集団行動をとりたくない次男。学校生活でトラブル続き…わが家の発達に凸凹のある次男は現在小6で、通常学級に在籍し、週1日特別支援教室に通っています。次男が学校に行きたがらないということはあまりなかったのですが、「こだわり」「衝動性」「不注意」「感覚過敏」などの理由から、情緒不安定になることが多く、学校での集団行動は非常に難しいものでした。就学してからの6年間で、数えきれないほどヒヤヒヤする場面がありました。Upload By スガカズまた、次男は、自分が納得できないことはやりたがりません。みんなで同じことをするという場面で、それに共感できずトラブルに発展してしまったり、気もちの切り替えが苦手なことが原因でトラブルになることもありました。嫌な気もちをうまく言語化できず、相手の心を傷つけることも…Upload By スガカズ例えば小1のころに、このようなことがありました。次男が通っている小学校では、別の学年の児童と縦割りで班をつくり、活動を通してお互いにソーシャルスキルを学ぶという授業があります。当時小1の次男は小2の男の子と2人組になり、手をつないで近くの公園に遠足に行くことになりました。遠足の当日、次男は「学校を出発して長い時間(十数分間)歩き続けること」にやる気を見いだせずにいました。加えて「ほかの学年のあまりよく知らない男の子と一緒に行動しないといけない」「手をつながないといけない」のがどうしても嫌だったようです。ですが、次男は嫌な理由をうまく言語化できず、その場に座り込んでしまい、機嫌も悪くなっていました。次男と一緒に行動する予定の男の子は困っていたのですが、「行こう」と手をつなごうとしたところ、次男はその男の子の心を傷つける言葉を放ってしまいました。Upload By スガカズ次男の感覚過敏は強くはないものの、集団生活を送る上で嗅覚や聴覚の過敏さが強く出る場面があります。例えば柔軟剤の香りが苦手で、もしかすると男の子の衣服から、その苦手な香りがしたのかもしれません。次男がそのとき男の子に言ってしまった言葉は、非常にセンシティブで人を深く傷つけてしまう言葉でした。実際に、言われてしまった相手の男の子は深く傷ついてしまったようでした。後日学校からの連絡帳には、その日にあった出来事が書かれていました。相手の親御さんからの連絡帳で、その日の出来事が発覚したのです。私は遠足の日、所用がありどうしても見守りができなかったのですが、所用を調整してでも見守りをできなかったことを後悔しました。すぐさま学校に電話をして、次男の担任の先生に「相手のご家庭に謝罪をさせていただきたいのですが」と申し出ました。すると、担任の先生からこのように言われました。「相手のお母さまは連絡帳で、『謝罪は必要ない。ただ、本人が深く傷ついているので、もうあの子(次男)と同じグループにしないで欲しい』とおっしゃっています」私は相手のお母さまの意向に沿い直接の謝罪をしないようにしました。自分の子どもの心を誰かが傷つけたのなら、傷つけた相手を遠ざけたい気もちは十分理解できます。相手のお子さんにも、お母さまにも申し訳ない気もちでいっぱいになりました。次男は性格上、「人を傷つけたい」と悪意をもって言っているわけではありません。さまざまな特性からくる困難に対してクールダウンができていないことが課題だと思いました。次男には、私から「その人の体に関係することを悪く言うと、言われた人はとっても悲しくなるから絶対に言っちゃダメ」と伝えました。また、イヤな理由をうまく言語化できないことに対しては、すぐに解決する課題ではないと思ったので、「授業に参加したくない理由があるなら、無理に参加しなくてもいいよ」「イヤな気もちになりそうな時点でその場を離れていいよ」「先生に気もちを伝えよう」と、普段から言っている言葉を繰り返し伝えました。この一件があってから先生は、縦割り班活動での次男のグループは、2人ではなく3人になるように配慮してくださいました。また活動に参加することを無理強いせず、「気が向くならおいで」と言ってくださいました。次男も気が向かない場合は保健室や空き教室で過ごしていたようでした。配慮していただいたお陰で、次男のペースで参加できるようになりました。小6になった次男。心の変化を感じるようにUpload By スガカズ現在、次男は小6で、最高学年になりました。今も集団行動は好きではありませんが、私は本人の中に変化を感じています。次男の通う小学校では、登校班編成を取り入れています。朝は同じエリアに住む児童で集まって決まった時間に登校するのですが、現在6年生の次男は副班長になり、決まった時間に集団登校しています。初めのうち次男は、副班長という役割はイヤだと言っていました。自分が納得できないことは基本やりたがりませんし、みんなと同じことをする良さをあまり感じていないところがあるので、そう思うのは無理もありません。ですが、特別支援教室での小集団活動や、学校全体での縦割り班活動など、たくさんの経験をもとに、「上級生は下級生のお手本となる」ことに少しずつ適応してきたようです。集団登校班では、班長が基本的に先頭に立ち、人数確認をしたのち学校まで下級生たちを先導していきます。副班長(次男)は一番後ろに立ち、列の乱れがないか、確認しながら後をついていったり、班長がいない場合は副班長が先頭に立ちます。本人に、なぜ副班長を今も続けられているのか理由を聞いてみると、「面倒だから、本当はやりたくないんだけどね」と一言。前向きでなくとも、自分の中で折り合いをつけて、不満を言わず継続できていることが私は偉いと思います。次男には悪意はないものの、そのときの言動で相手の心を傷つけてしまうことがあったり、相手の親御さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいになることがさまざまありました。ですが、何年も同じ学校で過ごすうちに、親御さん方から「理由なく行動を起こす子ではない」という言葉をいただいたり、「弱い立場の子を守ろうとする優しい子ども」と理解してくださる先生にも関わっていただけました。学校での集団生活は、本人にとって大変なことの連続でしたが、さまざまなことを経験しながらも「成長したな」と感じずにはいられません。執筆/スガカズ(監修:三木先生より)頑張って適応されたんですね。「縦割り班」という集団行動の中で、自分になりに「下級生のお手本になる」という理由や目的を見つけて行動が取れるようになっているのはたいしたものです。このように同じ行動であってもその子が納得できる切り口を見つけて適応的な行動が取れるようになると良いですね。
2022年10月20日場所見知り・人見知りのある娘Upload By 古都 コト子(koto)発達障害のある娘は、療育に行き始めたばかりの幼児期に場所見知り&人見知りがあり、1年近く行き渋りをすることがありました。療育園だったので、娘にとって過ごしやすく楽しい場所になるようにたくさんの配慮がなされていたのですが、それでもこの世の終わりのように泣き叫び、そんな娘を無理矢理連れて行くことに疑問を感じる日も多々ありました。これが学校のように義務とされている場所だったら、行き渋りはとても悩ましい問題だったと思います。通っていた療育園では、行き渋る子どもはパジャマのまま登園しても許され、活動に参加できないときも寄り添ってくれる先生がいました。そのうちに、娘も安心して心を開けるようになったのか、3年目からはむしろ喜んで行くようになりました。家族以外の人に心が開けるようになったのは良かったですが、時間が必要でした。行き渋りから登園拒否へ娘はどの療育園でも大好きな先生やお友達と楽しく過ごせるようになりましたが、年齢が上がるにつれ、合理的配慮や手厚い支援の少ない場所で過ごすことに対し、不安感や拒否反応を示すようになりました。療育園での過ごしやすさと比べてしまい、娘にとって居心地の悪さを強く感じる場所だったようです。みんなと同じように過ごすため、最初はかなり頑張っていましたが、徐々に「行きたくない」とこぼすようになりました。そして、それは行き渋りから登園拒否へとつながっていきました。コロナ禍ならではの不安もUpload By 古都 コト子(koto)朝起きると「行きたくない」と言い、朝ごはんを食べさせたり着替えをさせることが困難でした。それでも園に行けば楽しいこともあるので、必死に説得しながら身支度をしていました。また、ご褒美を用意しておくことが有効だったので、毎朝、行き渋る娘に「今日は帰りに〇〇(娘の好きなおやつ)を買って帰ろう」「次のお休みは〇〇(娘の好きな場所)に連れて行ってあげる」と声を掛け、やる気を引き出していました。コロナ禍では、「健康な児童であっても休めるときはなるべく休ませてください」といった休園要請が出たためお休みする子どもが多くなり、娘もその影響で休園要請が終わっても休みたがる日がグッと増えました。今日は休めるのか休めないのか、クラスメイトは誰が来ているのか、当日になるまで分からないコロナ禍での日々は、ルーティーンを大事にする娘にとって、とても不安な毎日です。行き渋る理由が深刻で解決が難しい場合はUpload By 古都 コト子(koto)行き渋りや登園拒否があっても、未就学児の場合は休ませたり、まだ体が小さいので抱っこをしたりして行かせることができる場合もありますが、小学生以上になってくると、体も大きくなってきて精神面でも成長しているので、無理に学校に行かせようとしても難しくなってきます。先生やクラスメイトとの人間関係が原因だったりすると、簡単に解決できる問題でもなくなります。行きたくない理由を正直に話せる子どももいますが、本心を話せない子どももいます。現在はフリースクールや通信教育を受けられる機会も増えているので、行き渋る理由が深刻で解決が難しい場合は、それらを検討してみようと思っています。また、日ごろより意識して、先生から話を聞ける関係性をつくっておくと、対策が考えやすくなるのではないでしょうか。友達だと言っていた子どもと実は仲が悪かったり、トイレに行くのが苦手だったり、意外な理由のこともあるようです。行き渋り、不登校は親子で追い詰められる場合が多いので、同じ悩みを抱えている人たちと情報交換をしたり、感情を共有することも大事にしたいです。家と学校以外に居場所があることは、保護者にも子どもにも良い影響があるのではないでしょうか。執筆/古都 コト子(koto)(監修:初川先生より)娘さんの行き渋りについての思いをありがとうございます。古都さんの思いを読んで、なるほど、保護者の方がお子さんの行き渋りに対してできることは、どのように行かせるか(朝説得をするなど)、帰ってきたときにどんな対応をするか(ご褒美を用意する、それを朝から予告しておくなど)がまずは取り掛かりやすい部分なのですね、ということでした。古都さんは、お子さんの園での行き渋りについて書いてくださいましたが、私が現在小学校でスクールカウンセラーをしており、就学後のお子さん・ご家族の登校渋りに際してのご相談を受けることが多くあります。そこで、就学後の対応についてもご紹介したいと思います。スクールカウンセラーとして多くの登校渋りや不登校のお子さんや保護者の方と関わっていますが、お子さんにとって学校が過ごしやすくする環境調整がとても大切だなと感じます。教育機関では学校と保護者との協働作業なのだと考えると分かりやすいでしょうか。たとえば、お子さんについての「こういうときにはこうなる」という情報を学校に伝えます。そのうえで、例えば学校での1日の流れや各授業での内容を細やかに予告する、難しい単元については家庭とも連携して予習してもらう、トイレ休憩や休み時間の過ごし方の打ち合わせをしておくなどの手立てを取ることができます。担任の先生や特別支援コーディネーターの先生などとの密な打ち合わせが初期には必要です。その中で、学校という環境の中でお子さんがどんな苦手さを持っているのか、どんな場面なら楽しく過ごせるかについて、学校側も理解を深めていくことができます。あまりに渋りが激しい、あるいは、お子さんが登校するととても疲弊してしまうなどの場合には遅刻・早退や別室対応が可能かどうかなども検討するかなと思います。そうした中で、大事なのは、お子さんが学校で楽しかった・勉強が分かってよかったなど、何かしらの「よかった」経験をすることです。集団生活なので、すべてがよかったとなることは難しいです(これは発達特性の強めなお子さんだけでなく、誰しもそうだと思います。万事うまく過ごせてよかったと思う日はそうそうあるものではありません)。だからこそ、少しの戸惑いや嫌なことがあろうとも、総じて、今日もそれなりであったと思えるようにするための土台として、お子さんがつらくない環境をベースとしてつくっておくこと、そこに学校と一緒に取り組んでいただけたらと思います。まずは、担任や特別支援コーディネーター、あるいは養護教諭、管理職の先生、またはスクールカウンセラーなど、お子さんの様子も見ることができ、環境そのものに働きかけることができるポジションの方と一緒にそうした環境調整やトライアンドエラーによるうまくいく・いかないことの積み重ねを進めていただけたらと思います。
2022年10月19日保育園の参観日で…夏の初めごろ、保育園で久しぶりに参観日がありました。その参観日で、しのくんは私の方に駆け寄って来てしまい…。クラスの活動に参加することができず、私は落ち込みました。Upload By keikoほかにも「順番が守れない」「座っていられない」などと保育園から指摘があり…。「ただでさえ発達がゆっくりなのに、このまま小学校へ入ったらどうなっちゃうんだろう?」という不安が私を襲います。Upload By keiko「勉強についていけなくて、つらい思いをするのはしのくんなんだ…」と思った私は…お家で通信教育や市販のワークをする!『お勉強』をすることを決意しました!じっと座れない元々、興味のないことはしない子しのくん。そのため最初はワークをやろうと誘っても5分も経てば逃げ出そうとしました。Upload By keikoそこで私は、夫と連携して、しのくんが逃げないようにし、しのくんの好きなサメや魚を使って声掛けを工夫しました。Upload By keikoそれが良かったようで、次第にワークに取り組めるようになりました。また、ワークも、しのくんの好きな海の生き物のイラストがたくさん描かれているものをチョイスし、イラストを見せて→何がいた?何匹いた?など質問を繰り返すことを行いました。そうすると、質問した内容に答えを返す、というやりとりができるようになってきました!しのくんがついに…!ワークを始めたころはすぐに逃げ出していたしのくんでしたが、だんだん椅子に座っていられる時間も長くなり、一対一で向き合って、提案したものに取り組めるようになってきました。そのうち、「おべんきょうのじかんよ〜!」としのくんのほうから言ってくれるようにまでなりました。そして、ついに自分の名前が書けるようになったのです!Upload By keiko保育園での様子にも変化が…ワークを始めてからちょうど2ヶ月ほど経ったころ、療育センターのかたに来てもらい、保育園での様子を見てもらう機会がありました。様子を見てもらった当日…療育センターの先生がしのくんの変化に「驚いていた」と、担任の先生に教えていただきました。なんと、しのくんは、順番を守ったり、絵本の時間もきちんと座れていたそうです。私はその話を聞いてホッとしました。「もしかして、ワークを始めてからの変化なのかな?」と思いました。最後に好きなことを入り口にすると、今まで興味が持てなかったことや、嫌がっていたことにもチャレンジできることが分かりました!それに、保育園での生活にもよい影響が出てきている様子なので、しのくんが楽しんで取り組めるように工夫しつつ、これからもワークを続けていこうと思います。これからのしのくんの成長が楽しみです!執筆/keiko(監修:初川先生より)就学を見据えて、ワークを始めたというエピソードをありがとうございます。幼児期は発達のペースも早いのと(単に右肩上がりに育つというより、印象としては、ぐんとできるようになる時期が来る感じがあるのではと思います)、その度合いも個人差が大きいので、変化の大きな時期です。ワークに取り組ませるにあたって、しのくんの好きなサメや魚を使って工夫されたのですね。初めてのこと、そして難しそうなことに取り組む際にはそうした工夫はとても良いと思います。ワークの内容そのものが(単独で)、集中力を伸ばし、順番を待てるように作用したかどうかは分かりません。ですが、保育園という集団場面ではなく、家庭での個別場面で、しのくんにとって取り組みやすい課題(量、難易度)であり、取り組むための工夫(サメくんが応援してくれる)があり、さらに、できたらめいっぱい褒めてもらえる。そういった構造が良い作用をもたらしたことを感じました。好きなことを入り口として、自分に合った課題を、取り組みやすい環境設定で行い、そして取り組む間も終わってからも褒めてもらえるという構造は、お子さん自身にとっては、とても達成感を得やすく、「自分はできるぞ!」と感じやすくなるものです。自分はできる、大丈夫と思っていると、多少苦手な場面でも心に余裕を持つことができ、うまく立ち振る舞えることが出てきます。学習(ワーク)そのものを1つの「ツール」として、そうした「良い循環」を生む関わりを始めるということは、大人側からしても取り組みやすい面がありますね。お子さんに合ったものを楽しく取り組んで、いっぱい認められ、「できるぞ!」を積み重ねてゆく関わり、ぜひ継続していただければと思います。
