サカイクがお届けする新着記事一覧 (21/34)
指導者の皆さんの悩みで一番多い「保護者対応の悩み」。実際どんなことに悩みを抱えているか、些細なことでも構わないのでサカイクに聞かせてください。現場の皆さんがどんな悩みを抱えていて、サカイクにこんな記事があると保護者に伝えやすいのに......などメディアに求めることなどを教えてください。指導者の皆さんの悩みを解決すべく、今後の記事制作の参考にします。11/25(木)19:30~オンライン座談会も開催します。些細な悩みを吐き出す場としてもOKですのでぜひ皆さんお気軽にご参加ください。アンケートはこちら>>
2021年11月18日「うちの子サッカーノートが書けなくて」「サッカーノートが続かない」そんな悩みを持っているお父さん、お母さん必見!このたびサカイクが、「サカイクサッカーノート」を使った書き方セミナーを開催します。サッカーが上手くなるためにもサッカーノートを書けるようになってほしいという親の願い。ですが、最初は中々書けなかったり、3日坊主で終わってしまったりして習慣化が難しいと感じている方も多いですよね。シンキングサッカースクールでも導入し、子どもたち自身も「目標を立てることができるようになった」「書くようになって上手くなった」と実感しているサカイクサッカーノート。今回のセミナーでは、1日10分で書けて誰でも成長を感じられる魔法のノートを使って、子どもがサッカーノートを書けるようになるにはどんな風にすればいいのかを、サカイクキャンプの菊池健太コーチが教えます。子どもにサッカーノートが書けるようになってほしい親御さん、サッカーを始めたばかりでサッカーノートの書き方が分からない子を持つ親御さんなど、サッカーノートの悩みを持つみなさんの参加をお待ちしております。※お子さんとご一緒に受講いただくことも可能です。■開催概要日時:11/27(土)19:30~20:30(要確認)形式:オンラインお申込みはこちら>>対象:サッカー少年少女の保護者(お子さんも受講いただけます)参加費:無料(オンライン会議システムを利用上の通信費用などは自己負担)配信は「Zoom」を使用いたします。※ZoomミーティングのURLは後日お送りいたします。配信前にZoomの無料サインインを推奨致します。※注意事項・視聴するネットワーク環境によって、映像がスムーズに閲覧できないことがございます。・インカメラが付いているPC、タブレット、携帯電話での視聴にご協力をお願いします。サカイクサッカーノート書き方セミナーへのお申し込みはこちら>>問い合わせ先info@sakaiku.jpメールの件名に「サカイクサッカーノートセミナー」と入れてください
2021年11月18日サッカーの技術だけでなく、人間的な成長を促すサカイクキャンプ。実際参加した子どもにどんな変化があったのか、親御さんは成長を感じているのか。気になる方、いますよね。この夏のサカイクキャンプに参加してくれたお子さんと親御さん、それぞれの声を聞いたのでご覧ください。サカイクキャンプ参加前は、サッカーを辞めようと思っていたという3年生のジュンヤくんとお父さんにお話を伺いました。キャンプから数か月たった今、ジュンヤくんはサッカーを続けています。「目標を掲げ、積極的にプレーするようになった」という見違えるほどの成長もみられるそう。3日間のサカイクキャンプでのジュンヤくんの変化にご注目ください。(取材・文:小林博子)サカイクキャンプ<<夏キャンプ参加者の声子どもたち自身が「考える力がついた」と実感するキャンプで、コーチたちが行っている声掛けと「ライフスキル」指導とは■サッカーだけじゃないキャンプという点に惹かれて参加キャンプに参加することを促したのは、ジュンヤくんのお父さんでした。まずはサッカーの技術向上につながるスクールを探していたこと、そして生活習慣を改善するきっかけを探していたことも理由でした。コロナ渦で自宅で過ごす時間が長くなるにつれ、ゲームや動画配信サイトなどに触れる時間が多くなってしまい、生活リズムの乱れに頭を悩ませていたそうです。「3日間でサッカーの技術が大きく伸びるとは正直期待しておらず、どちらかというと心の成長を期待して参加させました。そういうところにも重きをおいているサカイクキャンプは今のジュンヤにぴったりだと思いました」(お父さん)■キャンプ後はゲームをスパッとやめられるようになった実際、キャンプ後のジュンヤくんの生活態度は大きく改善されたそう。お父さんは「例えば、お風呂にはいりなさいと声をかけると、それまではだらだらとゲームを続けてなかなか入らなかったところ、今ではすぐにゲームを終わらせて入るように。小さなことですが、規律が身に付いた証だと思います」と話します。ジュンヤくん本人に、どうしてそうできるようになったのかも聞きました。「サカイクキャンプではみんなと過ごすから、時間になったらパッと動かないといけなかった。そうしてみたら、そのほうがちゃんとできて気持ちよかったです。ゲームはだらだらやっていてもきりがないと思えるようになりました」と、なんとも優等生的な返答が!そう答えるジュンヤくんの横で、ニコニコとしているお父さんの表情が印象的でした。ゲームやスマホの使い過ぎに頭を悩ませている親御さんも多いはず。サカイクキャンプでは、それらは期間中スタッフが預かります。3日間のデジタルデトックスができるという意味でも、キャンプは子どもたちにとって貴重な体験になるでしょう。■子ども扱いせず、一人ひとりと本気で向き合うジュンヤくんがサッカーを辞めようと思っていた理由は、自分のプレーに自信が持てなかったことや、チームメイトとのコミュニケ―ションに悩んでいたことなどがありました。できないことやうまくいかないことは、まわりの人や環境のせいにして諦めてしまいがちな性格でもあったため、所属チームで孤立することもあったようです。そんなところはキャンプ中も見られましたが、コーチたちはジュンヤくんに本気で向き合い、時間をかけて話すことを根気よく続けました。キャンプに帯同した菊池コーチは、こう話します。「チーム活動をする少年団やクラブチームでの活動は、勝つことや技術の習得など、サッカーそのものがメインです。対してサカイクキャンプは心の成長やピッチ外での行動も重視しているため、子どもたち一人ひとりの内面としっかり向き合います。子ども扱いせずに真剣に話します。そして、その後の行動が良い方向に変わればちゃんと認める。そういったことの繰り返しで、ジュンヤくんもだんだんどうしたらいいかを理解してくれたように思います」キャンプ中、ジュンヤくんは5つのライフスキルのうち「コミュニケーション」をしっかり理解し、大きく伸ばすことができました。苦手だった気持ちのコントロールもできるように。サッカーではチームメイトとともに協力し合い、3日目の試合では勝利。ジュンヤくんがキャンプで一番嬉しかったのは「試合で勝ったこと」とのことですが、その勝利の裏側には、ジュンヤくんの変化が大きく影響したといえそうです。