「好きだったけどもう無理…!」彼氏への「愛が一瞬で冷めた瞬間と対処法」
ハンカチを受け取ると、汗が染み込んだところを内側にして畳む。汗くさっ…。ああ、お気に入りのフェイラーのゴリラ柄ハンカチが…。
「うお〜! 桜、満開じゃん」
頂上近くの、桜が綺麗なエリアまでやってきた。剛はテンション高めだ。でも美穂は、さっきのことでモヤモヤ。心から楽しみきれない。
「美穂、どうした?」
「ううん」
帰りは、車で美穂の家まで送ってくれた。
そのまま帰すのもそっけないかなと思い
「コーヒーでも飲んでく?」と聞いてみた。
「お、いいねえ」
うれしそうについてくる剛。
ずっと待ち望んでいたはずの瞬間。それなのに、覆いかぶさる剛の髪から、美穂のカラダに降ってくる男臭の汗が気になる。
やっぱり…なんか違うかも。
【三松さんからのコメント】
2023年の流行語トップ10にも選出された「蛙化現象」。
もともとはグリム童話『かえるの王さま』が由来で「好きな相手に好意を向けられた途端、嫌いになってしまう現象」を指します。
一方、Z世代のあいだでは、「好きなはずの相手のイヤな面を見て、急に冷めてしまう現象」として使われているようですね。
蛙化のきっかけは、近づいたときの鼻息の荒さや鼻毛、店員さんへの横柄な態度などとさまざま。