2022年10月18日小5で障害の診断。「どうしてそんなに発覚が遅かったの?」という言葉が心に刺さり…わが子に軽度知的障害、ASD、場面緘黙などがあり、その診断を受けたのが小学5年生だと他人に伝えるとよく言われるのが「どうしてそんなに発覚が遅かったの?」という言葉です。親戚にも、見学に行った中学校の先生にも言われました。その人は純粋な疑問で聞いているのかもしれないのですが、私の心にはチクリと刺さります。子どもがこの年齢になるまで障害に気づかないなんて保護者失格じゃないかと言われている気持ちになるのです。でも実際のところ、小学4年生のころに担任の先生から勧められるまでわが子に発達検査が必要だと感じたことがなかったのです。ゆいが人と話すことが苦手なのも、勉強が苦手なのも個性の範囲だと本気で思っていました。この特性は家庭で過ごしている分には問題を感じないので、私の交友関係が狭く、同い年の子どもたちと比べる機会が少なかったのも影響があるかもしれません。Upload By 吉田いらここのようにとてつもなくずぼらな私ですが、ゆいが生まれたころは育児雑誌をよく読み発達のことを気にしていました。やはり第一子ということで少し神経質になっていたと思います。ですが、当時ゆいには特に心配になる遅れはありませんでした。母子手帳の年齢別ページの「できること」を確認しても、特に引っかかる項目はなく安心していました。このように最初は私なりに気を配っていましたが、ゆいが3歳くらいになると気が緩んで「健康ならそれでいいか」と思うようになっていました。発達に関して全く気を配ることをしなくなっていったのです。そのころから感じ始めたゆいの人見知りの強さも「恥ずかしがり屋さんなのね」といった程度にしか感じていませんでした。ここでピンときていたら、療育につなげることができて何か変わっていたのかもしれません。Upload By 吉田いらこ勉強の遅れが目立ち始めるゆいは小学2年生の終わりころからテストの点が取れず、勉強が苦手な子なのだなと感じるようになりました。もしかしたらこのタイミングで子どもに何かあるのかもしれないと気づく方も多いのかもしれません。けれども私はお勉強系の習い事をさせたり励ましたりするだけで、ゆいを発達検査に連れて行こうとは思いつきませんでした。ある人に言われた「小学校低学年の子がテストで80点以下を取ることはめったにない。そこでなぜ知的発達に何かあると気づかないの」という言葉は、今でもナイフのように私の胸に刺さって抜けません(もちろん80点以下を取っていたとしても障害のない子どももいると思います)。Upload By 吉田いらここれからのことこのように私が子どもの発達の遅れに気がつくのが遅れたことで、幼いころに療育につなげることができず、結果ゆいにはつらい思いをさせてしまいました。勉強はどんどん難易度が上がっていき、通常のクラスで勉強していくことはとても気疲れしたと思います。反省点はたくさんありますが、過去に戻ることはできないので、これからは先のことを考えていきたいと思います。少しでもゆいが快適に生きていけるように、周りの人の手を借り相談しながら進んでいこうと思います。執筆/吉田いらこ(監修:初川先生より)いらこさんご自身の、ゆいちゃんの発達の遅れに気づくことが遅くなってしまった経緯と思いをシェアいただきありがとうございます。周りを巻き込むような行動面の大きな課題(例えば、授業中どこかへ行ってしまう、トラブルになりやすくお友達に手が出てしまうなど)がなく、学校や日常生活の枠組みに入り、それなりに過ごせていて、学習面やコミュニケーションで苦手さやおとなしさがあるという場合、たしかに発達の遅れに気づきにくい面はあります。おとなしく、そして静かに困っているお子さんはなかなかそのつまずきが見えにくいです。周りの大人が「どうしてもっと早く気づかなかったの?」と素朴な疑問を何の気なしに口にされると、「(今となっては)もっと早く気づいてあげたかった」と思っているいらこさんにとっては刺さりますね…。小学校低学年の学習の単元確認テスト(いわゆるカラーテスト)は、たしかに満点や高得点を取るお子さんがかなりの数います。なので、そこで点数がふるわない場合、「おや…?」と思うきっかけになる面はあります(とはいえ、学習のつまずき、テスト場面での集中が難しかった、興味関心のムラが大きいなどさまざまな可能性が考えられるので、あくまでも、「何らかのつまずきがあるかも、そのあたりよく見ていくと良さそうだ」というサインだと捉えるとよさそうです)。お子さんの学習に対して、その到達度や定着をどのくらい求めるかは、保護者の方によってさまざまであると相談場面を通して感じるところです。学習が苦手なのは個性の範疇だと捉える方もいらっしゃれば、少し間違えるだけでもお子さんに厳しく指導されたり、とても心配されたりする方もいらっしゃいます。一般的に、学習の遅れを見つけたらかなりの量の勉強をさせたり、厳しい声掛けをされたりすることが多く、厳しく教えたら誰でも勉強ができるようになるわけではないですが、結果的にお子さんになかなかの負荷がかかってしまうことが懸念されます。まずはお子さんの知的発達の特性を知って(検査に限らず、どういうときにどう間違えやすいかについて情報を集めて傾向を見ることから始めましょう)、お子さんに合う学習方略を検討できると望ましいですね。いらこさんの大らかな眼差しによって、おそらくゆいちゃんは救われてきた面もあると思います。ただ、いらこさんも感じているように、ゆいちゃんは静かに困っている場面があり、そこに早く手立てを取ることができなかった面もあるのかもしれません。子育ては、自分とは別の人(子ども)をどう健やかに育てるかという課題で、どれだけ考えても理解が及ばない(気づくことができない)領域はあります。そういう意味で、お子さんへのまなざしを固定することなく、学校の先生などお子さんに関わる方に、その方から見るとお子さんがどう見えているかについて聞いてみる(多角的にお子さんを見る)、そして、お子さん自身に折々に困ったことがあるかを聞いてみることは、自分が気づけていない視点に気づくための方法として持っておくとよいかもしれません。いらこさんは「もっと早く私が気づいていたら」と後悔される気持ちも強いようですが、これまでのゆいちゃんの育ちにはうまくいっているところ、ちょっとつらいところどちらもあるはずです。誰しも満点の子育てはできるものではありません。「いつ気づくか」よりも「気づいてからどう理解してどう手立てを取るか」のほうがよほど大事です。ゆいちゃん本人の思い、先生方の視点、家庭での様子やこれまでの育ちを誰よりも知っている保護者ご自身の視点を活かしながら、ゆいちゃんの充実した学校生活のためにできることをしていきましょう。
2022年10月18日自閉スペクトラム症のある息子にとって虫歯予防は困難ばかり!Upload By みん幼いころのPはおやつなどの間食も多く、一日中冷蔵庫の前やお菓子を置いている戸棚の前で、自分が食べたい物を私に要求していました。私は毎日24時間Pへの対応に疲れ果てていたころだったので、少しでも癇癪を防ぐため、大人しくしてもらいたいがために、おやつを欲しがるだけ与えてしまっていた時期もありました。そんな食生活を続けていたので、いつしかPに虫歯ができてしまいました。Pの虫歯に悩んだ私は、保健センターに問い合わせて障害児の治療も可能な近所の歯科医院を教えてもらい、通院することにしました。そこでは「治療をするにはまだ危険で難しい」という話になり、まずは場所や人に慣れることから始めることになりました。何回か通っていくうちにPも少しずつ慣れて、やっと診察台に乗れるようになったのですが、仰向けになって口を開けて先生に歯磨きをしてもらう段階になると拒否して暴れるので、身体を抑えつけて先生に進行止めの薬を塗ってもらったり歯磨きをしてもらったりしていました。そんなことを繰り返しているうちに、Pは歯科医院への道を通るだけでパニックを起こすようになり、最後は歯科医院の中へ入ることすらできなくなってしまいました。Upload By みんせっかく慣れた歯医者がトラウマになってしまい困った私は…慣れるために時間をかけて1年以上も通っていたはずだったのに、力ずくで抑えつけるという間違った対応の仕方のせいで、歯科医院に慣れるどころか結局はトラウマだけが残ってしまい、虫歯もどんどん進行してしまいました。こうして近所の歯科医院へはこれ以上通院することができなくなり、先生に紹介状を書いてもらって「障害歯科」を予約し、全身麻酔での治療に進むことを決意しました。障害歯科は1日に4組までしか予約を取っていないので、すぐには診てもらえず、予約をしてから3〜4ヶ月ほど待ちました。全身麻酔での治療になるので、事前に麻酔についての説明があり、前日から私もPもしっかりと準備をして、障害歯科へと向かいました。初めて行った障害歯科の雰囲気は、待合室にはPのほかには1人しか来ていないので、とても静かでほかの人に迷惑がかかることもなく周りを気にすることもなく、落ち着いて過ごすことができました。そして対応してくださる先生たちも、障害のある人に対して知識や経験のある先生ばかりで、親子ともにとても安心できました。治療のために全身麻酔をしてPを眠らせるときに、私はとても後悔をしていました。こうなってしまったのもPに虫歯を作った私の責任だ…と、眠ったPの顔を見ながら申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。それから約2時間後、無事に虫歯治療は終了し、Pが麻酔から目覚めると帰宅することができました。私は治療が済んだ安心感と、とりあえずはこれで虫歯の悩みから解放されるのでホッとしていました。1年以上も治療ができない歯科医院へ苦労しながら通って悩んできたけど、もっと早くに障害歯科で治療をする決断を私がしていれば良かったなと思いました。Upload By みんわが子にとって「今」何をどう選択するべきなのか?を親が見極める必要性。思えば長男は虫歯を作ったことがありません。歯磨きをするのも歯科医院へ行くのも親子ともに全く苦労をしたことがなかったのです。でも障害のあるPの虫歯予防と虫歯治療は、どれだけ大変でどれだけ苦労をしたか…と思い返しながら難しさを痛感していました。まずは歯磨きや歯科医院に慣れてほしいと思う私の願いよりも先に、Pの場合はとにかく治療をして、慣れるのはあとから時間をかけてゆっくり始めても良かったのかもしれません。実際、あんなに難しかった歯磨きも、Pが療育を受けながら成長すると、徐々にスムーズにできるようになり、今では自分から「歯磨き」と私に伝えにくるほどになりました。Upload By みん何をするにも、何を選択するにも、その子その子のタイミングがあるのだと思います。Pの発達や状況をしっかりと観察し、今のPの発達段階では何が可能なのか?何が難しいのか?を考え、親の希望するタイミングではなく、P自身のタイミングを見極めながらさまざまな選択をしていけるようになりたいです。執筆/みん(監修:藤井先生より)歯磨きができないならせめてうがいだけでも、とPさんには負担をかけたくないけれど、虫歯予防もしなくてはと、頑張ってこられたみんさん、後悔しながらも、諦めずに向き合われて、今があるのだと思います。Pさんの成長とともに、今では自ら歯磨きをするようになったとのこと、この体験談を通じて、歯磨きを嫌がるお子さんを育て中の親御さんに励ましとなりますね。
2022年10月17日ご自身や家族が精神疾患かな?と思ったらUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン診察はどのように行われるの?精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。もしご自身や家族が精神疾患の症状が出ていたら専門機関の受診をおすすめします。診察では、医師はまず患者本人およびその家族から、主訴(何に困っているのか)、現病歴(いつからどのような症状があり今に至っているのか)、既往歴(以前かかっていた病気のこと)、家族歴(家族の精神疾患、ないし同じ症状の人がいるか)、生活史、家庭環境や職場環境などを聞き出します。次に、集めた情報や診察室で観察される症状、さらには病院によっては検査結果などから、総合的に診断を決めていきます。おおむね以上のような流れで進みますが、医師により異なる手順をとる場合もあります。各診療科の特徴精神疾患をみる診療科は精神科や精神神経科、心療内科や神経内科など、かなり名称にばらつきがあります。精神科と心療内科の診察の対象となる病気は、現時点では明確な区別はありません。ただ、心療内科には「内科」とついていることからも分かるように「身体症状」に対する対症療法などの経験が豊富な医師が多いようです。精神科、精神神経科、神経科は、名前が異なりますが診ているのは精神科医です。精神症状なら精神科医の方が経験豊富ですが、医師の資質・経験の差が大きい場合もあるので、自身にあった医師を見つけることが重要です。心療内科は、心理的な問題が原因で、頭痛、倦怠感、不眠、胃潰瘍などの身体的な症状が出ている場合(いわゆる心身症)を対象としています。神経内科(脳神経内科)は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を主な対象としています。認知症やてんかんなどは精神科だけでなく神経内科(脳神経内科)でも診ています。一般的には看板ごとに以上のような住み分けがされていますが、診療科名からどのような病気を対象としているのか確かめにくいこともあるので、あらかじめ電話やホームページで確認するとよいでしょう。どの科においても薬の「飲み心地」などについて話し合えるのが、「良医」であることの1つの指針となります。不安なことや、悩みがある場合、気軽に相談できる病院を選べるとよいでしょう。精神疾患の治療法精神疾患の治療法は、大きく分けて身体的治療と心理的治療の2つに分かれます。以下、それぞれについて紹介いたします。代表的なものが、薬物を用いた薬物療法です。他に、高照度光刺激療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)などの身体に物理的に働きかける療法もあります。身体療法とは対照的に、心理的な手段を用いて患者の心身に働きかけるもので、さまざまな理論・アプローチがあります。たとえば、認知に働きかけて気持ちを楽にする「認知行動療法」、精神分析を基本として、患者の問題や時間、場所などの条件にあわせて行う「精神分析的心理療法」、重要な他者との関係を見つめ、その対処法を見つけていく「対人関係療法」などが代表的です。医療機関で精神科医が行う面接や心理的治療を「精神療法」、心理士が行うセラピーを「心理療法」と呼ぶことが一般的です。まとめ精神疾患の経過は人によってさまざまです。今はネットなどでいろいろな情報を調べることは出来ますが、悲観的になりすぎないことが必要です。ご自身が精神的な不調に長らく苦しまれているのなら、少し勇気をだして一度医療機関を受診することをおすすめします。自分だけでは分からなかった解決策が見えてくるかもしれません。また、家族がこころの不調で悩んでいると、周りの人、とりわけご家族は責任感を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、精神疾患の原因は複合的なもので、決して一つではありません。たとえ家庭内に少し問題があったとしても、それだけが唯一の原因ではないのです。ご自身を責め過ぎず、疲れを感じた場合は休むことも必要です。一人で抱え込まないためにも、医療機関や福祉サービス、家族会などに救いの手を求めましょう。
2022年10月16日夫は単身赴任、小5娘からは性別への違和感を告げられ12歳のときにASDグレーゾーンと医師から言われた娘。性別の違和感や不登校、友達とのコミュニケーションが上手く取れないなどの課題もあります。娘の特性が気になりはじめたのは小5のころでした。誕生日にクラスメイトの女子からプレゼントを渡されたのですが、「プレゼント交換の意味が分からない」と突き返してしまい、友達に不快な思いをさせてしまいました。それからは友達との関係を「面倒くさい」と言って、自分から関係を切ってしまいました。その出来事をきっかけに、私は、娘は相手の気持ちが読み取れなかったり、空気が読めないといった特性があるのではないかと考えるようになりました。また、小6のころには「水着になりたくない」という理由からプールの授業を拒否しました。そのときに娘から「身体の性は女だと思うが、心は違うようだ」と打ち明けられました。Upload By ユーザー体験談これまでの育児の中で性同一性障害かもしれないと考えたことはなかったので、母としては娘は”身体の成長に心がついていってない”状態なのではないか、そして友達付き合いがうまくいかない理由に性への違和感があると考えるようになったのではないか、と思いました。※もちろん、これはあくまでも現在の私の意見なので今後の娘の意見は尊重はしたいと思っています。自分を曲げない。周囲に合わせるのが苦手。でも、本人なりに合わせようとする(過剰適応)。その結果、疲れてしまい何もかもが嫌になってしまう。こだわりが強く、聴覚、視覚、触覚、嗅覚過敏がある娘。さらに夫はその当時単身赴任中だったこともあり、相談する相手もいなく、私は娘にどう接するのが正解なのか分からなくなっていました。夫が単身赴任から帰ってきて小6になるころに、学校からは「娘さんは精神的にとても混乱している」と指摘され、精神科の受診を勧められていました。そんなとき、娘が8~11歳の間単身赴任をしていた夫が、自宅に帰ってきました。私は娘のことについて相談をしました。学校からの指摘もあり、私も精神科を受診をした方がよいと思っていたので、そのことを夫に話すと「いいんじゃない」と一言だけ…。夫があまりにも他人事のようなので、児童精神科のある病院をネットで探してほしいと頼んでみたり、当日同席して欲しいと伝えました。わが子の問題に父親として向き合ってもらいたい、情報を共有することでいつでも相談できるようにしておきたかったのです。児童精神科受診日、夫の行動に失望児童精神科受診当日、夫は待合室で居眠りしたり、院内をウロウロ歩き回ったりしていました。夫は買物や行事などでも一緒に行動せずウロウロと何処かに行ってしまうし、普段からいろいろなところで居眠りをするのですが、まさか娘の病院で?とショックを受けました。診察のときも話すのは母親の私だけ。夫は単身赴任だったからと子どもの事は分からないという態度でした。Upload By ユーザー体験談診察の結果、娘はASDグレーゾーンだと医師から言われました。そして娘は私達両親の前で「性別の違和感のため性転換したい。名前も変えたい」と医師に言いました。以前にも娘はそのようなことは言っていましたが…娘は本気なのだと思いました。医師に詳しく話を聞いたところ、実際に性転換を行うなら東京の専門医を紹介してもらう必要があるとのこと。娘はまだ小学生、決断するのは早すぎないだろうか。あとで後悔することにはならないだろうか。また、地方に住んでいて専門医の受診も簡単にはできないし、下の子のことや、費用のことまで…さまざまなことが頭の中で渦を巻き、胃が締め付けられるようでした。受診後、私は不安な気持ちでいっぱいでした。しかし夫は、病院をでるなり「焼肉でも食べて帰るか!」と何故かハイテンションでした。私はついに爆発。相談に乗ってくれない夫に「あなたは傍観者なの!子どもが心配じゃないの!」と切れてしまいました。Upload By ユーザー体験談怒った私を見た夫の反応は怒っている私をみた夫は急にぶっきらぼうな態度になりました。私の気持ちが理解できず戸惑ったり、面倒くさいと感じている様子で「子どもの問題をオレに振るな」「子どもの問題なのになぜ自分が責められなければならないのか」「病気だから仕方ないだろう。