あのコの恋愛事情ーネイルサロンのないしょ話 #百年の恋も冷める朝 編
よっぽど可笑しかったのか、思い出し笑いが止まらなかったお客様につられて、笑いが止まらなくなってしまった。ことの顛末はこうだ。
彼が冷蔵庫へ向かう。オレンジジュースの紙パックを取る。紙パックからそのまま飲んだ彼をチラッと目にした時「あら、行儀悪い。」と思ったけれど、言わないでいた。背中からオレンジジュースを飲む音がする。普段から朝のビタミンが脳と健康になんたら言ってたもんな。
そう思った瞬間に背後から豪快にうがいをする音が聞こえてきた。
あまりに豪快なうがい音に「えっ?!」と振り向いたら彼が飲んでいたそのオレンジジュースで、当たり前のようにそのままうがいをし始めて、それをまた飲んだ。彼女はひっくり返ったそうだ。
「あれだけ、上流家庭的発言をしておいて!あれだけ、選ばれた人間発言をしておいて!あれだけ、品がどーのとか言っておいて!オレンジジュースでう・が・い!!!」
「汚い。」そう思った瞬間に別れを決意した彼女は、二度とその彼とは会わなかったんだとか。そういう生活習慣って無意識に出る。オレンジジュースを飲んだついでに、オレンジジュースでうがいする男なんて、付き合いきれないと確信した出来事だったらしい。