子育て情報『「兄が死んだ」身元確認のため自閉症小1息子と面会へ。死を理解していないであろう息子の初めての言葉とは』

2023年8月3日 14:15

「兄が死んだ」身元確認のため自閉症小1息子と面会へ。死を理解していないであろう息子の初めての言葉とは


おじの死を、理解できない太郎

太郎が小学1年生の夏、私の兄が突然亡くなった。この時期、私は太郎と2人暮らし。両親は実家である離島で暮らしていた。

兄は両親や私とはまた別の地域に住んでおり、私の家からは200㎞程離れた場所に住んでいた。

兄は自宅で亡くなっているのを発見され、私たち家族は身元確認のため警察署へ呼び出された。兄の死の連絡に衝撃と動揺で考える力が低下しているのが自分でも分かったが、それでも考えなければならないことが一つあった。

「太郎を200㎞離れた兄の元へ連れていくに当たっての対策」だ。

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Upload By まゆん

太郎は4歳の頃に自閉スペクトラム症の診断を受けている。小学1年生の太郎が長時間じっと座っていられるか、癇癪を起こし続けないか。癇癪が大きいと、私の疲労も大きくなる。そういうことを心配していた。

道中の太郎のストレスをなるべく和らげる方法を考えた。移動手段は車一択。電車やバスではますます自由が効かなくなるからだ。

休憩なしで行けば3時間の道のりだが、こまめに休憩をとる計算でいくと4時間はかかるだろうと予想していた。
昼寝をしてくれたら一気に進むことができるが、太郎は3歳頃から昼寝をしない。昼間は車に乗せても目がランランと輝いているのである。

ゲームをするのも好きだが車の中でのゲームはすぐに酔うのでゲームはNG。なので対策としてはお気に入りのDVDとこまめな休憩で気分転換、あとはちょっとおやつタイムだった。

太郎に旅の目的と目的地の説明をした。「お母さんのお兄さんが亡くなった」「太郎のおじちゃんね」という説明には「うん」とは答えたが理解してないようなキョトンとした顔をしていた。「遠くまで車で行くよ」と一応地図も見せて説明したが、それに対しても「分かった」と言うものの、分かってないような表情だった。

太郎に説明しながらも、私は嘘であってほしいと願っていた。


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目的地までは私の妹も一緒に行くことになり、3人の旅が始まった。


200㎞先を目指して、3人の道中は

その日は日差しが暑い日だった。青い空に白い雲が綺麗に浮かぶ、スッキリとした空をしていた。私や妹の心とは裏腹だった。

太郎はDVDを観ながら笑っていた。何十回も観たことがあるストーリーなのに同じところで何回も笑う。飽きないのかなぁ、不思議だなぁと思う。

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