放っておくしかない」「病院にも連れて行ったし、やることはやった」「何かやらせようとするのは親(母親)のエゴだ」と言われました。その後、夫は食事やお風呂以外は自室にこもってしまいました。夫が自室にこもる状態は、最初の通院で言い争ってから5ヶ月ほど続きました。私は我慢ができなくなって、娘のこと、そして私の気持ちを伝えようと泣きながら話しました。その日は戸惑い、反応もなかった夫でしたが、次の日に「今まで言ったことは本心じゃない。うまく伝わらない。」とLINEが。夫なりに状況を変えたいのだと私は感じました。そこで、私は子どもの日々の生活について伝え、子どもの現状を共有するようにしました。しかし、やはり返ってくる反応はいつも同じ。「了解。引き続きよろしく」だけです。私の心には澱が溜まるだけでした。ある日、ASDグレーゾーンの娘への対応方法などを調べているときのことです。ASDのある大人の日常での様子について書かれた記事にたどり着き、読んでみると「もしかして夫もそうなのかもしれない」と気づきました。ネガティブな話になると突き放される、給与の詳細を教えてくれない、一方通行な話し方…記事に書いてあるさまざまな場面が夫の様子と重なったからです。Upload By ユーザー体験談夫のこと、子どものこと、現在も悩みは続き…行き渋りのある娘は登校へのプレッシャーがあるようで、精神的に不安定。親としては登校を強いることなく見守っています。とにかく話を聞いてあげることを意識的に行い、娘の心の安全基地になれるように努めています。そして夫は…現在も自室にこもりがちです。家族とのコミュニケーションが面倒のようで、エアコンの効いたリビングではなく暑かったり寒かったりする(電気代が勿体無いらしくエアコンをつけません)自室で一人で過ごしています。私も、家族で過ごすことが夫にとってストレスになるなら、夫が一人で過ごすことを受け入れようと思う…というか諦めるようになりました。娘と同様、夫に対しても、強いることはせず見守るようにしています。夫は娘の登校渋りや発達の問題には触れてこないので、私も話を振らないようになりました。しかし、私の中に溜まるイライラや不満、寂しさは消えないしなくなることはありません。子どもたちも私の状況を薄々感じているので、子どもたちへの悪影響が心配です。特にきょうだい児である下の娘(小3)はいろいろと我慢させがちなので、私と二人だけの時間を意識的に作り、アクティブリスニングをするようにしています。家族の問題を解く鍵になりそうな書籍を読んでみたり、心理学も学び始めました。また、自助会に参加してみたり、スクールカウンセラーを利用したり、SNSで同じ悩みを持つ方々と交流してみたり…。夫に相談できない分、学校や精神科の先生も含め助けてくれる外部との繋がりを大切にしています。今後どうなっていくのかはまだ分かりませんが、母として子どもたちを守り、どうにか乗り切っていければと思っています。イラスト/SAKURAエピソード参考/たろう(監修:井上先生)思春期になり子どもさんの発達や性に関する違和感、登校渋りと心配なことが続く中でパートナーである夫との間での理解や共有ができないのはとてもつらいと思います。その分、外部の専門機関や学校との連携を密にしたり気持ち的な悩みを共有できる仲間や友人を作ったり自分自身だけで問題を抱えないようしていくことが大切かと思います。そうした支えを持つことでパートナーの状態を理解しコミュニケーションの取り方を考えていく余裕が生まれるのではと思います。
2022年10月16日精神疾患とは?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン精神疾患とは、なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。この意味合いで、一般に「心の病」や「精神病」「精神障害」などと呼ばれるものを、より医学的に言い表すときに使われることが多い用語です。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。精神疾患の症状は?精神疾患の症状にはさまざまな種類がありますが、そのほとんどは精神疾患でない一般の人でも経験するよくあるものです。ちょっとした気分の落ち込みや漠然とした不安感を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?疾患であるかどうか医師の診断によって決まるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。また疾患名ごとにそれぞれの度合いや組み合わせは異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状の一部を紹介します。症状それ自体は健康な人にも生じうるものであって、これがあるから精神疾患だ、ということではありません。あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:憂鬱・むなしい・もの悲しいなどの気持ちになり、気力がでない状態。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的だが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類がある。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくい。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうこと。精神疾患の原因は?遺伝との関係はあるの?原因の一つとして挙げられるのが「本人の特性と環境のミスマッチ」です。精神疾患の成り立ちを説明するモデルとして、ほとんどの精神疾患にあてはまるといわれているのが、ストレス脆弱(ぜいじゃく)性モデルです。すなわち「その人が元来もっている病気へのなりやすさ(脆弱性)と、病気の発症を促す要因(ストレス)の組み合わせにより、精神疾患は発症する」という仮説です。ここでいう脆弱性とは、遺伝などの先天的な要素と、どのような環境でどのように対応してきたかという後天的な要素により決まるといわれています。一方、ストレスには家庭や職場、学校における人間関係といった日常的なものだけでなく、戦争、災害、家族の死などがありますが、個人により何にどの程度ストレスを感じるかは異なります。思春期という、身体が急激に変化する時期は思春期であること自体がストレスの要因にもなりえます。同じストレスを受けた場合でも、精神疾患を発症する人としない人がいるのは、その人がもつストレスへの脆弱性が低いか高いかによると考えられます。・遺伝のしくみ遺伝には、親から病気の遺伝子を受け継ぐ場合と、親から正常な遺伝子を受け継ぎながら子どもの代で遺伝子に変異が起こる場合(突然変異)があり大きく3つに分かれます。・メンデルの遺伝法則に従って遺伝する単一の遺伝子の異常・複数の遺伝子が作用した上に環境要因も加わり発症する多因子遺伝・突然変異によるもの精神疾患のなかでも遺伝が関与するもののほとんどは、多因子遺伝によるものと考えられています。言い換えれば、特定の病気を引き起こす遺伝子というものはなく、誰もが持っている複数の遺伝子の組み合わせにより、脆弱性が左右されるということです。・遺伝だけが発症を左右するわけではない脆弱性(病気のなりやすさ)には遺伝も関係しますが、環境も大きな要因の一つです。精神疾患のなかでも遺伝の影響が強いとされる統合失調症でさえ、遺伝だけが発症の原因というわけではありません。実際、双生児を対象にして、「一方が統合失調症を発症した場合にもう一方が発症する確率」を調べた研究では、遺伝子が完全に一致する一卵性双生児でも48%、遺伝子が通常のきょうだいと同じ程度に異なる二卵性双生児の場合は17%という結果が出ています。この結果は、遺伝の影響だけが発症原因ではないことを意味すると同時に、その人を取り囲む環境が発症に関係する場合もあることを示しています。参考:6.社会と精神医学|日本医学会 100 周年記念シンポジウム原因探しは必ずしも解決につながらない自分の病気の原因を探し求めても、解決につながるとは限りません。仮に、遺伝や、親の育て方などの環境が関与していることが分かったとしても、そもそも一つないし少数の要因だけで病気が発症するわけではありません。目立つ要因があったとしても、必ずそれ以外にもいくつもの要因が病気の発症には関与しているものです。まして、その要因が今更変えられないものであるなら、そこにとらわれていても解決にはつながらないのです。過去ではなく未来に向かい、今何ができるのかを考えることが必要なのではないでしょうか。
2022年10月15日ダウン症のある息子の保活問題!以前のコラムで、ダウン症のある幼児期の子どもが辿る大体の進路は①保育園に行く②幼稚園に行く③療育園(障害のある子どもに特化した園)に行くというパターンに分かれると書きました。Upload By 星きのこうちは保育園希望だったのですが、当時、障害のある子どもを受け入れる体制が整っている園がとても少ないのが現状でした。ですので、認可保育園の加配枠(※)には「まずは入れないと思って下さい。」と市役所の職員の方から伝えられ、ショックを受ける始末。※加配枠:障害のある子ども一人、もしくは二人に一人の先生がついてくれる枠(自治体によって人数や体制などは違います)そして私立保育園も障害があっても入れるかどうか片っ端から電話で聞いてまわったのですが、ほぼ全滅。唯一、一駅先の私立保育園だけがきいちゃんを受け入れると言ってくれました。遠いけど、ここに申し込んで受かったら通うしかないと思っていた矢先ー…ダメ元で申し込んでいた認可保育園の加配枠に通ったと市役所から連絡がーー……!!これにはビックリしました。絶対に入れないと諦めていた認可保育園にまさか通ったなんてーー……!!夫と一緒に喜んだのもつかの間、その通った保育園はうちからとても遠いことが分かりました。認可保育園の申し込みの時期は私が出産直後だったこともあり、代わりに夫が申し込みに行ってくれたのですが、なんでも希望の園を書く欄にめいいっぱい(15園くらい?)、とにかく書けるだけ書いたらしいのです。その一番最後に書いた希望の園になんと今回、通ったらしいのです。私がその園の名前を見た瞬間、口から思わず出てしまった言葉は「え……?どこ…!?」でした…。Upload By 星きのこ認可保育園と私立保育園…どちらを選択する?電車も通っておらず、移動手段は駅まで歩いて行ってそこからバスか、自転車でなら行ける距離。夫も私も正直、仕事をしながらそこに毎日、往復で通うのはかなりキツイです。雨の日なんて想像したらゾッとします…。でも…それでも認可保育園に入れたのは奇跡としか言いようがないことです。今思えば、たまたまタイミングが合ったということと(加配枠はそれぞれ園によって何名までと決まっているので、卒園児が出ないと入れない)、きいちゃんが0歳のときに申し込んだので競争率が多少なりとも下がっていたのかもしれません(私の周りの同じダウン症のあるお子さんを持つ親御さんは、園に入れるのは1~2歳を過ぎてからという方が多い印象でした)。そして、ここに通うしかないと思っていた私立保育園も、やはり激戦だろうということは予想でき、必ずそこに行けるという保証はないのです。せっかく通った認可保育園を「家から遠いから」という理由だけで断ったら、次はいつ通るのか、いや、ずっと通らない可能性もあり得ます。そうやって考えていくと、残された選択は一つしかありません。「せっかく通った認可保育園に通うしかない!!」です。Upload By 星きのこ保育園にきいちゃんが通えるということは、私が仕事復帰できるということ以外にも、きいちゃん自身にとってもプラスになることがたくさんあると思いました。保育園だけではなく、幼稚園、療育園にも言えることですが、集団の中に入ることはそれ自体が子どもの療育にとてもいいと言われています。障害があってもなくても子ども同士だからこそ学び合うことは多いはずです。Upload By 星きのこ保活問題を振り返って、今思うこと私が妊娠中に保活し、夢見ていた保育園とは全く違う選択や展開になりましたが、今振り返ってみてもこれがあのときのベストな道だったと思います。そうやって長かった私の保活問題は終止符が打たれました。その後、きいちゃんは保育園で刺激を受け6年間でたくさんの成長をしていきました。しかし、その遠さから保育園に通うのがあまりにも大変だったことや、きいちゃんが当時心臓病が原因で肺炎を繰り返し、ほとんど保育園に通えず、保育園を辞めなければいけないかもしれない危機に陥ったりといろいろと大変なことは続いたのですが、またこのことは違う機会に書ければと思います。執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)全ての保育園で障害の区別なく受け入れてくれる世の中が理想です。保育士は学校で「小児科学」という講義を受け、ダウン症に関する知識もそこで学びます。しかし、障害がある子どもの保育を実際に行う際には、より深く掘り下げた知見が必要になるでしょう。そして、各県に障害児専門にみてくれる療育園がありますが、医療と連携しているところがまだまだ少ないのも現実です。障害児の療育や教育には、医療・教育・保健・福祉という連携がとても重要なのです。これらが一堂に集まって最新の知識を共有し、さまざまな問題点を解決していけるように各自治体が現場の声を聴く必要があるのです。
2022年10月15日東京文化会館、11月19日(土)に「リラックス・パフォーマンス~世代、障害をこえて楽しめるコンサート~」開催Upload By 発達ナビニュース東京文化会館は2022年11月19日(土)に「リラックス・パフォーマンス〜世代、障害をこえて楽しめるコンサート〜」を開催します。「リラックス relaxed」とは“寛容な”という意味。「リラックス・パフォーマンス」は、障害の有無や年齢などにかかわらず、あらゆる人が安心して音楽を楽しめる公演です。聴覚障害のある方、発達障害があり劇場や音楽ホールでの音楽鑑賞に不安がある方、小さなお子さん(4歳以上)、そのほか「クラシック音楽公演は鑑賞マナーが厳しくて行きにくい」と思っている方でも安心して鑑賞できる公演です。リラックス・パフォーマンスには、以下のような特徴があります。●客席の照明を完全に暗くしません。●上演中に休憩が必要になった場合は、客席外に出ることができます。●公演の約3週間前に、プログラムとご家族・介助者のためのガイドをウェブサイトに公開します。●聴覚障害のある方も楽しめるよう、ヒアリングループ席や身体で音楽を感じられる体感音響席があります。これまで劇場や音楽ホールでの音楽鑑賞には不安があった方も、このコンサートでは、安心してプロの音楽演奏を楽しむことができます。この機会に親子や友人どうしなどで参加してみるのもおすすめです。※クリックすると発達ナビのサイトから東京文化会館の公式サイトに遷移します<詳細>日時:2022年11月19日(土)14:00~15:00(13:15開場)※休憩なし場所:東京文化会館 小ホール対象:4歳以上の方料金:指定1,100円(車椅子席、車椅子移乗席、体感音響席、ヒアリングループ席〈受信機貸出あり/貸出なし〉あり)●体感音響席振動を身体に伝える体感音響システム「ボディソニック」が使用されており、難聴の方は、ヘッドフォンやヒアリングループ(磁気ループ)からの音と一緒に全身で音楽を楽しむことができます(ろうの方は、振動によって音楽を楽しむことができます)。●ヒアリングループ席「ヒアリングループ」(「磁気誘導ループ」、「磁気ループ」とも呼ばれます)を用いると、マイクを通した音声を直接補聴器や人工内耳へ伝えることができ、声や音楽をクリアに聞くことができます。ループの音は補聴器や人工内耳のTモード、または専用受信機で聞くことができます。主催:東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京文化会館特別協力:パイオニア株式会社申込はこちらから※クリックするとチケットぴあの購入ページに遷移します【発達ナビ×フェリシモ CCP】発達ナビユーザーの声からコラボ商品開発進行中!過去大人気商品のリニューアル発売もUpload By 発達ナビニュース発達ナビとフェリシモCCPがコラボし、困りごとをサポートする商品づくり第4弾がスタートしました。200名以上の発達ナビユーザーの方から回答いただいたアンケートの内容から、『バッグインウォレット』と『透ける収納ボックス』の2アイテムの販売が予定されています。『バッグインウォレット』は中身が見やすいお出かけ用バッグで、じゃばらポケットやループ、マチ付きポケットがついており、収納がしやすくなっています。また『透ける収納ボックス』は、名前の通り中身が透けて見える収納ボックスで、間仕切りが調整できる、薬袋が立てて入れられる、などの工夫が施されています。また、新商品開発に伴い、これまでに販売した商品の中で、特に大人気だった2アイテム、『ポケットの中が見えるメッシュリュックインナー』と『タスクチェッカー』のリニューアル発売が決定しました。便利なツールを使用する、などの環境調整により、発達障害特性による苦手なこと、難しいことは軽減されることもあります。今回ご紹介したような商品を使用することで、日常生活の困りごとが少しでも改善されるかもしれません。※クリックすると発達ナビのサイトからフェリシモCCPのオンラインストアに遷移します。活字の読み上げを行う視覚支援デバイス『OrCam Read(オーカムリード)』販売開始Upload By 発達ナビニュースオーカムテクノロジーズは9月1日に新商品「OrCam Read(オーカムリード)」を発売しました。「オーカムリード」とは、高齢の方、学習障害(ディスレクシア等)のある方、視覚障害のある方など、文字を読むことに困難のある方々のために、活字の読み上げを行う視覚支援デバイスです。レーザーを当てることで、新聞、本、ディスプレイ、レストランメニューなどあらゆる活字を、瞬時に読み上げることができます。オーカムリードには以下のような特徴があります。●インターネット環境が不要●有線イヤホン、Bluetoothイヤホンとの接続が可能●日本語と英語の2言語の読み上げが可能(翻訳不可)●撮影したテキストの中から、知りたい情報だけを抽出して読み上げる「スマートリーディング機能」搭載●44.5グラムのコンパクト・軽量設計。図書館や自治体などでも導入が検討されているほか、日本語と英語を読み上げることが可能なので語学教育分野での活用も期待されています。