結婚してから子供ができないことが判明したら離婚できる!?
■「俺には私には、生殖能力がないから離婚して。」と言われたら、慰謝料請求できる?
◆生殖機能が不能であると隠していた場合
慰謝料請求できる可能性が高いでしょう。
生殖能力に関して隠しておきながら、都合よく、離婚請求をするのであれば、家庭ではセックスレスかもしれませんし、請求する側に別の異性関係が生じているのかもしれません。生殖能力がなくても、不貞行為は考えられます。不貞行為があれば、さきほど見た、民法770条1項1号に該当しますね。
◆生殖機能が不能であると婚姻後に発覚した場合
慰謝料請求できる可能性はまだあります。
そもそも、慰謝料請求の根拠は、生殖能力不能だけに限定されることはありません。
たとえば、離婚の条件を話し合っているときに、暴力的なことがあったとか、不貞があったですとか。一つひとつの事実関係を明らかにしていくうえで、慰謝料請求の根拠である、民法709条・710条に定める不法行為責任が成立する可能性があります。
慰謝料請求できる可能性はありますから、まだ、あきらめないでください。
*執筆/ 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士となってから、数々の不倫・離婚問題を解決。弁護士として働くかたわら、慶應義塾大学にて法務研究科助教も務める)