障害者手帳は3種類Upload By 立石美津子発達障害者手帳、これがあったらどんなにいいかと思いますが、残念ながら存在しません。障害があることを証明する手帳は次の3つのみです。・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳つまり、知的障害を伴わない、あるいは軽度の発達障害の人のための “発達障害者手帳”というものは存在しないのです。発達障害がある場合、精神障害者保健福祉手帳の対象として分類されています。厚労省精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について障害者手帳があると就活でも活用できる従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)民間企業の法定雇用率は2.3%です。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用する必要があります。一般枠で企業就労するのが難しい場合、障害者雇用枠で就労することができますが、その際に障害があることを証明する手帳が必須となります。しかし…・視覚障害、聴覚障害、上肢下肢の欠損、体幹障害による歩行困難など身体障害がなければ、身体障害者手帳の対象とはなりません。・(自治体によって異なりますが)東京都の場合、知能指数が76以上だったら療育手帳の対象とはなりません。愛の手帳について | 東京都保健福祉局精神障害があると認めたくない保護者もいる一定の知能指数のため療育手帳対象に該当しない、身体障害もないため身体障害者手帳の該当にならないとなると…残るのは“精神障害者保健福祉手帳”となります。すると、「うちの子は発達障害。精神障害ではない!」と憤る親御さんを見かけたことがあります。これに対して私は心の中で「いやいや、そうじゃないのよ。知的障害のない発達障害児が、障害者雇用促進法のもと、法定雇用率でカウントされて企業就労するには、なんらかの障害者手帳が必要。今の制度上では、知的障害のない発達障害児は精神障害者保健福祉手帳が必要となるのに」と呟きました。知的障害がなくても療育手帳の対象になる地域も発達障害のある人は知的障害がなくても、社会生活を送るにあたって多くの困難を伴います。社会生活での困難と言う面では、知的障害、精神障害、身体障害がある人と同じだと言えます。そのため、知能指数が療育手帳の範疇以上の人に対しても、療育手帳を発行している自治体もあるようです。全国的にこれが広まればよいと感じます。Upload By 立石美津子自己申告制日本の福祉は自己申告制です。親がわが子の障害に気づいて積極的に動くことで取得できます。精神障害者保健福祉手帳について紹介しましたが、こちらが取得できない場合もあると思います。たとえ障害者手帳の対象とならなかったとしても、障害福祉サービス受給者証をとって、福祉とつながっている人だということを示す方法もあります。「精神障害者保健福祉手帳が必要?わが子には精神障害はないのに!」と憤るのではなく、福祉サービス、制度を活用することで、わが子の将来の選択肢を広げられるかもしれません。精神障害者保健福祉手帳で雇用枠での就労を目指したり、受給者証で福祉サービスを活用したり、支援者につながる機会を増やすことが、わが子を守ることにつながるのではないかと思います。
2021年07月01日個別の教育支援計画とは?「個別の教育支援計画」は、特別な支援を必要とする幼児や児童・生徒について、本人・保護者や学校・関係機関も含めた関係者で情報共有するためのツールです。作成する目的は、児童・生徒の一人ひとりのニーズを正確に把握し、長期的な視点で、一貫して的確な教育的支援を行うことです。幼稚園などで作成された個別の教育支援計画を活用して、その後の小学校や中学校など就学先に支援の情報などを引継ぎ、断続的な支援や指導に生かしていきます。教育・医療・福祉・労働等が連携協力することが望ましいとされます。長期に渡り多くの人が関与するものなので、個人情報などの保護も十分に留意した取り扱いとなっています。対象となる障害の範囲には、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、言語障害、情緒障害、LD、ADHD、高機能自閉症などが含まれます。通常学級に在籍している児童・生徒や、発達障害の診断が出ていない児童・生徒でも、特別な教育的支援を必要とする場合は対象となります。関連するものに「個別の指導計画」がありますが、こちらは子どもの実態に応じて適切な指導を行えるよう、指導目標や指導内容及び指導方法を明確にしたものです。「個別の教育支援計画」が長期的な支援計画であるのに対し、「個別の指導計画」は学期ごと・単元ごとなど、短期的かつ具体的な計画であるといえます。「個別の指導計画」の作成にあたり、「個別の教育支援計画」も参考にされます。今回の記事では、個別の教育支援計画について詳しく説明します。(3)個別の教育支援計画と個別の指導計画(文部科学省)特別支援学校教育要領・学習指導要領解説総則編(文部科学省)個別の教育支援計画について(文部科学省)個別の教育支援計画の具体的な内容は?個別の教育支援計画に盛り込まれる情報は、以下のようなものがあります。・本人や保護者の願い・障害による困難な状況・学校での支援・指導の内容・合理的配慮の提供の状況・生育歴・相談歴・通院・福祉サービスの利用状況・関係機関における支援の内容Upload By 発達障害のキホン具体的な項目やフォーマットは、各自治体や学校ごとに異なります。一例として、東京都教育委員会が公開している「小・中学校用支援シート」をご紹介します。Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自分の学校や自治体における個別の教育支援計画の内容については、各教育委員会のHPや、学校の特別支援教育コーディネーターへ問い合わせてみてください。これからの個別の教育支援計画(東京都教育委員会)小・中学校用支援シート(東京都教育委員会)個別の教育支援計画は、誰がどのように作成するの?個別の教育支援計画は、児童・生徒の状況や活用の必要がある場合に作成されます。例:・就学時や卒業後への移行期・学校外の関係機関との連携した支援が必要な場合・保護者から作成の要望があった場合など作成プロセスは、以下のとおりです。1. 障害のある児童・生徒の実態把握2. 実態に即した指導目標の設定3. 具体的な教育的支援内容の明確化4. 評価個別の教育支援計画は、1度作成して完了するものではありません。子どもの状況にあわせて適宜見直しを行い、PDCAサイクルを回しながら作成していきます。また、進級・進学などのタイミングで関係者間で引き継ぎを行い、その内容を踏まえた計画を作成することで、長期的な視点に立った支援を行うことができます。就学段階においては、盲・聾・養護学校又は小・中学校、もしくは高等学校が中心となって作成します。なかでも学級担任や、学校内や他機関との連絡調整役となる特別支援教育コーディネーターが中心となって、具体的な内容を確定します。保護者や関係機関との連携協力により、校内委員会(※)や支援会議で検討していきます。※校内委員会:児童・生徒の担任の先生のほか、校長、教頭、学年主任等、養護教諭などで組織され、効果的な指導や対応に向けて情報を共有し、全校的な支援体制をとるもの個別の教育支援計画について(文部科学省)「個別の教育支援計画」作成の手引き(千葉県教育委員会)個別の教育支援計画を作成したあとの、活用方法は?個別の教育支援計画は、学級担任や特別支援教育コーディネーターが中心となり、校内委員会や校外の関係機関と連携しながら作成されます。作成後は計画をもとに、それぞれの機関・立場からできる支援を実施します。学校内の指導や、放課後等デイサービスなどの支援機関においては個別の教育支援計画をもとに「個別の指導計画」を作成し、単元ごとや学期ごとの具体的かつ短期的な指導内容を定めたうえで支援を進めることもあります。また、定期的に実施内容とその結果を共有し、計画の評価を行なったうえで、より状況に即した計画を定めます。進級・進学時には計画の引き継ぎを行うことで、継続した支援へとつなげていきます。学校や支援機関、家庭など、さまざまな場所における支援と評価を行い、児童・生徒の様子を多角的に観察して計画に盛り込むことが、個々に合う支援のために大切です。本人や保護者の要望は、どのように反映されるの?保護者には計画の作成・実施・評価の場面それぞれで常に共通理解を図ることになっており、積極的な参加を求めるとされています。多くの場合、学級担任や特別支援教育コーディネーターが、保護者の直接の窓口になるため、保護者が個別の教育支援計画の作成を希望する場合やその内容の修正を求める場合は、相談してみてください。また、計画には、児童・生徒本人の願いや要望も盛り込まれます。学級担任や特別支援教育コーディネーターを中心に本人へのヒアリングを行うのか、保護者が間に入るのか、お子さんがコミュニケーションをとりやすい方法を一緒に検討していけると良いでしょう。まとめ出典 : 個別の教育支援計画を作成する目的は、特別な支援を必要とする児童・生徒の一人ひとりのニーズを正確に把握し、長期的な視点で、一貫して的確な教育的支援を行うことです。そのため、作成にあたって保護者や学校の関係者・校外の支援機関などさまざまな立場からの情報共有と目標のすりあわせが行われます。一貫した支援が必要だと感じたら、個別の教育支援計画の作成や活用を検討してみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月30日学校生活は楽しそうな一方で、家庭では反抗的な態度が目立つようにUpload By スガカズ発達凸凹長男の中学校生活はというと、人の気持ちを考えて話す場面が多くみられ、友達とも楽しく過ごせているそうなので、大きな問題はないようです。ただ、家では家族に対して「うるさい。だまって」など煩わしく感じていたり1人で部屋にこもる姿が目立ってきました。長男はがんばって中学校に通っているし、この時期の子どもは親があまり口だしをしない方がよいと理解していたので、口うるさくは言うものの、基本的に静観するようにしていました。ゲーム中にお父さんに注意されてカチン!父親に向かって「お前が全部悪い」Upload By スガカズ今から一ヶ月前のことです。その日私は夕方に所用があり、一人で外出をしていたのですが、出先でお父さんから連絡がありました。どうやら長男とケンカをしてしまったようです。帰ってから両方に話を聞くことにしました。きっかけは、晩ごはんの時間になって、家族がごはんを目の前で食べているにも関わらず、長男だけがゲームをやめずお父さんの話を無視しつづけていたことが原因のようでした。Upload By スガカズ長男は「お父さんは『ごはんだからゲームをやめて』『片づけて』って言ってたけど、オレに言ってるのかわからなかった。オレの名前を呼べばオレに言ってるとわかるけど、言い方がよくない」「お父さんはいつも物事を決めつけて怒ってくる」「だから今回のこともお父さんが悪い」と話していました。Upload By スガカズお父さんは、「周りの状況を本人は見ていたのに、長男は無視してゲームを続けていた」「何度も声をかけたけどずっと無視された」「それに対して怒ったら長男が『全部お前が悪い』と言ってきた」と話していました。Upload By スガカズ私がいないときに限ってこういった言い争いが起こる気がします。お父さんももう少し寛容になればいいのになと思うのですが、何度も私から伝えた上でこうなっているので、変わってもらうのは難しいようです。ただ、お父さんの言い分も分かります。いくら反抗期だからといって「お前」と親に向かっていうのは良くないし、お父さんが準備した晩ごはんを食べようとせず、かといって別の場所に動こうとせず周りを無視して目の前でゲームをされたら私だって怒りたくなります。それに親が身の回りの世話(今回でいうと食事を提供すること)をやっている上で文句をいうのはちょっと筋が通ってないかな…でも反抗期だしな…と心境は複雑ですが、「全部お前が悪い」とお父さんに言うのは間違っているかな。例えばどうしてもゲームがしたいなら「別の部屋でゲームをするから終わったらごはんを食べるね」と交渉すれば良いことなど、『相手が理解するためにはどう行動すればいいか』などを伝えました。Upload By スガカズ不思議と、こういった争いがあるときほど、間に立つ人の話に耳を傾けてくれる気がします。私の話を概ね聞いてくれたものの、それでも「今回のことは謝りたくない!」のだそう…。厳しいお父さんによほど腹に据えかねていたのかもしれません。「自分のことは自分でやるからもう文句言われたくない」のだそうです。なるほど。それも一つの手だなと思い、実際に行動に移してもらうことになりました。反抗期の親子ゲンカが自立のきっかけにUpload By スガカズ後日話し合って、自立するためにリストを作って実行してもらうことになりました。やればやる分だけお小遣いになるので本人にとってメリットもあり、継続もしてもらえそうです。すべてのことができた日はほとんどありませんが、それでもお弁当箱や水筒を洗って自分でお弁当を作るのは自らすすんでやっています。大体はありものを詰めている状態ですが、それだけでも自立に一歩すすんでいるので私としては充分だと思っています。今までは、見通しの弱さ、過集中…などなどの理由から、なかなか「自分のことは自分でやろう」という機会を得られなかった長男。ですが「理不尽なことを言われて悔しい」という感情が原動力となり、今回自分で決めたことは本人の自立行動にもつながっていると感じます。反抗期は扱いが難しいと感じることも多く、親子ゲンカもできるだけ少ない方がよいと思いますが、「親に言われたのが嫌だからがんばる」という意思は必ずしも悪いわけではなく、むしろ本人のためになりそうだなと感じました。もちろん仲がよいのが一番ですが、「お互い(父と子)の特性だからある程度は仕方ない」とこちらで折り合いをつけて間に入ったり静観しないとケンカもキリがありません。昔は時間が経てばお互いに謝る姿も見られたのですが、一ヶ月経った現在も、お互いはっきりと「ごめんなさい」を言えていません。謝っていないけど、何となく一緒にいて、長男もお父さんも様子をうかがっているようです。「いつになったら謝るのかな?」と思いながらも、あまり態度に出さないように普段通り接するようにしています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月30日次女ちゃんは場面緘黙Upload By まりまりUpload By まりまりわが家の次女ちゃんは、場面緘黙(ばめんかんもく)と診断されています。場面緘黙とは、家では家族と普通に話すことができますが、学校などの社会的な状況になると、話すことができなくなってしまう状態です。家では普通に過ごせているので、症状の程度によっては家族も気づきにくい場面緘黙ですが、わが家の場合も気づくまでに時間がかかりました…。今回はそんなわが家の次女の場合をお伝えしていこうと思います!次女ちゃんの幼児期に、私が感じていたことUpload By まりまりわが家の次女が場面緘黙かもと判明したのは、小学校入学後でした。それまでの保育園時代、私自身は次女に対して、「ものすごく恥ずかしがりやで引っ込み思案な子」という風に感じていました。周りからの評価も同様で、保育園の先生からも同じように言われ、ばあばや夫からも上のような反応でした。それでも、保育園では友達と話すことができていたし、「ものすごく恥ずかしがりやで引っ込み思案な子」として大きな問題なく過ごせていました。ただ、保育園外では、ほかの子が積極的に他者と関わりを持てる中、次女はなんでこんなに私(母親)と離れられないんだろうというのは、とてももどかしく感じてました。小学校に行ったらこれでやっていけるのか…?と心配していましたが、「子どもなんだから、時間がたてばすぐに友達もできるし慣れるだろう!」と勝手にポジティブに考えていたのでした。いつまでたっても小学校で話せない小学校入学時、夫の都合により家族で海外へ。長女と次女は、現地にある日本人学校へ通うこととなりました。「子どもなんだから、時間がたてばすぐに友達もできるし慣れるだろう!」と思っていたのに、一向にそうなる気配がありません。小学校自体には何とか通えているし、時間が経って学校生活には慣れてきているはずなのに、全く友達ができないし、というかクラスメイトに挨拶すらできず全く話している様子がない…。Upload By まりまりなんとなく「話せない」=「場面緘黙かも?」という程度の知識があったので、それなのかな~とは感じていました。でも、次女は授業中に音読はできたり、答えの決まったことは声を出して言うことができていたので、なんとなく、考えすぎ?と思ったり…。そんな中、次女が良く知らない人に声をかけられたときに、話せないだけでなく、全く動けなくなってしまったということがありました。初めて、私の目の前で全く動けなくなってしまって、「あ」とすら声を発することができない次女の姿、こわばってしまった顔を見て、「あれ?これはやっぱり普通の状態ではないよな…?」とやっと気づいたのでした。担任の先生からの報告そんなときに、次女の担任の先生からお話がありました。Upload By まりまりUpload By まりまり次女は、学校では、勉強はまあ問題なくできているし、授業中に音読はできたり、答えが決まっていることは声を出していうことができたりするので、本人は困っていることも多いけど、何とか学校生活は過ごせてしまうという状況でした。なので、先生からしても、次女の困り感は放っておくこともできたと思うのですが(のちに、違う先生には「問題ない」と言われたことも…)、この先生はちゃんと、自分が抱いた次女への違和感を教えてくれたのでした。こういうことを言われるのを嫌がる親も多いのか、先生が私にものすごく気を使って話をしてくれたのを感じました(ありがとうございます)。でも、そのときすでに私自身もおかしいな?と思っていたので、「ああやっぱりそうだったのか!」と、素直に受け入れることができ、その後、スクールカウンセラーへの相談につなげることができました。現在の次女ちゃんこれが小1のときのお話で、その後、日本への帰国、色々あった末に児童精神科クリニックを受診し、小2のときに場面緘黙の診断を受けました。現在4年生、相変わらず学校で話せませんが、次女なりにかなり成長してきていると感じています。