文字を読むことに困難がある方々は、こうした商品を活用することで、日常生活の不便さが改善されるかもしれません。※クリックすると発達ナビのサイトから「オーカムテクノロジーズ」の公式サイトへ遷移しますヘラルボニー、10月19日~阪急うめだ本店にて原画展やアートプロダクトが楽しめる「ヘラルボニーアートコレクション」を開催Upload By 発達ナビニュース「異彩を、 放て。」をミッションに、 福祉を起点に新たな文化の創出を目指す福祉実験ユニット、ヘラルボニーが、2022年10月19日(水)~10月31日(月)の期間、阪急うめだ本店9階祝祭広場にて、「へラルボニーアートコレクションーー異彩と出会う、新たな感動。ーー 」を開催します。ヘラルボニーは、主に知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、さまざまな事業を展開し、作品を通して社会実装を進めています。今回のイベントでは、関西在住の作家を中心とする原画の展示のほか、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の出店、「アートクルーズイベント」などの関連プログラムが複数開催されます。大阪初出店となるヘラルボニーのイベントに足を運び、力強く自由なアートの世界を堪能してみるのはいかがでしょうか。<詳細>タイトル:「へラルボニーアートコレクションーー 異彩と出会う、新たな感動。ーー」期間:2022年10月19日(水)〜2022年10月31日(月)場所:阪急うめだ本店 9階祝祭広場内容:・原画展 「HERALBONY GALLERY in Hankyu」・作家アトリエスペース「異彩衣笠泰介のアトリエ・HERALBONY(ファッション・インテリア)POP UP出店・スペシャルコラボレーション(ファッション)POP UP出店・そのほか、会期中毎日、会場をめぐる「アートクルーズ」が開催されます。(10/29(土)は手話通訳付きでの開催予定)■ヘラルボニー両代表の松田崇弥氏・松田文登氏がガイドを務める「アートクルーズ スペシャル」日時:2022年10月19日(水)11:00-11:30 / 16:00-16:30場所:阪急うめだ本店 9階祝祭広場参加費:無料■公開アート制作「異彩 衣笠泰介のアトリエ」日時:2022年10月19日(水)13:30〜 アトリエ制作活動開始(終了時間未定)場所:阪急うめだ本店 9階祝祭広場 「異彩 衣笠泰介のアトリエ」ゲスト:京都市の「ギャラーミラクル」で活動する作家・衣笠泰介氏※10/20(木)以降、月・水・土・日制作予定( 時間未定)国連障害者権利委員会、日本政府に対し「障害児の分離教育」の中止を要請2022年8月、スイス・ジュネーブの国連本部にて、日本政府は「障害者の権利に関する条約」に関する審査を受けました。これを踏まえ、9月9日に国連の障害者権利委員会は日本政府に総括所見(勧告)を出し「特別支援教育により、障害児は分離され、通常の教育を受けにくくなっている」ことから、特別支援教育の中止を日本政府に要求し、「すべての障害のある児童生徒が、すべての教育レベルで合理的配慮や個別の支援を受けられるよう」国家的な行動計画を採用することを求めました。障害者権利条約は、障害がある人の権利を保障するための条約であり、2006年に国連が採択、日本は2014年批准しました。条約締約国は、定期的に条約の内容に反していないか審査を受ける必要があり、日本は今回、2014年の批准以降、初めて審査を受けました。審査は通常、障害者権利委員会の質問に政府が回答する形式で行われるのに加え、当事者の声を反映するため「別枠」が設けられています。今回日本からは審査に際して、当事者約100名が渡航し、障害者教育を取り巻く日本の現状について訴えました。国内でも現在、さまざまな意見が交わされています。日本の教育制度は、一学級あたりの生徒数が多く、教師の数が少ないなど、さまざまな課題があります。この勧告を機に今一度既存の教育制度全体を見直す必要があるのかもしれません。国連障害者権利委員会からの総括所見(勧告)はこちらからご確認ください。知的障害のある人の自立のためのコインケース『ニコニコイン』株式会社夢育て&NPO法人ユメソダテが販売開始Upload By 発達ナビニュース「数字として金額の大小」は分かるのに、「硬貨の種類・枚数の情報」を数字に変換することが難しく買い物ができない。知的障害のある人の中には、このように「自分でお金を扱うことができない」という困りごとを抱えている人がいます。こうした困りごとを解消するために、2021年から、株式会社夢育て&NPO法人ユメソダテで開発が進められていた『知的障害のある人の自立のためのコインケース』の販売がスタートしました。コインケースは、横から見ると笑顔に見えることから、「ニコニコイン」と名づけられました。左から百の位、十の位、一の位と硬貨を並べられるため、硬貨の種類・枚数が視覚的に分かりやすく、金額への変換がしやすいという特徴があります。障害のある方だけでなく、小さなお子さん、高齢者、視覚障害のある方、などさまざまな方にとって使いやすいコインケースになっています。※クリックすると発達ナビのサイトから株式会社夢育て&NPO法人ユメソダテのオンラインストアに遷移しますニコニコインの使用方法はこちらからご確認いただけます。※クリックすると発達ナビのサイトからNPO法人ユメソダテの公式YouTube動画「ニコニコイン」に遷移しますまた、株式会社夢育て&NPO法人ユメソダテでは、実際にニコニコインを使っている様子を撮影した動画を募集しています。詳細はこちらからご確認ください。※クリックすると発達ナビのサイトからREADYFORのサイトに遷移しますLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年10月14日嗅覚や味覚の過敏さから、学校生活や学習に困難を感じている子どもは多くいる?ノートが上手く取れない、計算や漢字の書き取りが不得手、授業に集中できない…など、子どもの学習に関連する困りごとは、「限局性学習症(学習障害・LD)」が原因なのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、限局性学習症がなくても、嗅覚や味覚の過敏さなどの感覚過敏の特性やそのほかの発達障害の特性から学習に困難を感じている子どもも多くいると考えられています。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。このコラムでは「嗅覚や味覚に過敏さがある子どもの学習の悩み」について、原因や対応策などを解説します。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン嗅覚、味覚の過敏さがあることで起こる学習の悩み学校の教室はさまざまな活動をする場なので、多様なにおいがあります。例えば、チョーク、古い本、床のワックス、給食、栽培・飼育しているものなど、さまざまなにおいがあるために、嗅覚過敏がある人にとって学校は苦手なにおいに遭遇する可能性の高い環境です。また、それらのにおいが混ざり合って空間特有のにおいとなる場合もあります。嗅覚過敏のある子どもは、こういった特有のにおいによって活動に支障をきたすことも多いです(例:理科室のにおいが苦手で、部屋に入れないなど)。解決策:マスクをすることでも、ある程度においを隠すことができます。また、好きな香りつきのタオルを巻いたりすることも良いでしょう。また、授業ではありませんが、特定の味やにおいに対して過敏さがあり、給食がつらくて食べられないというケースもあります。食物アレルギーだけでなく、においや食感、温度、見た目などさまざまな感覚に対する過敏さによっても、食べられないものが多くなります。完食しないとペナルティが課せられるような場合は、給食がストレスとなって体調を崩す可能性もあります。解決策:給食は無理をせず、食べられるものだけでよいというルールにできるように相談してみましょう。食器やカトラリーの感触が苦手という場合もあるかもしれません。いずれにしても、無理をさせずに本人がどうしたいのか要望を聞いてあげるようにしてください。嗅覚過敏については、学校以外の場所であれば、ガムをかむことなども有効です。
2022年10月13日4歳10ヶ月次男、なかなかトイレトレーニングが進まない…!Upload By taekoなかなかトイレトレーニングが進まない発達グレーゾーンの次男、ふー。4歳10ヶ月になり、保育園のクラスメイトはほとんどオムツを卒業しています。兄のミミは4歳6ヶ月でオムツが取れたのでついつい比べてしまい…。「そのときが来たら早そう」「本人の気持ちに任せましょう」と周りは言ってくれているけれど、かたくなにトイレもトレーニングパンツもおまるも嫌がるふーを見ているとそんな優しい言葉も気休めにしか聞こえなくなってきていて…。いつになったらふーはオムツが取れるの?小学校までには取れる?とふーのことを信じてあげなきゃと思う一方で途方に暮れてしまう瞬間もありました。Upload By taeko8月のある休日…なんとおまるで成功!?8月のある休日。テレビで動画を見ていたふーに、おまるに座ることを勧めるとそのまま座ってくれました。しばらく様子を見ていると………なんと「出た!」とふーの報告が!たくさん褒めてあげた…と言いたいところですが、ふーは過度に褒めると逆に嫌がってしまうので、気持ちを抑えて「やったじゃん!」と声をかけました。そして今がチャンス!とばかりにふーにご褒美を買ってあげました。ご褒美に大喜びのふー。次の目標として「おまるで5回できたらまたご褒美を買ってあげるよ」と約束をするとなんと翌日にはクリア!ふーはガチャガチャをゲットして満足そうでした。Upload By taekoその翌日、兄のミミがなんとコロナに感染。ふーも濃厚接触者として保育園を休むことに。私も夫も在宅で仕事をしているので「この間にもトイレトレーニングが進められる!」とプラスにとらえるようにしました。仕事中におまるや濡れたトレーニングパンツを洗ったり…なかなか仕事には集中できないけれど、ふーのトイレトレーニングは確実に進んでいきました。しかし1週間後、今度はふーがコロナに感染。3日間まともに食事ができずに日中もおむつに戻ってしまいました。熱は下がっても気持ちは沈んだままなのか、起きるとシクシク泣いていてかわいそうでしたが、4日目くらいからはすっかり元気に。日中のトレーニングパンツも復活しました(うんちと寝るときだけはおむつを履かせていました)。Upload By taekoその後おまるからトイレにもスムーズに移行でき、1人で行くことができるまでに急成長!寝るときはまだまだオムツだけど、日中はトイレに行けるようになり私の気持ちはとってもラクになりました。保育園でも「トイレに行けたよ!」とうれしそうに話してくれて成長を感じました。ふー、頑張ったね!Upload By taeko執筆/taeko(監修:藤井先生より)トイレトレーニングの相談は外来でもよくされます。「そのときが来たら」「本人の気持ちに任せましょう」という言葉に、途方に暮れていたtaekoさんでしたが、結果的には、ふーさんの気持ちに任せて、そのときが来たら、トイレトレーニングは進みましたね。その背景には、過度に褒めずにサラリと声かけして褒めたり、ふーさんが喜ぶご褒美をあげるなど、ふーさんのタイミングに合わせたtaekoさんのサポートがあったのですね。taekoさんも、ふーさんも頑張りましたね。
2022年10月13日発達障害があるお子さんの保護者や支援者へのメッセージ集今回は、「こころとそだちのクリニックむすびめ」院長を務める精神科医の田中康雄先生のコラムをまとめてご紹介します。これまで執筆いただいたコラムでは、田中先生が考える精神科医の仕事の役割や、お子さんに発達障害の診断名をつけることより大事にしていること、思春期のお子さんとの関わりのポイント、登園・登校渋りへの対応など、幅広いテーマで保護者や支援者のみなさんへの思いを綴っていただいています。発達障害の特性があるお子さんとその家族、関係者と、つながり合い、支え合い、認め合うことを大切にした治療・支援を実践されている田中先生の言葉は力強く、そして温かい眼差しが感じられます。ぜひ、ご一読ください。日々、発達障害のあるお子さんと保護者の方の言葉や思いを受け止めている田中先生。保護者の方には、「よく、ここまでそだてましたね」「この子に上手に寄り添っていますね」「この子も安心していることでしょうね」「お疲れさまです。ちょっと休んでよいかと思います」…いくら言葉にしても足りないくらいであると言います。田中先生は、診察室で「子どもの発達の診立て」を行いながら、同時にわが子の育ちを心配する親や家族の思いも診立てていくと言います。それは、向き合っているのが「発達障害」ではなく、多彩な個性の持ち主である一人ひとりの子どもであり、家族であるからです。思春期のお子さんがSNSやオンラインゲームにはまったり、部屋にこもりがちになって口をきいてくれない…そんなお悩みのある保護者の方も多いかもしれません。田中先生は、思春期は親子の関係が、「上下の関係」から「水平の関係」に近くなると言います。発達が気になるお子さんについて、精神科に相談に行きたいけれど、様子がよく分からないから躊躇してしまうという声がよく聞かれます。この記事では、田中先生に、「そもそも精神科ではなにをしてくれるの?」という疑問に答えていただいています。発達の気になるお子さんが、「発達障害である」と診断されると、少なからずショックを受ける保護者の方も多いかもしれません。そのような場合、田中先生はどのように保護者の方に寄り添い、多職種の専門家の方との連携を大切にしているのでしょうか。長期休暇明けは、お子さんの心身に影響が出やすい時期であると言われています。田中先生のご経験から、お子さんが園や学校へ行きたくないときによくあるSOSの例や、保護者の方へのメッセージをお届けします。発達が気になるお子さんの保護者の方にとって大きな悩みの一つが、お子さんの将来のことかもしれません。「親が先に死にます。その後、誰がこの子を守ってくれるというのですか」という親の言葉を受け止め、孤立無縁な状態から抜け出してほしいと願う田中先生の言葉をお届けします。
2022年10月12日カサンドラ症候群になりやすい人は?治療や対処法などあるの?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンカサンドラ症候群になりやすい人は?カサンドラ症候群とは、家族や身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)があることでコミュニケーションを築くことが難しく、対人関係の問題や心身の不調が生じている状態のことです。※カサンドラ症候群は世界的に広く用いられている精神疾患の診断基準『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)には記載がなく、医学的な疾患名ではありません。カサンドラ症候群になりやすい人は、性格的に、真面目、几帳面、完璧主義、忍耐強い、面倒見が良いなどの事例が多いようです。自閉スペクトラム症(ASD)の発現は男性に多いため、パートナーとなる女性側にカサンドラ症候群の発生割合が高いといわれていますが、必ずしも女性だけがカサンドラ症候群になるとは限りません。自閉スペクトラム症(ASD)のある家族が、社会性に欠けた言動をしたとしても、怒ったり放り出したりせず我慢し受け入れようとする忍耐強さがうまく機能せず、偏った関係性が固定化して、カサンドラ症候群へと進行してしまうことがあります。カサンドラ症候群の治療や対処法はあるの?カサンドラ症候群の治療法として、まずは症状として現れている抑うつ症状や不安障害について、薬物療法や認知行動療法などによるアプローチをすることが可能です。ただ、あくまで対症療法です。自閉スペクトラム症(ASD)のある家族や友人との関係性の改善や変化を目指さなければ、根本的な解決にはつながりません。まずは、パートナー同士や家族で孤立しないこと、カサンドラ症候群のある人は相談先を持つことが肝心です。・家族や友人に自閉スペクトラム症(ASD)の診断を強要しない自閉スペクトラム症(ASD)のある人は社会的に適応していることも多く、自身の特性に気づいていない場合もあります。そういった際に、無理に医療機関での受診をすすめると、本人の気持ちを傷つけてしまい、関係がこじれることもあるかもしれません。診断を検討する場合は、特性や症状について話し合ったり、理解している段階を経た上で医療機関に行くようにしましょう。・自閉スペクトラム症(ASD)の特性や対応方法について知る自閉スペクトラム症(ASD)の特性について書籍や情報サイトなどで調べてみましょう。自閉スペクトラム症(ASD)のある人が苦手だったりつらくなったりするきっかけやこだわりへの理解を深めることで、環境調整や自閉スペクトラム症(ASD)のある人が理解しやすいコミュニケーションを行う際に役立ちます。ただ、特性について学んだ知識を自閉スペクトラム症(ASD)のある人に押し付けると、反発を招くことがあります。特性はその人それぞれなので、その人に合った対応方法を取るようにしましょう。・行動の理由を相互理解し、生活上のルールを決めるお互いに話し合いながら行動の理由を教え合い、相手の行動に関する理解を深めます。また、生活の上での決め事、ルールをつくることで相手の意見を尊重することにつながります。・距離を置くことや関係性を変える、相談できる第三者とのつながりをつくる家の中にお互いの個別スペースを持つなど、住環境の変更など物理的な接触回数を減らしてみることも、関係性を変えるきっかけをつくる一つの方法です。また、親子の場合も含めて、発達障害の相談機関のカウンセラーや、主治医など相談にのってもらえる第三者を入れての話し合いをすることなども有効かもしれません。お互いに理解していくための一歩をカサンドラ症候群には医学的な疾患名でないこともあり、自分と自閉スペクトラム症(ASD)がある人との間の個人的な問題であると捉えられて理解が得られず、一人で悩みやつらさを抱え込む方も多いようです。もし、抱えている悩みやつらさがあったら、自閉スペクトラム症(ASD)への理解や知見のある発達障害者支援センターや、発達障害専門外来を持つ精神科などの専門機関に相談してみるとよいでしょう。また、全国にはカサンドラ症候群当事者による自助グループもあり、相談や共感を得ることで、治療につながる例もあるため自分に合う場を探してみるのもよいかもしれません。カサンドラ症候群は、どちらか一方が悪い、どちらか一方が正しいというものではないため、自分や相手を責めたり背負いすぎず、お互いに理解しあうための一歩を踏み出してみましょう。イラスト/taeko