「親が言ってもなかなか受け入れてもらえないので、第3者のプロのコーチが本気で向き合ってくれたことで、素直に受け入れることができたのだと思います」と、お父さん。キャンプ参加の一番の目的であった心の成長を実感してくれていました。自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>■心の成長がプレーにも現れる好循環に諦めない姿勢、人や環境のせいにしないこと、仲間とのコミュニケーションなど、3日間で伸ばしたこれらのスキルを味方に、サッカーでは「自信」が育まれました。ジュンヤくんに自信がついたかを聞いたところ、「はい!」と元気に即答。「3日目にいいプレーができたし、サッカーが上手な子たちと同じチームで試合ができたから」と、理由も言葉にすることができました。たくさんの「できる」を繰り返し、チャレンジすることを怖がらなくなったことで、キャンプ後のチームでのサッカーでも「ボールに絡むシーンが増えた」とお父さんは感じているそうです。ポジションはディフェンダーのジュンヤくん。「抜かれても追いかけるようになった」という変化も。お父さんは「かつては自分に自信が持てないことがプレーにも現れ、持っている力を発揮できていないシーンも多かったと思います。でも今はそうじゃない。自信がついたことで積極的になり、サッカーにも良い影響がありました。結果としてサッカー上達にもつながったと思います」と、手応えを感じてくださっています。■こんなときだからこそ、サッカーができることに感謝しよう最後にお父さんは、「毎日サカイクのfacebookで子どもたちの様子を報告してくれたり、しっかりとした体制で運営されている点も魅力でした」とキャンプに子どもを預ける親の心境も話してくれました。コロナ渦での開催となった前回のキャンプでは、感染対策を徹底するため、食事など生活面でのプログラムの変更を余儀なくされています。たとえば毎回子どもたちが楽しみにしているバーベキューは行わないなど残念な変更も。親御さんが安心して子どもを送り出せ、子どもたちは安全に過ごせることが第一です。「そんな中でも、サッカーができることの喜びや、キャンプに参加させてもらえることに対する感謝の気持ちは、以前より強く伝えています」とコーチたち。寒くなると風邪やインフルエンザなどが流行しだしますので心配だと思いますが、子どもたちはどんどん成長していきます。安心安全な環境下で真剣にサッカーと向き合う3日間は、こんなときだからこそ貴重な体験になるのかもしれません。親元を離れて過ごすほんの3日間で自信をつけて帰ってくるキャンプ、純也くんも、参加したいけど迷っている子がいたら「僕も行ってみたけど大丈夫だったから、行ってみたら?』とアドバイスする」と断言してくれました。なんだか自信なさげにプレーしている、どこか楽しくなさそう、と感じている親御さん、サカイクキャンプでお子さんの自信を取り戻しませんか。初心者でも自然と長く書けるようになるサッカーノートとは>>
2021年11月17日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「相手が寄せてきている状況でボールコントロールの判断が上手くできない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。試合中は、ボールを持っていると相手がボールを奪おうと寄せてきます。その時にボールを足元に止めるか、コントロールして相手から大きく離れるのか、的確な判断をしてボールコントロールしなければなりません。しかし、初心者はその判断が上手くできず、相手にボールを奪われてしまうことがあります。今回は、広いスペースがなくてもできる、試合の中で状況判断を伴って適切なプレーができるようになる練習を紹介。親は難しい動きはありません。【やり方】1.親がボールを持って、数メートル離れて立つ2.子どもの足元にボールを転がし、親は子どもに寄せる3.ボールを奪いに行くと見せかけ、途中で止まってみたりアレンジする【トレーニングのポイント】・相手がどんな風に寄せてきているのか動きをよく見る・激しく寄せてくる場合はコントロールで相手から離れる・激しく来ると見せかけ、少し距離を持って止まったら足元にコントロール・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年11月16日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「浮き球をコントロールしてパスを出すまでの動作が遅い」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。試合中は、浮き球のパスを使う場面がたくさんあります。しかし、初心者は浮き球のボールの処理に慣れていないので、ボールを受けてから味方にパスを出すのが遅れてしまう事も多いもの。今回は、広いスペースがなくてもできる、浮き球のボールを足元で受けて素早く味方にパスがができるようになる練習を紹介。親は難しい動きはありません。【やり方】1.親子で対面して立ち、親がボールを持つ2.親が子どもに向かって山なりのボールを投げる3.子どもは足元でコントロールして返す4.慣れたらコントロールからパスへの動きを速くする5.子どもが速い動きに慣れたらノーバウンドのボールを投げる6.インサイドやアウトサイドなど、様々な場所でコントロールするなど試合を意識した動きを入れる【トレーニングのポイント】・最初はインステップに当てて勢いを抑える・コントロールから次のプレーまでを速くする意識を持つ・蹴りやすいところにボールを置く・コントロールがずれてもあわてずに落ち着いてやり直す・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年11月15日サッカーの技術だけでなく、人間的な成長を促すサカイクキャンプ。実際参加した子どもにどんな変化があったのか、親御さんは成長を感じているのか。気になる方、いますよね。この夏のサカイクキャンプに参加してくれたお子さんと親御さん、それぞれの声を聞いたのでご覧ください。愛知県に住む小学4年生のリュウノスケくんと1年生のシュンノスケくん兄弟は、今年の富士キャンプ(静岡会場)が初めての参加でした。兄弟そろっての参加ではありますが、1年生のシュンノスケくんが親元を離れて宿泊を伴うイベントに参加するのは初めてだったそう。話してくれたエピソードや感想は「低学年での参加はまだ早いかな」とお思いのお子さんや親御さんのご参考になるかもしれません。(取材・文:小林博子)夏のサカイクキャンプに参加したリュウノスケ君(左)とシュンノスケ君(右)兄弟<<夏キャンプ参加者の声「自信がなかった息子がキャンプ後も自信をもって声掛けができるようになった」理由■サカイクが提唱する「自分で考えて決める力」に共感サカイクキャンプ参加は、ご両親からの提案でした。