Upload By まりまり場面緘黙は、まだまだあまり知られていない疾患なので、次女の例を通して、少しでも何かの参考になったら良いな~と思っています!LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月29日はじめまして!中度知的障害を伴う自閉症スペクトラム6歳の男の子「P」です!Pはわが家の末っ子の次男として生まれました。私は2人目の育児ということもあり、乳幼児期のPに対しては成長や発達の違和感などは全く感じておらず、むしろ育てやすい方だと思っていました。Pは笑顔も見せるし、目も合う、こちらの言うことにも反応し、簡単な模倣もしていました。離乳食が始まってからも偏食は全くなく、何でも食べるような子でした。私はこのころ既に、発達障害に対する知識も少しはあったのですが、乳幼児期のPを育てていても定型発達だと思っていましたし、少し言葉の遅れがあるくらいで焦らずとも2歳になったら流石に自然に話すようになるだろうし、全然大丈夫だろうと気楽に考えていました。しかし、それから何ヶ月経っても言葉は全く出て来ず、それどころか今までできていたことも少しずつできなくなって行き、定型発達の子に追い付くどころか差は広がる一方でした。どんどん自閉傾向が出てきて…Upload By みんそして、1歳半を過ぎたあたりから自閉傾向がどんどん現れて来たのです。激しい癇癪。偏食。呼びかけに反応しない。目を合わせない。物を並べる。横目、流し目で物を見る。動きの速い物、回る物、光る物が好き…などなど、自閉症の特性が見られるようになり、専門機関で相談や受診をする前から「発達障害?自閉症?」と素人目にも分かるようになったくらいでした。これはもうPには確実に何かあるんだろうなとモヤモヤしながら、ラクだと思っていたはずのPの育児は壮絶になり、毎日1分1秒を何とか乗り越えているような状態になりました。「自閉症っぽい」から「自閉症だ!」に変わった瞬間そんなある日、私自身の中で疑惑がはっきりと確信に変わる出来事がありました。それはPが2歳を過ぎたころです…。Pは言葉が出ない分、要求のときは私の手を引くクレーンをしていたのですが、一方的に腕をぐいぐい引かれていた私は、そのとき何気なく自分の手を服のポケットにしまってみたのです。するとPは今まで見たことのないようなパニック状態になり、私の手をポケットから必死に出そうとしていました。私の目や顔は一切見ず、手ばかりを見ている様子のPを見ながら「あぁこの子は私にお願いしていたんじゃなく、今までずっと手にお願いしていたんだな…」と何かが崩れ落ちるような感覚になり、私の中で最後の最後まで何とか繋ぎ止めていた細い希望の糸は完全に切れてなくなってしまい、パニックになっていたPと一緒に私も声を震わせながら泣きました。まだ医師にハッキリ診断されたわけではなかったのですが、「Pは自閉症っぽい」から「Pは自閉症だ!」と確信に変わった瞬間でした。Upload By みん療育に、医療機関に、奔走の日々ここからは、もう悩む暇もなく動くのみでした。できるだけ早く療育を受け、専門の医療機関とつながりたい!すぐに受給者証を申請し、療育を受ける為の準備をし、小児神経科と、こころ科がある近辺で1番大きな小児専門の病院に紹介状を書いてもらい、自閉症のほかにも何か隠れた基礎疾患はないかを検査をした上で医師に診断してもらおうと思い通院をすることにしました。そして3歳で療育手帳も取得し、療育園へも通う流れになりました。Upload By みん2歳半から療育を始めたPは現在年長。毎日療育園へ通いながら、月に数回作業療法と言語療法と音楽療法を受け、元気に楽しく過ごしています。私の方も、信頼し相談できる先生方やママ友達と出会うことができました。SNSでPのことを発信するようになってからは、さらにさまざまな人たちと出会い「1人じゃないんだ」と、皆さんから勇気や希望を頂いたり励ましてもらいながら、心にゆとりを持てるようにもなりました。もちろん、障害児の育児は大変なこともあります。でもそれ以上に学びや得るものもたくさんあり、決してつらいことばかりではありません。細やかな喜びや幸せを実感しながら、ゆっくりでもPの成長を皆で見守っていきたいです。そして、これからそんな私たちの日常をお届けし、子育てに悩んでいる誰かが「私だけじゃない!」「ひとりじゃない!」と少しでも共感していただけるようなコラムを書いていければと思っています。よろしくお願いします!Upload By みんLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月28日母親を失い、イキイキとしていたダフネの生活に変化が訪れるUpload By 発達ナビ編集部ダウン症がある30代の女性と、その家族の姿を描いたイタリア映画「わたしはダフネ」。信頼する母親が突然亡くなり、茫然自失とする父親と二人きりになったところから物語が描かれます。自分をしっかりと持ち、毎日の暮らしの中に喜びと誇りを見出すダウン症のダフネと、お酒ばかり飲みお店をなかなかあけることができないでいる年老いた父。障害がある子どもを親が一身に支えるのではない、互いを信じあえるようになったとき、一方通行ではなく支えあう家族の形が生まれていくさまが描かれた作品です。フェデリコ・ボンディ監督へ発達ナビ編集長がインタビュー今回、この映画の監督である、フェデリコ・ボンディさんに、LITALICO発達ナビ編集長・牟田がインタビューを行いました。このコラムでは、そのインタビューの様子をご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部編集部 牟田(以下、――):映画を描くきっかけになったのは、バス停でバスを待つ親子の姿を見かけたことだったそうですね。フェデリコ・ボンディ監督(以下、監督):ええ、偶然目にした光景がこの映画を作るきっかけとなりました。渋滞中に、車の窓から外を見ると、バス停で年をとった父親と、背の低い30代くらいのダウン症のある女性が、手を握り合っていたのです。父親は目がうつろでした。そのとき私がまず思ったのは「母親はどこに?」ということ、そして「どちらがどちらをささえているのだろう?」ということでした。手を握り合っていたことがとても印象的で、「握り合う手のような映画を撮りたい」と思ったのです。――:お互いを支え合うということをテーマにした映画を作りたいと思ったということでしょうか。監督:支え合う人々の物語を撮りたいと思ったのです。でもこれは、私にとっては未知の分野でした。そこで、住まいのあるフィレンツェの協会を尋ね、そこに所属している(ダウン症がある人の)保護者と対話を重ねました。一人では脚本を書くことすら難しかったと思っています。そして、いろんなご家庭を訪問する中で、保護者の皆さんとの話しは、どんな心理学者と話すことよりも豊かだと感じました。――:ダウン症のある女性とその父親が手を握り合っていた。一般的には、父親のほうが障害のあるわが子を支えると考えがちだと思いますが、そのようにさまざまなご家庭を訪ねて気づいたことはあったのでしょうか?監督:ダウン症がある人とそのご家族と話をするようになってすぐに分かったのは「ダウン症の有無にかかわらず、誰一人同じではない」ということです。定型発達と言われる人も一人ひとり違うように、ダウン症がある人も一人ひとり違うということです。そもそも、私はダウン症についての映画を撮ろうと考えていたわけではありません。インクルージョンはとても大切なテーマではありますが、私がまず描きたいと思ったのは、一人ひとりがもつ資質についての物語です。そして、回復の物語です。主人公であるダフネは母を亡くします。年老いた父親を支えなくてはいけないし、自身の痛みとも向き合わなくてはいけない。そこからどのような反応をしていくのかを描きたいと思いました。Upload By 発達ナビ編集部――:主人公であるダフネを演じているカロリーナは、ダウン症があり、主人公と同じようにスーパーで働いています。そしてポジティブな女性ですよね。監督:彼女は自信がありすぎるくらいありますよ!ベルリン映画祭でのインタビューで何と言ったと思います?「この作品は大傑作です!こんな素晴らしい映画はほかにありません!」そして私に向かって「あなたもよくやったわよね。この傑作が生まれたのにはあなたの貢献もあると思う」と(笑)――:スーパーで、同僚の女性が「この仕事はつなぎだから。食べていくためにやっている」というようなことを言うシーンがありました。ですが、仕事に誇りを持つダフネと話すうちに、自分のやっていることって素敵なのかもと気づかされる描写でした。監督は、そうした姿勢をカロリーナから感じて描かれたのでしょうか?監督:カロリーナだけでなく、他のダウン症がある人々からも仕事への誇りは強く感じました。カロリーナ自身、スーパーで働いていて、彼女はワインの棚を担当しているのですが、彼女の持ち場のワイン棚はとても整然としているんですよ。また、カロリーナの素晴らしいところは、(前向きさや仕事へのプライドだけではなく)そのアイロニー(皮肉)の精神です。自分自身を客観的に見ることができる力があるのです。映画の撮影中、カロリーナに「泣いたほうがいい」とアドバイスされたんです。泣くことで心を解放できるからと。でもその時は特に泣きたい気持ちでもなかったし「映画が完成したらきっと泣くよ」と言ったのですね。映画が完成して初めての試写が終わったときに彼女が電話をしてきて、開口一番に「泣いた?」と。泣いてないと答えると「泣くって約束したじゃない!」と怒って、そして言ったんです。「泣くための薬を飲むべきよ」って。映画の中に、母親が亡くなって泣いているダフネに父親が薬をすすめるシーンがあるのですが、それを踏まえてのジョークです。アイロニーのセンスが素晴らしいなと感嘆しました。Upload By 発達ナビ編集部――:映画の中には「涙を止める薬なんていらない。私は泣きたいの」「人生はしんどいの。だから人間なの」など、哲学的なセリフがいくつか登場します。そうしたセリフにもカロリーナの影響はあるのでしょうか。監督:カロリーナと両親や同僚、友人との会話をかなり観察しました。そこから得たものもあるし、手紙や電話でひんぱんにやりとりをしていたから、そこから得たものもあります。そこで気づいたのは、カロリーナの中にある「生きる喜び」や「人生を楽しみたい」という思いの強さです。彼女は自分自身の弱さを力に変える力がある。ひっくり返す力があるのだと思いました。彼女のアイロ二―のセンスも、自分を客観視できるからこそ。自身を客観視できるから、弱さも強さに変えることができるのです。――:私自身、重度の障害がある娘がいます。ダフネ、そしてカロリーナが自分に自信をもって生きている、その姿を見て、わが子にも彼女のように人生を楽しめるような人になってほしい、それができるように育てられたらと感じました。監督:カロリーナの両親は、彼女に絶大な信頼を置いています。彼女が自立できるようにすべての手を尽くしているところが素晴らしいと感じました。――:娘は自立までは難しいかもしれないのですが…娘は言葉がしゃべれないのですが、この映画を一緒に見ていた時、涙を流している私を見て、頭をなででくれたんです。そしてハグをしてくれた。障害が重いと何もできないと思いがちですが、実は私自身娘にすごく支えられているんだと改めて感じられたんです。監督:その行為は、1000の言葉に匹敵しますね。素敵なエピソードをありがとう。グラッツェ。――:グラッツェ!Upload By 発達ナビ編集部第69回ベルリン映画祭にて国際批評家連盟賞受賞。2021年7月3日よりロードショー。東京・神保町の岩波ホール他、全国順次公開予定です監督・脚本:フェデリコ・ボンディ原案:フェデリコ・ボンディ、シモーナ・バルダンジエグゼクティブ・プロデューサー:アレッシオ・ラザレスキープロデューサー:マルタ・ドンゼリ、グレゴリオ・パオネッサ撮影:ピエロ・バッソ編集:ステファノ・クラヴェロ音楽:サヴェリオ・ランツァ衣装:マッシモ・カンティーニ・パリーニ出演:カロリーナ・ラスパンティ、アントニオ・ピオヴァネッリ、ステファニア・カッシーニ、アンジェラ・マグニ、ガブリエレ・スピネッリ、フランチェスカ・ラビ2019年/イタリア/イタリア語/94分/カラー/シネマスコープ原題:DAFNE字幕翻訳:関口英子配給:ザジフィルムズ後援:公益財団法人日本ダウン症協会厚生労働省社会保障審議会 推薦【中学生以上、保護者・指導者等、一般(啓蒙) 】
2021年06月27日ダウン症のある人たちのポジティブなエネルギーを写真から感じて!Upload By 発達ナビニュース2021年7月、ダウン症のある人たちの前向きなエネルギーをテーマとした写真展が、東京・渋谷のヒカリエで開催。全42点の写真が並びます!写真家の名畑文巨(なばた ふみお)は小さな子どもが持っているポジティブなエネルギーをテーマに、世界のダウン症のある子どもたちを取材撮影し、写真展を展開するプロジェクトを立ち上げ実行しています。2018年にロンドンで開催された第1回写真展「Positive Energies」では、日本・イギリス・ミャンマー・南アフリカ共和国での取材を行い、今回も出展しているイギリス人写真家リチャード・ベイリーらとともに三人展を実現させました。第2回となる日本展は、東京オリンピック・パラリンピックの理念の一つでもある「多様性と調和」を背景に、障害のある人たちへの心理的障壁を取り払い、すべての人が共存できる社会へ向かうきかっけにしたいと企画されました。ロンドンでの第1回展では、次のような感想がよせられています。美しい人たちの なんて感動的で詩的な写真たちでしょう。とても心動かされる展覧会でした! 共有してくれてありがとうございます。感動的で独創的な写真たち。写真に写っている人々が最高に美しく捉えられていますね。展覧会で涙を流したのは初めてです。写真による表現が持つ力を感じました。障害に関してのこれまでの表現は、悲しかったり、絶望的な印象を与える写真が多かったけれど、これらの写真にはポジティブな精神と温かみがあります。出生前検査・診断が普及しつつある中、胎児にダウン症のある可能性が高いとき、難しい選択に直面する場面も増加しました。新しい生命をめぐる施策の選択肢の一つとして、医師による合併症リスクなどの情報のみでなく、ダウン症のある人やその家族の姿を捉えた写真展を通して考える機会にしてもらえたら、という思いも込められています。ダウン症のある人たちの生き生きとした姿を撮り続ける、日英の写真家による作品Upload By 発達ナビニュース世界中のダウン症のある子どもやその家族を取材・撮影してきた名畑文巨と、ダウン症のある人が仕事やスポーツなどに打ち込む姿を捉え発信し続けるリチャード・ベイリー。第1回写真展でもタッグを組んだ二人による写真を、東京展で見ることができます。名畑 文巨(なばた ふみお)大阪府在住。子どもが見せるいきいきとした表情やしぐさ、それを見る者が抱く幸せな感情をテーマにした作品を撮り続ける。ダウン症のある子のエネルギーに衝撃を受け、世界のダウン症のある子どもたちを撮り発信している。APAアワード2009文部科学大臣賞受賞、公益社団法人日本写真家協会会員Richard Bailey(リチャード・ベイリー)ロンドン在住。彼自身、ダウン症のある子をもつ。英国ダウン症協会を中心に、同じ立場の人が集まり誕生した写真プロジェクト「Shifting Perspectives」にてキュレーターを務め、2005年から8年間に7カ国・40都市で写真展を開催。その後、2014年に公益財団法人日本ダウン症協会主催により東京で開催。開催日時/2021年7月22日(木・祝)~8月3日(火)11:00~20:00(入場は19:30まで)※7月24日(土)のみ17:30まで(入場は17:00まで)会場/渋谷ヒカリエ 8階 ギャラリースペース「CUBE」東京都渋谷区渋谷 2-21-1入場料/無料※感染防止対策渋谷ヒカリエ様の方針に従い、新型コロナウイルス感染防止対策を行います。マスクの着用、手指の消毒、入場者全員の氏名・連絡先の記入、検温等にご協力をお願いしています。主催:写真展ポジティブエナジーズ実行委員会助成:グレイトブリテン・ササカワ財団、大和日英基金特別協賛:金澤翔子協賛:ぜんち共済株式会社、日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合特別協力:Shifting Perspectives Project後援:外務省、厚生労働省、東京都、渋谷区公益財団法人スペシャルオリンピックス日本公益財団法人日本ダウン症協会公益社団法人日本写真協会特定非営利活動法人大阪USクラブ特定非営利活動法人アクセプションズ英国ダウン症協会、ミャンマーダウン症協会、南アフリカダウン症協会ダウン症のある人たちの前向きなエネルギー「Positive Energies」が写真からほとばしる、名畑文巨とリチャード・ベイリーの二人展 | 渋谷ヒカリエ写真展「ポジティブエナジーズ」| 渋谷ヒカリエ
