くらし情報『淺野健一が最先端デジタルスカルプティングを駆使した個展「phantazo」を東京で開催』

淺野健一が最先端デジタルスカルプティングを駆使した個展「phantazo」を東京で開催

私も常々、今のこの肉体は借りてるだけという感覚になる時がある。この仮説に基づくなら、人間が想像してきたものは全てただの情報に過ぎないことになり、宗教が語ってきた天国や地獄や、神話が語ってきた神が住む世界、鬼が住む世界、そしてネット世界、バーチャル空間も全て同一線上に語れることになる。ならば民話や神話に語られる夢と現を行き交うような話は、シミュレートのバグによって生じたものではないのか。人の進化の一つの形として、機械やコンピュータとの融合がSFや都市伝説で語られ始めている。
現実世界でサイボーグとして、あるいはサイバー空間でデータとして永遠に生きるのか、そんな世界でもやはり何かを拝んで救いを求めたくなる時もあるのだろうか。そして形が変わっても永遠に生き続けることは、人にとって幸せなのか不幸なのか、天国なのか地獄なのかの2極性を表現する。
本個展では科学やテクノロジーとは対極に位置する宗教の、シンボルである偶像に3Dモデリングによるバグを起こした形を創造した。これは光背が如来の頭にめり込み、形の表面(ポリゴン)が壊れて体積がない状態。
エッシャーの絵のように本来はPCの画面上でしか存在できない形である。

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