東日本大震災から13年、石巻の有機質肥料メーカー 国内資源を活用する肥料で出荷量が約180%増加
魚の体液に含まれる水溶性アミノ酸が特徴の「栄養価が高い」肥料は、作物の味が変わる・強く育つなど、全国の農家から好評を得ています。みどりの食料システム戦略や国内肥料資源活用総合支援事業に影響もあり、ここ数年、農家から「有機栽培をこれから始めたい」、「化学肥料から有機質肥料に切り替えたい」といった問い合わせや、新規の取引先から「有機質肥料の取り扱いを始めたい」といった問い合わせや注文が増加しています。
【みどりの食料システム戦略や国内肥料資源活用総合支援事業で有機肥料へ注目が集まる】
世界的には欧米をはじめとする世界各国において、環境配慮型の農業(脱化学肥料)への移行が進んでいます。日本においても、2021年5月に「みどりの食料システム戦略」が策定され、2022年7月には「みどりの食料システム法」が施行されました。肥料は作物生産において必要不可欠な農業資材の一つであるにもかかわらず、国内で使用されている肥料のほとんどは、原料を輸入に頼る化学肥料です。新型コロナやウクライナ問題、大幅な円安等の社会情勢の影響を受け、2022年に化学肥料の価格が高騰しました。
肥料を生産現場に安定的に供給していくためには、こうした影響を受けにくい生産体制づくりを早急に進めることが必要という観点から、国内肥料資源の利用を拡大し、国内資源を活用した肥料への転換を進める取組等を支援すべく、2023年より国内肥料資源活用総合支援事業が開始され、現在、有機質肥料への注目がより一層高まっています。