2021年06月26日保育園時代に悩んだ『水濡れ恐怖症』むっくんは保育園時代、水で衣類が濡れる事がとても苦手でした。濡れたら即着替える。1日に何度でも着替える。一度濡れた服は洗濯が終わるまでは絶対に着ないという徹底っぷり。誰しも不快なほど濡れたら着替えると思うのですが、むっくんは手洗いの水が散っただけで着替え、自分の涙がポトリと服に落ちただけでも着替えないと気がすみませんでした。Upload By ウチノコ安心するためのこだわり衣類が濡れた感覚が不快なことは理解できます。むっくんは感覚過敏のある子なので、私が思う以上に濡れた衣類が不快なのかもしれません。だけど涙では不快を感じるほど濡れていないはずです。つまり、むっくんは「触覚」ではなく「視覚」で水濡れを判断していることになります。おそらく過去に水濡れで不快感を味わい、それがとても嫌だった記憶から衣類の濡れを見ただけで「着替えなくては!」と、必死で回避行動をとっているように私は感じていました。安心を得るための「こだわり行動」として着替えなのです。Upload By ウチノコ「着替えが必要な濡れ」の定義保育園では1日に何度も着替え、連日数枚の服を持って帰ってきていました。特に雨の日は鬼門で、できるだけ濡れないように園前まで車で登園するものの、園庭を歩くうちに濡れてしまいパニックを起こしたこともありました。どこへ行くにも着替えは必須。着替えるだけで安心できるのだからまぁいいかと思うものの、地味に生活に影響を与えるこだわりでした。Upload By ウチノコ「濡れた」と「濡れない」は、視覚や触覚を使えばある程度明確に分けることができます。しかし、「着替えが必要な濡れ」はかなりあいまいで人それぞれです。むっくんはあいまいな感覚を掴むことが苦手なため「濡れが目で確認できたら着替える」と言うわかりやすい定義にこだわるようにも感じました。視覚で確認するので見えない背中が小さく濡れている時は濡れていても平気…。そんな姿を見ていると、飛沫くらいなら着替えなしでやり過ごせるのでは?と私は思うようなりました。そこで試しにむっくんと私の間に「着替えが必要な濡れ」の共通の定義をつくってみることにしたのです。Upload By ウチノコ「着替えが必要な濡れ」に明確な基準をつくる「着替えが必要な濡れ」を表現する時「たくさん」や「ちょっと」などの、あいまいな言葉では認識を共有することが難しいと考え、濡れを判断できる共通のものさしを探しました。水濡れはいつ、どこで起こるかわかりません。いつでもどこに居てもすぐに使えるもの…というわけで、体の一部、てのひらを使って濡れの量を判断することに決めました。選択肢はいたってシンプル。てのひらより大きく濡れたら着替える。てのひらより小さいときはそのままでもいいし、気持ち悪いなら乾かす。てのひらより小さな濡れをドライヤーを使ったり、短時間干せば乾くことも実演しました。当時5歳半だったむっくんは興味を持って私の話を聴いてくれました。Upload By ウチノコすると翌日から、むっくんは水濡れの範囲を自分のてのひらを合わせて確認するようになりました。水濡れが手のひらより小さいと、ホッとした顔で「大丈夫だね」と笑います。むっくんはその日を境に、小さく濡れた服であれば着続けることができるようになりました。保育園では濡れた服を干して乾かしてもらい、もう一度着ることもできるようにもなりました。着替えの回数は減り、濡れでパニックを起こすこともやがてなくなっていきました。Upload By ウチノコ想像以上の変化への戸惑い正直に言うと、こんなにも本人のこだわりに影響を与えると私は思っていませんでした。私が一方的に決めた定義が本人に浸透してしまった現状に戸惑うこともあります。着替えることで本人の困り感が解消されていたのだから私がそのまま見守っていれば、むっくんは暮らしにくいと感じたタイミングで、自力で工夫を考えたかもしれません。考えるチャンスを奪ってしまったのかなぁと悶々とする日もあります。でも雨が苦手でパニックを起こしていたむっくんが、雨の一粒は小さいから濡れても平気なんだよと、雨の中ではしゃぐ姿を見ていたら、これもまたあり!なのかな?と思ったりもします。今でも水濡れはやっぱり苦手なむっくん。最近は靴の濡れを回避するために、自分からロング長靴なら安心できる!と、道具での対策を試したりしています。私のつくった水濡れの定義が、いつかむっくんが自分でつくり出した定義に変わっていくことを願いつつ、私は今日も濡れた服を洗濯しています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月25日虫の「限局性恐怖症」がある息子リュウ太の場合。Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害があるリュウ太は虫がキライです。キライと言うよりも恐いのだそうで…「限局性恐怖症」というものです。「限局性恐怖症」とは特定の状況、環境、または対象に対する持続的で不合理な強い恐怖(恐怖症)から成り、その恐怖により不安および回避が誘発される症状です。恐怖症の原因は不明で、恐怖症は病歴に基づいて診断されます。治療は主に曝露療法となります。多い症状としては動物(動物恐怖症)、高所(高所恐怖症)、雷雨(雷恐怖症または雷鳴恐怖症)などがあげられます。限局性恐怖症とはUpload By かなしろにゃんこ。保育園時代はワラジムシやダンゴムシを集めてペットにしていたこともあり小さい虫は大丈夫なのですが、夏季に現れる蛾と蝶がかなり苦手なリュウ太。小さいサイズでも蛾や蝶は近寄ってくるとパニックになってその場で暴れます。自分では何も行動できなくなるので体についた場合は他者にとってもらうなどしてもらわないとパニックがおさまりません。夏季は虫の恐怖と戦う季節です。戦うのは虫ではなく、虫を恐がる自分の心です。Upload By かなしろにゃんこ。そんなある日、サイクリング中にトラブル発生…!?小学校4年生のある日。母とサイクリング中にパニックが起きました。母のうしろを離れて走っていたリュウ太になかなかのサイズの蛾が飛びつき、服についてしまいました。その場で立ち止まり大声で「助けて――――!!」と叫ぶリュウ太。普段から蛾が体についたときは激しく踊るしかないのよ、大きく体を動かすと飛んでいくからね大丈夫よ!と対策も言い聞かせていましたが、実際に体につくと恐怖からそんなことは忘れてしまって叫ぶことしかできません。Upload By かなしろにゃんこ。たまたま近くにいたサイクリング中の道路工事をしている男性にリュウ太はなんとか助けを求めました。自転車に腰かけ、体をフリーズさせたまま「助けてください――――」と。工事作業中の男性は突然現れた叫ぶ少年に「……」ポカ――――ン?? 少年の身に何が起っているのかわからずに、だたパニックのリュウ太を見ていました。Upload By かなしろにゃんこ。母は急いでリュウ太を助けにいきたいところですが、実は……私もこの「限局性恐怖症」でありまして、蛾と蝶が苦手ですから息子を助けることができません。リュウ太は母が助けてくれないとわかると、母の教えてきた激しく踊って体に着いた虫を追い払う方法を実行したのです。その結果、見事蛾はリュウ太から離れていきましたが、リュウ太のメンタルは大打撃を受けてしまいました。楽しいサイクリングが一転、最悪の日になってしまいました。ただの虫じゃないか、そんなに嫌がったり驚くことはないだろうと思うかもしれませんが、この恐怖症は人それぞれで、血が恐い・高所が恐い・乗り物が恐いなど特定の物に対して強い恐怖心を持つ症状は様々あります。日常生活の中でもいつこれらの恐ろしいものに鉢合わせるのかとびくびく怯えて暮らしているのです。恐怖症を克服はできないけれど自分で恐怖の対象への対策を取り日常生活をおくれるまでにはならないといけません。ちゃんと蛾を自分で追い払うことができたことに母は「よし!よし!」と息子の成長を喜びました。Upload By かなしろにゃんこ。わが家の対策方法私は蛾と蝶だけが恐怖の対象で、ほかの虫は大丈夫なのですが、リュウ太は5センチ近い虫や飛ぶ種類、脚が長い種類などダメな虫が多いのでわが家では一年を通して家に虫が入らない対策をしています。家中の電気を虫が寄り付かなくなるLEDに変更していったり、虫が嫌がる植物を植えたり、玄関や網戸などに虫よけのスプレーを散布したり、戸の隙間を虫が入れないテープで塞いだり…工夫して安心な暮らしができるようにはなってきました。特に親子で徹底しているのはドアの開け閉めや家の出入りも素早く行うようにすることです。買い物から帰宅して荷物を家に入れる際は協力してドアを開ける時間を短縮するなど協力しています。Upload By かなしろにゃんこ。それでもムカデや大きい蜘蛛などは侵入してしまいますが、息子も成長するにつれて少しだけ虫に強くなっていきました。以前と同じく恐がるものの、特大サイズの虫でなければ追い払うことや退治することができるようになってきました。こんなわが家なので、山に遊びに行く際には虫よけネット付きの帽子に夏でも長袖を着たりと、とことん対策を行っています(笑)Upload By かなしろにゃんこ。発達障害があるから「限局性恐怖症」になる、という訳ではありません。ですが、逆に発達障害がない方も含め、このような恐怖症で悩む人も多くいるのではないか?と思い今回コラムにしました。心の問題なので強い気持ちで乗り越えればいいのでしょうけど、恐怖心は簡単に無くなりません。だからこそツライのです。自分でできる対策などをしっかり立て、少しでも安心した日常を送りたいものです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!このコラムをかいた人の著書
2021年06月24日×を嫌がり、100点にこだわる娘。広汎性発達障害の娘は、小学5年生。2年生から特別支援学級に在籍し、国語と算数の授業を特別支援学級で、それ以外の時間を交流学級で過ごしています。娘は、小学1年生のときから、宿題やテストに×をつけられることをとても嫌がっていました。特に、テストは100点でないと気が済まず、間違えたことに癇癪を起こしてしまったり、100点じゃないテストは「いらない」というほどでした。Upload By SAKURAそんな娘の特性、思いを汲んでくれた、特別支援学級の担任の先生。娘のテストは、×をつけず、いつも手元に返るときには100点にしてくれていました。久しぶりに返って来た、100点じゃないテスト。しかし娘は・・・2年生・・・3年生は、いつも100点のテストが戻ってきていて、私もすっかりそれが当たり前になってきていたのですが、4年生になって担任の先生が代わったときのこと・・・。4年生になって初めてのテストが、100点じゃない状態で返ってきました。Upload By SAKURA進級前の面談で「テストに×がつくと嫌がる」という話は、新しい担任の先生に伝えていたのですが、あれ?先生に伝わってなかったのかな?と思いながら、特にそのことに関しては触れず、テストの話を振ると娘は平気な顔で答えました。後日、担任の先生に「テストに×つけて、嫌がりませんでしたか?」と聞いたところ・・・Upload By SAKURA先生は、あえてそのこと(×を嫌がること)を知らないふりして×をつけたそうですが、娘は何も言わなかったそうです。学年が上がったこと・・・そして、担任の先生が代わったことで、娘も上手く切り替えができたのか、×がつくことを受け入れられるようになっていました。当時の気持ちを聞いてみたら・・・5年生になった今は、宿題に×をつけることも、テストに×がつくことも、まったく気にしなくなりました。この記事を書くにあたって、当時のことと、気持ちを聞いてみたら・・・Upload By SAKURA本人は、覚えていませんでした(笑)「なんでこんなことにこだわるの?」「いつまでこんなことするの?」と合わせることがめんどくさく感じることもありますが、そのとき特別こだわって嫌がるようなことも、時間が経てば大丈夫になったり、そのこと自体忘れている・・・ということもあります。Upload By SAKURAこだわっているときは、気の済むようにしてあげても、それがずっと続くとは限りません。成長と共に、いつの間にか大丈夫になることもあるので、ゆっくり付き合ってあげることも大切だなーと改めて感じました。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月23日埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報「叱らない」ということを前提に、穏やかな声で優しく「してはいけないこと」に対して指摘し、子どもたちがきちんと物事を理解できるように支援をしています。また、成功体験を積み重ねていくことで大きな自信へと繋がることから、小さな「できた」を大切にし、いろいろなことにチャレンジしてほしいという願いを込めて支援。保育士や理学療法士等、福祉のプロフェッショナルが在籍しています。Upload By 発達ナビ施設情報一人ひとりに合わせた支援計画に基づき、集団療育/SST(ソーシャルスキルトレーニング)をメインに、軽スポーツ・微細運動・身辺整理・自立支援等を行っています。週末や長期休みには食育の一環として調理活動も実施し、これらの活動を通して、コミュニケーションスキル・感情のコントロール等を学び、社会へ羽ばたいていくためのルールやマナーを学んでいきます。保護者との面談や学校との連携も行い、携わる方みんなで揃った支援ができるようサポートしています。Upload By 発達ナビ施設情報叱られない教室【らいくす】大宮教室では、名前の通り「叱らない」ことをモットーとしています。怒鳴って言い聞かせる指導方法ではなく、穏やかに、子どもに近づいて、静かな声で(CCQというテクニック)を使って指示を行います。スタッフ間でのミーティングや研修、保護者の方々からいただく声を参考にしながら、一丸となって療育に取り組みます。得意なことをどんどん伸ばしていき、好きなことの数を沢山見つけてあげられるよう、お子さまに寄り添った支援を行います。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る埼玉県児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報2021年6月にオープン。お子さんの得意不得意を見つけ、前向きな楽しい気持ちになってから苦手の克服に向け支援をしています。個別のプログラムを組んでマンツーマンで療育し、一人ひとりに寄り添いサポートをすることで、「できた」の数を増やしていきます。教室でできるようになったら、ご家庭でも取り入れてもらい、保育園等の大きな集団でもできることを増やして自己肯定感を高めていきましょう!笑顔が絶えない場所にしていけるよう、施設スタッフが一丸となって支援します。2021年7月オープンの新しい施設です。一人ひとりの子どもたちの成長に寄り添うことをコンセプトに、まずはお子さんの得意不得意を見つけ、前向きな楽しい気持ちになってから苦手の克服に向け支援します。指導はマンツーマンの個別指導で、経験豊富なスタッフが、さまざまな視点から子ども達を理解し、お子さん一人ひとりの発達段階に合わせたオリジナルプログラムを指導員1体1で取り組みます。スタッフが一丸となって愛と情熱を込めて精一杯サポートします。Upload By 発達ナビ施設情報埼玉県の児童発達支援施設をもっと見る千葉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報お子さんの個性に合わせた個別療育・集団療育を行い、興味を引出し、自信に繋げるための支援を行っています。学習支援、対人関係支援、イベント・調理などを通した社会適応能力の向上など、さまざまな体験を行うことができるのも特徴の一つです。この先大人になっていく子ども達の日常生活がより良いものとなるよう、将来を見据えて自立への支援を行っています。卒業後も就職先に定期訪問を行う等、大事な一生を共に過ごせるようにサポートし、繋がっている安心感を持っていただけるよう支援をしています。千葉県の放課後等デイサービスをもっと見る千葉県児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報社会生活の基礎となるソーシャルスキルトレーニングをベースに、個々の発達状況に合わせた支援を行っています。保育や知育の有資格者・経験者が多数在籍しているため、特に未就学児向けには、心身共に健全な発達を促しながら、就学に向けてしっかりと準備ができるように活動内容を設計しています。また、季節ごとに科学館や工場見学など、知的好奇心を育むことができる場所への外出企画も多数。褒めて伸ばしながら自己肯定感を育み、さまざまな経験の中で成長意欲を刺激するような支援を行っています。千葉県の児童発達支援施設をもっと見る大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報軸として行うライフスキルトレーニングでは、洗濯や自炊など、自分でできることを増やしストレスの軽減させることで、ショートステイやグループホーム等の集団生活に必要なスキル習得を目指すことができます。職業技能訓練では、技能訓練に加え、ビジョントレーニング・資格取得支援も行います。他にも言語療育や、料理や外出などの体験型イベント・学習支援等を実施。保護者の不安を一緒に解決していきながら、お子さんの将来につながるよう、明るく元気なスタッフがサポートします。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る大阪府児童発達支援施設Upload By 発達ナビ施設情報発語・喃語等の言語療育や、日常生活で生じるさまざまな問題に対して、自分で解決する力を育むライフスキルトレーニング、料理や外出などの体験型イベント等、将来を見据えた療育を行っています。さまざまな問題に対応できるよう、職員の研修や毎日のミーティング等で細かな共有を行い、保護者のお悩みも解決へと導けるように取り組んでいます。「将来のことを考えられる施設がほしい」そんな願いを叶え、お子さんの素敵な未来を創るお手伝いをさせていただきます。大阪府の児童発達支援施設をもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月23日「頑張れ、フツウになれ」死を考えていた学生時代Upload By 桑山 知之2019年5月、ドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』の取材で、筆者は初めて神山さんと出会った。「学校の先生が文字読めないなんて、悟られたくない。悟られちゃいけない」「どうやって死のう、ばっかり考えてましたね。『頑張れ頑張れ、フツウになれフツウになれ』って言われ続けると、そういうふうにならざるを得ない」彼は、文字が読めない教師。にこやかな表情とは裏腹に、これまで経験してきた生きづらさが言葉の節々からにじみ出ていた。岐阜市で生まれ育った、すぐに熱を出してしまう、体の弱い男の子。自分は文字が読めないと知ったのは、小学2年の道徳の授業だった。B4見開きのプリントの文章を読み、感想を書くという課題で、一時間経って読めたのはわずか3~4行だけだった。「ぼくはみんなと違う」――。それからは、どう叱られずに一日を過ごすかが神山少年の課題となった。教科書が丸々覚えられるようにと、3歳上の姉が音読してオープンリールのテープに吹き込んでくれ、擦り切れるまで聴いて授業に臨んだこともあった。それも小学校高学年になると、文量が増えて立ち行かなくなってしまう。Upload By 桑山 知之「先生たちにも『あいつはどうしようもないやつだ』って言われて。『学校に来る価値のない人間』とか『教室に入るな』とか、そういった言葉は日常茶飯事で。先生がそういう風にみんなの前で叱って、つるし上げたりすると、クラスの雰囲気もそうなって、いじめられました。みんなにバカにされていました」(神山さん)神山さんの母親は、端的に言えば世間体を気にしていたという。