くらし情報『春先、コンクリート壁でみかける派手な赤いダニは、なぜ赤い?~法政大学と京都大学の研究グループが真っ赤な体色の原因を解明~』

2022年12月23日 14:00

春先、コンクリート壁でみかける派手な赤いダニは、なぜ赤い?~法政大学と京都大学の研究グループが真っ赤な体色の原因を解明~

(3)カベアナタカラダニの赤色の色素をHPLCで測定したところ、抗酸化作用をもつケトカロテノイドであるアスタキサンチンと3-ヒドロキシエキネノン(主要カロテノイドのそれぞれ60%と38%)と、少量のβ-カロテン(2%)から構成されていた。ミカンハダニは、知られているダニのうちで、アスタキサンチンの量が、かなり多い種であるが、カベアナタカラダニのアスタキサンチン濃度はミカンハダニの127倍もの量であった。このため体色が赤であった。

(4)アリや捕食性カメムシなど、カベアナタカラダニを捕食する昆虫は通常、赤に対する視細胞を持たないため、人間が心配するほど、カベアナタカラダニの派手な赤色は、捕食者の採食行動に影響を与えてはいないと考えられる。

カベアナタカラダニ Balaustium murorum(Hermann)は、派手な赤い体色を持つ花粉食性の自由生活型ダニで、本種や類似種は北半球(主にユーラシア大陸)に広く分布しているが、なぜ赤い目立つ色をしているのか、世界中で疑問を持つ人が多いにもかかわらず、これまで科学的に調べられたことがなかった。本種の所属するアナタカラダニ属 Balaustiumは、他のタカラダニ科 Erythraeidaeのダニ類とは大きく異なり、(1)

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