2018年9月15日 22:00|ウーマンエキサイト

夫とはセックスレス「私だけを見て!」かまってちゃん妻が合コンに走った理由【リアル・モンスターワイフ、再び 第29回】



■「中身からっぽのかまってちゃん妻」夫の不満も爆発

結婚して以来、妻は口を開けば不平不満ばかり並べている。だが、言わせてもらえば、こっちにだって不満は山ほどある。口にこそ出さなかったが、真司も相当ストレスをためていた。

妻はいつ、いかなる時でも、自分のことを最優先して欲しがる。

自分が仕事で忙しい時でも、たまの休みに息抜きをしようとしている時にも、妻はとにかく少しでも多くの時間とお金、労力を自分に注がせようと、夫を徹底マークしているのだ。

それに、妻がこんなにつまらない、自立できていない女だとは結婚するまで知らなかった。

趣味もなにもなく、夫にかまってもらうことしか考えていないように見える。極度の「かまってちゃん」だ。
週に1度しか顔を合わせない間柄ならともかく、結婚した相手がこれでは正直、息がつまる。

真司は大きなため息をついた。

「俺にこれ以上、どうしろって言うんだよ」

夫のその言葉とうんざりした顔に、香織のプライドはズタズタだ。

私はかわいい、みんなの憧れの「香織ちゃん」なのだ。その私を、夫はちっとも大事にしていない。私の価値を分かっていない。一体どうして私は、こんな男の「専属」になってしまったのか。私を大切にしてくれる男性は、山ほどいるというのに。


香織は自分の結婚を激しく後悔した。そして、その日を境に香織は夫を、結婚生活をかえりみなくなった。夫婦仲の悪化は当然、加速していき…。

■かまってくれない夫に仕返し「合コン参戦」宣言

夫とはセックスレス「私だけを見て!」かまってちゃん妻が合コンに走った理由【リアル・モンスターワイフ、再び 第29回】

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数カ月後、学生時代からの友人チエから電話がかかってきた時、香織は躊躇(ちゅうちょ)なく言った。

「チエ、次回の合コンは、私にも声かけてよ

とにかく誰かにかわいいと言ってもらわなければ。自分をほめて、求めてくれる男がいなければ、私は干からびてしまう。香織は必死だった。夫に対する罪悪感など抱く余裕はなかった。


チエは「合コンの女王」。2人は以前、しょっちゅう連れ立って合コンに参戦していた。それでも、さすがに香織の結婚後は、合コンに誘うことはなくなっていた。

「えーっ? なによ、やさしい旦那様となにかあった?」

「別に。ただ単にヒマなのよ。主婦って」

「もーっ、贅沢者! あくせく働きながら旦那探しまで頑張ってる私に、そういうこと言わないでよね」

チエは笑いながら言った。

「でもいいわ。既婚者が参加してくれれば、ライバルが1人減るもんね。
今度企画する時には、絶対声をかけるよ」

1カ月後、チエは実際に香織を誘ってくれた。

服は自分のスタイルを目一杯際立たせてくれるものを選ばなくちゃ。久しぶりに、短めのスカートはいちゃう? それとも丈は普通で、ボディラインを強調するデザインのワンピース? 髪も久しぶりに巻いちゃおう。メイクも最近は新しいアイテムをチェックしていない。デパートに見に行かなくちゃ。

自分の女としての魅力を、100%発揮するのだ。そして、女としての自分の価値を実感しなければ。香織は久しぶりに、気力がみなぎるのを感じた。


真司には合コンに参加することを宣言した。黙っていることもできたのに、「人数合わせのためにどうしてもって、友だちに誘われちゃって」とあえて告げたのだ。

真司が嫉妬して止めてくれるかもしれない。あせって、自分をもっと大切にしてくれるようになるかもしれない。そんな期待を、香織はまだ完全には捨て切れずにいた。

ところが、真司はうっとうしそうに香織を一瞥(いちべつ)すると、冷たく一言。

「あっそ」

と言っただけだった。もはや妻のことになどまったく関心がないような夫の態度に、香織は自分の中でなにかが崩れ去るのを感じた。


そうして迎えた合コン。香織のパフォーマンスは、すさまじいものがあった。笑顔を一時もたやさず、甘い声を響かせ、絶妙のタイミングで髪をかき上げる。適度なボディタッチも忘れない。既婚者と知りながら、彼女と連絡を交換したがる男が続出した。

香織は、本当に久しぶりに、大きな満足感を味わうことができた。自分にはまだまだ価値がある、男を操れる魅力があるのだと、自信を取り戻すことができた。彼らの本心は「あとくされない、結婚を求めない女」…かもしれないのに。


■これって浮気?「超えてはいけない最後の一線」がぼやけていく…

以来、香織は合コンに没頭した。

家では完全なすっぴん、髪はボサボサ。ルームウェアにもまるで気をつかわなくなり、常に不機嫌オーラ全開だ。合コンの日だけ「最高のワタシ」を演出するようになっていた。

夫婦仲は完全に冷え切り、言葉も交わさないレベルにまで悪化した。セックスも当然ない

そのうち香織は、当初は自分の中に存在していた越えてはならない「一線」が、どんどんぼやけてゆくのを感じるようになった。「一線」とはもちろん、合コンで出会う男性との肉体関係だ。

「合コンでチヤホヤされて『自分はまだイケてる』と思えれば、夫が私を見ようとしない、みじめな結婚生活にも耐えられる」
「ほかの男性にやさしくされて、私の心に余裕ができれば、夫婦仲も改善するかも」

最初はそう思って、香織は合コンに参加していた。

ところが、そんなことを繰り返すうちに、夫婦仲はますます破綻してゆく。香織はどんどん不安定になり、ついには「誰でもいいから男に求められたい、抱かれたい、寄りかかりたい」と思いつめるところまで来てしまったのだ。

その頃になると、真司が目を疑うような奇抜なデザインの矯正下着を香織は恥ずかしげもなく着用するようになり、合コンの日だけセクシーなランジェリーを身にまとうのが常になっていた。

スパニッシュレストランの一角で酔ったフリをしながら、香織は自分に酒をすすめてくる目の前の男を冷静に観察していた。

話が面白く、女心をくすぐるツボも心得ている彼にやさしくされるのは快感だ。連絡先も交換した。それにさっきからずっと、私だけを見つめてくれている気がする…今夜、彼と一線を越えてしまおうか

そうすれば私は、虚しい結婚生活でため込んだ怒りも屈辱感も悲しみも、どうでもいいと思えるようになるだろうか。

とびきりの笑顔を弾けさせる香織の頭の中では、さまざまな感情や計算がグルグルと渦巻いていた。


理想の夫と結婚したはずの香織さん。ところが、結婚当初から不満を抱え、合コンに逃げ道を見出すようになります。

香織さんはその後、どうなったのでしょうか?

もしかしたらあなたも、香織さんのように「合コン狂いの人妻かまってちゃん」の泥沼に足を踏み入れてしまうかもしれません。次回ご紹介するチェックテストでリスクを判定してみましょう。


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