お母さんはこう話します。「なんとなく始めたサッカーでしたが、お兄ちゃんの学年が上がるにつれて、ポジションやレギュラー争いなどで親の欲のようなものも出てきていました。そんなモヤモヤした気持ちで過ごす日々を送っていた時に出会ったのが、サカイクの『自分で考えて決められる賢い子供 究極の育て方(KADOKAWA)』でした。1冊読み終わるころには、夫婦ともに気づくことが多くモヤモヤした気持ちも一気に晴れ、強く共感。そのメソッドを子どもたちに体感してもらいたいと、キャンプへの参加を提案しました」試合の結果について自宅でもダメだしをしてばかりだった頃にこの本を読み、子どもたちにサッカーを通して学んで欲しいこと、どんな大人になって欲しいかに着目するようになったそう。ご両親が心から望むのは、サッカーを通して自分で考えて行動する力を養ってほしいということです。子どもたちへの接し方も変わったそうです。ご自宅ではサカイクのYouTubeチャンネルを2人に見せ、子どもたちも共感。サカイクキャンプで本格的に体験することを2人とも楽しみに当日を迎えました。■自分で考えて行動する力が身に付くキャンプ参加後の取材では、シュンノスケくんは「自分で考える力がちょっとついたと思う」とはにかみながら教えてくれ、お兄ちゃんのリュウノスケくんは「考える力とコミュニケーション能力に自信がつきました」とりりしい表情で話してくれました。キャンプに帯同した柏瀬翔太コーチによると、まずリュウノスケくんは「考える力」に違いが現れ、初日より2日目、そして最終日には5つのライフスキルを理解した行動がとれるようになったとのことです。例えば、チームを組んで試合をする際、ミスをしたチームメイトにかける言葉が相手を敬い、前向きな言葉になったなど、例を挙げればきりがありません。それは、キャンプ後のチームでの活動でも活かされているといいます。キャンプ初日に学ぶ「5つのライフスキル」は、考える力のほか、感謝の気持ちやコミュニケーション、リーダーシップなど、サッカー選手としてはもちろん、これから生きていくうえで大切なスキルばかりです。それは、ご両親が願う「サッカーを通して学んでほしいこと」にほかなりません。■低学年は「感謝」「チャレンジ」にフォーカスサカイクキャンプでは、低学年の子どもたちには5つのライフスキルのうち「感謝する心」と「チャレンジ」の2つについて話します。感謝の気持ちは、3日間の生活の中でコーチが少しずつ実感させてくれます。例えば、衣類や道具を自分で片づけることで、普段道具を買ってくれたり、洗濯や手入れをしてくれているご両親への感謝の気持ちに気づくこと。サッカーグラウンド以外の場所でも学ぶことはたくさんありました。チャレンジは、「失敗してもいいからやってみる」ではなく、「失敗を怖がらず成功するようにやってみる」という姿勢を重視します。「"ダメでいいからやってごらん"ではなく、考えてチャレンジするように声をかけ、できたことを認めます」と柏瀬コーチ。最年少の1年生で参加した弟のシュンノスケくんは、キャンプで嬉しかったことを聞くと「サッカーのプレイでスーパー1年生って言われた!」とはじけるような笑顔で教えてくれました。自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>■キャンプでは低学年も自分の荷物を自分で片づけたり、身の回りのことを一人でやるコーチによると、シュンノスケくんは試合中、周りをしっかりと見てその時に最善となる行動(ドリブルで突破するのではなくパスを出す......など)にチャレンジでき、それが結果につながったことから最上級の誉め言葉である「スーパー1年生」という表現を使ったそうです。シュンノスケくんが宿舎で自分の荷物を一生懸命片付けていた姿も印象的で、そんな生活態度も含めての褒め言葉だったそうです。低学年において、5つの中で「感謝」「チャレンジ」にフォーカスしているのは、わかりやすい聞きなれた言葉であることと、サッカー以外の生活の場でも発揮できるスキルであることが理由です。その2つが身に付けば、おのずと残り3つにもつながっていく点も加味しています。「私たちは学年に関わらず、子どもたちの5年後、10年後の姿を想像して指導しています。大人になったときに迷わず、自分で考えて決められる人になってもらうためにはという観点で接しています」と柏瀬コーチ。その学年に応じた理解しやすさや実践しやすさを計画的にプログラムし、長い目で「ライフスキル」の構築をサポートします。子どもたちは大好きなサッカーを通して、サッカーの技術だけでなく、かけがえのない一生もののスキルを身に着けて帰っていきます。■褒められ、認められるサッカーで自信も育もうキャンプ中は、些細なことでも褒められ、認められ、子どもたちは自信をつけていきます。「所属しているクラブチームでは試合に勝つために、サッカーの技術やチームプレーを学ぶ場所。時には厳しいことを言われて自信を失って帰ってくる日もあります。それに対してサカイクキャンプは自信を付てくれる場所である点も魅力的です。親ではなく第3者から褒められる機会はこれからもたくさん作ってあげたい」とお母さんは話してくれました。「また参加したい!」と口をそろえて言うシュンノスケくんとリュウノスケくん。親御さんも「スケジュールが合えばぜひ参加させたい」と言ってくれました。初心者でも自然と長く書けるようになるサッカーノートとは>>
2021年11月15日ボールに集中しがちで、パスをくれる相手にまっすぐ向き合ってしまうので、簡単にボールを奪われたり、パスを受けた後の動作がもたつく。「いい状態」でボールを受ける身体の向きを身につけさせる方法を教えて。というご相談をいただきました。みなさんのチームではどんな練習をしていますか?今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、お勧めの練習メニューを提示しながらアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<浮き球が苦手で、ルーズボールもバウンドが収まるまで奪いに行かない。浮き球への対応を身につけさせる練習メニューはある?<お父さんコーチからのご質問>池上さんこんにちは。サッカー経験はありますが、低学年への指導となると自分がプレーするのとは勝手が違い、どう教えればいいか思案しています。アドバイスをいただけますと幸いです。子どもの入団がきっかけで、私も保護者コーチとしてかかわるようになったので、指導者ライセンスなどは取っていません。今回相談したいのは、身体の向きについてです。どうしてもボールに集中してしまいがちで、パスをくれる味方の方にまっすぐ向き合ってしまい、ボールを奪われたり、パスを受けた後の動作がもたついてしまいます。視野の確保が大事なのは自分も理解しているのですが、低学年に上手く理解させる指導ができてない気がします。