学校で何かがあると自宅に電話が入り、家に帰れば「あんたなんか産まなきゃよかった」「あんたのせいで近所も歩けない」と罵られた。中学、高校も含めて学生時代は「どうやって死のうか」とずっと考えていた神山さん。紆余曲折を経て選んだ道は、陸上自衛隊。活字とは縁遠い職業だった。つらい思いは自分で最後に…決断、そして教師へUpload By 桑山 知之18歳の神山青年は、2等陸士として京都・宇治市にある駐屯地にいた。誰も自分のことを知らないところへ行って、人生を再出発させる。体力に自信がある神山さんにとって、文字を使わないこの仕事はまさに天職だった。2年ほど過ごし、自衛隊の中で成人式をやってくれることになった。「上官が『今までの20年間をしっかりと振り返って、今後どう生きていくか人生設計を立てなさい』と話をしてくれて、考える時間もくださって。そこで、自分のようにあんなにつらい思いをするのは自分で最後にしよう、そういう教育者になりたいな、自分がそういう教育を変えていけるようにしたいなと思ったんです」(神山さん)Upload By 桑山 知之すぐに上官と相談して、夜間の短大に通い始めた。朝6時に起きて夕方まで訓練をやったあと、大学に行き、帰ってくるのはいつも23~24時だった。それでも、「同じ苦しみを抱えている子たちを放っておけない」という一心で頑張れた。そして23歳の頃、教員採用試験に合格した。しかし、教え子に対しては、なかなか自分の苦手さを伝えられずにいたという。「教科書は前日に丸暗記して、読んでいるフリをしていました。技術科の教師だったので、技術科の教科書と、自分が担任するクラスの道徳の授業ですね。行頭の文字とかキーワードだけで、そのあとの文章が出るように覚えたり。丸々暗記しようと思うと大変ですけど、段落の頭でその段落が思い出せるように、ブロックで覚えるのを毎授業やってました」(神山さん)27歳で知った自分はディスレクシアUpload By 桑山 知之自己の学習障害を隠したまま、神山さんは通常学級を6年間受け持った。そんなとき、NHKのとある番組でアメリカの小学校のことが報じられていた。それがディスレクシア(識字障害)だった。「そこではディスレクシアとかいう言葉は使われていなかったですね。読み障害とかそういう感じ。でもアメリカは移民の国なので、そういう子たちのプログラムで教育は保障できるっていう。その子たちの特性はこうです、というもの全部が自分に当てはまるから、本当に驚きました」(神山さん)その後、神山先生は特別支援学級を受け持つようになる。テレビでディスレクシアを知って「自分の中でつっかえていたものが取れた」ため、自分の苦手なこともすべてオープンに話した。劣等感を抱えている子どもたちの心に寄り添うことができた。Upload By 桑山 知之特別支援学級を5年間受け持ったあと、特別支援学校で17年間にわたり勤務。そして、主幹教諭という立場で3年間、岐阜市内の小中高などを回っていろんなアドバイスや支援をおこなった。いつしか神山さんの存在は全国各地で知られるようになり、講演依頼が絶えないほどになった。現在は、岐阜市内の小学校の用務員をやりながら、子どもたちや保護者らの相談を受けている。「日本の教育って無意識に人との比較をしてしまっているんですよね。人との比較で自分を評価することを学んでしまっているんです。それよりも、過去の自分と比べる方が自然かなって。もっと言えば、『あなたはそのままでいいんだよ』ではなくて、『あなたはあなただからいいんだよ』って僕は言いたいです」(神山さん)Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海
2021年06月23日はじめての給食の日にこんにちは。加藤路瑛です。僕自身、感覚過敏の特性があることから13歳のときに「感覚過敏研究所」を立ち上げ、感覚過敏の課題解決に取り組んでいます。当事者目線、特に子どもの視点で感覚過敏について話していきたいと思います。今回は連載2回目。学校の給食について、記憶を振り絞ってお伝えします!Upload By 加藤路瑛小学校に入学して初めての給食の日。僕は、給食の時間に吐いてしまいました。なぜなら、牛乳がまずすぎたのです。牛乳は家でも時々飲んでいましたし、幼稚園でも出ていたような記憶があります。ですので、もともと牛乳が飲めないわけではないはずなのですが、学校の牛乳がぬるくて変な味だと感じました。初めての給食で吐いてしまったことは、僕のトラウマになったのかもしれません。その後、僕は記憶がありませんが、朝、教室に入れず泣いていたそうです。先生が僕に声をかけたら、「給食が怖い」と言ったそうなのです。(この部分は記憶がなくて、母から聞いたエピソードです)小学校の記憶はそれほど多くはありませんが、思い出すのは「給食が嫌だ」という負の感情ばかりです。楽しいこともたくさんあったはずですが、15歳の今、小学生の学校での思い出を思い出そうとすると給食への恐怖感ばかりが思い出されます。小学校入学前も少食・偏食でした小学校の給食がまずいわけではなく、小さいころから僕はあまりごはんを食べない子どもでした。そのため、親は苦労したようです。つくっても食べないのですから。そのころの僕の感情は思い出せないのですが、食べなくて怒られて泣いていた記憶は少しあります。僕の小さいころの偏食と母の戦いについては、母が感覚過敏研究所のサイトでコラムを書いているので、よかったら読んでみてください。母と同じように食べない子どもの子育て中の方には響く内容なのだと思います。【体験談】食べない子どもの子育て〜小学生時代〜加藤路瑛編幼稚園時代も食べない子どもでしたが、特別困ったという記憶はありません。幼稚園はお弁当の日と給食の日があって、給食は全く食べなかったみたいです。中学は絶対に給食がない学校に行く小学1年生のはじめての給食で吐いて以来、僕の中で「給食が嫌」という気持ちが日に日に大きくなっていきました。ある日、友達の家で遊んでいて、学校が楽しいか聞かれたので「給食が嫌だ」とこたえました。そうしたら、側にいた友達のお兄さんが「俺の中学校に来なよ。カフェテリアで好きなもの食べれるよ。カレーとかラーメンもある」と教えてくれました。決まったメニューを強制されることなく、好きなものが食べられる学校があるなんて!家に帰って、母に言いました。「僕は絶対中学受験をして、カフェテリアがある学校に行くから」お兄さんには「中学受験しないと入れない学校だから、勉強がんばれよ」と言われました。給食がない学校に行けるなら、なんだってやると思いました。確か、小学1年生の5月くらいの話です。その日から、苦痛な給食の時間は「中学は絶対給食のない学校にいくんだ。それまでの我慢だ」と思っていました。小学校の6年間がどくれらい長かったかはよくわかりませんが、中学は給食のないところに行けるというのが本当に僕の希望でした。ただ、今、振り返れば、もっと苦労しない選択はあっただろうと思います。しかし、小学生の僕には他の選択肢があることなんて分かりませんでした。Upload By 加藤路瑛それでも給食は苦しい僕の通っていた学校では「お減らし」という制度がありました。一旦は平等に給食を配って、苦手なものは減らしていい制度です。でも、全部返すのはダメで1口は食べるというのがルールでした。このたった1口が苦痛でした。1回口に入れて水で流し込めればよかったのでしょうが、基本、飲み物は牛乳でした。1口が食べられません。基本、全てのメニューを1口です。何度、先生が「もういいよ」って言ってくれないかなと思っていました。でも、頑張って食べていたと思います。休み時間も掃除時間も僕は給食と戦っていました。小学5年生のときの担任の先生は、「そんなに食べないと大きくなれないよ」と毎回僕に声をかける先生でした。1口を頑張って欲しくて言った言葉だと思いますが、そのころの僕は、言われる度にプレッシャーでした。「食べない人間は大きくなれない」「食べない奴はダメな人間だ」そういう思い込みのような感覚になりました。そのうち、クラスのみんなも「食べないと大きくなれないよ」と僕に言うようになり、お減らししたいのに「食べないとダメだよ」と妨害してくるのです。出典 : 小学5年生は、毎朝「学校に行きたくない」と言いながら学校に行きました。給食が嫌で休んでいいなんて知らなかったのです。もし、今、あのころの僕に話しかけられるのなら、「嫌なら本気で休みたいと親に言え」と伝えたいです。不満を言うだけでは、親には本気度は伝わらない。だから本気で言わないと伝わらない。ただ、保護者のみなさんや、先生には知っていただきたい。子どもは選択肢を知らないのです。だから声をあげられないのです。本当は苦しいし助けて欲しかったです。Upload By 加藤路瑛僕を救ってくれた先生小学6年生の先生は「怖い」と噂の先生でした。僕もビビっていました。僕の給食の食べなさを見た担任の先生が、「成長期にこのままではダメだ。給食をやめてお弁当にしよう」と言ってくれました。「先生が校長先生にお願いするから、加藤くんは病院に行って、給食ではなくお弁当がいいですよという診断書をもらってきて」と言ってくれ、親にも説明してくれました。母はネットで調べて、思春期の摂食障害を専門にしている精神科の病院を見つけてくれて、そこに行きました。病院の先生は、「給食なんて嫌だよな。今までよく頑張った。よし、先生が手紙を書いてあげるから、これからはお弁当を食べて、中学では好きなもの食べていいからな」と言ってくれました。僕の心が軽くなりました。辛いことをわかってくれる人がいることや、この状況を変えようとしてくれる人がいることが、心の安心に繋がりました。お弁当を持って行く前日、先生に言われました。「クラスのみんなには、加藤くんから説明するか?それとも先生が話した方がいいか?選んでいいぞ」僕は一人で説明できるかわからなかったので、先生に説明してもらって、最後にちょっとだけ話すという方法を選んで先生に言いました。給食の準備が始まる前、先生はみんなに話し始めました。「勉強が嫌いな人、運動が苦手な人がいるように、加藤くんは給食が苦手です。みんなにも1つくらい苦手なことがあるよね?病院の先生がお弁当にしたほうがいいと言っているので今日から加藤くんはお弁当です。加藤くんが食べてるかどうかは先生が見ているから、みんなは気にしなくていいです」と話してくれました。おかげて給食の時間に「もっと食べた方がいいよ」「食べないと大きくなれないよ」というクラスの声からも解放されました。6年生の2学期の出来事です。もっと早く、この方法を誰か他の先生が言ってくれたら、僕の学校生活はもう少し楽しい記憶が増えたかもしれません。Upload By 加藤路瑛振り返って思うこと僕が「感覚過敏」という言葉に出会ったのは中学1年生です。この時はじめて、「味覚過敏」という言葉を知り、これまでの食べ物に関する辛い体験の原因がこれだったのかと気がつきました。そして、心が軽くなりました。なぜ給食が嫌なのか説明できませんした。なぜ、こんな美味しいものを食べないのだ?と聞かれても「食べたくないから」としか言えませんでした。「嫌だ」「食べたくない」としか言わなければ、わがままな子とか贅沢な子と思われるでしょう。世の中には食べられなくて死んで行く子どもがいると言われても、それはかわいそうだと思っても、だからと言って僕が代わりに残さず食べることはできない。残すなんて農家さんに失礼だと言われても、食べられないのです。なぜ、食べられないのかは、15歳になった今でもうまく表現できません。視覚過敏や触覚過敏、嗅覚過敏については、それなりに冷静に自分を分析できるようになりましたが、味覚過敏については、まだ言語化できずにいます。食べると気持ち悪くなるものもありますし、頭が痛くなるものもある。そのうち、食べ物を見ただけで、口の中に不快な味が再現されたようになって気持ち悪くさえなります。とにかく、食べないでいられる状態が安心安全なのです。辛さや不快感を言語化できないというのが、感覚過敏の課題だと思っています。特に小さい子は、表現できないです。「食べないことは悪、残すことは悪」という常識があると思います。この常識に苦しむ子どもたちがいることをまずは知っていただきたいです。そして、食べない理由を問いただすよりも、1口だけ頑張らせるよりも、大人には、その辛さを表現できるサポートと、その辛さから回避できる方法を一緒に考えて欲しいです。Upload By 加藤路瑛感覚過敏研究所では、五感の困りごとを可視化させた感覚過敏缶バッジを作成しています。味覚過敏の缶バッジを給食バッグやランドセルにつけて登校している小学生もいらっしゃいます。小さな子が学校や外でちょっと頑張りたい時のお守りになればと思って作成しました
2021年06月22日コウから見て、その場所は星いくつ?Upload By 丸山さとこ時々コウに「今、疲労度は10段階でどれくらい?」などと聞くことのある私ですが、先日ふと思い立ち「毎日の生活をレビューのように星の数で評価するとどんな感じ?」と聞いてみました。すると「学校と家は違うからなぁ」と首をかしげるので、「家での生活は?」とたずねると、「星5つが80%って感じかなー」とのこと。その意外な高評価に「えっ、そうなの?」と驚きました。毎日ガミガミ叱られたり「あれやった?これは?時間見てー!」と追い立てられたりしているので、『休日以外はあまりくつろげていないかもしれないなー』と思っていたのです。星5つの次に多いのは星4つだと言うので、今のところ家での生活には概ね満足しているのだなぁ…と安心しました。では学校はどうなのか?と聞いてみると、今度は「星2…いや、3つが50から60%で、星2つが30%かなー」と意外なほどからい評価をするコウ。「毎日元気いっぱい登校していくのにそんなに低評価!?」と再び驚きました。Upload By 丸山さとこ「え?学校あんまり楽しくない?嫌なことある?」とストレートに聞いてみたところ、「楽しいとか嫌とかじゃなくて、単純に人が多すぎて疲れるんだよね」との返答が返ってきました。からい評価の理由は「人が多くて疲れるから」「学校は人間の数が多くて疲れるんだよ」という話は、しばしばコウが口にすることです。「それは人数が多くてザワザワうるさいとか、そういうことではないのね」と聞くと、「そう。単純に多くて疲れる」と”我が意を得たり”という顔でうなずきました。Upload By 丸山さとこ聴覚の過敏やカクテルパーティー効果が起きにくい特性による疲労なのであれば、イヤーマフなどの対策をとることもできます。ですが、「音がつらいということはあまりない」というコウの話からすると、現在のところ特に大きな対策はとれなさそうです。(園児のころは聴覚の過敏があったコウですが、現在では逆に鈍麻が目立っている感じで、人の声や物音が耳に入らないこともしばしばあります)学校で疲れることが多いというコウは、前回のコラムで書いたように「家が一番落ち着く」のだと言います。Upload By 丸山さとこそれなら家でのくつろぐ時間を大事にしたい…と思いつつ、「ランドセルの中身出して分類してー」「連絡帳と宿題の材料チェックするよ」「時計見てー止まってるよー」「もう遅いから一旦ご飯にしよう」「テキパキ動こう、寝る時間だよ」「待って机の上チェックしてから寝て」といった具合に”催促・確認・注意喚起”が止まらない毎日を送っています。改めて考えてみると、言われまくっているコウだけではなく私自身も落ち着かない毎日を送っているわけで…。親子共々、わずかな時間でもよいので”明確にリラックスできる時間”を持つように心がけたいなと思いました。Upload By 丸山さとこLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月22日大好評だった「オンラインまなびフェスタ2021」に続く、夏のビックイベント「オンラインサマーフェスタ2021」が開催決定!どうやったら毎日楽しく勉強できるだろう?どんな高校が合うのだろう?将来のために、今からなにをしておけばいいのだろう?好きなことや得意なことを見つけてあげたい。学校の勉強がわかるようにサポートしてあげたい。そんな想いで今年の3月に開催された、「オンラインまなびフェスタ2021」。初めてのオンライン開催となりましたが、多くの専門家の方や13社の協賛企業にお集まりいただくことができました。「まなび」を大テーマに多様な選択肢と一気に出会える一日にするために、「家庭学習」「STEAM教育」「進路選び」「学用品」など幅広い切り口で、お子さまも参加できるワークショップも交えながら、計17コンテンツを配信しました。Upload By 発達ナビ編集部その結果、参加登録者数はなんと4600名以上で、当日視聴者数はのべ6600名以上!たくさんの満足の声と、大きな反響をいただき、私たちの想像も超える特別な1日となりました。【いただいたコメント】・オンラインなので気軽に参加できました。専門家の先生方のお話以外にも様々な企業の商品やサービスを詳しく知る事ができ、発達について悩みがあるなし関係なく参加できるイベントだと思いました。ありがとうございました。・好きなタイミングに参加でき、内容が盛り沢山でよかったです。企業さんの商品紹介も、実際話を聞いてみたら興味が湧いたものがあり、子育てに活かせそう!と思いました。抽選会があるのもとっても魅力的です!当日のYoutubeチャットでは、登壇者の方への質問や保護者様同士の交流のコメントで盛り上がり、オンラインイベントとはいえとても熱量の高いイベントとなりました。そして事後アンケートでは、またの開催を望む声をたくさんいただきました。そんな皆さまの声にお応えして、さらにパワーアップした形で「オンラインサマーフェスタ2021」を開催します!「オンラインサマーフェスタ2021」は、発達が気になるお子さんの夏の成長を応援するイベントです。サマーフェスタは、前回のまなびフェスタからさらにパワーアップし、保護者様向けセミナーとお子さま向けワークショップの2本立てで、2週にわけてお送りします!Upload By 発達ナビ編集部保護者の方には、お子さまと過ごす時間が増える夏休み前に、日々の子育てのお役に立てる情報を気軽に得られる機会を。お子さまには、なかなか外出が難しいこの夏、思い出に残る楽しい時間をお届けします。オンライン開催なので、全国どこからでもご参加可能。専門家の先生、発達が気になるお子さま・ご家族を応援する企業、LITALICOによる、まなびの詰まったセミナー&ワークショップをお楽しみに!サマーフェスタを通して、皆さまの夏のおうち時間が、充実したものになりますように。今回は、保護者さま向けのセミナーイベントと、お子さま向けのワークショップイベントを2週に分けて開催します!