「ハイスぺ彼もベタ惚れ…!」出会いに恵まれる「愛され女性の特徴」
目的地に着いたものの、タワマンの入り口には「入居者専用」の看板が。配達員は、配達専用裏口まで回らないといけないっぽい。
あわてて自転車でターンしようとすると、ズベッと滑って転んでしまった!
「うそっ、中身が」
幸いハンバーガーだったからギリセーフ。ただコーヒーが少しこぼれてしまった。
「味は劣るかもだけど…」
エントランスの自販機で、ひとまずコーヒーを買い直して修復。
オートロックの自動ドアを2回もくぐって、やっとエレベーターで29階へ。
チャイムを鳴らすと、同い年くらいのスウェット姿の男性が出てくる。
「すみません、さっき転んでしまって、コーヒーが少しこぼれてしまって。
別のもので申し訳ないのですが、よかったら」
怒られちゃうかも、とびくびくしながらハンバーガーの袋とコーヒーを差し出す。
彼は受け取ると「こんな雨の日にすみません。ちょっと待ってて」と言い、タオルを持って戻ってきた。
「返さなくていいから」
そう言って、紬にタオルを渡してドアを閉めた。
数日後、配達のバイトの日。
「あっ」
再び、あのタワマン29階の彼からオーダーが入った。洗って畳んでおいたタオルを一緒に持って出る。