マークしている相手と味方を見て、いい状態でボールを受けるための身体の向きを身につけさせるためのお勧めの練習などがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。おっしゃる通り、いい状態でボールを受けるための身体の向きを身につけるには、視野の確保が重要です。8歳以下であれば小学2年生でしょうか。そのくらいからサッカーの認知力をつけるためにも、それに関連したトレーニングをぜひ行ってほしいと思います。■4ゴール方式で選択肢を与え、考えさせる練習の方法で一番いいのは、ミニゲームや3対3、4対4などの対人練習の際に4ゴール方式にすることでしょうか。ゴールをそれぞれ2つずつ置くと、左右のゴールどちらを目指してプレーするかといった選択肢が生まれます。そんなトレーニングのなかで、子どもたちに問いかけます。「左から右に行こうと思うと、どんなふうにすると速く行けますか?」そんなことを考えてボールを受ける、相手をかわすといったことを課題にします。そんなことを仕組んでおけば、その子なりの身体の向きを見つけられます。それなのに「こうすると全体が見えていいでしょ」と日本では教えてしまいます。そうではなく、子どもが自分で考えて発見して実践したほうが、自分のものにするスピードは絶対的に加速します。「そのプレーの前に、そこ見てましたか?」「右も見えるようにするためには、どうしたらいいかな?」問いかけて、考えさせる。私が常に指導者の皆さんに伝えていることです。■スペインの名門、ビジャレアルで行う幼児への指導スペイン在住の佐伯夕利子さんが日本に住むわれわれに伝えてくれた、ビジャレアルの幼児の映像があります。驚くほどスムーズにパスがつながります。あのように視野をつけ、身体の向きを見つけてもらうには、プレーする子どもたちの頭の中をコーチはのぞきながら指導しなくてはいけません。「今、何を考えてプレーしたの?」「今、どこみてたの?」そうやって問いかけると、その子が何か考えてプレーしていたのか、何も考えていなかったのかがわかります。「ゴールが右と左にあるよね。両方をみていると、どちらにいけばいいかがわかるよ」そう話した後で、両方のゴールを見ていたけれど、ボールをもらう身体の向きが悪かったり、最初にコントロールした場所が適切でなかったりしてプレーが遅くなり味方にパスできなかったとしましょう。そこで初めて「早くプレーするためにどんな体制?どこでもらう?」と核心に触れるのです。ミニゲームや練習の中で身体の向きを指導する時に、フリーズをして、コーチがパス出すからねと、やってみる。よく言われる「切り出し」の練習です。課題を切り出して練習します。そこを通過したら、次はミニゲームで試してみます。ただし、切り出しの練習は、そのスキルが確実にできるようになるまで続ける必要はありません。数回やったら、すぐに実践練習に戻します。そのなかで似た場面が出てきたら、どこかのタイミングで「それ、さっきやったよ」と声をかけます。いちいちプレーを止める必要はありません。フリーズさせずに、シンクロで一言、二言言ってあげるのでOKです。その日はできなくても、また違う日に「こんなことしたよね?」と思い起こさせてあげてください。もっといえば「こういったことを2年生で確実にできるように」ということではありません。1、2年かけて、よりいい判断、よりいいプレーになるよう継続しましょう。そのくらいゆっくり育てようという余裕を指導者が持たないと、型にはまった動きになってしまいます。■手取り足取り教えてしまうと、教えてもらった向きだけで受けようとしてしまう身体の向きは、サッカー用語で「ボディシェイプ」と表現します。私が以前指導者として参加したトレセンでは「そこは身体を開いてコントロールして!」とコーチが声掛けする場面が見受けられました。そのように手取り足取りで教え込んでしまうと、プレーが型にはまりがちです。どんな時も教えてもらった体の向きで受けてしまうことになります。また、身体の向きを意識しすぎるがあまり、ボールコントロールができなくなることもあります。例えば、周囲のディフェンスの人数や詰め方など状況によっては、適切なもらい方ができないこともあります。そんなときは「まずは取られないように考えよう」とか「右から相手がくるなかで右を向きたいときはこんなふうにやればいいよ」と選択肢を与えます。そこから選手が選ぶ。決して、こうしろと決めつけてはいけません。そのなかで「全体が見えるほうが得だよね」という概念を伝えましょう。目の前の相手をかわしながら反対を見る。そうやって一回かわせばプレーは遅くなるため、そうなると相手のディフェンダーにケアされてしまい、味方がフリーにならないこともあります。そんなときに「もしかしたら、最初のポジショニングが悪かったのでは?」と考えを広げる問いかけをしてあげましょう。■誘導尋問にならないよう、「こんなときはどうする?」と問いかけを「じゃあ、どこにいればいいのかな?」このような流れで、サッカーの成りたちを教えるべきです。場面場面で「これをやって」では「これしかない」と凝り固まってしまいます。「いろんなことが起きるよ。こんなときはどうする?今はどうしたほうがいい?」と、いつも問いかけてください。そんなかかわりを重ねていくプロセスで、子どもたちが自らの力で解決していくのです。ただし、ひとつ気を付けなくてはいけないことがあります。それは、質問する際に、誘導尋問にならないようにすることです。池上正さんの指導を動画で見る>>■コーチのリアクションを段階的に変えるなどの工夫で理解を深める(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)最後に。練習では両サイドでコーチがフリーマンになってもいいでしょう。例えば逆サイドからボールを渡せそうな瞬間に「こっちも空いてるよ」と言ってあげる。すぐに展開出来たら「ナイス!」と褒めましょう。その次は、声は出さずに手を挙げているだけにする。その次はただ目を合わせる。見つけるためには身体の向きが大事だと子どもは理解していきます。そうやって認知力をつけることは、サッカーへの理解を深めます。指導者は余裕を失わず、子どもの頭の中を理解しながら進んでください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年11月12日スポーツの現場から中々無くならない、暴力・暴言などの威圧的指導。サッカー少年少女の保護者の皆さんも関心が高い問題ですよね。日本サッカー協会(以下JFA)では、2013年に暴力根絶宣言を行い、相談窓口の設置をはじめ指導者養成講習会などでの啓発など、サッカーの現場から暴力を無くす活動を行っています。サッカーに関わるすべての人が安全にサッカーを楽しむことができる環境を作り出すため、そして差別・暴力問題を未然に防ぐための啓発活動や顕在化した問題への対応を行うために2015年からは「ウェルフェアオフィサー」の制度を開始しています。