2022年4月1日 12:00
東京国立博物館所蔵の名品2件の修理を行うファンドレイジング事業 「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」を4月1日より開始
底面には創立150年記念ロゴが彫り込まれています。
素材 :ソーダ硝子
サイズ:最大径8.7cm×高さ8.5cm
【見返り美人デザイン】江戸硝子オールドグラス
■修理対象作品について
◆「埴輪 踊る人々」 埼玉県熊谷市 野原古墳出土 古墳時代・6世紀
ポカンとあいた目と口の愛らしい表情。左手をあげて右手を胸前に出すポーズ。埴輪と言えばこのフォルムを思い浮かべる人も多いでしょう。「踊る埴輪」として親しまれていますが、近年では左手で馬の手綱を引く馬子(まご)とみる説もあります。小さい方の埴輪は、腰に鎌を着け、顔の両脇で髪を結って束ねる美豆良(みずら)という男子の髪型をしています。一方、大きい方の埴輪にはその特徴がみられず、男女のどちらかよくわかっていません。ただ、女子の埴輪によくみられる胸部や服飾の特徴的な表現がないことから、男子の埴輪であるとも考えられています。
衣服や武具、アクセサリーを身に着ける埴輪も多くありますが、この作品はどちらの衣装も帯のみと大胆にデフォルメされています。この素朴さ、そして生き生きとした動きが作品の魅力でもあるのではないでしょうか。
「埴輪 踊る人々」 埼玉県熊谷市 野原古墳出土 古墳時代・6世紀
●必要な修理
胴や腕の部分に横向きの亀裂が複数みられます。