<保護者さま向けセミナーイベント>■日時:7/17(土)・7/18(日)10:00~15:30(予定)後日アーカイブ配信も予定しています。■参加費:無料■形式:Youtube Live配信■参加方法:事前申込必須。7月上旬より参加申し込みを受け付け予定です。■定員:なし■内容:専門家講演、発達が気になるお子さまを応援する企業によるセミナー、当日参加者限定の抽選会<お子さま向けワークショップイベント>■日時:7/31(土)・8/1(日)時間未定■参加費:無料■形式:Zoom配信■参加方法:事前申込必須。7月上旬より参加申し込みを受け付ける予定です。■定員:あり(先着順)■内容:発達が気になるお子さま向けの楽しくまなべるオンライン教室今回は先行して、「オンラインサマーフェスタ2021」のコンテンツの一部をご紹介させていただきます。※企画調整中のため、今後変更となる場合もございます7/17(土)特別講演:夏休みの宿題からゲーム依存、新学期の行き渋り対応まで発達障害子育てなんでもQ&A7月17日(土)の特別講演は、鳥取大学大学院教授で臨床心理士の井上先生と、児童精神科医の三木先生によるトークライブ!夏休みの宿題やゲームとの付き合い方、新学期明けの登校渋りなど、夏休み前に知っておきたいトピックを中心に、「発達が気になる子の子育て」にまつわるお悩みや不安などをQ&A形式で井上先生と三木先生にお話しいただきます。ただいま先生方への事前質問を募集中!当日はこの中からいくつかピックアップしてお二人にお答えいただきます。さらに、当日はチャット機能を使ってリアルタイムで井上先生・三木先生に質問できるチャンスも!臨床心理士の井上先生、児童精神科医の三木先生、保護者の皆さまそれぞれの視点で様々な子育てのお悩みについて一緒に考えていきましょう!(時間の都合上、すべてのご質問を取り上げることは難しい場合もございます)Upload By 発達ナビ編集部井上雅彦先生鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授 / 公認心理師 / 臨床心理士/専門行動療法士 / 自閉症支援士エキスパート / LITALICO研究所 客員研究員応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。Upload By 発達ナビ編集部三木崇弘先生フリーランス児童精神科医/スクールカウンセラー兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程在学中。 愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。 2019年4月よりフリーランス。“問題のある子”に関わる各機関(クリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所など)での現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動をしている。7/18(日)特別講演:本人・親・きょうだいの"困った"どうすればいい?ー精神科医・田中康雄先生が教える夏休みの乗り切り方ー7月18日(日)の特別講演は精神科医 田中康雄先生に、夏休み前に知っておきたい内容をセミナー形式でお話しいただきます!夏休みは、1学期の学校生活での疲れが出たり、生活リズムが乱れやすくなったり、家の中のきょうだいトラブルも多くなったりと、お子さまの困りごとも増えがちな時期。保護者側も、家事や育児、宿題のサポートが増え、疲れがピークに…。そうしたスパイラルにおちいりがちな夏休みのおうち時間の過ごし方のポイントや、ご家族のレスパイトのためにも活用したい社会資源についてなど、コロナ禍の現状も踏まえて、精神科医の田中康雄先生からお話しいただきます。当日は視聴者の皆様からの質疑応答タイムもご用意しています。ぜひご参加ください!Upload By 発達ナビ編集部田中康雄先生北海道大学名誉教授/医療法人社団倭会 こころとそだちのクリニック むすびめ 院長発達障害の特性を持つ子どもとその家族、関係者と、つながり合い、支え合い、認め合うことを大切にした治療・支援で多くの人から支持されている。企業コラボセミナー:発達が気になるお子さんを支える、商品・サービスのご紹介「サマーフェスタ2021」は、発達が気になるお子さまの成長を応援する企業の皆さまに協賛をいただき、セミナー・ワークショップをお届けいたします。育児や療育、普段の暮らしをより豊かにする商品・サービスをご紹介いただきますので、ぜひご期待ください。今回ご参加いただく企業の皆さまの一部をご紹介いたします。各企業の詳細日程は、7月上旬の予約開始時に公開となります。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部学習教材「すらら」の学習者数が2020年12月末時点で約33万人となりました。お子さん1人ひとりに合った学習が求められる時代、「無学年方式」はこれからの教材トレンドです。全国学習塾1,016校、学校1,026校が採用し「勉強のプロが認める教材」としてブランド先行しておりますが、それに迫る勢いで家庭学習サービスとしてのご利用者も年々、増えてきております。家庭学習の利用者の半数以上が不登校、発達障害、2020年も多くのお子さまを導くことができました。2021年も是非、注目いただけたら嬉しく思います。Upload By 発達ナビ編集部株式会社すららネットUpload By 発達ナビ編集部遊具の力で発達支援~感覚『新五感』に働きかける 遊びとは?~遊具メーカーのアネビーは、「発達障がい」を「感覚の障がい」ととらえています。そして遊具遊びは子どもの感覚に働きかける大切な活動。子どもにとって一番の楽しみが発達につながるのです。園や公園、お子様のまわりにはどのような遊具がありますか?本セミナーでは、「感覚の障がい」を特性に変える、身近な遊具の力を紹介します。ぜひご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部株式会社アネビーUpload By 発達ナビ編集部ぜんち共済は、知的障がい・発達障がい・ダウン症・てんかんなど障がい者向けの保険を取り扱う専門保険会社で、前身の全国知的障害者共済会から20年の歴史があります。ぜんちのあんしん保険は、障がいのある方特有のパニック事故、トラブルに巻き込まれたときの弁護士費用、ご病気での入院、おケガでの入通院等を保障する総合保険で、5万人以上の方にご契約いただいております。お客様の障がい特性により添いながら、親身で誠実にサポートいたします。Upload By 発達ナビ編集部ぜんち共済株式会社Upload By 発達ナビ編集部「読むトレGO!」は、ディスレクシア、読み書き障害、学習障害などの「読むこと」に困難を抱える子どもたちに向け、発達障害分野の第一人者、医学博士の平岩幹男先生の監修のもとで開発したNintendo Switch用のトレーニングゲームです。文字の読み書きが困難な「ディスレクシア」。日本では小学2年生以上で100人に7~8人の確率で発覚している身近な学習障害(LD)のひとつです。日本の小学校学習では「読み」と「書き」を同時に行うため、読み書きの苦手なお子様にはとても厳しい学習となります。「読むトレGO!」は、「読み」に絞ってトレーニングを行うため、学習効果が上がります。Upload By 発達ナビ編集部株式会社サムシンググッドUpload By 発達ナビ編集部星みつる式家庭療育DVDは、視覚優位の特性を研究し、「見て覚える」をコンセプトに、お子さんに取り組みやすく、ご家族の負担が少なくなるよう開発された教材です。「言葉の遅れ」「友だちとの関わり」「勉強の遅れ」などの困りごとに応じて療育をカスタマイズすることが可能。小学生で療育が終了した子も、ご自宅で療育を継続できます。購入後から2年間ご利用頂ける取り組みサポートもあるので安心です。当日は、約7000人の臨床経験をもつ、星みつる式専任の発達障害専門カウンセラー水沢ありさが、これまで見てきた子どもたちの成果やタイプ別のおススメ教材についてお話致します。みなさまのお悩みにきっと役立つお話があると思いますので、ぜひご覧下さい。Upload By 発達ナビ編集部株式会社スターシップUpload By 発達ナビ編集部家庭学習教材「月刊ポピー」は創刊以来50年近く、全国のご家庭の家庭教育・家庭学習をサポートしてきました。単なる学力アップだけではなく、学習習慣や生活習慣、思考力などお子さまの成長や将来に不可欠な力を総合的に身につけることを目的に、教材・サービスをお届けしています。ポピーには元小学校の先生が所属しており、会員さまの家庭教育・家庭学習に関するお悩みにおこたえしています。当日はその経験豊富な先生が皆さまに、家庭教育・家庭学習をより充実・向上させるためのアドバイスをいたします。Upload By 発達ナビ編集部株式会社新学社Upload By 発達ナビ編集部「toio™(トイオ)」は、子どもたちを様々な創意工夫へと導く不思議なロボットトイです。コンセプトは、『つくって、あそんで、ひらめいて。』身近なブロックや工作など様々なものを取り付けて自由にあそべる「toio」。まずは見よう見まねからはじめ、次第に自分で手を動かして夢中になるうちに、創意工夫が自然に生まれる。そんな体験が詰まっています。また「toio」は、ご⾃宅で楽しめるプログラミング教材として、カードを使ったプログラミングやビジュアルプログラミング環境など、初級から上級までさまざまなプログラミング体験も可能です。Upload By 発達ナビ編集部株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント企業コラボワークショップ:発達が気になるお子さま向けの楽しくまなべるオンライン教室Upload By 発達ナビ編集部次から次へと「好き!」が見つかる。どんどんどんどん「夢中!」になる。遊んで学べる、学んで遊べる、新体験のオンパレード!ラフ&ピースマザーは、吉本興業とNTTグループがお届けする新しい“学び”のサービスです。自分の“好き” が見つかる動画や遊びながら様々な力が身につくアプリ、全国どこからでも参加できるオンライン教室など、何度でも遊べるコンテンツが盛りだくさんです。さらに、広告や不適切なコンテンツは表示されず、操作も簡単で、お子様に渡しても安心の設計となっています。今回は発達が気になる子のためのオンライン教室イベントを8/1に開催します!ぜひご参加ください!※詳細は後日ご案内いたします。Upload By 発達ナビ編集部株式会社ラフ&ピースマザーUpload By 発達ナビ編集部「未来のジブンが好きになれる高校」明蓬館高等学校に、中等部が誕生しました。学び辛さや生き辛さのある生徒のためのSNEC(Special・Needs・Education・Center / スネック)とCONEC(Coder’s NeuroHACK Center / コネック)には、支援員やスクールカウンセラーが常駐して「支援と伴走」の下、生徒たちは興味関心を大いに伸長させながら社会進出に向けて輝いています。そんな明蓬館高等学校が作る中等部では、一人一人が自分のペースでICTを活用しながら、学びの中で自己肯定感を高めています。上級生と一緒に高校卒業や、その先の進路に向けて学習をしたり、特別講座にチャレンジしています。「安心して安全な環境で挑戦できる」を毎日実践するのが明蓬館高等学校の中等部です。Upload By 発達ナビ編集部明蓬館高等学校中等部Upload By 発達ナビ編集部「リップルキッズパーク」は、2009年にスタートした子ども専門オンライン英会話サービスです。オンライン完結だから、送り迎えなくおうちでレッスンを受講することが可能です。マンツーマンだから、お子さま一人一人のレベルや性格、習熟度に合わせた最適なレッスンが受けられます。専任講師による楽しいレッスンだから、お子さまが英語を好きになり、継続して受講ができ、結果的に英語力を上げることが可能です。アカウントは1つでOK!きょうだい・親子でレッスンを分け合い、一緒に英会話を学ぶことができます。Upload By 発達ナビ編集部株式会社エンビジョン7/17(土)18(日)のセミナー参加者向けに、楽しい企画も準備中!発達が気になるお子さんの役に立つ商品を抽選でプレゼント!「サマーフェスタ2021」をより楽しんでいただくための企画もご用意しており、協賛いただいた企業から発達が気になるお子さんに役立てていただける商品をご提供いただいております。今後もプレゼント商品は増える予定です!お楽しみに!Upload By 発達ナビ編集部子どもたちの健やかな発達を考え続けるK’s kids。幅広いラインナップも魅力で月齢や発達ステージに応じて遊びの幅が広がります。・どんな気持ち?感情を学べるボード。感情の単語を並べたら鏡でお顔を確認。多様な感情を学びます。・お着換えトレーニングボタンやファスナー、くつひもで楽しくお着替えしましょう。表裏で男の子と女の子。練習しやすいように工夫されたサイズで日常生活動作の練習を。Upload By 発達ナビ編集部株式会社ダッドウェイUpload By 発達ナビ編集部パシフィックサプライ(株)は、リハビリ器具など福祉用具の製造販売を行っております。大阪人間科学大学教授/認定作業療法士 辻 薫様と開発した学習用クッション「ハートリーフクッション」をプレゼントとしてご用意しました。いすにもたれかかり、ずれ落ちてしまう。しっかり身体を支えることが難しいお子さまには、「姿勢が悪い」「ちゃんと座りなさい」「まっすぐしなさい」など、どうしても注意してしまいませんか?ハートリーフクッションは、硬めのブロックをお尻に合わせて使用することで、自発的に身体を支えやすくしております。Upload By 発達ナビ編集部パシフィックサプライ株式会社【アンケート実施中】専門家の先生、企業の皆さんへの質問を、どしどしお寄せください!当日のコンテンツをより磨いていくために、発達ナビユーザーの皆さんにアンケートを実施します。専門家や参加企業への質問などを受け付けておりますので、下記のボタンよりぜひご回答ください。ぜひ皆さんと一緒に、有意義な日をつくることができたらと思っております。フェスタでの開催内容について、新たに決定したことについては、随時メールマガジンやSNSを通して発達ナビユーザーの皆さんにお伝えしていきます。こちらも楽しみにしていただけると嬉しいです。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2021年06月21日タオルと指しゃぶりがあれば平気Upload By かさはらあやこ息子の指しゃぶりが始まったのは生後2ヶ月ごろ。ベビージムを与えても、あまり遊ぶことはなく、指をちゅっちゅと吸いながら、ぼーーーっとしている時間が多かったのを記憶しています。当時は、手の存在に気づいたんだな、可愛いな。ぐらいに思っていました。あまりにもずっと吸っているので、見かねた実母に「吸い出したら遊んであげないと…」などと言われましたが…。産まれてから2ヶ月間、毎日 朝から夜中まで泣いてぐずぐずだった息子が、指しゃぶりを始めたことで少し泣かなくなったような気がして、自分のせいかもしれないと気にはしつつ、やめさせることはできませんでした。ある晩、いつもの時間に寝付かずに泣き続けるということがありました。息子は寝かしつけや添い寝は必要なく、眠くなったらひとりで寝るタイプだったのですが、眠くて眠くて仕方がないのに、指を咥えても眠ることができず、いつもと違う泣き方で5時間近く泣き続けました。どこか痛いのだろうか?熱があるのか…?両親が交代で抱っこしながらあやすも原因は全くわからず、疲れ果てて〝ノイローゼになりそう…〟と思ったころ。いつも頭に枕がわりに敷くタオルを敷き忘れていることに気がつき、敷いたところ、「秒で寝る」という出来事がありました。え…?今までの泣きはなんだったんだろう。もしかして、タオルなの?息子は、タオルと指しゃぶりがないとダメだということがわかりました。逆にいうと、タオルと指しゃぶりさえあれば平気。高級でふわふわなタオルより、使い古したガサガサな触感が好きというこだわりはありましたが、幸い〝これじゃなきゃだめ!〟というこだわりが無かったため、洗い替えを何枚か用意することができました。また、指しゃぶりの指も、親指ではなく、右手の人差し指・中指・薬指、の3本と決まっており、歯が生えるのが圧倒的に遅かったため、歯並びに影響する心配もありませんでした。「愛情不足で起こるのではない」に勇気づけられてUpload By かさはらあやこ2歳を過ぎ、わが子が〝発達障害〟なのか、そうじゃないのかわからなかった私は、いつでもどこでも指をしゃぶっている息子に嫌気がさすこともありました。やめなさいと強く言ってみたり、指に苦いクリームを塗ってみたりしましたが、効果は全くありませんでした。〝ブランケット症候群〟や〝指しゃぶり〟について検索し、無理にやめさせないほうがいい、やめさせたほうがいい、という情報にいつも葛藤していました。そんなときに何気なく、このことについて悩んでいると児童発達支援の先生に相談しました。「タオルや指しゃぶりはお母さんの代わりだから、無理にやめさせなくてもいいと思う」と言われて、とても心が軽くなりました。その後も何度か不安になり、同じことを訊きましたが、先生はその度に「愛情不足で起こるのではない、大丈夫」と勇気づけてくれました。先生のおかげで、深刻に捉えることもなく、無理に辞めさせようともせず、安心するならいいかと黙認することができました。コロナ禍の悩みもあってUpload By かさはらあやこそんな中、コロナ禍になり、衛生面が気になりだしました。買い物などに連れていった際は、息子が触る場所や手をアルコール除菌シートでこまめに拭くなど、配慮が必要でした。出かけるときは必ずタオルを持ち、冬はマフラーがわりにガサガサのタオルを首に巻きました。4歳近い子が首にタオルを巻き、奇声をあげ、指をしゃぶりながらキャラカートに乗っている様子が不思議なのか、息子より幼い子が、珍しいものを見る目で何度も確認しにくるので、いたたまれない気持ちになり、その場を後にしたこともあります。何よりつらかったのは、3年以上も吸い続けて少し変形した指や深爪、指にできた吸いだこが気になり、それをガリガリと指で削り取ろうとして赤くなり、取ってくれとクレーンで要求してくる。そういうちいさな手や姿を見ることでした。自然と必要がなくなっていた…?Upload By かさはらあやこ4月に入り バタバタして少し落ち着いたころ、最近、指をしゃぶっている姿を見ていないし、タオルも持っていないということに気づきました。