【関連記事】サッカー界から暴力、暴言、ハラスメント根絶のためにJFAが行うコーチへの指導■ウェルフェアオフィサーの役割サッカーを楽しむサッカーファミリーの安心、安全を守り、より快適なサッカー環境の構築リスペクト・フェアプレーの伝道者① リスペクトやフェアプレーを啓発、促進② 暴力、差別等の予防活動(問題の顕在化を未然に防ぐこと)③ 諸問題対応④ 司法機関や諸関連組織への橋渡し役■ウェルフェアオフィサーのカテゴリー① ウェルフェアオフィサー(ジェネラル)② マッチ・ウェルフェアオフィサー※主に競技会におけるリスペクトの周知・啓発、暴力・差別予防③ クラブ・ウェルフェアオフィサー※主に所属クラブでの啓発、クラブ内研修など開催■オンラインワークショップを開催10月17日には、オンラインでウェルフェアオフィサー(ジェネラル)のリフレッシュ(更新)研修会が開催され、集まった有資格者の皆さんは、JFA暴力等根絶相談窓口の現状報告や、セーフガーディングワークショップを通じて、改めて、指導現場の暴力・暴言・ハラスメントについて学びを深めました。JFAからの報告によると、近年直接的な暴力指導の報告は減っているものの、その分暴言や威圧的な指導の報告が増えており、報告の約8割が18歳以下のカテゴリーだとのこと。叩く、蹴るなど目に見える暴力には指導者も敏感になっているようですが、相手を傷つけるようなひどい言い方や、委縮させるような発言など精神を追い込む行為が増えている模様です。審判への威圧的な暴言や、失敗した選手への罵声等もまだまだ見受けられる一方で、そうした状況に即座にそして適切に対応するためには知識と経験が必要です。この辺りの課題は、今後も情報発信を続けることや講習会を増やすなどの対策で、自信をもって活動できるようにサポートしていくとのことです。■JFAとしての取り組みJFAリスペクト・フェアプレー委員会委員長の山岸佐知子さんは、今後のプロモーション強化として、JFAセーフガーディングポリシー(※)を浸透させ、ウェルフェアオフィサー活動を充実させること、U-12年代の全国大会でのグリーンカード活用推進や参加チームに「RESPECT」のキャプテンマークをつけていただくことなどを進めていく予定だと報告しました。また、同委員会委員の松崎康弘さんは、「セーフガーディングのポリシーは、子ども達を守り、エンパワーする(=本来持っている力を引き出し、自信を持たせる)ためのものである」と説明しました。そのうえで、プレーヤーの安心安全環境は、指導者だけに課された問題ではなく、子ども達を含む当事者たち皆の意識改革が必要だとし、JFAは暴力暴言・差別やハラスメントなどあらゆる問題を許さないと発表されました。※セーフガーディングとは、18歳以下の子どもたちや社会的弱者を、肉体的、精神的、心理的、性的虐待から守り、安心安全を高めることをまとめたプログラムで、各国が参考にしている。■広島県の好事例を共有都道府県FAの中で、良い取り組みをしているとして広島県FAの勝山正比呂さんから活動が参加者に共有されました。広島県FAではウェルフェアオフィサーの理念を浸透させるために「ウェルフェアオフィサー委員会」を組織し、ウェルフェアオフィサーをすべての種別及びカテゴリーに配置するよう計画的に人材養成を行っています。大会ではウェルフェアオフィサーシート(報告書)を共有し、本部テントには啓発用のイラストなどを描いたタペストリーを掛けるなどの活動を行って周知しているとのこと。また、現状2~4種年代のウェルフェアオフィサーはいますが、大学生、社会人、シニア、フットサルのカテゴリーにはいないので、この先の活動としてまずは社会人連盟と一緒に何かできないか模索したり、講習会の取り組みを強化することを検討していると勝山さんは教えてくれました。■小学生相手に人格否定をするような指導者も参加した都道府県FAの方にお話を伺ったところ、「子どもたちを守るためにウェルファオフィサーについて学ぼうと参加した」、「低学年では楽しむことを大事にしていた保護者も、高学年になると勝利を求め厳しくなる。サッカーはみんなが楽しめる生涯スポーツなので、ウェルフェアオフィサーの理念を理解してもらい、楽しめる環境にしていきたい」など、この日のウェルフェアオフィサー(ジェネラル)に参加した理由を教えてくれました。とある県では独自に通報ページを作成したところ、当該チームの保護者や対戦相手の関係者などから報告が届くことがある、という現状も明かしてくれました。直接的な暴力はないものの、子どもたちの人格を否定するような酷い発言も見られるそうです。最近では女子チームでのそういった指導も多く見られるとういことも語ってくれました。そのような実情を目の当たりにしていることもあり、「セーフガーディングの考え方はすべての指導者が知るべきだと感じます」と、今後は情報の共有や研修会の実施を増やすことに注力するとの展望を教えてくれました。■「暴力暴言指導はダメだよね」で思考停止してはいけないこの日ワークショップを担当したJFAリスペクト・フェアプレー委員でJFAインストラクターの眞藤邦彦さんは、「排除ではなく、自分に何ができるか、自分ごととして考えることが大事」と言います。ワークショップでは「わかる」を「かえる」に、をスローガンに掲げ、「暴力や暴言指導はよくないですよね」と理解する、わかるので終わりではなく、では「自分たちは何ができるか」と思考を変えることが安心安全な環境づくりの基本だとワークショップなどを通じて伝えているそうです。子どもたちには「考えてプレーをしなさい」と言っているのに大人は現状に甘んじて思考停止していませんか?指導者も含め、安心安全な環境でサッカーを楽しむためには、大人が思考停止せず考え続けることが大事なのだと眞藤さんはワークショップを通じて伝えていました。今後も研修会やワークショップを開催予定とのことですので、お住まいの都道府県のサッカー協会にお問い合わせください。