2022年10月11日カサンドラ症候群とは?どんな症状なの?原因は?Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンカサンドラ症候群とは?カサンドラ症候群とは、家族や友人などの身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)があることでコミュニケーションが難しく、対立や人間関係での満足感の低下、心的ストレスから不安障害や抑うつ状態に陥っている、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心身症状が起きている状態を指す言葉です。特に妻や夫といったパートナーに起こる場合が多いといわれていますが、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもを育てる親がカサンドラ症候群になる場合もあります。なお、世界的に広く用いられている精神疾患の診断基準『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)には記載がなく、医学的な疾患名ではありません。カサンドラ症候群以外にも、「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」などと表現されることもあります。カサンドラ症候群の症状自閉スペクトラム症(ASD)やカサンドラ症候群に関する研究が多くある英国の心理療法家マクシーン・アストンによると、カサンドラ症候群には以下の要素があるとされています。・少なくともいずれかの家族に、自閉スペクトラム症(ASD)特性などによる、共感性や情緒的表現の障害がある・ 家族との関係において情緒的交流の乏しさを起因とした激しい対立関係、精神または身体の虐待、人間関係の満足感の低下がある・精神的もしくは身体的な不調、症状(自己評価の低下、抑うつ状態、罪悪感、不安障害、不眠症、PTSD、体重の増減など)がある参考書籍:アスペルガーのパートナーと暮らすあなたへ:親密な関係を保ちながら生きていくためのガイドブックさらに、カサンドラ症候群の命名者シャピラの定義では、ここに「その事実を他の人に伝えても理解をしてもらえない、信じてもらえないこと」が加わります。カサンドラ症候群の原因カサンドラ症候群を引き起こす発端には、身近な人の自閉スペクトラム症(ASD)の特性によるトラブルがあるといえます。では一体、カサンドラ症候群の発端となる自閉スペクトラム症(ASD)の特性とはどのようなものなのでしょうか。自閉スペクトラム症(ASD)には「社会性と対人関係・コミュニケーションの困難」「行動や興味の偏り」といった特徴があるといわれています。表面上は問題なく会話できるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。明確な言葉がないと理解がむずかしく、比喩表現などをそのままの意味で鵜呑みにしてしまう傾向があるため、人の言葉を勘違いしやすく、傷つきやすい面があります。具体的な例としては、曖昧な表現が苦手だったり、不適切な表現を使ってしまうことなどがあります。また、場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちを理解したり、それに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を無視をしたような言動になりがちで、対人関係を上手に築くのが難しい場合がみられます。具体的な例としては、気持ちの理解が苦手なことで相手を傷つけたり、自己中心的と思われる言動や行動をしてしまうことなどがあります。いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中する傾向があります。法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることもあり、その法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。具体的な例としては、自分のルールがあったり、興味のあることに対して話し続けてしまうことなどがあります。周囲の人たちは、自閉スペクトラム症(ASD)の特性だと分かっていても、自閉スペクトラム症(ASD)のある人と接していくうちに、うまくコミュニケーションがとれないことに自信をなくしてしまったり、周囲に相談しても理解をしてもらえず、孤独を感じてしまう場合があります。特に、家族は毎日の生活の中で接する機会が多く、家族であればなおさら、心を通わせたいと思う気持ちは強いでしょう。それが難しいときストレスを感じるのは、ある意味当然のことかもしれません。その結果、体調不良や抑うつ状態に陥ってしまうことがあるのです。イラスト/taeko
2022年10月10日ゲーム感覚で楽しめる読み書き指導ーー『マンガでわかる読み書き指導: スモールステップで読めない、書けない子どもを伸ばす』「もしかして読み書きが苦手かもしれない」と思ったとき、どこに相談し、どのような支援をしていけばいいのでしょうか?この本では、読み書きに困難のある5歳のそらちゃんとそらちゃんのお母さんが、作業療法士の児玉先生による読み書き指導を通して少しずつ文字に対する苦手意識を克服していく様子が描かれており、作業療法士の視点から、読み書き困難のある子どもへの指導について分かりやすく紹介されています。文字の読み書きには、文字と音を結びつける、文字と意味を結びつける、文字の形を的確にとらえる、など子どもにとっては難しい要素がたくさん詰まっています。あいうえお表に沿って読み書きの練習をするのではなく、絵カードなどを用いて、語彙を豊かにする、図形を模写する力をつける、絵や音と文字を結びつけたり、文字の数や形、意味を認識する力をつける練習をするなど、読み書きに必要な基礎的な力をスモールステップで身につけていくことが重要です。大切なのは、文字に興味を持てるようにすること。この本では、読み書きが苦手な子どもの特性に合わせ、ゲーム感覚でできるトレーニング、お家でできるトレーニングもたくさん紹介されているので、遊び感覚で一緒に実践してみるのはいかがでしょうか。発達障害のある子どもたちの学校生活について考える、本田秀夫先生の新刊ーー『学校の中の発達障害 「多数派」「平均値」「友達」に合わせられない子どもたち 』発達障害のある子どもの特性を本人や家族がどんなに理解していたとしても、学校の中で多くの人の理解を得ることは難しい、そんな悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この本では、発達ナビにもご寄稿いただいている本田秀夫先生により「発達障害のある子どもの学校生活をサポートするコツ」が紹介されています。厳しい校則、授業を受ける際のルールなど、発達障害のある子どもたちは「学校の標準」に合わせることに苦労することもあります。発達障害のある子どもが安心して学校生活を送れるようにするために、親や先生ができることとは何か、また現在の教育に必要なことは何か、など、さまざまな視点から「発達障害と学校生活」について考えられる一冊になっています。また「子どもが教室を飛び出してしまったら?」「ほかの子どもをたたいてしまったら?」「子どもが宿題をやらないときは?」など学校生活で生じやすい困りごとについて、親ができること、先生ができること、協力してできることがそれぞれ紹介されています。集団生活、たくさんのルール…学校生活は発達障害のある子どもたちにとってハードルが高いことも多く、その過程でつまづいてしまうことも少なくないでしょう。子どもたちやその家族が「学校の標準」に合わせることができないことで悩まずに済むように、また多様な特性を持つ子どもたちがのびのびと学校生活を送れるようにするためには、どんな支援、工夫が必要なのでしょうか。発達障害のある子どもを持つ保護者の方だけでなく、発達障害のある子の支援に関わるさまざまな職業の方におすすめの一冊です。自閉スペクトラム症のあるスバルくんの成長記録ーー『スバルくんは 頭の中 全部言いたくてしょうがない: わが家のハッピーBOYは自閉スペクトラム症』この本では、自閉スペクトラム症のあるスバルくんのお母さん、星あかりさんが、子育ての中で発見したほのぼのエピソードを四コマ漫画で紹介しています。スバルくんは3歳のときに自閉スペクトラム症と診断されました。診断を受ける前のスバルくんの様子、また診断を受けてからの、幼稚園や特別支援学級での様子に至るまで、スバルくんとご家族の笑いあり、涙ありの日常がこと細かに描かれています。星あかりさんはスバルくんが自閉スペクトラム症と診断されてから、さまざまな本を読み自閉スペクトラム症について知識をつけようと奮闘しますが、結局得意なことや苦手なことは一人ひとり異なるのだから「一周まわってスバルはスバル」と受け止めます。発達障害、自閉スペクトラム症と一言で言っても、症状や特性は一人ひとり違います。発達障害のある子どもの子育てにおいては、大変なこともあるけれど、楽しいことや驚かされることもたくさんあるでしょう。誰かと比べるのではなく「この子はこの子」と、個々の子どもの特性に向き合いながら、一日一日を大切に過ごしていけるといいですね。自分の困りごととうまく付き合うには?ーー『特別な支援が必要な子たちの「自分研究」のススメ: 子どもの「当事者研究」の実践』発達障害などの特性があり、日常生活の中で困りごとを抱える子どもたちは、自分の特性を自覚していく過程で、「なんで自分だけできないの?」「自分は普通じゃない」と悩んでしまうこともあるそうです。成長するにつれて、自分の得意なこと、苦手なことを把握することが求められる場面も増えてきますし、困りごとに対する適切な対処方法を知らないと、「できないのは自分のせい」だと思い込み、自己肯定感がどんどん低くなってしまうことも考えられます。この本では、子どもたちが、自分で自分の困りごとを研究する「自分研究」について、実際の例と共に紹介されています。「泣き虫ゴースト」「ペラペラノドン」など自分の困りごとをキャラクターにして、それはどんなとき、どんな場面で表れるのか、どうすればそれを軽減することができるのか、どんな環境、道具があると安心できるのか、などについて、ほかの子どもたちからのアドバイスも踏まえながら、自分で研究します。子どもたちは「お守りをつくる」「ストップと書かれたカードをつくる」「運動する」など多様な対処方法を考えます。イヤだと感じること、苦手なこと、安心できること、落ち着けること…それらは一人ひとり異なります。自分の特性にしっかりと向き合うことで、苦手なこと、困っていることに対する自分なりの対処法を前もって考えておくことができ、「次にこういうことがあっても大丈夫」という安心感を得ることができるのではないでしょうか。児童養護施設や非行少年をテーマに境界知能について考えるーー『傷ついた子を救うためにマンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち4』「もしも同僚が全員ノーベル賞をとっていたら、その中で仕事をしていくことができますか?」この本の主人公、大頭先生は、児童養護施設の職員からこう問われます。発達障害グレーゾーンの子どもや境界知能の子どもたちは、このように求められる「普通」のレベルが高すぎる、負担の大きい環境の中で生活しているとも考えられます。この本は、小学校の先生である大頭先生が、児童養護施設で暮らす生徒の家庭訪問にいく場面から始まります。児童養護施設にはさまざまな理由・背景で入所している子どもたちがいますが、約半数に被虐待経験があるといわれています。この本の中で、虐待を受けた子どもたちは「必要な時に必要なだけ、充電をさせてもらえない」「充電器が当てにならない」状態にあると表現されています。さらに本書では、同じ児童養護施設の卒業生キノシタくんが登場します。キノシタくんは母親からのネグレクトが原因で児童養護施設に入所します。キノシタくんは境界知能レベルにあることが分かっていましたが、適切な支援が行われず、次第に非行に走り、少年院に入ることになります。キノシタくんが非行に走る理由は、決して彼個人の問題だけではないはずです。どのような環境が彼を非行へと追い立てたのでしょうか。この本はベストセラー「ケーキの切れない非行少年たち」の著者である宮口幸治先生によって書かれました。「ケーキの切れない~」でもテーマとなっていた境界知能、グレーゾーンの子どもについて理解を深めるためのシリーズ第4弾がこの作品です。大頭先生と一緒に境界知能や発達障害グレーゾーンの子どもたちの困りごとについて学んでみましょう。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年10月09日発達がゆっくりだけど困り感の少なかった幼稚園時代息子は生まれてからずっと成長がゆっくりでした。首座り、ハイハイ、発語…全て健診では「要観察」。歩くのは2歳を過ぎてからやっとでした。そんな息子ですが、よくある「困り感」は少なかったように感じます。癇癪などもそこまで起こすこともないし、落ち着きはないですが多動と言う訳でもない。奇声などもよく上げていましたが、注意すればある程度指示も通るような子どもでした。ただ、発達はゆっくりだったので、常に半年~1年ほど月齢の低い子どもを育てているような感覚でした。Upload By ユーザー体験談3歳から入ったこども園でもそれは続きました。息子は自分の意見をハッキリと言うタイプでもないので(今思うと、周りの言葉をよく理解していなかったのかもしれません)友達トラブルもなかったです。しかし、やはり母の目から見ると同級生との発達差ははっきりと分かりました。集団指示が通りづらい、着替えなどが遅いなどがあったので先生にはそれを伝え加配まではいかないですが、常に気にかけてもらっていました。年中になり、考え始めた就学問題年中にあがり半年位が過ぎたころ、小学校はどこに進むべきか本格的に悩み始めました。丁度そのころ、発達の遅れが気になり受けた検査で、軽度の知的障害があることも分かりました。なんとかみんなと一緒に過ごせているから通常学級で特別支援教室を利用すれば大丈夫?でも知的障害があるなら知的の支援学級の方が手厚く見てもらえるかも?地元の通常学級に通うなら家から5分の小学校に通えば良いのですが、特別支援学級に通うとなると家からバスに乗って通わなければなりません。送り迎えはもちろん私…。当時私は特別支援学級のある小学校と真逆の方向にある会社に勤めていたので、もし息子が特別支援学級に通うことになったら送迎のために会社を辞めなければならなく、この部分でもかなり悩みました。年長に上ってすぐに就学相談へ私の住んでいる自治体では、就学相談は年長にあがる年の4月1日から電話で受付を開始していました。もちろん私は4月に入ってすぐに電話。就学相談へ行きました。就学相談にて担当の相談員さんとの面談、医師やこども園の先生からの聞き取り、相談表の膨大な質問への記入、相談を重ねるごとに息子の「今の状態」「できること、できないこと」が客観的に見られるようになっていきました。Upload By ユーザー体験談困り感の少ない息子、きっと通常学級でもなんとなくトラブルなく過ごしていけるかもしれません。でも、トラブルがない訳ではなく、それは「トラブルに気づかない」だけなのかも…。低学年のころは大丈夫でも高学年になったら勉強も難しくなるし、人間関係も複雑になってきます。そのときに通常学級で息子が楽しく過ごせるのか…夫とも相談し、私たち家族は就学先を「特別支援学級」へと決めました。ママ友に伝えてみると…「全然大丈夫そうなのに!」と言われ息子には加配もついていなかったこともあり、それまで息子の障害をこども園のママ友に伝えることはありませんでした。普段の園での様子や「こんなことがあって困った~」程度は話していましたが、軽度知的障害があることまではなかなか話せなかったのです。こども園の同級生たちは同じ近所の小学校に通う予定の子が半数近く。周りのママ友たちも何も疑わずに息子も近所の小学校の通常学級に通うと思っていたと思います。10月を過ぎると就学の話題も増えてきて、「小学校は〇〇小(近所の小学校)だよね?と聞かれたとき「いや、実は…」と特別支援学級のある別の小学校へ行くことを伝えました。「えっ!?全然通常学級でも大丈夫そうなのに!」「〇〇くん(息子)はしっかりしてるし大丈夫じゃない?」「〇〇くんとうちの子、仲がよかったから残念だよ~」などとママ友たちは言いました。(もちろんコメントしづらくこのように言ったのもあるかとは思います)確かに目立ったトラブルもなく、送り迎えのときにお友達と仲良く遊んでいる様子だけを見ていたらそう思うかもしれません。でもほかの部分では確実に遅れがあるし、軽度知的障害の診断もおりているし…しかし、そのようにママ友たちに言われると「私の選択、本当に良かったんだろうか…」「息子もこども園で一緒のお友達と小学校に行った方が楽しいのではないのか」とモヤモヤとした気持ちを抱えてしまいました。Upload By ユーザー体験談特別支援学級に通ってみてそして4月。特別支援学級に息子は入学しました。結論から言うと…ここに入学して良かったです!やはり先生が気にかけてくれたこども園とは違い、小学校の通常学級は一クラスの人数も多く、集団行動が必要になってきます。まだまだ一斉指示が通りにくい息子。少人数の特別支援学級で合理的配慮を受けながら授業を受けるのが合っているようです。本人も安心して学べるのか、今のところ行き渋りもなく毎日楽しく通っています。Upload By ユーザー体験談私は…結局前の仕事は辞めて、送り迎えができる時間に余裕のある仕事に転職しました。ですが、今の息子の様子を見てこの選択でよかったとしみじみと感じています。いろいろと葛藤はありましたし、今後も中学・高校と悩むことはたくさんあると思いますが、息子が少しでも安心して学校生活を送れるようにみんなで考えて行きたいと思います。イラスト/keikoエピソード参考/ちくわ(監修:三木先生より)特別支援を受けるかどうかを決断するのは、とても悩みますよね。書いてらっしゃるように、クラスの適性だけではなく、家から通いやすいのか、家族への影響はあるのかなど、考えれば考えるほど気になるポイントがたくさん出てきます。しっかり準備をしてしっかり悩んで結論を出されたからこそ、良い環境に巡りあえたのではないでしょうか。楽しい学校生活が送れることをお祈りしています!