写真を確認すると、3歳9ヶ月の4月4日を最後に指をしゃぶっている姿がなく、寝るときのタオルも必要なくなっていました。きっかけは全くわかりませんが、可能性があるとしたら、保育園入園を機に「親指さんが痛い痛いだからやめようね」と、指しゃぶりをしている娘に描いた親指の絵。もしくは、アルコール除菌をしたあとに吸ったら不味かった…とか?3年7ヶ月もの間、指を吸い続け、タオルに依存してきた息子。自然と必要がなくなったようです。決して格好いいものではないし、いつも指はふやけているし、指やほっぺはよだれくさい。あんなに嫌だったのに、もう、赤ちゃんのようなあの姿は見られないのだと思うと少し寂しい気分で、いまでは写真、もう少し撮っておけばよかったなぁ…と思っています。次に何か嫌だなぁと思う癖や困りごとが起きたとき、〝これは今しか見られないんだ、写真撮っとこ〟と、少し余裕を持って対応できるようなお母さんになりたい…‼︎LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月21日初めての幼稚園生活初めての幼稚園生活。といっても、幼稚園で何一つ活動に参加せず、それを「幼稚園生活」と呼んでいいかわからなかったです。とりあえずは登園時間に登園し、木の上からみんなの活動を見守る任務を果たす日々を送り、降園してくる状態だったので…それでもそれを見守ってくださる加配の先生。そんな毎日も、そのことがとってもありがたかったです。なぜならショッピングモールやファミレスでは、肩身の狭い思いをしてばかりで足が遠のいたし、公園ではひとつの場所にじっとしておらず、移動しすぎて公園常連の子たちに認識されていませんでした。さながら忍者でした(笑)Upload By beth(ベス)そんな毎日のなかで、幼稚園では加配の先生や担任の先生、他クラスの先生、園長先生が気にかけてくれて、存在そのままを受け入れてくれていることを肌で感じました。そんなある日、ちょっとだけ不思議なことがありました。お迎えに行くと、担任の先生が興奮気味にかけよってきました。「今日ハルくん、すごかったんですよ!」ちょっと不思議なクレヨン事件わたしは先生のリアクションを見て、『えっ!ハル、ついに自分のクラスに入ってみんなとの活動に参加できたとか!?』と思いました。でも聞いてみると…ちょっと予想とはジャンルの違うお話でした。クレヨンが大好きなハル。クレヨンで絵を描くのではなく、クレヨンそのものが好きなのでした。幼稚園に着くと、木に登る前に、クレヨンの箱を開けるのが日課だったそうです。等間隔に並んだその色とりどりのクレヨンたちを眺めたり、中身を確認しては、ふぅ…と満足げにまたしまっていたそうなのです。ところがこの日は、朝からクレヨンがない!先生たちはハルのお道具箱を一目見て、気がついたそうです。周りの子に聞いてもわからない。ハルに聞いても、もちろん答えないのでわからない。ハルは当時、「なくて困った」とか、「なくしちゃった」とか言えませんでした。先生たちは、「ハルくんは顔にはでないけれど、さぞ困っているだろう…」と心配し、必死に探してくれたそうです。ハルのほかの持ち物も、ほかの子のロッカーも、そのほか、教室中。みんながクレヨン探ししてくれている中、ハルは…ないない、と探してくれる先生がふと後ろを見ると、ハルが立っていたそうです。普段なら木に登りに行きもう教室にはいない時間なのに。めったに近い距離に自分から来ないのに。ハルのその手には…自分のクレヨンを持っていたそうです…!(笑)Upload By beth(ベス)先生たちは「あれえええ!?」となって、「ハルくんクレヨンあったのね!?どこにあった??」「先生たちが探してて困ってたから、持ってきてくれたの!?」と口々にいったそうです。するとハルはひとこと…「ここだよ」と言ったそうです。それを聞いて、わたしもびっくりしました。にわかに信じられなかったです。えっ。ハル…、誰かがものを探してる様子を見て、何を探してるか理解できるんだ…それで自分である場所がわかってて、持ってきたりするんだ…そして、そしてさらに、「ここだよ」と自分から言った?????人に呼びかけるコミュニケーションをしなかったハルの、突然の変化要求以外で、普段は人に呼びかけることはなかったハルが、場面に合っているワードを言ったこと。これは、当時のハルにとって、とても珍しいことでした。正直に言うと、このころはまだまだ、どうしてもほかの子と比べてしまう自分がいました。クラスの可愛い幼稚園児たちが、毎日目に入ると、どうしても比較してしまったのでした。でもそれは、ネガティブというよりは、ほかの子が小さいながらどんどん色んなことができていく姿がかわいくて愛おしくて、ああハルはいつあんなことができるようになるんだろう…!とワクワクしながら待っていたのでした。まだまだ、待てばほかの子たちと同じ成長をたどれると思っていました。Upload By beth(ベス)ハルのビッグバン今回のような『クレヨンここだよ事件』のほかにも、「あなたそんなことできたん!?」という驚きは、幼稚園に入って何度かありました。ああ、ハルは幼稚園で集団生活には入れていなくても、幼稚園に来たことで、毎日ビッグバンが起きているくらい刺激を受けて成長をしているんだな…と。そのたび自分も考え直させられました。ほかの子と同じ成長を望むよりも、ハル自身の変化を喜んでいきたい。それがどんなに小さなことでも。そうして、ハルのおかげで成長できる部分を実感するのでした。今回で、ハルの幼稚園編は終わりたいと思います。見てくださった読者の皆さまに感謝申し上げます!ありがとうございました!LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月20日2021年7月公開のイタリア映画「わたしはダフネ」Upload By 発達ナビ編集部ダフネは社交的でしっかり者の、ダウン症のある30代の女性。スーパーで働きながら、愛情ゆたかな両親と暮らしていましたが、突然親友のように仲が良く信頼していた母親が亡くなってしまいます。この映画は、妻を亡くし親なきあとの娘を心配するあまりふさぎこんでしまう父親と、父親とのこれからの暮らしを模索するダフネとの物語です。障害がある子どもと年老いた父親。父であるルイジは「自分が死んだらどうしよう」と娘に”なにかしてやらなければいけない”と思っていますが、ダウン症のあるダフネも父親のことを”お酒ばかり飲んでふさぎ込み、お店も閉めてしまって心配だ”と感じています。お互いへの「自分が支えてあげないとこの人はダメになるのではないか」という不安感が、二人の関係をぎくしゃくとさせてしまいます。でも、母の生まれ故郷へ向かう旅を通して、二人の関係に変化が訪れます。お互いを「信じる」ことができるようになり、親子の関係がぐっと深まっていくのです。障害がある子どもは一方的に支えるべき存在?Upload By 発達ナビ編集部障害がある子どもを育てていると、「これをしてあげなくては」「これがなかったら困るだろう」と、子どものこれからを案じて行動してしまうことも少なくありません。ですが、子どもの側も「お父さんは大丈夫かな」「お母さん元気がないな」と心を寄せ、支えようとしているのかもしれません。一方ばかりが支え合うのではなく、お互いに信じ、支え合うことが必要なのではないか―ーこの映画はそんな風に問いかけてくるようです。この映画の監督である、フェデリコ・ボンディさんは「バス停で年老いてうつろな目をした父親と、とても小柄なダウン症の女性が手を握り合っている姿をみた」ことをインスピレーションにこの映画を描いたそうです。「”ダウン症のある人について描いた映画”ではない。”握り合う手のような、支え合う人々についての映画”を撮りたいと思った」のだと。ダフネの「生きること」へのポジティブな姿勢が力をくれるUpload By 発達ナビ編集部また、映画の中で私たちが気づかされるのは、ダフネの「生きる」ことへのまっすぐでポジティブな姿勢です。ダフネの仕事へのプライド、同僚への分け隔てのない友情をまっすぐに伝えようとする態度、友人と楽しむダンスのひととき。母が亡くなったとき、ひどく悲しむダフネに薬を進める父親へダフネはこう言います。「薬なんていらない。私は泣きたいの」我慢する必要などない、泣くことで心を解放することが今の自分にとって必要だと感じて、周囲をはばかることなくまっすぐに実践します。勤務先のスーパーに新しく入ったばかりの同僚が「生活のために仕方なく働くことにした」とつぶやくと、スーパーの仕事へのプライド、尊敬する店長の素晴らしさについて、イキイキと語りかけるダフネ。そんなダフネの姿を見た同僚の表情には、変化があらわれます。Upload By 発達ナビ編集部自分に正直に、日々の何気ないことがら一つひとつにもプライドを持って生きるダフネから「自分のしていることすべてにかけがえのない意味があり、何気ない日常こそ愛おしいものなのだ」と励まされるのです。自立したダウン症の女性の芯の強さに励まされ、毎日の暮らしを大切にしたいと思わせてくれる、元気をもらえる映画です。第69回ベルリン映画祭にて国際批評家連盟賞受賞。2021年7月3日よりロードショー。東京・神保町の岩波ホール他、全国順次公開予定です。監督・脚本:フェデリコ・ボンディ原案:フェデリコ・ボンディ、シモーナ・バルダンジエグゼクティブ・プロデューサー:アレッシオ・ラザレスキープロデューサー:マルタ・ドンゼリ、グレゴリオ・パオネッサ撮影:ピエロ・バッソ編集:ステファノ・クラヴェロ音楽:サヴェリオ・ランツァ衣装:マッシモ・カンティーニ・パリーニ出演:カロリーナ・ラスパンティ、アントニオ・ピオヴァネッリ、ステファニア・カッシーニ、アンジェラ・マグニ、ガブリエレ・スピネッリ、フランチェスカ・ラビ2019年/イタリア/イタリア語/94分/カラー/シネマスコープ原題:DAFNE字幕翻訳:関口英子配給:ザジフィルムズ後援:公益財団法人日本ダウン症協会厚生労働省社会保障審議会 推薦【中学生以上、保護者・指導者等、一般(啓蒙) 】
2021年06月19日新しい担任の先生4月からASDの長男ミミは2年生。担任の先生が代わることがギリギリに分かり、びっくり!急だったので前任の先生が引き継いでくれているか分からず、入学前に作成した連携ノート(保育園の先生・療育の先生からのコメント、発達検査・IQの数値など)のコピー、席は周りが気にならないように一番前にしてほしい、偏食だから給食を無理に食べさせないでほしいなど、ミミへの対応のお願いを用意し、年度始めの提出物と一緒にミミに持たせました。Upload By taeko最初の電話連絡新しい先生は前年度まで6年生の担任だった若い男の先生。まずはミミのことを覚えてもらうためには?と考えつくことをやりました。4月、さっそく担任の先生から電話があり、何かと思ったら「給食のとき、牛乳パックをかじっている」とのこと。ミミは偏食で給食はほとんど食べられないことを改めて先生に伝え、食べるものがなくて唯一飲める牛乳を飲んで余った時間にやることがなく牛乳パックをかじったのだと思うと話しました。また時間を持て余していたら、紙に絵を描かせるなど、なにかさせてほしいとお願いも。Upload By taeko宿題がツライ、先生に相談してみると筆算がわかりにくいようで、宿題をやることを嫌がって「今日は算数、ないと思う」などのウソをつくように。いろいろと知恵を付けていくなあと感心。でも、だんだん宿題が適当になっていくし、前任の先生とやり方も違うのでよく確認するようにしました。一緒にやろうと声をかけるけど一向にノートを開かない...算数をやること自体イヤなようで、一文字も書かずに涙を流すので、その日は宿題をほとんどやれず。Upload By taeko5月に担任の先生と面談があり、宿題をやることがつらそうだと伝えると、「20問中5問で良い」と言ってもらえました。それならミミもできそうだと思い、気がラクに。後日、ミミと一緒に宿題。私のやり方を赤鉛筆でノートに補助を書きました。それを見た先生は、ミミに筆算のやり方を分かりやすく教えてくれたようで、次の日の宿題は一人でやり切った!これはびっくり!!ミミも自信たっぷりで「母ちゃんいらない」と言うほど。担任の先生が代わられると知ったときは焦りましたが、今年も面倒見の良い先生でありがたいです。Upload By taekoUpload By taekoLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月18日5月になるとオープンキャンパスがめじろ押し…のはずが今年はコロナの影響で、公立の高校はオープンキャンパスや学校説明会が軒並み延期に。一応7月に開催される予定になっていますが、それも延期や中止になる可能性があるとか。土日の数は限られているので、見たい学校の説明会の日が被る可能性もあり、スケジュール取りが難しくなることが考えられます。私立の学校は独自に説明会を実施しているところもそんな中でも、いくつかの私立の学校では、人数制限を行いながら説明会を実施しているようです。いっちゃんも中学校から高校、専修学校の説明会の日程のプリントをもらってきました。とりあえず、練習も兼ねてどこか行ってみる?と聞いてみたところ、「興味があるところがある」と言うではありませんか。ネットの年上の友人と高校進学について話していところ「いっちゃんにはこういうところが合ってるかもね」と話題に出たのだそう。それは、芸大の附属の通信制高校でした。いっちゃんは、普段からイラストをよく描いているので、絵の技法について学べたり、美術に興味のある生徒さんが集まってくるところだと良いな、行ってみたいなと思ったようです。通信制の高校ってどういうもの?早速、その高校のホームページから説明会と体験入学の申し込み。申し込みフォームに書き込んで送信すると、すぐ折り返しのメールで予約確定。便利な時代になったものです。当日は20人ぐらいの体験入学生とその付き添いで総勢30人ちょっとの人数が集まっていました。中学新卒で高校を目指す人ばかりではなく、少しシニアな年齢の方も友達同士で参加しているよう。まずは、通信高校とはどんなものかという説明から。Upload By 寺島ヒロお話を伺って、自宅で継続的に勉強してレポートを出さなければいけないので、なかなか卒業に必要な単位を取得するのが難しい場合もあるということや、この学校ではスクーリング(登校する日)が週に3日程度と、ほかの通信の高校と比べてかなり多いことが分かりました。それから、学校の施設や教育内容の特色などの説明があり、その後、体験入学生は美術鑑賞の模擬授業を受けます。美術というところがさすが芸大附属。わたしはその間外に出て休んでいてもいいのですが、付き添いの人だけで、いま体験中学生がやっている授業と同じ授業が受けられるプログラムがあるとのこと。面白い!と思ったので受けてきました。内容については「内緒」なのですが…。先生方の話す様子や説明がとても丁寧で、ディスカッションでも発言しやすい雰囲気をつくってくれているな、発言したことをちゃんと受けとめてくれているなという印象でした。授業はほぼ同時に終わり、いっちゃんと合流してアンケートを書いて、その日は終了。学校を訪れてからの所要時間は概ね3時間ほどでした。気になるいっちゃんの反応は…?Upload By 寺島ヒロ学校の授業や雰囲気は気に入ったようですが、やはり登校日のことが気になるようです。受験先の候補には入れつつ、またほかのところも見てみようと思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月16日「どうせできっこない」「お母さんが決めて」と言っていた次男が自分から「やりたい!」と言い出して…Upload By スガカズADHDのある次男は5歳のころから体操教室に通って今年で6年目です。そんな次男が5ヶ月前急に『通常クラスから器械体操のクラスに上がりたい』と言い出しました。どうやら小学校のクラスメイトで、バク転バク宙ができるお友達がおり、「かっこいい!自分もできるようになりたい!」と思ったのがきっかけのようです。もともと新しいことに挑戦するのが苦手で、「少しハードルが高い」と感じたときに、「どうせできっこない」「面倒くさい」などの言葉が出やすい次男。自己肯定感が低くて納得できないことはやりたがらないのです。(最近は、「お母さんが決めて」という場合もあるので、成長を感じるのですが)そんな次男が自分から「やりたい」と言い出したものですから、私は飛び上がるくらいうれしくて体操教室の先生に相談しました。先生方は「次男くんが『やりたい』と思う気持ちが一番大事です」と了承してくれました。「もっと体操の時間を増やしたい!」でも先生に言われた言葉は…?Upload By スガカズ念願だった器械体操のクラスに上がることができた次男。器械体操の一番下のクラスなので、チームワークは重要ではないものの、難しい技に挑戦します。周りは次男よりできる子たちばかりです。最初のうちは新しい環境に緊張していましたし、トレーニング内容や先生の指示も今までと違うこともあり、戸惑っていましたが段々と慣れてきました。2ヶ月ほど経ったころに、本人が「もっとがんばりたいから体操の時間を増やしたい」と言いました。しかし、本人の希望を伝えたところ、先生に断られました。Upload By スガカズUpload By スガカズ断られた際に、私はハッとしました。子どものやりたい気持ちを尊重したいあまり、次男の希望を叶えることのデメリットまで目を向けられていなかったのです。子どもの『やる気』を大切にしていくために次男は運動神経は悪くないものの、感覚統合がうまくいっていないようなところもあります。たとえば同じ姿勢を保つことが難しかったり、物にぶつかりやすいことなどがあります。また、トレーニング中に痛みを伴ったり予想していなかったことが起こると「失敗体験」と受け取り落ち込み、別の場所で休憩することが多くあります。そういった結果に対して今まで他者から指摘されたことはありませんでしたが、もしかすると「あの子はいつも休んでばかりだなぁ」と思われていたのかもしれません。例え次男が「もっと体操の時間を増やしたい」と今思っていたとしても、ADHDの特性から、ほかの子の練習時間やモチベーションに影響したり、当の本人がやる気を失ってしまうのであれば体操の時間を増やすのは得策ではなく、まずは与えられた時間を続けていくのが大事だと理解しました。Upload By スガカズ本人のやる気を尊重したいのはやまやまですが、希望を叶えてあげられないことは親としては心苦しく、胸がチクリと痛みました。