことを脳内宇宙で組み居合わせ、いままでになかったことをつくり上げられるということ。
たとえば弓矢の発明がそうであるように、自然に対してこの能力は有効に発揮されていたといいます。
そのように、建設的な方向へと広がるぶんにはいいのですが、「悩み」や「不安」など負の要素が脳のなかで堂々巡りしてしまう状態になると、一転して人を苦しめることに……。
しかし現状では、脳の構造は遺伝子で決まってしまっているもの。だから、どうしようもない部分がある。いわれてみれば、たしかにそのとおりです。
■少しでも楽しましょう
人間の脳は進化の過程で、さまざまな遺伝子が誤用され、転用され、流用されるなかで偶然生まれたもの。
だから、不都合がいっぱいあるわけです。
いわば、「いろんな遺伝子の寄せ集め」でつくられたものだとも著者はいいます。ポイントはここ。
「もともとからだの作りからしておかしいのだから、少しでも楽しみませんか」という考え方。
それこそが、読者に訴えかけたいことの趣旨だということです。