2022年10月08日息子の担当はゆったりとした大ベテラン先生Upload By カタバミまちゃがほぼ2歳半のとき、発達センターで臨床心理士に検査をされたあとで小児科の先生の部屋に入り、いよいよ診察されることになりました。担当の先生はお年を召した大ベテランで優しそうな方でした。息子の日ごろの家での様子を聞かれました。発達検査が10時からで診察室に入ったのはもうお昼に近かったので、息子が空腹でぐずらないか心配でしたが、入ってすぐに大人しく部屋の隅にあったブロックで遊び始めてくれました。診察の最後、まちゃの行動にベテラン先生は⁉︎Upload By カタバミ初めに違和感を抱いたのは「息子さんはスイッチが大好きでしょ」という質問でした。エレベーターのボタンなどが好きなお子さんも多いと思いますが、まちゃそんなことはありません。「そんなことはありません」と正直に答えましたが、そのあと何度も同じことを聞かれました。次に「偏食でしょ。野菜とか苦手だよね」これにも「柔らかく煮れば白菜などはよく食べます」と正直に答えました。「話しても喃語だよね」という先生の問いに「たまにですが単語が出ます」と答える私。私はとにかく正直にまちゃの現状を伝えてしっかり診察してほしかったのです。そのあとおもちゃに飽きたまちゃがやって来て、先生の胸ポケットにたくさんささっていたペンを欲しがり、手を伸ばしました。先生は「これは尖っていて危ないよ」と言ってペンを手で覆い、まちゃが「うわ〜ん」と言いながらゴロンと横になった瞬間「あ!これは癇癪ですよ!これは癇癪です!」と言いながら卓上のメモに何かを書き加えました。私は(これが癇癪?空腹で機嫌が悪いときに欲しい物が手に入らないから怒ったんじゃないの?)と不思議に思いました。ベテラン先生から下された診断名。モヤモヤは増すばかりUpload By カタバミ先生は診察の最後に卓上で書いていたメモ用紙にご自身の判子を押して私に渡しました。そこには「言葉の遅れ(喃語のレベル)、癇癪、自分の興味に向かって動く、マイペース、視線合いにくい、偏食、睡眠障害、発達が横ばい → 自閉スペクトラム症 → 療育」と書いてあり、そのあと幼い子への薬の飲ませ方の工夫について詳しく説明されました。まちゃが治るならと私も必死で聞きました。帰宅後は大ショックでぼんやりしていましたが、処方された薬を言われた通りチョコレートの中に埋めて固めて飲ませました。夫に今日の診察でどう感じたか聞いてみたところ「「君と先生は本当に話がかみ合っていなかったね。俺も口には出さなかったけど、先生の話にはあまり同意できなかったな」と言い、私は先生の質問はまちゃに当てはまらないことも多かったと話しました。担当の先生へのモヤモヤは何日経っても消えませんでした。後日、相談すると…お子さんを発達センターに通わせていた先輩ママに相談したところ、希望すれば担当の先生をかえてもらえることと、ベテラン先生はとてもクセが強いので好き嫌いが分かれることを教えてもらえました。そこで検査をしてくれた臨床心理士に相談し、先生はかえてもらえることになりました。後日、まちゃが発達センターに行くことをすすめてくれた育児支援センターで「カタバミさんごめんなさい。まちゃ君の担当の先生のことを詳しくしらないのにすすめてしまいました」と謝られました。そのときに聞いたほかのママたちが先生に言われたことは私が言われたことよりもさらに驚く内容でした。新たに担当していただいた先生は私への質問も説明も丁寧でまちゃへの投薬はなくなり、私も納得した上で改めて療育が始まりました。Upload By カタバミ最初に診察してくれたベテラン先生の診断通り、まちゃには自閉スペクトラム症がありました。でもこの経験から私は、どんなに肩書きのある方でも、親が違和感や苦痛を覚えるなら"子どもの為に"と我慢して1人で抱え込まずに、いろいろな方の意見を聞いてほかの先生を探しても良いのではないかとお伝えしたいです。執筆/カタバミ(監修:藤井先生より)今後のまちゃさんの成長をみていく上で、カタバミさんが1人にならずに、周りに相談していくことは大事ですね。医師に対して感じた違和感を無視せずに、行動されたことはとても良かったと思います。これからも、医師とだけでなく、療育スタッフ、園の先生、学校の先生など、今後いろいろな方と相談することがあるかと思いますが、困ったときには、ほかの人の意見を聞くことで、別の視点を持つことができることもありますね。
2022年10月06日あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは新たに「パートナー(夫婦関係)」「進学、受験」などを追加しました!その他「祖父母や親戚関係(帰省含)」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」「自傷」「学習」「不登校」なども引き続き募集中です。パートナーなどとの意見の相違、受験や進学での予期せぬトラブル、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年10月05日中学からの在籍クラスの決定。現在、小学6年生の広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、小学2年生から特別支援学級に在籍しています。来年は中学生。中学からの在籍は、私たちの思いと本人の希望が一致し、特別支援学級を選択することにしました。特別支援学級の在籍を申請するため、発達テストを受け、病院で診断書ももらい…学校に提出。後日、教育委員会の先生との面談がありました。私たちの希望がはっきりしていて、診断書もあったため、面談は確認程度の軽いもので終わりました。最終的な決定はまだ先ですが、とりあえず中学からのことは決まり、ホッと一安心。反抗期にお手上げ状態の中に、夫から提案。実は、私たち夫婦は、娘の中学進学に向けて、小学4年生ぐらいから取り組んでいることがありました。遡ること、2年前…。私は当時、突如始まった、娘の特殊な反抗期に頭を抱えていました。・できないことが多いのに、何かと偉そう。・失敗をするとすぐパニックを起こし、「できない!」とくり返す。娘の発達の遅れが分かり、療育を開始し、長く娘の苦手に付き合ってきました。何が苦手か、どうすればスムーズになるか、母としては十分理解していますが、反抗期から、療育グッズも声かけもサポートも嫌がるようになった娘。Upload By SAKURA私は、もうお手上げ状態。毎日のように夫に愚痴を聞いてもらっていると、夫が…Upload By SAKURA「そろそろさ、あーさんに生活力を身につけてもらわない?」と言いました。生活力を上げる?Upload By SAKURAUpload By SAKURA現状をなんとかするため、娘の将来のため、私のため、家族のため、家事を教えて、娘の自立力を上げることで、きっといろんな効果が出ると予想した夫。そこから、娘の生活力向上訓練が始まりました。まずは洗濯から!Upload By SAKURA夫は、ゆっくり丁寧に、洗濯物の干し方を教えてくれました。私は、長いこと家事を一人でこなしてきたため、最初、娘にお願いするということがどうしてもできず、ついつい自分でやってしまうことがありましたが…Upload By SAKURA私がついつい教えるのがめんどくさくて自分でやろうとしてしまうときも、夫は「あーさんのためにならない!」と言って注意してくれました。時間はかかったけど・・・「洗濯物を干す」一般的に考えれば、すぐにできるようになりそうなものですが、娘には難易度が高く…Upload By SAKURAなかなかうまくできず、泣き出したり…それを見て、私の方が諦めそうになったり…娘のやる気がなく、適当にやってしまったり…本当にスムーズにいかない日々でした。しかし、2年経った今、娘は…Upload By SAKURA洗濯機を回す、洗濯物を干す、畳む、片付けるを、完璧に一人でできるようになりました。特に洗濯物の干し方は、夫よりも丁寧で、シワなく干してくれます。Upload By SAKURA娘には、時間をかけて教えることが必要だった。私は子どものころ、手伝いを率先してやった方ではありませんでしたが、小学生のころ、気がついたら洗濯はできたし、料理も自力でなんとかしていました。夫も両親が共働きだったため、一人でなんとかしていたタイプ。Upload By SAKURAそのため、私は子どもたちに「家事をさせる」「覚えさせる」という考えがなく、娘も、そのうちに身につくだろうと思っていました。しかし、夫の提案で、私たちと同じやり方では駄目だと気づかされました。家のことを娘にやらせるようになってから、自立力はかなり上がり、加えて、娘は私に何かをやってもらうとき、「お願いします」と自分から言うようになりました。家事を実際にやることで、大変さが分かったのか、何もしないで反抗するということもなくなりました。Upload By SAKURA何より私は家事が楽になり、心穏やかになりました。娘の場合、「勝手に」「要領よく」何かを身につけるのが難しいことが多く、なんでも時間がかかってしまいますが、時間をかけて教えることで、確実に身につき、自信にもなり、自立力も上がる。今回のことで、やはり娘には、時間をかけて教えることが大切だと分かりました。次は掃除と、料理。今は掃除に取り組み中。手始めに、掃除機から教えています。まだ部屋の真ん中だけかけてしまい、四隅のほこりが溜まったままになっていますが、洗濯も2年かけて、完璧になったので、気長に教えようと思っています。執筆/SAKURA(監修:井上先生より)あーさんが取り組まれたように小学校の後半から生活スキルの練習をされたのは素晴らしいことだと思います。コラムで書かれているように、生活スキルは簡単そうに見えても意外に難しいです。洗濯にしても、洗濯ものによって干し方を変えたり、天気によって干す場所を変えたり、畳み方もしまう場所も衣服によって異なります。身辺自立と違って、できなくてもいいやと思いがちになりますが、自立のためにはとても大事なことです。やりきるためにはご夫婦での協力なども大切になるんでしょうね。あと、重要な生活スキルとして「金銭管理」があります。お小遣いなど少額を扱ううちに身につけておくと良いかと思います。その他、「衣服や靴を購入する」というスキルも店員さんにサイズを出してもらったりというコミュニケーションの経験が重要になります。同様なパターンとして「美容院でカットしてもらう」や「病院で症状を伝える」などもあります。
2022年10月05日取得する?しない?夫婦でもめた日わが家が手帳取得したのは、ほぼ私の意思です。夫は「そんな大げさな」「別に急がなくても」と渋っていたので、いかに手帳を取るメリットがあるか力説して押し切りました。私は手帳取得のデメリットはないと考えています。手帳を持っていることはわざわざ他人に言わなくてもいいし、不要と感じればいつでも返還OKだし、障害があるとハッキリした証明になるのが日常生活において大きいなと感じています。Upload By 吉田いらこどんなメリットがある?ゆいが療育手帳を役所で取得した時、手帳と一緒に分厚い冊子を渡されました。これには手帳を持つ人が使えるサービスが載っています。娘の手帳の等級はB2で、三段階あるうちの一番軽いものとなりますが、一番等級の低い娘の場合でも受けられるサービスはありました(等級も地域によってそれぞれ形式が違います)。例えば文化施設や映画、テーマパークなどの利用料の割引サービスがあります。私は関西圏在住なので関西の大型テーマパークのパスポートが割引になるのはありがたいです。そのテーマパークに家族で遊びに行ったときに、窓口で療育手帳を提示するとチケットと一緒に「サポートブック」という冊子が貰えました。なんとそれが大活躍!これにはすべての乗り物の写真や演出効果が掲載されていて、何が起きるのか見通しが立てられるのです。私にとってはネタバレ冊子ですが、見通し不安のある娘にとってはかなりのお助けアイテムになりました。Upload By 吉田いらこさらに子ども向けですと就学支援のサービスもありました (自治体によって違います) 。娘はすでに小学校に入学していたので使えませんでしたが、ランドセルや学用品の購入に関して補助が出るそうです。障害についてネット検索しているとよく見かける「未就学児の保護者の方へ、入学用品の領収書を保管しておいてください」というメッセージもこのことを言っていたのだと分かりました。また、手帳の等級によっては年金受給や税金の減免など経済的なサービスを受けることもできます。少し先になりますが、中学卒業後の進路にも手帳の有無が影響する場合があります。Upload By 吉田いらこ冊子をパラパラとめくっていると行政サービスの多さに驚きました。特に手帳の等級が高い方に限りますが、多くの生活支援や自立支援が受けられます。障害がある子どもの保護者として一番不安なのは自分がいなくなったあとのことですが、行政の手を借りてなんとかやっていけるのでは?と心強さを感じました。ただ、これも自分から調べて問い合わせない限りどんな支援があるか分からないので、情報収集の大切さを感じます。Upload By 吉田いらこ迷っているなら手帳を取った方がいい?障害があると診断されても、障害者手帳を取得するかしないかは自由です。手帳を取得することでわが子が定型発達ではないと認めることになるのも事実です。けれども手帳の取得によって行政とつながり支援を受けられることは、私たち保護者に何かあったときに強力なサポートになってくれると感じています。Upload By 吉田いらこ執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)見通しの立てられる冊子、素晴らしいですね!テーマパークのサポートも素晴らしいですが、自治体のサポートにも目を見張るものがあります。文中にもあるように自治体ごとに詳細が違ってはいるのですが、どの自治体も基本的には障害のある方の暮らしが楽になるようなメニューを用意しています。手帳を取ることで「自分は/うちの子は障害なんだ」とより実感するという面があるのは確かですが、得られるメリットに目を向けてみるのも良いと思います。
2022年10月04日周りの忠告に耳を貸さない息子の七転八倒Upload By 丸山さとこ何かと「人の話を聞かない」と言われやすい息子のコウです。実際に音声としての話を聞いていない(耳に入っていない)ことも多いのですが、そうではなく「聞き入れない」という意味での「人の話を聞かない」ところも多々あります。実際に言われた通りになると「言われていたことは本当だった…何で早く聞いておかなかったんだ…!」と後悔しますが、次にまた別のことで先生や親などの他者から何か言われたとしても、再び聞き流してしまいます。コウは、先生や親などの周りの大人が言うことそのものは信じています。「提出物は成績に影響するよ」「定期テスト前は勉強した方がいいよ」などの言葉も、言われている内容は納得できるため、話を聞いても反発することはありません。Upload By 丸山さとこですが、「そうだね」と言っても提出物は出しませんし、中間テスト前も勉強はほとんどしませんでした。小学校のころに提出物を出さなくても(コウとしては)困ったことはないし、テストも高得点が多かったため、体験としてピンとこなかったのかもしれません。中学校は甘くなかった?コウにとっては予想外の結果に…「小学校に比べて特に授業が難しいとも感じないし、小テストもできてるし問題なくない?」とノンビリ考えていたコウでしたが、小学校と中学校は違いました。まず、中間テストではコウが想定していたほど高い成績ではなかったため、かなりショックを受けていました。一般的には高いと言える成績だったため、周囲のクラスメイトから「スゲーやん!」「天才か!?」と言われたことで、かえってコウにとっては苦い経験となったようです。Upload By 丸山さとこ「本当はこんな成績取りたかったんじゃないんだよ~!って思ってたけど、それはみんなには言えないじゃん!?だから笑ってたんだけど…くやしいよ~!次は絶対勉強する…!!」と語ったコウは、期末テストでは勉強時間を増やして希望通りの成績を取りました。そうして期末テストは希望通りの成績で終わったコウでしたが、一学期の成績表はほとんど4で埋まっていました。未提出の課題があまりにも多かったためです。私と夫は普段のコウの状況から予想がついていましたが、コウは「少しくらいは5があるのではないか」と思っていたそうで再びショックを受けていました。Upload By 丸山さとこ私も夫も、「なんで提出物がこんなに出てないのに5がとれると思っていたの?」と成績よりもコウの考えにビックリしました。「ここまで(提出物の影響がある)とは思わなかった」とうなだれたコウは、「二学期は5を取れるように提出物を頑張る」と決意を固めていました。「もう少し先の見通しが立つといいな」と思うものの…何かとパニックになりやすかった小学校中学年までと異なり、近年のコウは『事実として起きたこと』自体は受け入れるので、一見大きな問題はないように見えます。ところが、彼には「事実として起きるまでは受け入れない!」というところも強くあるため、前述のエピソードのように周囲の忠告を無視しては痛い目を見ることもしばしばです。Upload By 丸山さとこコウは、心身の痛みを感じている最中は「ちゃんと忠告を聞けばよかったな…」と後悔します。ですが、時間が経つと「やってみなければ分からないんじゃない?」に戻ってしまいます。痛みが消えたときには”今は全く痛くない”というリアリティーがあるからなのかもしれません。想像や予測自体はすることもあるコウですが、想像したものに強いリアリティを感じられないために結果として「想像力がない」かのような言動をとってしまうのかな?と考えています。(リアリティを想像できないことも含めて「想像力がない」と言えるのかもしれませんが…)「やってみなければ分からない」という言葉があるように、やらずに何でも拒否していては分からないことは多いと思います。やってみた結果失敗した場合もそこから学べることは多く、親が子どもから『失敗の経験』を奪う弊害については頭に置いておこうと意識しています。一方、交通事故や高所からの落下など「やらずとも結果は分かる上に、分かったときには大惨事」ということもたくさんあります。テストの結果や学校の成績は、事故や大けがのように取り返しのつかないことではありません。ですが、毎度同じようなパターンで後悔しているコウを見ると、『もう少し先の見通しが立つといいな』と思います。Upload By 丸山さとこ以前は「今できていないこと」に対して少し取り組んだだけで「これから先もずっとできないんだ!」と速攻で絶望していたコウでしたが、今では大分「できるようになるかもしれないから頑張る」を選べるようになってきました。できるようになるかもしれないという判断も『少し先の見通しを立てる』の一つであることを考えると、望ましくない結果を避けることもまた、少しずつ身に付けていける可能性はあるだろうと思っています。それまでは、「やらずとも結果は分かる上に分かったときには大惨事」が起きないように可能な範囲でサポートしつつ、繰り返し後悔しがちなコウを見守っていきたいです。(監修:三木先生より)まさに仰る通りだと思います。僕も基本的には「体験した方が本人にしっかり残る」派ではありますが、そうは言っても「経験しない方が良い経験」や「取り返しのつかない経験」もあります。これを彼らに実感してもらうためには、とにかく「自分の想像が外れてすごく痛い目を見た経験」をたくさんしてもらうことに尽きるかなと思います。そうすることで「自分の予測に対する信頼度の低下」を実感し、「自分の予測を疑う」という『メタ認知もどき』が働くようになります。そうすれば大きな事故は避けられるのではないかなと思っています。