次男は理解してくれましたが、とても残念そうにしていました。現在もほかの子と比べると足を痛めるなどして休憩する時間は多いです。その様子を見るたびに、静かに見守りたい気持ちと、他者への影響を心配する気持ちの間で揺れる自分がいます。月に一度、休みの日に大型トランポリンのあるスポーツジムに家族で向かうようにしています。(予約制なので人は多くありません)次男だけでなく、他のきょうだいたちも楽しそうに遊んでいます。体操の時間は増やせないですが、プライベートでトレーニングの時間をつくれればいいなと思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月14日食べられるのはこれだけ!!ほぺろうの偏食事情Upload By ぼさ子自閉症と知的障害のある現在5歳のほぺろう。実は1歳ごろまではブロッコリーやキュウリなど緑の野菜も食べていたのですが、2歳を過ぎたあたりから自閉症の特性なのか、どんどん食材の拒否が激しくなり、やがて緑の野菜はおろか肉類も受け付けなくなり、限られたものしか口にしなくなりました。ほぺろうが食べてくれるものは、米、うどん、そば、火を通した魚、さつま揚げ、豆腐、カボチャ、ニンジン、イモ類、シメジ、野菜ジュース、果物、お菓子少々…以上。驚異の少なさです。(気に入ったものはいくらでも食べる)しかもほぺろうは見た目重視らしく、『茶色い料理』でなければ味見すらしません。どんなに好みに合いそうな味付けであっても、見た目の一次審査を通らなければどんなに勧めても一切拒否!!自宅でも対応が大変なのに いろんな種類のおかずがある保育園の給食はもっと大変で、問題は食べてくれないことだけにとどまらず、空腹による苛立ちで癇癪を起こし、お昼寝時間に泣き暴れるという事態に。保育園の先生は「お母さん、気にしないで!焦らず様子を見ましょう」と言ってくれるけど、ほぺろうだけ別室移動で先生を付き合わせたり、お友達の眠りの妨げになっていたりで多大な迷惑を掛けている事は間違いなし。Upload By ぼさ子好き嫌いの範囲を超えた偏食のせいで保育園に毎日迷惑を掛けていること、そして何より 子どもにとって必要な栄養バランスが摂れていないこと…母親としての責務を果たせていないと感じ、私にとってほぺろうの偏食は『罪悪感』でしかありませんでした。偏食への罪悪感を持つ母。そこに夫の言葉が…一人で悶々と悩む私。とりあえず少しでも癇癪を抑えるために、栄養無視の食べられる食材だけのごはんをほぺろうに与える日々を送っていました。「こんなんじゃダメだよね…ほぺろう病気になっちゃう…」と暗く呟いていたら、夫ぺー太が「えー?大丈夫じゃなーい?」と能天気な返事。他人事か?と思っていたら意外な続きが…「だって俺、中学になるまで一切野菜食べなかったもん!」Upload By ぼさ子…はい!?私は耳を疑ったというか、度肝を抜かれました。中学になるまでって…本当にそんな人間いるのか?と思い、義母(ぺー太の母)に聞いてみました。義母の話によると、現在のほぺろうと同じく、子ども時代のぺー太には本当に苦労させられたそうで、食べられる食材も少なく野菜はニンジンジュースで補っていたとのことでした。しかしぺー太は、そんなことを想像できないくらい、今では何でも食べるし(むしろ食べるの大好き)、病気もしない健康優良丈夫人間!!ぺー太と障害のあるほぺろうとでは違うかもしれませんが、こんな身近に偏食の先輩がいて、元気に能天気に大人になっているのを見てたら、なんだか悩んでいた自分が急にバカバカしくなって肩の力が抜けました。とりあえずぺー太には、苦労かけた義母に土下座して感謝してほしい!!Upload By ぼさ子年中ごろから次第に変化が。その理由は…開き直ってきた私は、成長とともに食べられる食材が増えることを祈りつつ、ほぺろうにはいまだに茶色い料理ばかり食べさせています。保育園の給食では先生の理解に甘えて、どうしてもチャレンジできないときは食べられるものをおかわりするなどで対応してもらっています。そんなほぺろうですが、年中に進級したころから次第に変化が…年少時代は何に対しても適応が難しく癇癪を起こしてばかりの一年でしたが、年中さんになると次第に落ち着き出し、そのおかげか『周りのお友達を意識する』ことができるようになってきたと思います。すると、お友達の様子を見て今まで口にしなかったものにチャレンジすることが増えたそうな。また、ほぺろうの中で「野菜を食べるとカッコイイ」という認識があるのか、年少の終わりごろ、給食で女の子と一緒のテーブルのときに頑張って緑の野菜に手をつけるという姿が見られたそうです。Upload By ぼさ子今でも偏食だけど、少しずつ成長しているほぺろう年長さんになった現在でもほぺろうは、自宅では頑なに緑の野菜を食べてくれません。でも身近に夫という見本がいるおかげで、偏食に対して焦らずに構えてていいかも…という気持ちになれました。保育園ではお友達を意識することで『真似っこ』『見栄っぱり』『競争心』などの心が育ち、良い方向に働いていると感じます。母親の私は何の成果も出していませんが、集団生活の力を借りてチャレンジと成功体験を繰り返し 少しずつ偏食を克服してくれたら嬉しいです。Upload By ぼさ子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月12日発達凸凹男子が、授業参観で初めてほめられた日こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。小学校時代は「ワガママ」「協調性がない」と見られて、実年齢より精神的に幼いように扱われることが多かった、うちの長男。でも、中学校に進学して出会った外国人の先生の視点からは、同じ1人の子が全く違う姿に映ったようです。今回のコラムは、ある授業参観日での目からウロコのエピソードと、そこから私が気づいたことをお伝えしたいと思います。出典 : 授業参観日…それは、それまでの私にとって、正直憂鬱な学校イベントに他なりませんでした。だって、小学校時代のうちの長男ときたら、低学年ではキョロキョロよそ見したり、足をモゾモゾしたり、消しゴムを三角定規でみじん切りにしたり…。そして、机の上のピタゴラ装置からうっかり鉛筆を落としては、ガタガタと1人で忙しそうにしていたので、私は少々肩身が狭かったのです。…あ、こっち見てニッコニコで手を振っている。ヤ・メ・テ〜!高学年では、じっと座ってノートを取れるようになったものの、実験やグループワークでは「余計なことをしないのが、自分ができる最大の協力」だと学習してしまい、班行動の蚊帳の外で終始つまらなそう…。本来は好奇心とアイデアいっぱいの長男の、そんな大人しい姿を見るのは親として忍びなくもありました。そして、授業終わりの休み時間などに、担任の先生から「あ、〇太郎くんのお母さん!ちょうど良かった。ちょっとお話したいことが…」なんて声をかけられると、ギクリとしたものです。ところが、私立中学に進学した長男の、ある日の授業参観日のこと。長男の学校は「授業参観週間」があり、その中でならいつ参観してもいいので、長男が「外国人の先生の英語の授業が超楽しい」というから、その時間に合わせて授業を見に行くと…。あの長男が見違えたように、活き活きと挙手をして積極的に発言し、グループワークの時間も皆の意見を不器用ながらもまとめて、リーダーシップの欠片を発揮しているではありませんか!そして、授業が終わると、外国人先生が私のほうに”Hello!"とフレンドリーに近づいてきたので、過去の経験から、思わず身構えそうになりましたが、私が長男の保護者だと分かると、とても親しげに嬉しそうに、先生は長男のことをほめ始めました。出典 : 「彼は素晴らしいね。自分の意見がしっかり言えて、とても大人びていますね」なんとか聞き取れた外国人先生のそんな言葉に、私は我が耳を疑いました。…え!?人違いでは?小学校時代、長男は「ワガママ」「協調性がない」と見られて、同級生達より精神的に幼いように扱われることが多かったので、私は「うちの長男は口は達者だけど、精神面では凸凹の凹があるのかな?」と、思っていました。だから、彼が「大人びている」なんて評されたのは、私の育児史上初の出来事だったので、わが子がほめられた嬉しさよりも、驚きのほうが大きかったのです。でも、母の目から見れば、長男は中学で突然精神的に急成長したわけでもなく(多少は、まあ)、相変わらずのマイペースな宇宙人ぶりで、正直、小学校時代と中身はほぼ同じ。これは一体どういうこと!?その後も、外国人先生は、長男が休み時間などに積極的に話しかけて来て、ゲーム好きな先生と身振り手振りを交えた英語で楽しく雑談をしていることや、長男がどんどん意見を言ってくれるので、授業がしやすいことなどを教えてくれました。私はそこで、フと気がついたのです。「これは、長男自身が変わったのではなくて、この外国人の先生のものの見方や価値観が、小学校の日本人の先生方とは180度違うから、長男の個性をとても好意的に受け止めてくれているんだ」と。文化や価値観の違いで、短所は長所になる出典 : 以前私は、海外在住歴のある知人から、「外国では、はっきり意思表示しなかったり、周りを見ながら自分の態度を決めるのは、”幼稚”だと思われる」と聞いたことがあります(お国にもよるでしょうが…)。確かに、私が見学した、ある小学生向けの体験講座では、遠慮がちな子ども達の態度に、外国人講師の方が「周りを見ないの!自分が思ったことを言えばいいの!」って、少々ムッとされていたことも。日本だと、自己主張せずに周りに合わせることは、「我慢強い」「協調性がある」「大人の対応」等と評価されることが多いでしょう。実際、小学校時代の長男も、たまには先生からほめらることもあったのですが、それは大抵「よく我慢したね」「苦手なことをよく頑張ったね」といった内容がほとんどで、辛抱強く周りとの衝突を避けられたら「〇太郎君、成長しましたね」と喜ばれました。そして長男は、授業中に元気よくトンチンカンな質問をしたり、「おれはこう思う!」と自分の意見を強く主張したり、あるいは他の人の意見に異議を唱えたりすると、失笑されたり、少々困惑されることが多かったようで、だんだんと発言自体をしなくなっていきました。ところが、中学の外国人先生の目から見れば、多少的外れな意見でも黙っているよりはずっとマシで、はっきり自己主張したり、人と違った意見を言えることのほうが、「大人びている」ように映るのでしょう。こういった空気感の教室では、長男は自分の個性を無理に抑え込む必要はなく、失敗を恐れずに遠慮なく発言できるので、授業参加が楽しくなったのだと思います。この日の出来事で、「その環境の文化や価値観、相手のものの見方の違い次第で、短所は長所になるのだ」と、私は改めて実感しました。出典 : ただし、私は日本式の価値観や学校教育を批判したいわけではありませんし、主に欧米的な外国式の価値観による教育が、全てにおいて「優れている、進んでいる」とまでも思いません。なぜなら、日本式の我慢強さや協調性の豊かさに価値を置いた、和を重んじる文化があるからこその、利点やいい面もたくさんあるからです。例えば、日本では、新型コロナウイルスの感染拡大が、都市部の人口密度の高さや高齢化などの不安要素が多い中でも、大部分の諸外国に比べて、これまでかなり抑えられてきたといえるでしょう。それは、「他人や家族に迷惑をかけてはいけない」と、一人ひとりが地道にマスク・手洗いを続け、大部分の人が自分勝手な行動を控えて、(暗黙を含む)ルールや順番を律儀に守って社会的な混乱や衝突を避けてきたことが、大きく貢献しているからではないでしょうか。こういった規律の高い国民性は、幼児教育・義務教育の間から、長年に渡って園・学校での集団行動等を通して、根気よく地道に培われてきた成果だと私は思います。現在高校生になったうちの長男も、以前は「日本は同調圧力が強くてオレには生きづらいから、将来外国で働きたいな〜」なんてボヤいていたのですが、コロナ後の経験を通して、日本の清潔で衛生的で、安心・安全度の高い環境の価値を見直したようで、「やっぱり、地元で進学・就職しようかな」なんて思い始めています。ですから、「どちらがより優れているか」ではなくて、ただ単に「文化や価値観の違い」によって、全く同じ1人の子の個性の見え方・受け止められ方が大きく変わってくる…というだけなのではないでしょうか。たとえ今、わが子が学校でほめられなくても出典 : ただ、今置かれている環境とその子の個性との相性次第で、周りから好意的・肯定的に受け容れられることもあれば、"問題児”として映ってしまうこともあるでしょう。ですから、わが子が学校でほめられる経験が少なかったり、集団行動が苦手で注意や叱責を受けやすいお子さんを育てている方は、お子さん自身と同じように、子育てに自信をなくしがちかもしれません。「協調性」や「我慢強さ」に価値を置く環境の中では、のびのびと個性を発揮できないお子さんも少なからずいることでしょう。でも、それは「1つの価値観」の中での「1つの見え方」に過ぎないのだと思います。たとえ、今いる場所でわが子がほめられなくても、環境次第・相手のものの見方次第で、その子の短所が長所に変わる可能性はいくらでもありますから。きっといつか、お子さんの素晴らしい個性のいいところを分かってくれる人や、その子に合った環境に出会えるはずです。それまで凸も凹も、大事に大切にされますように…。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2021年06月11日今だから言える小学校時代の「プール」での思い出Upload By かなしろにゃんこ。現在は23歳になったADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太。最近は「あのころはどう思っていたの?」と本人に話を聞いてコラムを書いています。そんな息子はまれに「今だから言うけど」と、とんでもエピソードをぶっちゃけることがあります。先日も「えー何やってんのよー」というものがありました。その中のひとつ『プールの話』を今回はお話しします。リュウ太はボディイメージがうまくできなくて5年生まで泳げませんでした。ですが、プールの授業は大好きで毎回参加をしていました。ですが小4のとき、プールに参加するために必要な体温や保護者のサインを記入する手帳を家に忘れてしまい参加できないことがたびたびありました。Upload By かなしろにゃんこ。ADHDあるあるなのでしょうか?普段から忘れ物に気を付けていても避けられないことがあります。水着バッグはきちんと持参したのに手帳を忘れてプールに入れない!そんな悲劇にリュウ太のテンションはダダ下がり!そんなときはプールサイドで漢字や算数のドリルをやりながら、みんなの泳ぎを見学することになっていました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。プールに入れないリュウ太が思いついたこととは!?忘れ物をした自分が悪いのですが、自分以外の人が楽しそうにプールに入っている姿にリュウ太は怒り心頭。「ドリルなんかやってられるか!だいたいプールサイドって眩しすぎて文字が読めないし書けないんだよ!」とブツブツ。『そうだ!ドリルをやらなくていい方法がある!』何かをひらめいたリュウ太はドリルを持ちながらプールから上がってきたみんなのところへ寄っていきました。そして話したり、じゃれたりしながら水が溜まった場所にわざとドリルを落として水浸しに!「ドリルが濡れちゃった、これじゃできません!」とリュウ太は堂々とドリルをやらなくていい大義名分を手に入れました。先生も「濡れたのなら仕方ないな」とそのときは大目に見てくれたのですが、その後もリュウ太はプールに参加できないときには毎回その手を繰り返し使い…当然ながら先生に故意にやっていることがバレて怒られる結果となりました。Upload By かなしろにゃんこ。この一件で『同じ手は3度通じないんだな』『ズルをするとすぐにばれるんだな!』と気がついたそうです。母は「普通は2回目にズルしたときに3回は怪しまれるからやめよう!」と考えるでしょう!とツッコミました。泳げないのでプールは苦手なのかと思っていたら、みんなと遊ぶ自由時間が楽しくてプールが大好きだったリュウ太。小学校時代を振り返って話してみると気づくことがいろいろあります。普段は周りの子と仲良くできないこともありましたが、水の中では裸のつき合いもありふざけ合って遊べたようでリュウ太にとってはプールの授業は大切な時間だったのかもしれません。Upload By かなしろにゃんこ。そのあと高学年、そして中学へ進んだときにはきちんと自分で自主的に検温して水泳参加カードに記入するようになりました。これもプール授業のおかげかな?と今振り返り、改めて思いました。このコラムをかいた人の著書LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月10日2、3年生のときの担任の先生は、親子共々相性ピッタリ!広汎性発達障害の娘は、小学5年生。小学2年生から特別支援学級に在籍し、娘を見てくれた担任の先生は、今年で3人目です。Upload By SAKURA特に小学2、3年生を担当してくれた先生は、1年生のとき、次年度(2年生)からの特別支援学級在籍が決まってからの慣らし時間も含めて、長い時間を娘と過ごしてくれました。私も娘も、この先生が大好きでした。娘のことをいつも褒めてくれ、私のことをいつも労ってくれる優しい先生で、「不安なことや心配なことはいつでも連絡ください」とメールアドレスも教えてくれ、私の個人的な相談にもたくさん乗ってくれました。Upload By SAKURA細かいことによく気がつく先生で、特別支援学級専用の連絡帳もつくってくれ、「今日は○○をしました」「○○を頑張りました」「○○の話をしました」という話を、先生は毎日びっしりと、書き込んでくれました。私からは、家であったことやパニックを起こしたときはその詳しい内容も書き、先生はそれを参考にしながら娘に接してくれていたそうです。密に連絡を取り合っていたおかげか、娘は日々とても安定していて、先生のことを、とても信頼していました。すっかり慣れた先生が代わる!?新しい先生に望んだことは…そんな先生が、担任ではなくなったのは、小学4年生のとき。私は、卒業まで見てほしいと思っていたので、正直とても残念でした。小学4年生、新しく担任になったのは、男の先生。娘は、学校内でその男の先生と何度も話したことがあるようで、問題なさそうでしたが、私はまったく面識のない先生でした。見た感じちょっと怖そうで、今までのように気軽にやり取りができるような雰囲気の先生ではありませんでした。