2021年11月11日親の前でも暴言、暴力をふるう監督。役員をしているから自分の子を出してという親の子や、監督に贈り物を送る親たちの子を試合に出すえこひいきも酷い。もちろんそれを良く思っていない親もいるけど、通える範囲に移籍できるチームがなくて、みんな黙っている。わが子は小6だから最後まで所属するつもりだけど、何か親としてできることはない?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、スポーツ現場における暴力暴言指導の取材経験も豊富な島沢優子さんが、お母さんの相談にお答えします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<他の親にわが子を注意されてイラっとする。監督に相談すべきか問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。息子はもう最終学年でスポ少活動も残り少ないので、このままチームに居続けると思いますが、どうにかこの監督の事を相談したくてご連絡しました。3年生からスポ少に入っていて、スポ少以外にサッカースクール2つに入って練習していますが、他で教わっているのが気に入らないのと親がサッカー経験者なのが気に入らないのか、監督に試合に出してもらえず、親の前でも酷い暴言、軽い体罰などが見られます。特に監督に直接個人的に贈り物などをしている家庭や、親がスポ少役員をしているから試合に出してくれと相談している保護者がいて、その子たちが優遇されています。えこひいきがひどいです。歴代の卒団者の子ども達、保護者に聞いたところ、昔からこうみたいです。当然良しとしない方もいますが、移籍先がないので我慢していたようです。辞めさせたくても、他に移籍できるスポ少はなく、今からクラブチームにも行けず、子どもたちが可哀想です。他の学年の子たちはこの環境が続くわけで、環境改善のために何かできることはあるでしょうか。息子もそうですが、暴言や叩かれるなどの体罰で委縮しているようでサッカーを本心から楽しめていないようです。そんな子どもたちへのフォローの言葉などもあれば知りたいです。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。ジュニア期は、子どもにサッカーの楽しさを伝え、主体性を重んじて自分で考え行動できるよう育ててほしい。そんな願いをもって、少年サッカーの育成環境が進化するよう働きかけてきました。暴力や暴言、パワーハラスメント的な指導は少しずつ薄らいできましたが、まだまだ残存するのが現状です。今回のご相談は、そのことを思い知らされる内容で、思わずため息が出てしまいます。これまで保護者の皆さんからの相談をたくさん受けてきましたが、およそ7割は不適切な指導をするコーチへの対応でした。そのなかでも、今回ここに書かれている指導者のふるまいが事実だとしたら、看過できるものではありません。お母さんにとって厳しい言い方になるかもしれませんが、ご理解いただけるとうれしいです。■少年サッカーの現場で起きている暴力の例まず、体罰があるのは大きな問題です。ご相談文に「親の前でも酷い暴言、軽い体罰」とあります。「軽い体罰」とはどんなものでしょうか?スポーツや教育界が2013年に暴力根絶宣言を行って以来、少年サッカーの現場で私が見聞きした暴力は以下のようなものです。1)頭を平手でバシっとたたく。2)頭をげんこつでゴツンと殴る。3)頬をバシッとビンタする。4)お尻をボコッと蹴る。5)拳で胸をガツンと強く衝く。6)ボールを至近距離から頭や体にドスンとぶつける。7)ペットボトルをさかさまにして、キャップのへりの部分で頭をゴツンと小突く――。これらは皆、親御さんによっては「軽い体罰」と表現されていました。例えば、7番目に挙げたペットボトルでの殴打。暴力指導を知った私はすぐに保護者を取材しました。が、その親御さんは「大した暴力ではない。いいコーチなんです」と庇っていました。その保護者と話した時、「頭を平手でたたくこともあると、他クラブのコーチから聞きましたよ」と話したら、その方は最初「(手を)パーでペシッとやるくらいですよ。大したことありませんよ」とおっしゃいました。■叩くコーチを容認していた保護者が数か月後に......さまざま話すなかで、私が「感情的になったり、ひどく怒ったときはどうですか?」と聞いたら「まあ、そりゃ少し力が入りますよね。(頭を平手で)バシッとやる(たたく)こともあります」と言ったのです。「バシッとやるんですよね。暴力ですよ。ペシッとたたいていれば、感情が高ぶるとバシッになるし、さらに進めば拳で殴って、よけた子どもを失明させたりしますよ」(私はこの件を経験して以来「バシっとたたく」というように、「バシッと」「ゴツンと」といった擬音をなるべく入れるようにしています)保護者の方は一瞬黙って「は?そんなん、仮定の話でしょ?」と焦ったようにおっしゃいました。ところが、その方は数か月後、ご自分から私に電話をかけてきました。コーチの暴力によって、お子さんは鼓膜が破裂したそうです。鼓膜破裂は自然治癒しましたが、その子はその間中耳炎になり長くサッカーも運動もできなくなった。結局チームを辞めたということでした。■「大したことではない」親が暴力やパワハラを容認する理由親御さんたちは「少年サッカー(少年スポーツ)例外主義」になっていないでしょうか。暴力もパワハラも「サッカー(スポーツ)の現場では仕方がない」と考えているようです。それは親御さん自身が、部活やスポーツの指導で暴力やパワハラを受けていることも影響しています。特に、そのようなひどい環境を生き抜いた方は、暴力等を潜在的に「大したことではない」と受け入れがちです。自分も耐えられたから大丈夫、と軽く考えてしまう。これは「生存者バイアス」と呼ばれるものです。仮に、1から7のような暴力(体罰)が、もし通う小学校の担任によるものだったら、どう対応されるでしょうか。担任に贈り物をしている家庭や、親が学校の役員をしているからと、担任が通知表に良い点を付けたり、劇の主役にされるなど優遇されたら、どんな気持ちになるでしょうか。保護者の方によく言われるのが「学校の先生ではなく、何も勉強していないボランティアでコーチをしている方にそこまで求められません」というものです。一見すると「まあ、そのくらい勘弁してあげようよ」と寛容に見えますが、ボランティアで指導しているコーチの方々に失礼な気がします。■暴力暴言、えこひいきはやってはいけない。今すぐ親にできる対策は(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)お母さんは「子どもたちへのフォローの言葉などもあれば知りたい」と書かれています。でも、そんな言葉はありません。「コーチは暴力をふるうけど、あなたのことを思ってやっているのよ」などと絶対に言ってはいけません。暴言も、暴力も、えこひいきも、やってはいけないこと。本当にフォローしたい(支えたい)のならば、チームはすぐにやめさせましょう。中学生までもう少しです。サッカースクールがあるのなら、そこでの活動のみに絞り、楽しく真剣に続け中学校でまたチームに入ればよいのではないでしょうか。そして、コーチの暴言や暴力、理不尽な運営の仕方については、日本サッカー協会の相談窓口にきちんと報告しましょう。暴力等根絶相談窓口★窓口の取扱対象となる範囲は下記のとおりです。1)対象となる行為者本協会に登録する個人(指導者、チーム代表者、審判、選手、本協会又は加盟団体の役職員)2)対象となる行為登録されたチームにおけるサッカーの活動現場で生じた対象者による暴力行為(直接的暴力、暴言、脅迫及び威圧等)3)窓口を利用できる人原則として、対象行為によって被害を受けた者又はその家族、関係者、代理人若しくはこれに準ずる者島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年11月10日サッカーの技術だけでなく、人間的な成長を促すサカイクキャンプ。