2022年10月03日自閉スペクトラム症の息子がテレビのニュースを見て「気になるポイント」テレビから、JR山手線が止まっているというニュースが流れました。私はそのニュースを見ながら、予定外のことが起こるとパニックになりやすい息子に「もし、電車が止まってもパニックにならないでね」と伝えました。すると息子は、「夕飯は何時になるのか?」「お風呂は何時に入るのか?」としつこく確認してきます。電車が止まって閉じ込められること以上に、その後予定していたことがどうなるのかがとても気になるようです。電車が止まってどうすればよいのか、どうやって帰ったらいいのかといったことが不安になるのではなく、キッチリカッキリ決めていた予定が狂うことを恐れているようです。「心配するところはそこなのね。予定が崩れるのが不安なのね。」と思いました。さらに…電車が遅延する状況になったわけでもく、自分の身に起こったことでもないのに「夕飯は7時20分」「風呂は8時11分」と予定を組み直そうとしています。いつ電車が止まるかも予測できるものではなく、いつどのくらい止まるか分からないのにです。私はそんな息子の様子を見て、「視点が違うのね。面白いね」と思いました。自分に置き換えて言葉を変えられない自分が泣いたときも、他人を指して言うように「泣いている」と自分を指さして言います。「いってらっしゃい」「いってきます」のやり取りができないのと同じです。私はファミリーサポートの仕事で2歳の子どもを預かっているのですが、あるとき、その子が転びました。息子は「自動的に転んだ」と私に言いました。確かに息子から見たら、ひとりで転んだ様子を見て、自動的に転んだと映ったのでしょう。もしかしたら、自分が突き飛ばしたわけではないと言いたかったのかもしれません。表札への違和感3年前、私の父が亡くなった当日のことです。病院から実家に帰ってきたとき、表札を見た息子。その表札が私の父のフルネームであることに気づいて「(亡くなっていて)いないのに表札外さないのか」と息子から言われました。「みんなが悲しんでいるときに、そんなこと言わないで」と思いました。と同時に悲しみにくれながら息子の言葉を聞いて「そこか!これも息子らしいね。」とも思いました。Upload By 立石美津子同じ献立にこだわる息子の外食時のメニューは、いつも決まっています。どのファミリーレストランに行っても、たらこスパゲッティとほうれん草のソテーとポタージュを注文します。息子の場合は店が違うのはOKみたいです。表現の天才!息子に手伝いを頼んだら「僕は使用中だからダメ」と断られました。別のことをしているので手伝えないという意味です。「嫌だ!」と断られたら腹が立ちますが、こう言われるとそうでもないので不思議です。擬人化や見立て遊びができない幼いころ、ぬいぐるみに「餌をやる」と言っていました。ままごともできませんでした。擬人化したり、見立て遊びをするのは難しいようでした。ジャガイモを「この子」と言われて戸惑う料理教室で、先生から「この子を切ってください」と言われ、「この子」を探している風でした。「子」という表現から、野菜を指しているとは考えつかなかったからです。Upload By 立石美津子しばらくして、それがジャガイモを指していることが分かったのか、ようやくジャガイモを切りはじめました。Upload By 立石美津子殿様じゃないあるとき、威張っている息子に「あんた、殿様だね」と嫌みを言ったら、「殿様じゃない!立石○○だ!(←自分の名前)と言われてしまいました。比喩が分からないようです。まとめまだ息子が4歳ごろのことでしょうか、療育で窓越しに子ども達の様子を見学していたときのことです。隣にいた、あまり親しくない親御さんから「立石さん、今度、産むんだったら定型発達の子どもがいいよね」と同意を求められたことがあります。あのころは…「息子がいらないとは思わないが、普通の子になってほしい」「少しでも皆と同じようにできるようになってほしい」と思っていました。ですが今、私は声を大にして、「今度もこの子がいい」と答えたいです。自閉スペクトラム症の息子は、“普通”という呪縛から解放し、私を自由にしてくれた存在です。これは決して負け惜しみではありません。そして、変わった視点で楽しませてくれます。細かいことですが、息子と暮らしていると、いまだに面白い発見があります。そして、そのように思えるようになったことが、私の成長です。執筆:立石美津子(監修者・鈴木先生より)自閉スペクトラム症のある方は予定の変更が嫌いです。電車が時間通り来ないと時刻表を見せて駅員に苦言を呈すこともあります。自閉スペクトラム症がある人は、自分を基準にものごとを理解する傾向があります。例えば、自閉スペクトラム症がある幼児はバイバイするときにも自分に掌を向けて行うことがよくあります。これは、皆がバイバイするときに自分に掌を向けているからです。また、具体的に言わないと通じにくいため、「あれ取って、それ取って」では分からない場合が多いのです。「白いテーブルの上にある、黒いボールペンを取って、ここまで持ってきてください」と言わないとだめなのです。外来に来た患者さんに「Aくん、こんにちは」と言ったら、僕は「Aくん」ではありません。「A」ですと訂正されることもあります。こだわりや特有の感覚などをいかしてタレントとして活躍し、楽しませてくださっている方もいらっしゃいます。
2022年10月02日中高時代、反抗期がなかった私多くの若者が反抗期を経験する中高時代、私には反抗期が訪れませんでした。今思えばそれは、親との関係性が緊迫していて、安心して反抗できるような安定と信頼感のあるものでなかったことによると感じます。当時、父と母の関係は良くありませんでした。共働きだったわが家では、母は都内でのフルタイムの仕事から帰ってくると仕事着のまま腕まくりして夕食を作ります。このときの母の機嫌はたいてい悪く、皆が母の機嫌を伺ってビクビクしている状態でした。父は家族に対して冷淡で拒絶的。母はそれに対して常に愛情や絆の確認を求めている感じで、このやり場のない母の愚痴は娘の私に向かいました。私は母の感情のはけ口のようにされていたわけですが、当時母に抱き込まれすぎていた私にはその自覚がありませんでした。「弱々しくてかわいそうなお母さんを私が守ってあげなければ!」と、母のための小さなナースやナイト(騎士)のようになっていたのです。中学生の頃、庭先で母の首を締めようとする悪夢を見ましたが、何かとんでもないものを見てしまったと恐怖した私は、この夢のことを必死に忘れようとしました。私はなんて血も涙もないひどい子なんだと…。親が、成長途中の子どもが安心して反抗できるだけの自立した強さを持っていない。このような状況で、私に反抗期が来るはずがありませんでした。ルーズソックスに茶髪が全盛期だった当時、私はルーズソックスを履くことも髪を脱色することも、母を「クソババア」と罵ることもなく、極めてまじめな優等生として中高生活を終えました。私が「悪い子」になったりしたら母がどれだけ動揺するかと思うと、怖くて何もできなかったのです。大学入学後、世界が広がって… 親への激しい拒絶大学入学後、私は校則の厳しい中高一貫の女子校の環境から解放されて自由な環境に身を置くようになり、一挙に生きる世界が広がりました。恋人もできたりして、ようやく親と学校の勉強以外の世界に居場所を感じるようになると同時に、母の私への執着や束縛を生理的に受け入れられないほど気持ち悪く感じるようになりました。母は、私が大学をさぼった日などは、私をつかまえて半日でも話につきあわせ、陶然とした顔で「ああ、こんな時間がいつまでも続けばいいのに。このまま一生一緒に暮らそうよ」と言うのです… そう言われた瞬間には背中にぞわーっと悪寒が走り、吐き気を覚えました。これからの新しい人生を控えた若い女の子をつかまえて、どれほど異常なことを言っているのか自覚がないんだろうか…。母はだんだん私に対する家庭内ストーカーのようになり、出かけていると今どこにいて誰と何をしているのか、いつ帰るのかと、何十回と電話をかけてくるように。帰ってきたら帰ってきたで家の中で私を追い回して、夜中の2時3時でも話しかけてきます。私は母から逃れたい一心で家出をし、一時期、母からの電話を着信拒否して、当時つきあっていた人の下宿に転がり込んでいたほどでした。「安心して反抗できる関係性」は大事今となっては、私は母に「安心して反抗できる相手」でいてほしかったなあと思います。反抗というのは、「この人はちょっとぐらい攻撃しても崩れないぐらい強い」という信頼、「この人になら甘えを攻撃という形で出していい」という安心がなければ成り立たないものだと私は自らの経験からも思います。反抗期は親にとってはちょっと怖いものでしょうし、程度にもよるとは思うのですが、反抗期が来たらむしろ「私は子どもから信頼され甘えられている、子どもは健全に順調に育っているし、親子の関係性も健全だ」と思って安心してもいいのかもしれません。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)神経発達症の二次障害である反抗挑発症は周囲の無理解や保護者の過干渉からくることが多くみられる傾向がありますが、今回のケースは大学に入学後に母親の過干渉が起因となり、家出までした反抗につながってしまったのでしょう。小学生で少し早い反抗期と心配される親ごさんがいますが、適切な手段を講じないと反抗挑発症という二次障害に陥っている場合が少なくありません。それを放置するとさらに素行症という二次障害へ進展していきます。父親にASD傾向があり家族に対して冷淡、母親にADHD傾向があり父親からDVを受けたり子育てを一切任されたりされている、といったケースをみることがあります。そういう場合、母親がカサンドラ症候群となってうつ状態になっている場合が少なくありません。宇樹さんが、弱弱しく見えたお母さまの気持ちをカウンセリングのように傾聴し、ナイトのように救ってあげたことでお母さまのうつ病への進行を防いだのだと思います。
2022年10月01日食べる・飲み込む力はどう成長していく?食べる(摂食)という行為は、噛むこと(咀嚼・そしゃく)と飲み込むこと(嚥下・えんげ)がセットになっています。実はダウン症のある人は、噛まずに飲み込んでしまう「丸のみ」が習慣化している場合が少なくありません。では、丸のみするとどのような問題があるのでしょうか?詳しく解説をしていきます。私たちは普段、食べるときに、その一つひとつの行動を確認しながら食べることはないかもしれません。だから、正しい食べ方を子どもに伝えようとしても、何からどう伝えていいか分からないことが多いものです。まずは栄養源を体の中に取り込むための「食べる」という行為は、どんなプロセスを経るのかをみてみましょう。1. 食べ物が口に入るまえに、食べ物を認知します。目で見ることで多くの情報を処理して、手や食具を使って食べ物を口に運びます。2. 次に、食べ物を口に取り込み、かみ砕き、だ液とまぜて「食塊」にします。3. この食塊を、舌を使ってのどのほうへと送り込みます。このときは口が閉じています。4. ごっくんと飲み込むことで、のどから食道へ送り込みます。このときに気道が閉じていないとむせてしまいます。5. 食道に入った食塊は胃へと送られていきます。このプロセスが「摂食」と「嚥下」です。食べる・飲み込むという行為は、練習しなくても誰もが獲得できる機能にみえますが、ダウン症のある子どもや障害のある子どもの場合、正しい食べ方を獲得するためにさまざまなトレーニングが必要になることがあります。摂食嚥下は、口の中だけの課題ではなく、全身の成長・発達が大きく関係しています。まず首が座っていることが重要です。頭がぐらぐらしていると、食べ物に目の焦点を合わせて見ることができないので、口にものを入れることが上手にできません。また、原始反射が消えていることが摂食には必要です。哺乳のための一連の反射の1つである乳首を吸うための吸てつ反射が残っていると、スプーンを口に入れようとしたときに口を閉じてしまいます。舌の挺出反射が残っていると舌で押し戻してしまう、といったことが起こります。ほかにも、鼻呼吸がうまくできるようになること、食べ物を舌と歯と頬でバランスを取りながら噛んだりつぶしたりするという動作ができることなど、成長・発達していくことで、摂食・嚥下はできるようになっていきます。なぜダウン症のある子どもは摂食嚥下機能が弱いの?それではなぜダウン症のある子どもは、食べたり飲み込んだりがうまくいかないのでしょうか。ダウン症の特性と合わせてみていきましょう。まず、発達がゆっくりであることがあげられます。食べ物をあげようとしても、舌が前に出やすいために、食べ物をのせたスプーンを舌で押し戻そうとしてしまいます。これは、発達がゆっくりなため原始反射が消えていくのもゆっくりだからということもあります。まずは原始反射が消えるのを待ってから、離乳食を開始します。全身の筋力の緊張が低いために、噛む力が弱い場合もあります。ダウン症のある人は筋の緊張が弱く、噛む力も強くないこともあります。このため、口に入った食品をよく噛んで食べるということがむずかしく、食べたものをそのまま飲み込んでしまうことが起こります。噛み合わせの問題がある場合もあります。ダウン症のある人は、上下の前歯が噛み合わず、開いた状態(開咬・かいこう)や受け口(反対咬合)などの歯並びになりやすく、上下の歯のかみ合わせが悪いことがあります。口の中の形状的な理由がある場合もあります。上あごがせまくて高いということから、舌がうまく使えないことも多くあります。通常は、飲み込むときに舌は上あごに接触しながら食べ物をのどの方へと送り込みます。しかしその舌の動きがうまくできなかったり、上あごが高くて舌が十分に届かなかったりする場合があります。すると、上あごに食べ物が残っていたり、食べるときに空気を一緒に飲み込んでしまったりすることがあります。鼻で呼吸ができずに、口呼吸になってしまうのも原因の一つです。摂食嚥下のプロセスの中で、大事なことは、食べ物を口の中で噛んで飲み込むまでの間、上下の口唇が閉じていることです。食べ物を口の中で噛むときに口が開いていると食べこぼしの原因となります。また、のどへと送り込むことやごっくんするときは、口が開いたままではできません。一口量の認知の問題もあります。身体面の特性だけでなく、認知力も食べ方に影響します。一口サイズがどのくらいなのかがよく分からないために、大きく食べ物をかじりとり、そのままよく噛まずに食べてしまうということがあります。こうした特徴から、食べ物を大きい塊のまま口の中に入れて、筋力が弱いためにうまくかみ砕くことができず、食べ物をそのまま飲み込んでしまう「丸のみ」をしやすいことが、ダウン症のある人の摂食嚥下の特徴となります。ダウン症のある人に多い、丸のみはなぜいけないの? デメリットについてよく噛まずに、食べ物を丸のみすることが、なぜよくないことなのか、もう少し詳しく見てみましょう。食品を一口大に噛みちぎることができたとしても、そのまま噛まなければ大きすぎるので、のどに詰まってしまうことがあります。のどの奥で、呼吸をするための気道と食べ物を胃に送るための食道に分かれていますが、丸のみした食べ物がのどでつかえてしまうと、その気道をふさいでしまい窒息してしまいます。食物は、本来は口の中でこまかく噛み砕かれ、消化酵素を含む唾液とまざった状態で胃に運ばれます。ところが、丸のみしてしまうと食べ物はそのまま胃に運ばれてしまうので、胃腸での消化に負担がかかります。胃でもよくこなれないまま腸へと進むと、下痢や便秘の原因にもなります。こうして消化器に負担がかかると、栄養が体にうまくとりこまれなくなり、長期的には栄養障害を起こすことになります。ごくたまに、よく噛まないで呑み込んでしまうこともあっても仕方ありませんが、それが毎食のことになると、健康状態を損ねることにつながってしまうのです。丸のみしないためにできることは?丸のみしないようにするためにできることとは、どのようなことでしょうか。成長発達に合わせてのステップをしっかり踏むことが重要です。ダウン症のある人の成長・発達はゆっくり進みます。口の中の発達も同様です。離乳食の進め方もその子のお口の成長をよく観察して、ゆっくり進めてください。歯の生え方と同時に、舌の動きをよく観察しましょう。舌が乳首を吸うときのように前後にだけ動いているうちは、うまく咀嚼ができないということでもあります。また、首がすわり、おすわりが少しずつ安定してくる様子、姿勢の観察もしてください。そして、「おいしいものを食べたい」という積極的な意欲があることが大切です。心身ともに成長している様子をよく観察して、離乳を進めて、よく噛んで飲み込むというプロセスを練習していきます。このことが、丸のみを予防することにつながっていきます。成長、発達に合った離乳食を用意することも重要です。離乳初期は、唇をしっかり閉じてごっくんができることを確認しましょう。口に入った食べ物を舌で前から後ろへ送り込んで食べます。なめらかにすりつぶした状態のものが適しています。トロトロしたおかゆやポタージュ状のものから始めます。離乳中期は、ごくやわらかい食べ物を唇を使って口の中に取り込み、舌を上あごの前のほうに押しつけてつぶして食べます。あごを上下に動かして「もぐもぐ」できるようになります。やわらかく茹でたにんじんや豆腐などが適しています。離乳後期になると、歯ぐきによるすりつぶしができるようになります。唇・舌・歯・あご・ほおの動きが上下左右と複雑に動かせるようになっていきます。なめらかな肉団子やご飯粒などを一口ずつ咀嚼することができます。離乳後期のころには、自分で食べたいという意欲も出てきて、いわゆる「手づかみ食べ」が始まりますが、このことは道具を使って食べるようになるための大事なプロセスでもあります。自分で食べたいという意欲を伸ばしてあげましょう。歯ぐきによる噛める程度のかたさのものが適しています。このときに、食べ物に夢中になって丸のみしていないかよく見て上げて、「カミカミしてね」と声をかけ、大人も一緒に口を動かして食べる様子を見せるといいでしょう。食事をあげるときには、スプーンの上手な使い方があります。間違ったあげ方をすると食べづらいためにうまく咀嚼ができなくなってしまいます。スプーンを使う時の理想的なプロセスをご紹介します。① 食べ物を見せて、口に近づけます。口を開けてくれたら、下唇にスプーンの底面をつけて、上唇がしっかり下がってくるのを待ちましょう。② スプーンの前のほうに乗せた食べ物を赤ちゃんが口で捉えたと感じたら、すっとスプーンをまっすぐにして引きます。このときスプーンに食べ物が残っていてもかまいません。スプーンのボールの部分が平らで、口の大きさに見合ったスプーンを選ぶことも大切です。③ 口を動かしてごっくんと飲み込むのを待って、次のひとさじを与えます。飲み込まないうちに次のスプーンを出すことはやめましょう。気をつけたいのは、口からスプーンを引き抜くとき。スプーンを上唇になすりつけるように上のほうに向かって引き抜くのはやめましょう。あごがあがって飲み込みにくくなります。もう一つ大切なのは姿勢です。前のめりになったり、仰向けに寝過ぎた姿勢にならないようにしてあげましょう。まだ体を自分で支えられない子どもには、座位保持椅子などの背もたれや頭頸部が安定する椅子で、前のめりになったり、首が後屈した姿勢にならないようにしてあげましょう。一人で椅子に座れるようになったら、椅子に深く座り、足が床や足乗せ台についているようにします。足がプラプラしていると力も入らず姿勢も崩れやすくなります。筋力が弱いダウン症のある子どもの場合は、支えて上げることも必要ですし、普段から体をよく動かして腹筋をはじめとする筋力をつけることも大切です。こうして食べるときには、話しかけながら楽しく食べさせましょう。一方的に食べさせるばかりでなく、大人が食べる様子を見せ、一緒に楽しむのも良い方法です。そのときには少しオーバーな動きで口を動かして見せてあげるとより良いです。実際に食事をするとき以外に、舌やあごの動きをトレーニングすることも大切です。間接的な訓練として、バンゲード法などがあります。バンゲード法は、子どもの口の周り、すなわち頬、唇、舌の筋肉を手で伸ばしたり、縮めたりして動きをよくしてあげる方法です。食べるための必要な筋肉の働きを促すことができます。食べるという行為を、あらためて教えることは難しいかもしれません。細かいプロセスに分解して子どもに伝えることが必要ですが、考え過ぎるとかえって混乱することもあるでしょう。一度、専門家による摂食指導を受けることをおすすめします。まとめ丸のみしないで食べられるようになるためには、まず正しい食べ方を覚えることから。適切なひと口とはどのくらいの量なのか、毎回よく噛んで飲み込めているかを確認して、上半身を起こして食べましょう。食べ方を教えてあげることも大切ですが、「もぐもぐ」「かみかみ」「ごっくん」という声かけは笑顔で、「楽しく食べる」ことも忘れずに。丸のみを習慣化しないことで、健康においしく食事ができるようになれるといいですね。
