くらし情報『チャン・チー監督×串田壮史監督とのコラボ対談が実現 「越境するアートハウス映画の“表現と視座”」を語る』

2024年3月7日 19:30

チャン・チー監督×串田壮史監督とのコラボ対談が実現 「越境するアートハウス映画の“表現と視座”」を語る

青を基調とし、昼と夜でその色彩設計が異なるバランスで調整されている美しさは、舞台演出を映画として昇華していると感銘を受けましたし、俳優さんたちの演技も抑制が効いていて、アジア映画に留まらないという洗練された雰囲気に満ちていましたね。
自戒を込めて言うと、日本のインディーズ監督の作品は身近な暴力を描きがちで、創造力が半径数メートルの身近な世界で止まっているんです。

チャン:『マイマザーズアイズ』にも暴力が出てきましたね。しかし、とても芸術的であると感じましたよ。中国は審査制度があり、過度な暴力表現は出来なかったため、『海街奇譚』では、主人公がカメラを使い、撮影という行為でもって殺人を行う抽象的な暴力演出を行いました。チェロの弓で人体を引き裂く『マイマザーズアイズ』しかり、私たちは芸術を生み出す道具を用いて殺人を描くという唯一無二の共通点がありますね。串田:作家自身が描きたいという自由な発想を用いて、アートハウス映画を作る環境は、年々厳しくなっています。私もあなたも自身で制作したインディペンデント映画を映画館で上映できる最後の世代になるかもしれません。
最近は、現代的な作品作りは映画の在り方そのものを考え直す時期に差し掛かっていると感じています。

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