実際参加した子どもにどんな変化があったのか、親御さんは成長を感じているのか。気になる方、いますよね。この夏のサカイクキャンプに参加してくれたお子さんと親御さん、それぞれの声を聞いたのでご覧ください。今回お話をしてくれたのは、今夏のサカイクキャンプが初参加だった小学4年生のユウゴくんとお母さん。ユウゴくんは「自信を持ちたい」「声かけができるようになりたい」と、明確な目標を持って挑んだキャンプでした。キャンプで指導にあたった柏瀬翔太コーチによると、ユウゴくんは初日と最終日で印象が大きく変わったといいます。気になる理由やエピソードも気になるところです。(取材・文:小林博子)サカイクキャンプ<<春キャンプ参加者の声「大人が思っている以上に子どもの成長を促してくれるキャンプだった」■「自信を持ちたい」という目標に結果が出た3日間サカイクキャンプ参加理由をお母さんはこう話します。「今年もコロナ渦の夏になり、どこにも連れて行ってあげられないから、何かイベントをと探していて見つけたのがサカイクキャンプです。サッカーのキャンプにこだわったわけではなく他の合宿も提案したのですが、本人はサッカーがいいと即答。だったらと、申し込みました」地元の少年団チームに所属するユウゴくん。サッカーを始めたのは小学2年生の終わりごろですが、チームメイトは小学校入学前からサッカーをしていた子が多いこともあり、試合での出場機会が少ないそう。サッカーへの自信があまりついていないことをお母さんは懸念していました。参加理由を聞いた時に、本人が「自信を持ちたい」と最初に口にしていたのはそういう事情があったようです。親御さんと離れて初めて過ごした2泊3日。最終日にキャンプ会場へ足を運んだお母さんは、「3日前に出発したときとが明らかに違う、イキイキとした表情をしていたのが印象的でした。"俺がやってやるぜ"という顔でサッカーをしていて、表情から自信がついたことが伺えました。それを見て参加させて良かったなと思いました」と語ってくれました。■自信を育んだのは、たくさんの成功体験からサカイクキャンプの感想をユウゴくんに聞いたところ、まずは笑顔で「楽しかった」との回答。そして「嬉しかった」と答えてくれました。嬉しかったのは「2日目の試合で負けたけど、3日目は勝てた」というエピソードが理由のようですが、詳しく聞くとキャンプで学んだことをすぐに実践したからこその喜びだったことがわかります。サカイクキャンプではサッカーの技術習得のほかに「5つのライフスキル」を学び実践することにも力を入れています。小学4年生のユウゴくんは初日に座学でそれを学び、キャンプ中はコーチの声がけのもと、実践しながら過ごしました。柏瀬コーチにお話を伺うと、ユウゴくんは2日目の試合で負けた後、ライフスキルの学びをいかし、チームメイトに前向きな声がけができたそう。相手の立場になって自ら考え、翌日の試合に向けポジティブな言葉を選んで積極的に声をかけることができていました。チームは試合で翌日勝利。それはユウゴくんにとって何よりも嬉しかったことのようです。キャンプ中、コーチ陣は一人一人の行動をしっかり見て、積極的に褒めます。積極的に声がけができたこと、学びをすぐに活かせたこと、試合に勝てたこと、コーチに褒められたこと......。たくさんの成功体験を積んで、ユウゴくんの「自信」はキャンプで強いものになったことでしょう。キャンプ終了から1ヶ月後に行われる「フォローアップ研修」でコーチが聞いたところ、ユウゴくんはキャンプ後のサッカーにおいても、前向きな声がけがしっかりできていると実感し、それまでより堂々と、自信をもってサッカーができているそう。お母さんも同じように感じ、「ひとまわりたくましくなった」と感じているとのことです。■ピッチ外の行動にも変化がサカイクキャンプにおいて、コーチはサッカー以外の「オフザピッチ」の行動にも重点をおいて子どもたちと接しています。柏瀬コーチは「ピッチ外での行動はピッチ上でサッカーをしているときと同じくらい重要」と話します。その観点で、ユウゴくんにはとても印象深いエピソードがあると話します。キャンプ中にあった試合の合間の待ち時間、ユウゴくんは子どもたちの仲間に入れずに孤立してしまった子に声をかけ、子どもたちの輪の中に誘うシーンがありました。そういう子がいることに気づけたこと、そしてしっかり声をかけて仲間に入れてあげられたこと。小学4年生で、それができる子は多くはありません。そのエピソードを聞いて、「もともとお友達に優しくて気遣いができる子だったけれど、その良いところがさらに伸びたと思います」と目を細めるお母さんは、その後のチームでの活動や普段の行動にも良い影響が出ていると感じていると言っていました。自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>■サッカーで友達が増えたまた、ユウゴくんがサカイクキャンプに参加して「嬉しかった」と語った理由のもう1つに「サッカーをする友達が増えたこと」があるとも語ってくれました。5つのライフスキルの中にある「リーダーシップ」や「コミュニケーション能力」もキャンプ中にしっかり育まれ、「次のキャンプに参加できたらまた同じチームになりたいね」などと話しているそうです。ユウゴくんに「お友達が参加するか迷っていたら、どう声をかける?」と聞いたところ「だったら僕と一緒に行こうって言う」とにっこり。ポジティブで相手の立場を考えた声がけは、どんなところでも発揮できているようです。初心者でも自然と長く書けるようになるサッカーノートとは>>
2021年11月10日日本サッカー協会(JFA)は「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナーカンファレンス2021」を12月2日(木)、3日(金)、9日(木)、10日(金)の期間、オンラインで開催します。JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度とは、「引退なし」、「補欠ゼロ」、「障がい者サッカー」、「女子サッカー」、「施設の確保」、「社会課題への取り組み」の6つのテーマがグラスルーツの環境改善を推進するキーファクターであると考え、それらのテーマに沿う活動に取り組む団体を賛同パートナーとして認定し、広く紹介することでその活動を後押ししようとするものです。本カンファレンスでは、賛同パートナーの方々が普段から取り組まれている活動を、全国のグラスルーツの現場で活動されている方々と共有し、各々の活動の一助となることを目的としています。また、賛同パートナー同士の交流の場としてご活用いただけますので、ぜひご参加いただき様々な情報を共有し、今後の活動の参考にしてください。