2022年09月30日脳性まひとは?脳性まひは、妊娠中、出産前後もしくは生後4週間以内のあいだに、なんらかの原因で生じた脳の損傷が原因でおこる運動と姿勢の障害のことを指します。脳性まひの症状は、動きにくい様子がかろうじて分かる軽度から、身体の動きが制限され車椅子などの補助器具を必要とする状態、寝たきりで医療ケアが欠かせない最重度の状態など、人によってその症状はさまざまです。知的障害、行動障害、視覚障害、難聴、けいれん性疾患などがみられることもありますが、ない場合もあります。世界脳性まひの日〜Warm Green Day〜とは?Upload By 発達ナビニュース2012年に各国の支援団体らが10月6日を「世界脳性まひの日」としました。日本ではまだ、あまり知られていませんが、毎年この日、世界各国で脳性まひについての理解が進むように啓発のイベントなどが行われています。そして今年、東ちづるさんが代表を務める一般社団法人Get in touchが中心となり、日本でもさまざまな取り組みが行われます。緑をテーマカラーに「Warm Green Day(WGD)」(ウォーム・グリーン・デー/あたたかなみどりの日)と名付け、企業・行政・団体や個人の方々と一緒に緑色にちなんだ企画を開催します。「世界脳性まひの日〜Warm Green Day〜」の緑をテーマにランドマークのライトアップやデコレーションが行われます。・東京都庁(10月6日)・神奈川県庁(10月6日)・平塚市(平塚駅南口の広場噴水「海の讃歌」、10月6日)・小田原城(10月6日)・世田谷区庁舎(10月6日)・フジテレビ社屋イルミネーションAURORA∞(10月6日~8日)・セルリアンタワー東急ホテル(10月6日)・分身ロボットカフェDAWN(10月3日〜10月5日)・アルケア株式会社(9月30日~10月6日)・東急歌舞伎町タワー(10月6日)・東京ダイバーシティライオンズクラブ(10月2日 ※障害当事者のライオンズ会員が、新宿駅東口でWGD街頭募金実施予定)などUpload By 発達ナビニュース10月6日に向けてグリーンのアイテムやグリーンを身に着けたり、グリーンにデコレーションした施設などの写真をSNSに投稿してみませんか?以下のハッシュタグをつけてぜひ投稿してください!#WGD106#脳性まひ#世界脳性まひの日#worldcpday #getintouch #まぜこぜ2022年10月6日(木)に開催されるのは、参加型のイベント「生きづらさだヨ!全員集合」。脳性まひのある4名が登壇し、「生きづらさ」を発表します。観客のみなさんも一緒に考える、参加型のイベントです。司会は一般社団法人Get in touchの東ちづるさん、コメンテーターは、NHKEテレ「バリバラ」でおなじみの玉木幸則さんです。「生きづらさだヨ!全員集合」概要【日時】10月6日(木)14時〜16時終了予定(開場13時半)*手話通訳付き【場所】東京都港区西麻布3-5-5 dōTERRA Japanビル B1ホール*館内バリアフリー、障害者トイレあり*キッズスペースあり【登壇者】コメンテーター:玉木幸則(福祉番組ご意見番、社会福祉士)登壇者:川端舞(NEWSつくばライター)醍醐(ダイゴ)(タレント)千葉絵里菜(元NHKリポーター)寺田ユースケ(YouTuber、元車イス芸人・車イスホスト)司会:東ちづる【料金】大人1,000円、大学・大学院生500円(税込)高校生以下は無料※クリックすると発達ナビのサイトから「生きづらさだヨ!全員集合」申し込み用Googleフォームに遷移します脳性まひのアーティストやアスリート、パフォーマーが登場、音楽はROGUEの奥野敦士さんが作詞・作曲した、ROGUE『GET THE GLORY!』ぜひご視聴ください!「脳性まひ」と「世界脳性まひの日」をもっと知ってほしい世界ダウン症の日(3月21日)、世界自閉症啓発デー(4月2日)は国連制定された記念日ですが、「世界脳性まひの日」はまだ国連に制定されてはいません。しかし、脳性まひのある人は世界で1,700 万人以上いるといわれています。まだ理解されないことで困っている人がたくさんいるのです。脳性まひがある人だけでなく、どんな人もさまざまな個性をもっています。誰もが自分らしく日々を過ごせるように「脳性まひ」についてぜひ知ってください。「世界脳性まひの日」をきっかけに多様な社会について考えてみませんか。
2022年09月30日診断が出てから、3年生への進級このときはちょうどコロナ禍で、私たちの住んでいる地域では3~5月まで緊急事態宣言で学校もお休み。長女はこの期間、ストレスによると思われる蕁麻疹が出たりして通院していました。ただ、次女に限っては、この3ヶ月のお休みが良い影響を与えたようで、傍から見ていて、少し不安が減ったようで元気に過ごせていました。学校が始まって「ちゃんと学校に行けるのか…?」と心配していましたが、問題なく学校に行くことができました。3年生初めての保護者会で見たクラスの様子例年より遅くに開催された保護者会。そこで、先生がクラスの様子を映した動画を見せてくれました。コロナ禍で外出もできず、この年は雨も多かったので、休み時間に音楽を流して、ダンスタイムを設けて体を動かしてもらっているとのこと。やりたい子だけ参加してもらっているとのお話でした。このとき、まず思ったのが、次女がこの時間をどうやって過ごしているかということでした。Upload By まりまり教室から場所を移すことも、人よりハードルが高い次女…。カーテンの後ろにいたその動画で教室全体を映してくれていたのですが、よくよく観察していると、見たことのある服の子がカーテンの後ろに…。Upload By まりまり次女でした。一人でカーテンの後ろに隠れていました。正直、教室で一人でいる次女を見るのは、親としてつらいものがありました。分かっているものの、「あ~みんなの中にいてくれたらな~」などと思ってしまうのでした。なんでカーテンの後ろにいたか家に帰ってから、次女と動画について話してみました。次女からは「ダンス嫌だから、見えないようにカーテンの後ろに隠れてたの」とのこと。最初は一人の次女を見るのはつらい気持ちだったので、参加できない次女に対して、ついつい「みんなやってるんだから…」とか「見てるくらいできるでしょ」とか言いたくなってしまう母。でも、落ち着いて考えてみると、次女は「それでも何とか教室にいることができている」状態でした。苦手な状況に、「カーテンの後ろに隠れる」ことで、自分で対処しようとしている…?Upload By まりまりきっとこんな感じで、カーテンの後ろに隠れることを否定したら、それこそ教室に居場所がなくなってしまうのではないかと気づいたのでした。そこが次女の安心できる場所だったなので、なんとか工夫して教室にいる次女の行動を褒めてみることにしました。Upload By まりまりUpload By まりまりするとこんな答えが返ってきました。次女は、このときだけでなく、休み時間に教室が騒がしいときなどは、カーテンの後ろにいることが多いとのことでした。カーテンの後ろにいて、いろいろなことを想像していると怖くないんだと。Upload By まりまりカーテンの後ろは次女にとって大事な居場所で、必要な場所だったということが分かったのでした。むしろ、その対策を自分で考え出していて偉かったなと…。ついつい、「みんなと同じに…」とか思ってしまうこともある母。でも、次女と話したことで、このとき、自分の焦りから、教室で次女が安心していられる場所を奪うことにならなくて良かった…と思ったのでした。執筆/まりまり(監修:初川先生より)次女さんの工夫を「工夫」として受け止めることができたというエピソードをありがとうございます。みんなが踊って楽しんでいる中で、一人隠れて外を見ているわが子を見たら、親としてうろたえる思いがするのはある意味自然なことです。せっかく学校に行っているんだし、みんなと楽しく過ごしてほしいという思い、保護者会でその映像をほかの保護者も見ていて、わが子が一人でいるところを見られるのがちょっと恥ずかしく思う気持ちなどもあってもおかしくないと思います。帰宅後にその話をするにあたって、まりまりさんは自分の気持ち(焦り、不安、ちょっとした怒りなど)をちょっと横に置くことができ、次女さんの気持ちに思いを馳せたうえで、言葉をかけることができたのですね。子どもの行動には子どもなりの理由があり、それは往々にして、子どもなりにその環境に適応しようとした工夫の結果であることが多いです。逃げようとしている、さぼろうとしているということは、大人が想像するよりもずっと少ない印象があります。大人が自分の気持ちをちょっと横に置いておくことも、慣れるまでは覚悟と少しの忍耐が必要なこともありますが、しかし、こうして一度、(自分の思いを横に置くことで)お子さんなりの努力・工夫に出合えたといった経験などをすると、お子さんの思いをまずは「聞いてみる」ことがやりやすくなりますね。次女さんなりに、苦手な教室場面や、休み時間というフリーな状況への苦手さなどがある中で、自分の居場所を教室の中に作り出そうとしている姿を、まりまりさんの話の振り方によって知ることができ、よかったですね。
2022年09月30日学習障害がなくても、聴覚過敏が原因で学習に困難を感じている子どもは多くいる?勉強に集中できない、勉強をしているとなぜかすぐに疲れてしまう…など、子どもの学習に関連する困りごとがあると、「限局性学習症(学習障害・LD)」があるのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、そのほかの発達障害の特性から、限局性学習症がなくても学習に困難を感じる場合もあります。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。このコラムでは「聴覚過敏がある子どもの学習の悩み」について、原因や解決方などを解説します。Upload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホンUpload By マンガで分かる発達障害のキホン聴覚の過敏さによる困りと対処法聴覚が過敏だと、意識しなくても小さな音まで聞こえやすかったり、特定の音に対するつらさが強まったりすることがあります。また、必要な情報だけ音を拾って感知するという情報の選択ができず、たくさんの音が同時に耳に入ってきて、肝心な情報がかき消されてしまう場合もあります。教室の中がうるさいと集中できない場合があります。聴覚過敏の場合、たとえば先生が話していることに集中したくても、そこに誰かの話し声、衣擦れの音、窓の外の音や空調の音などが重なり合って、どの音に集中したらいいのかが分からなくなってしまいます。また、椅子と床がこすれる音や、特定のお友達の話し声など、苦手な音がつらく、疲れやすくなることもあります。解決策:教室の雑音は多くの子どもにとって気が散る原因となります。椅子の脚にカバーをつける(使い古しの硬式テニスボールを切って脚にかぶせるなど)といった工夫をしましょう。また、イヤーマフや耳栓をうまく活用するのもよい方法です。大きな音が苦手な場合があります。急に大きく響きわたるような音、たとえば陸上競技のスタートのピストル空砲、避難訓練のサイレンなどが鳴ると、誰でもびっくりするものです。元々、その音自体や音量に対する苦手さがあり、それに加えて予告なく音が鳴るような状況だと、周囲の想像以上につらく感じている場合があります。その結果としてその音に対する過敏さが強まってしまい、そのあといつまでも気持ちの切り替えができなくなってしまう場合があります。解決策:学校でも家庭でも、予測できない音はしかたありませんが、大きな音が出る場合にはこれから何が起こるのかを説明しましょう。説明を受けてもやはりその音を聞くのがつらい、という場合には我慢をせずに、大きいサイレンの音が鳴る避難訓練の時間だけ休む、運動会のピストルを旗に変えてもらうなどの配慮をしてもらうことを検討しましょう。また、イヤーマフや耳栓をうまく活用することもつらさの軽減に有効です。たくさんの音が全て聞こえてしまって疲れてしまう場合があります。自分が必要な情報に集中してほかの音を小さくするような脳の機能がうまく働かないと、教室のさまざまな音を聞き取ってしまいます。そんな状況でも特定の音声、授業中なら先生の声だけになんとか集中して聞こうとすることで、疲れてしまう場合があります。また、聞き取ることに努力が必要な子どもの場合、疲れてぼんやりしてしまうことで、集中していないという誤解を受けることがあります。解決策:生活音などの騒々しさが原因の場合は、ノイズキャンセリングイヤホン/ヘッドホンが有効です。耳栓、イヤーマフなども一定の効果があります。音に対する直接的なアプローチだけではなく、帰りのホームルームで明日の持ち物を口頭だけではなく黒板にも書いてもらうなど、聞きとりにくさを前提とした視覚的なサポートを受けられると困りごとが減るでしょう。イラスト/taeko
2022年09月29日千葉県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報てらぴぁぽけっと 新浦安教室は教室の窓からは境川と遊歩道が見え、海まで約1キロののんびり穏やかな街並みにある児童発達支援事業所です。「言葉がでない」「急に走り出してしまう」「椅子にすわっていられない」「大声をあげてしまう」「手をつないで歩けない」「ほかのお子さんと遊べない」などの悩みに、さまざまな分野の資格を持った職員がABA(応用行動分析学)による科学的アプローチを用いて、一人ひとりのお子さんに合わせた療育プランを提案し、必要なことをひとつずつ確実に習得していけるよう、お子さんの成長を見守っています。千葉県の児童発達支援事業所をもっとみる愛知県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報五感脳トレーニングは10月金山駅近くにオープン予定の児童発達支援・放課後等デイサービスです。思考力・判断力・想像力・文章力・表現力・記憶力などをゲーム感覚で取り組むことができる五感脳トレーニングや、リトミック、アート、クッキング、英語、体幹トレーニングを、療育の研修を受けた専門の講師が楽しく行っています。一つひとつできたことを褒めて認め自己肯定感を高め、お子さんが一斉に同じことをするのではなく、選択をしてもらい、自分で考えて行動出来る10の力を育てることを大切にしています。愛知県の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報Pitago Labは事業所名の由来である、数学者で哲学者であるピタゴラスから「ヒラメキ」や「発想」を連想し、子どもが本来持っている「柔軟で独創的な発想」をサポートし、育むことを目的としている児童発達支援と放課後等デイサービスを提供している多機能型事業所です。生活習慣の自立と習得を目指した生活面での支援や、協調性や挨拶、ルールを守ることなど社会性での支援を行っています。また、学習支援や土日祝日を利用して、プログラミングや運動、料理、制作、外出支援などのさまざまな支援を行っています。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ステラ幼児教室 新大阪校は関西地方初出店10月開講予定の児童発達支援事業所です。自閉スペクトラム症・学習障害・ADHDなどの発達障害や発達の遅れが気になる未就学のお子さんに対し、1コマ50分のマンツーマン授業・小集団授業を提供し、お子さんの「できた!」につながる支援をしています。療育方法や支援方法などの研修を受けた専門のスタッフが丁寧にアセスメントし、一人ひとりの発達に合わせた個別の支援計画を作成し、完全オーダーメイドのカリキュラムで授業を進めます。Upload By 発達ナビ施設情報2022年2月にオープンしたBEAR KIDSはお子さんが少しでも楽しく社会で生きていけるよう一人ひとりにパーソナライズされた療育を提供している児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所です。就学前トレーニングや、応用行動分析(ABA)をベースとした個別療育、小・中・高、その先に待つ長い社会生活、将来を見据えた学習支援・集団療育のほか、未就学のお子さんも、簡単に遊びながら指先や脳に良い刺激を得られる、レゴ社が提供している教材「LEGO SPIKE」を使用した支援を行っています。大阪府の児童発達支援事業所をもっとみる兵庫県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報きらきら放課後等デイサービスは2022年8月にオープンした、就労準備型放課後等デイサービスです。SST(ソーシャルスキルトレーニング)やパソコン、学習、習字、制作活動などのプログラムのほか、基本的マナーの取得や子どもの自立、進学のサポートを行っています。SSTではワークシートやゲームなどを用いてコミュニケーション能力の向上を目指し、作業訓練では個人の特性に合った職業を一緒に考え、就労準備にむけてのサポートを行っています。また、自己表現や余暇活動の一環として水墨画などにも挑戦しています。兵庫県の放課後等デイサービスをもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2022年09月29日特別支援教室を嫌がっていた、ASDのある長男ASDの特性がある、わが家の長男ミミ。1年生のころから特別支援教室に通っています。小学3年生になって2回目の特別支援教室を終えたころ、ミミと教室について話したことがあります。「特別支援教室楽しい?」「楽しいけど、(通常学級を)抜けた分のプリントが宿題になるからイヤだ」特に大きな問題はなく通えているようでしたが、通常学級の宿題が増えることが大変のようでした。以前から宿題が増えることを嫌がっていて、欠席した分のプリントは手つかずのままでした。Upload By taekoそんなに毎回嫌がるなら、試しに特別支援教室を休んでみようかな。そう考えた私は、ミミと相談した上で特別支援教室の先生に次回の授業を休むことを伝えました。すると先生はこうおっしゃっられたんです。「特別支援教室を休むという判断については、もちろん尊重させていただきます。ただ、できれば休まずに通わせて欲しいので、自分で特別支援教室を休みたいと担任の先生に言えたら、休んでも良いということにしましょうか」そう提案してくれました。加えて先のことを見通したルールも考えてくれました。「その次の週は登室することを約束して、続けていけるようにしましょう」そこで私は、通常学級の担任の先生には手紙を書き、ミミには「先生に特別支援教室を休みたいことを、何で休みたいのか理由も伝えてね。それができたら休んでいいよ、でも次の週は行こうね」と伝えました。Upload By taeko「休みたい」と伝えたミミ。そのとき、通常学級の先生は…先生に自分から伝えると約束をした次の日、帰宅後のミミと話しました。しかしどうやら、先生に休むことをちゃんと言わなかったようでした。理由を聞くと、「ママの手紙があるから言わなくてよいと思った」と。なるほどな、と思いました。こんなことなら手紙書かなければ良かった…。そこで再び、「直接ミミが言えるなら休んでも良いんだよ、明日言えなかったら休まずに行こうね」と、2人で約束をしました。ミミは「うん」とうなづいてくれました。Upload By taekoそして次の日の夕方。通常学級の先生に電話すると、特別支援教室の先生と連絡してくれていたようでした。ミミから行きたくない理由を聞き取ってくれて、ほかにも特別支援教室ではどんな活動をしているのかも聞いてくれていました。そこでミミは、最近の活動として、新しく入ってきた1年生のために歓迎会の招待状とクイズを用意したことを話したようでした。それを聞いた先生が、ミミにあることを伝えてくれたんです。「1年生は招待してくれた先輩のきみと、会うことを楽しみにしてくれているんじゃないかな?」ミミも一緒に居た方が良いのではと、促してくれました。それを聞いたミミはハッとした様子だったようで、特別支援教室に対しての前向きな気持ちが改めて湧いてきたようでした。その後も先生は、通常学級での授業をなるべくプリントが少ない授業にしてくれるなどの配慮をしてくれました。ミミも納得して、特別支援教室に行くことができました。Upload By taeko特別支援教室から帰宅したミミに、どうだったか聞きました。「楽しかったけど…」煮え切らない様子で、やっぱりちょっと休みたかったという気持ちが見えて、少し笑ってしまいました。それでも楽しかったというのは本当だということが伝わってきて、私はミミが登室できたことをいっぱい褒めました。そして後日談。特別支援教室の連携のノートには、こう書かれていました。「1年生がミミが作った招待状を持って来てくれてとても嬉しそうでした」きっとミミも、嬉しそうにしてくれる1年生を見て、嬉しかったはずです。そんな風に、とても丁寧に対応してくれる先生方のためにも、これからもミミのことを積極的に相談をしようと思いました。執筆/taekoUpload By taeko(監修:初川先生より)特別支援教室は楽しいけれど、特別支援教室に行くことで抜けてしまった授業のプリントが宿題になるのがつらい…ミミくんの葛藤が伝わってきますね。抜けた分のプリントもしっかりやりたい真面目さがあるのはとても良いことですが、そのぶん、負担感が増してしまうのですね。特別支援教室での取り組みの楽しさや充実よりも、「通常学級での宿題が増える」方に目が行くのも仕方のないことのように感じます。今回、担任の先生が特別支援教室での授業時間中の課題を工夫して減らしてくださったのはありがたいですね。さて、このエピソードのもう1つのテーマは「自分で申し出る」ということですね。子どもたちは保護者が「先生に言っておいてくれる」ことの恩恵を受ける経験を多くしてきていることと思います。ですが、いつまでも保護者がそこを肩代わりするわけにもいかないですし、自分の意思を伝えるということはとても大切なことです。今回のように、先生と保護者の間で話をしておき、そのうえでお子さんが先生に申し出るといった、「申し出る練習」のセッティングを整えておくこと、とてもよいと思います。練習は、はじめは不意にやるものではありません。練習するためのセッティングをして、大人が見守りながら、子どもが安心して練習すること。はじめは何事も緊張し不安もあるでしょうが、「大丈夫だった、うまくいった」という経験をすることでその行動が次につながります。だからこそ、ちょっと勇気の必要な新しいことをする際は、大人が話を通したうえで、、ハッピーエンドで終われる「練習」をできるとよいのです。
2022年09月29日