Upload By SAKURAそこで私は、前任の先生と、新しい先生と、私の三人での面談をお願いしました。前任の先生から娘の特性を聞いていたようでしたが、私からも、もう一度、娘の特性や、こだわり、パターン、落ち着く方法などを話しました。Upload By SAKURAそして私は、前任の先生と2年間続いていた連絡帳を、新しい先生にも引き続きやってほしいと頼みました。気軽に言える雰囲気ではないからこそ、連絡帳なら書けると思ったのです。面談のおかげか、新しい先生は娘の特徴をよく理解して、対応してくれました。異性の先生というのもあって、電話での話はいつもぎこちないものになっていましたが、連絡帳はいつも丁寧に書いてくれていて、どんな会話で盛り上がったかなども書かれていました。前任の先生よりは、直接のコミュニケーションが少なめではありましたが、娘がパニックを起こしたときや、不安なときの情報の共有は、連絡帳でしっかりできていました。Upload By SAKURA新しい5年生の担任の先生とも、密に情報共有。そして今年度、小学5年生になり、また担任の先生が代わりました。今度は、新しく小学校に赴任してきた女の先生。感染症予防対策などピリピリした時期だったので、面談をお願いするべきか迷っていたのですが、4年生のときの先生が新しい先生と私を、新学期が始まる前に会わせるため、3人での面談をセッティングしてくれました。さらに、娘の情報も共有してくれ、連絡帳の継続も決めてくれ、とてもスムーズに話が進みました。Upload By SAKURA新年度が始まって、2ヶ月経ちましたが、情報の共有と連絡帳のおかげで先生とはとても密にやり取りができています。娘の特性上必要なフォローも、こちらが言う前にしてくれますし、娘も新しい先生にすっかり慣れました。私の経験上、新年度が始まる前の(前任、新任の両先生を含めた)面談と、密にやり取りができる連絡帳というのは、必要不可欠だったと感じています。特に連絡帳は、親としての不安も解消され、言いにくいことも気軽に書けます。来年の担任の先生がどうなるかわかりませんが、引き続きこの二つは続けたいと思っています。皆さんも、定期面談の機会を、是非活かしてみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月09日”機嫌がよくても悪くても”止まる宿題たちUpload By 丸山さとこ※濃度の高い水溶き片栗粉を作ると、急激な変形に対しては固体のように反応するダイラタント流体になる。おもしろい実験として”液体の上を走る実験”などが有名。学校から帰ってくると、おおむね機嫌のよいコウです。「家が一番落ち着くし好きなんだ~」というコウは、「家に帰ってきた時点である程度うれしくなる」と言います。コウの機嫌が良いと親の私もうれしくなりますが、機嫌が良いときのコウは”気になること・思いついたこと・今日あったできごと”で頭がいっぱい!おしゃべりが止まらなくなってしまいます。Upload By 丸山さとこ止まらないおしゃべりに反比例して止まっていく手元…そして進まない宿題たちに、「止まってるよー」「その話はあとでゆっくり聞かせてね」「時計見て。時間大丈夫?」などと頻繁な声がけをしてしまう私です。私から声をかけられる度に「そうだね!」「あ、そうだった」と宿題を再開するコウですが、10秒もたたない内に「そういえばね…」が始まります。機嫌はいろいろでも「やることをやる」ためにおしゃべりが止まらなくなってしまうコウには、今のところタイマーが効いています。Upload By 丸山さとこ「タイマーが鳴るまでは、図書室や美術館と同じように黙って静かに行動しよう」とすることで、「今は黙ってる時間だった!」と思い出しやすいそうです。その時々のようすを見ながら、「30分集中するぞ!」「今は15分かな~」というようにコウが時間を決めてタイマーをセットしています。コウの場合、機嫌が悪いときは疲れが溜まっていることが多いため、小さく休憩をはさみながら作業を進めるようにしています。Upload By 丸山さとこその際、漢字の書き取りなら各行の冒頭部分だけ書いたり、算数なら問題(式)だけを書き写したりしておくと、あとで「何してたんだっけ?」とならずに進められるようです。また、”目線を大きく動かして書き写す作業”が苦手なコウにとっては苦手な作業を分割することで楽になるところもあるようです。何をどうやってもできない日はある…!?以上のようにコンディションを整えたり工夫をしたりしても、どうしても宿題が進まない日はあります。「漢字ドリル3時間コース」「半分も終わらない内に力尽きる計算ドリル」などはわが家にとって”あるある”なパターンです。Upload By 丸山さとこ”絶対に出さないといけない”とすれば入浴や就寝などの日常生活が圧迫されるものの、”できたらでいいよ、なるべく出そうね”などとフワッとした態度でいるわけにもいかないのが宿題です。親の私としても、『促しはするけれど…強制したところで地獄絵図だしな~!!』というジレンマを抱えつつ見守る毎日の中、”やれるだけやろう”という曖昧な方針になってしまいがちな、わが家の宿題事情でした。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月07日答えを導くための支援の手立てにーー『子どものつまずきからわかる 算数の教え方』放課後等デイサービスなどで学習支援に関わった筆者・澳塩渚さんが数多く見てきた『算数のつまずき』。この本は子どもたちの発達によってどのように数理解が進むのかを理解し、子どものつまずきをアセスメントしながら必要なサポートに取り組めるようにつくられました。数学を学ぶ前に理解しておきたい数理解のステップを①大きい・小さい ②まとめる・分ける ③対応させる ④数えていくつ ⑤合成・分解と5つに分類し、項目ごとに丁寧に説明。小学校入学後に算数でつまずきを抱えてしまった場合、このステップをさかのぼってチェックすることによって子どもがどこでつまずいているのかわかり、適切な支援を行うことができます。もちろん、足し算、引き算、九九、わり算、小数や分数、時計の読み方、文章問題の解き方など小学校4年生程度で学習する内容をつまずきやすいポイントの例を挙げ、かわいいイラストを交えつつ丁寧に説明。子どものやる気を引き出す手助けになりそうな、数の理解をサポートする商材の紹介もあります。これから小学校に入学する子、今まさに算数を学んでいる子、そしてうまく学べないまま学年が上がってしまった子の『学びなおし』にもおすすめの一冊です。レシピ70点×育児書では教えてくれない子育てエッセイ『食べないっ子も、いただきます!うちのやさしいかいじゅうごはんレシピ』「毎日の食事を楽しんでほしい」そんな気持ちから生まれた料理研究家ママと感覚過敏をもつ長男とのごはん時間を描いたエッセイ本です。発達遅滞の診断と感覚過敏のある、著者・あまこさんの長男・そうりくん。料理には興味があっても食事にはあまり関心がないそうりくんのおうちでの「7つのルール」など楽しく食事をするためのヒントがたくさん詰まっています。朝ごはん、おやつ、お弁当、夕ごはん、行事ご飯などカラー写真と共に70レシピが掲載。キャンプレシピなどもあり、どれも簡単につくれておいしそうなものばかりです。食材を食べやすくする工夫、食器などのお役立ちツールなども紹介されています。そうりくんの成長の様子や、子どもの偏食に詳しい田部絢子先生に聞いた食事の「こまった」を解決する子どものごはん支度が楽になる5つの視点など、子どもの食事に困りごとを抱えている保護者の方に読んでいただきたい一冊です。怒りを笑いに変える!?『ぼく、わたしのトリセツ』大阪の小学校で教師を務めている著者の松下隼司氏が、アンガーマネジメント(怒りの感情のコントロール)を突き詰めるなかで編み出したテクニックを絵本化したのが『ぼく、わたしのトリセツ』です。この本にはいつも怒られてばかりの『ぼく』と『わたし』の扱い方が描かれています。一度拗ねてしまうとたとえ自分が悪かったとしても謝ることができない子。そんな男の子にどうやったて接したらいいでしょうか。それは給食の時間に話を聞いてあげること。スムーズに問題が解決します。さらには『おかわりタイム』の時間が効果的。あっという間に謝ってくれるでしょう。謝ったら“メガもり”にしてあげてください。このように『ごめんなさいが言えない子』『けんかばっかりしてしまう子』『つい、えらそうにしてしまう子』などなど、ご家庭でも悩みの多い問題に対して、ユーモアを交えた解決方法を提示しています。自分の怒りの感情をコントロールしようとアンガーマネジメントの資格を取得し、ファシリテーター、キッズインストラクターの資格も取得した著者が行きついた『怒りを笑いに変える』ということ。子どもをついつい怒ってしまう…そんな保護者の方にぜひ読んで頂きたい一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月05日療育と園の連携で私が感じた効果Upload By koto娘が通っている事業所は、保育所等訪問支援事業を行っているので、制度を利用する手続きもスムーズでした。園での困りごとや娘に対しての接し方、対処法などを直接それぞれの先生同士で話し合っていただいたり、訪問して園での様子を見ていただいたりしていました。定期的な訪問ではなく、困りごとが強く出ているときにお願いしていました。私も一緒に行くわけではないので、娘の様子や園との話し合いの内容などは訪問後に教えていただきました。特性のある子への接し方や対処法を直接専門家の先生と相談できるので、園のほうから連携をお願いされることも。また、特性のある子への接し方は定型発達の子にとっても分かりやすい接し方だったりするので、他の子たちも園生活や学校生活がスムーズになることも多いようです。例えば、次の行動に移るまでに時間がかかってしまったり、切り替えが遅かったりする娘。療育の先生と園の先生で連携をとっていただき、分かりやすいようにタイマーを利用してもらっていました。それによって、あとどれくらいでお昼ごはんを食べ終われば良いか、工作をあとどれくらいで完成させれば良いかなど、本人にとって分かりやすくなったようで、次の行動への切り替えがスムーズになったこともありました。この取り組みはクラスのほかの子にとっても効果的だったようです。ありがたい専門家の方の存在Upload By koto特性のある子を育てている保護者は、その子と何年も向き合っているとはいえ、専門家ではないため対処法が分からないという状況もたくさんあると思います。私もその1人です。園での困り感を先生やほかの人から相談されたけれど、どう対処していいか分からず困ってしまったとき。間に入って連携を取ってくださる専門家の先生がいると、とても安心です。トラブルなども、子どもから聞く話と先生から聞く話、ほかの子から聞く話では違っていたりすることがあります。間に入って冷静な判断をしてもらえると改善することが明確になったり、頭が冷えることもあるので、連携をとってくださる先生の存在はとてもありがたいものです。また、学校や園の先生からしても、保護者には直接言いにくい困り感などがあったとき。連携の先生に相談していただくこともできるので、両者にとってメリットがあると思います。保護者だけではつい感情的になってしまったり、どうしていいか分からず頭を抱えてしまう場面でも、専門の先生が間に入ってくれることで、スムーズに解決できることが多いのではないでしょうか。もし、通っている療育機関が保育所等訪問支援事業を行っていないとしても、相談に乗ってもらったり、対処法や接し方を教えていただいて、それを家や学校で試してもらうこともできます。1人で抱え込まないよう、利用できる制度があれば頼ったり相談してみても良いと思います。過ごしやすい環境や状況を協力してつくっていくUpload By kotoいずれにしても子どもや先生、クラスの子たちが過ごしやすい環境や状況を、協力してつくって行くことが大事なので、園や学校の先生との良好な関係性が必要だと思います。頻繁に訪問をしてもらったり、連携をとっていただくのは先生方にとっても大変なことなので、日ごろからどちらの先生とも情報交換を自身で行い、試行錯誤しながら解決していければと思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月04日仕事での学校との出会い僕が最初に「学校」というものに触れたのは、児童精神科医として勤務しはじめてすぐのころでした。当たり前ですが、発達障害や不登校の子どもは学校でも困ったことが発生します。ですから、患者さんが先生方やスクールカウンセラーと一緒に外来を受診することもありました。ところが、僕が小学校を卒業したのはその時点で20年以上前です。外来で話を聞いても「この子が困っている学校って、そもそもどんな場所だったっけな…」とあまりうまく想像ができませんでした。そこで「現場では実際にどう困っているのか」に興味が湧き、折に触れて「学校に行ってみたいです」という話をしていました。学校から仕事が来たそんなことをあちこちで言っていると、少しずつですが学校から仕事の依頼を頂くようになりました。教員向けの研修講師や、ケースのコンサルティング(困っている子どもの様子を観察して教員にアドバイスする仕事)です。そうやって少しだけ学校に出入りするようになった僕は、そこで3つのことを感じました。1 先生たちは納得していない2 自分で見ないと分からないことがある3 やっぱり学校は良い場所だ学校で仕事をして気づいたこと研修では一般的な話もしますし、質問があった場合には具体的なケースの対応策などもお話しします。熱意があって前向きな先生は一生懸命聞いてくださるのですが、全体研修ではそんな先生ばかりではありません。うしろのほうで眠そうにしているベテランの先生や、明らかに興味のなさそうな管理職の先生もおられました。僕が国立病院の医師として「外部講師」に招かれ、話をしている限り、研修を受けても意識は変わらないんだろうなと思いました。その場では「貴重なお話をありがとうございました」とお礼を言ってくださっても、職員室では「あんなことできるわけない」と話しているのではないかと。そこで僕は「外の人」ではなく「中の人」になればいいんじゃないかと思ったのです。先生方がなぜ興味が持てないのか、なぜ納得できないのか、どうすればできるようになるのか。僕が外から偉そうなことを言ってるだけではだめなのではないかと。学校の様子は、診療中には子ども本人や保護者の方から伺います。しかし、見たことのないものは想像することができません。先ほども書きましたが、僕が自分の学校に行っていたのは20年前の話で、しかもいま働いている場所ではありません。時代も地域も違う学校のことを想像するのは難しい。実際に見てみた学校では「授業中立ち歩くってこういうことか」「この位置関係だと先生が個別に指示するのは難しいな」など、現場を見るからこそ気づくこともたくさんありました。僕が学校に行ってみた一番の感想は「学校は良いところだ」です。たくさんの子どもたちが生活を紡いでいて、彼らの成長を願っている大人たちが一生懸命に働いている。一見つまらなく感じるかもしれないような、小さなこと一つひとつを大人と子どもがお互いの視点から悩み、より良い人生になることを願っている。こういう「素敵な祈り」がある場所に、もっと触れていたいなと感じました。学校の「中の人」になりたいそんなエピソードもあり、僕は学校の「中の人」になる方法はないかと考えました。そうやって悶々としていたある日、友達のスクールカウンセラーから「精神科医はスクールカウンセラー採用試験の受験資格あるよ」という話を聞きました。なぜ採用対象に医師が入っているのかは謎でしたが、一も二もなく採用試験に申し込み、無事に東京都教育委員会に採用されました。中の人になってみて思うのは、やはり現場を知らずにコメントをしても実効的ではないということ。そとからの「こうあるべき」と学校現場がマッチしないことはしばしばありますし、全体の流れの中でしか分からないこともあります。定期的に見ているからこそ分かることや、先生たちの考え方、思い、できることとできないこと。教育行政のカタさや、一方でどういう方法ならその難しさをクリアできるのかなど、新しい学びがたくさんあります。(詳しくは次回以降で触れられればと思います)また、実際に働いてみると学校現場は楽しく、生き生きとしたものだと感じています。(ただ、子どもたちのエネルギーを浴びてものすごく疲れますが…笑)※厳密にはスクールカウンセラーは「学校の中の人」ではない立ち位置なのですが、僕的には「中の人=学校で定期的に働いてる人」でいいかな、という整理です。とにかく学校はいい!しつこいようですが、学校というのは本当に素敵な場所です。たくさんの大人が、たくさんの子どもの成長と幸せを願っています。(保護者の方によってはそうは思えないこともあると思いますが、基本的には学校関係者は善良で前向きな方が圧倒的に多いと思います)そういう場に身を置くことによって、また僕自身も子どもたちの未来に思いを馳せられる。誰かの暮らしの中で働くと、こういう楽しみがあるのだなと感じています。
2021年06月01日小3で聴覚過敏の診断Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ聴覚過敏と診断されたときに聞いた、「内耳の成長とともに、聴覚過敏が改善されることもある」という医師の話を思い出し、「これはもしや良くなる傾向では?」と勝手に浮かれてしまいました。今春、5年生になり、コロナ禍の不安な新生活は続いていきます。すると…Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ再びイヤーマフが必要に再び、イヤーマフが手放せなくなった娘イロハ。いったんは「快方に向かっているのでは?」と勝手に思い込んでいた私は、娘の発言に多少ショックは受けましたが、聴覚過敏は、ストレスや疲れが大きく関係することもあるのだということを思い出しました。考えてみれば、大人の私でさえ、なかなか収まらないコロナ禍でストレスを抱えています。昨年からマスク生活を強いられ、本来ならば一番友達と密に遊びたい時期だというのに、距離を取り大声を控える生活は、小学生にとって苦労の多い生活だと思います。新しい生活をスタートした娘には、過敏にならざるを得ない環境下なのだろうと理解し、あせらずゆっくり見守ることにしました。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年05月31日