「ハイスぺ彼もベタ惚れ…!」出会いに恵まれる「愛され女性の特徴」
そして彼に桜フラペチーノの袋と、タオルの入った紙袋を渡すと。
「え!あのときの…。ありがとう」
驚きながらお礼を言われた。彼の左手には読みかけの小説が。最近紬も読んだ小説だ。
「あ、その小説、いい展開しますよね、奇想天外っていうか」
思わずポロッと感想が出てしまう。すると、彼が初めて笑った。
「本、お好きなんですか」
「はあ、いつもは書店員しててこっちは副業で」
「そうなんですか…あの…」
彼から名刺を渡される。
誰でも知ってる外資系のIT企業だ。
「ツカサっていいます。よかったら、今度ごはん行きませんか。小説の話したいな」
「…!」
久しぶりに、なんだかドキドキ。好きなものがきっかけになるって、いいな。
【三松さんからのコメント】
好きなものへの気持ちを貫く紬さん、かっこいいですね。
今の時代、「仕事に不満がある」=「転職しなければならない」わけではない。
お金をむっちゃかけて運動している社会人が多いなか、お金をもらいながら運動しちゃおうというポジティブさが推せます。
フードデリバリーのバイトが出会いにつながったのは、紬さんの他者を気遣う人間性のたまもの。困難な状況でも投げやりにならず、ごかまさず、最大限の気遣いをしたから。