くらし情報『熱安定性の高いユニークなアミラーゼを発見固定化による酵素の安定性向上にも成功』

2022年10月11日 14:00

熱安定性の高いユニークなアミラーゼを発見固定化による酵素の安定性向上にも成功

実験の結果、CmBAMは47℃、pH 6.0において最も高い活性を示しました。CmBAMはデンプンを基質とした場合と比較して、アミロース対して高い特異性を示しました。さらにCmBAMをシリカゲル担体に固定化することで、保存安定性と耐熱性が向上し、酵素の再利用が可能になりました。CmBAMの至適温度とpHは、既存の大麦や小麦由来のβ-アミラーゼと同程度でした。
報告されているいくつかのβ-アミラーゼの中でも、CmBAMはデンプンよりもアミロースに高い特異性を持つユニークなものであることがわかりました。シゾンはアミロースを利用しないにも関わらず、予想に反してCmBAMがアミロースに対し高い特異性を示したことは、デンプンのα-1,6結合(注4)を切断する酵素が生体内で協働している可能性を示唆するものです。また、植物由来のβ-アミラーゼを固定化したいくつかの報告と比較すると、固定化CmBAMは、再利用性は最も高く、30日保存時の保存安定性は3番目でした。また、固定化CmBAMは15~20℃、耐熱性が向上していることから、応用範囲が広がり、取り扱いが容易になることが期待されます。

本研究は、明治大学大学院農学研究科 村上雅(博士前期課程2年・発表当時)

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