■開催方式:オンライン会議システムを使用■開催日:2021年12月2日(木)、3日(金)、9日(木)、10日(金)■開催時間:19:00~20:50※12月10日のみ20:30まで■対象:グラスルーツ推進に関心のあるすべての方■定員:各回200名■参加費:無料(オンライン会議システムを利用上の通信費用などは自己負担)■募集期間:2021年11月9日(火)より12月7日(火)■申込方法こちらのフォームよりお申込み下さい。■各日プログラム19:00-19:10オープニング、挨拶、スピーカー紹介19:10-19:30プレゼンテーション①+質疑応答19:30-19:50プレゼンテーション②+質疑応答19:50-20:10プレゼンテーション③+質疑応答20:10-20:40交流タイム(小グループによる)20:40-20:50まとめ、クロージング<第1回12月2日(木)>19:00~20:50特定非営利活動法人FC岸和田 理事長河内賢一氏(大阪府岸和田市)・施設の確保、女子サッカー一般社団法人IMIZU Regional 代表理事窪哲志氏(富山県射水市)・女子サッカー、障がい者サッカー桶川QLS チーム代表築根英樹氏(埼玉県桶川市)・女子サッカー、補欠ゼロ<第2回12月3日(金) >19:00~20:50バルドラール浦安デフィオ 監督兼選手泉洋史氏(千葉県浦安市)・障がい者サッカー、社会課題への取り組みFC PORT 代表篠崎安志氏(神奈川県川崎市)・障がい者サッカー、社会課題への取り組みNPO法人ダイバーシティサッカー協会 代表理事鈴木直文氏(大阪府大阪市)・社会課題への取り組み<第3回 12月9日(木) >19:00~20:50アルクオーレ 広報担当渕上千春氏(東京都中野区・杉並区・足立区)・引退なしウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンス 共同代表日比秀則氏(東京都江東区、神奈川県横浜市)・障がい者サッカー、社会課題への取り組みチームSMiLEサラダ 監督長谷川健氏(神奈川県川崎市)・社会課題への取り組み<第4回 12月10日(金) >19:00~20:30株式会社パン・アキモト 専務取締役秋元信彦氏(栃木県那須塩原市)・施設の確保Amista FC 代表監督出頭聡洋氏(北海道苫小牧市)・女子サッカー、施設の確保各団体のプレゼン詳細はこちらでご確認ください>>■お問い合わせ先公益財団法人日本サッカー協会指導普及部JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー係メールアドレス:jfa_grassroots_partner@jfa.or.jp
2021年11月10日子育てにおける過干渉、多くの親御さんが気になることですよね。「良かれと思って」自分がしていることが実は過干渉だった、なんてこともあるかもしれません。手出し口出し以外にも、子どもの行動をすべて把握していたり、子どもと一緒に悩みこんだりすることも、過干渉です。子どもにどう接しているかを振り返って、自分の過干渉のタイプを知ることで、対応方法も変わってきます。公認心理師・心理カウンセラーのあさくらゆかりさんに過干渉のタイプと対処法を教えていただきました。(取材・文:前田陽子)<<前回の記事:子どもの合宿の荷造り、現地で困らないように親が支度をすると安心?日数分持たせたのに「着替えがない」という理由とは■子どもがすね当てを忘れていったら届けるのが親の役目?朝から自分で支度をして試合に出かけて行った息子。部屋を片付けようと入ると、すね当てが残っていた。というような経験をした親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。すね当てでなくても着替えの○○を忘れた、など同じような体験を持つ方はいるのでは?そんな時やりがちなのが、「今日は大事な試合だから、すね当てがなかったら困るはず!」と急いで届けて、そっと子どもに渡すこと。親としては、わが子が無事に試合に出られてよかった。普段からコーチには「忘れ物をしても届けないで」と言われていたけど、試合に出られないとかわいそうだし、コーチにもバレていないようだからいいよね?と内心思っていますよね。「忘れ物で試合に出られないのはかわいそう、届けるのは親の役目でしょ」と考える方もいますが、このような「良かれと思って」の行動も子どもの自立を妨げることになるのです。■コーチが「忘れ物を届けないで」というワケ忘れ物をしたときに、自分で何とかする力をつけるために、親御さんに手出しをしないようにお願いをしている、というチームもたくさんあります。試合に出られないとかわいそうという心情はわかりますが、そのために準備を怠らないこと、万が一忘れてしまったときにチームメイトに「貸してほしい」と言えることは、不測の事態で応用力が身についたり、コミュニケーション能力をつけるためにも経験をしておいたほうがいいからです。「どうしてもこの大会に出たくて頑張ってきた」など、子どもにとってターニングポイントになるような重要な試合もあるでしょう。そんな時に忘れ物を発見したら、親としては届けてしまうのも場合によっては悪くないのでは、とあさくらさんは理解を示します。ただし、そうしてしまったら「こういうことは二度としないよ」と子どもにくぎを刺すことも忘れずに、とも提言します。あくまで、自分が好きでやっているサッカーなので自分で支度ができるようになることが原則だからです。万が一お子さんが「お母さんが入れてくれなかったから」と忘れ物を人のせいにするようなら、次から届けることはやめましょう。■自立できる子にするには、親の役割が重要「子どものころに自分で何ひとつ決めていない、決めさせてもらえなかった。となってしまうと、責任が取れない子になりかねません。忘れ物を貸してとお友達に言えないことも気の毒に感じます」とあさくらさん。親は子どもに自分で考えて動ける子になってほしい、人とコミュニケーションをとれる子になってほしいという思いがあります。だからこそ、手出し口出しはしない方が良いのです。少し困ったことがあって、それを助けてもらったり助けたりという経験が大人になる上で役に立ちます。失敗しても大丈夫、という経験の積み重ねがチャレンジできる子を育てます。過干渉はそのチャンスを摘み取ってしまうもの。子どもがまだできないことは手伝って、もうできることは手を放す。年齢や子どもの発達状況に応じて見極めて、子どもの成長を促していきましょう。子どもを見守れるようになると、親にも心の余裕が生まれてきます。ここからは、あさくらさんに監修いただいた「過干渉チェック項目」と「過干渉タイプ別アドバイス」をご紹介します。結果を仲のいい親同士やチーム内でシェアしてみてくださいね。あなたの過干渉はどのタイプ?□わが子は年齢の割に幼い方だから、私の助けが必要にチェックした人□友達関係や休みの過ごし方を親が決めているにチェックした人□子どもの考えや行動はすべて把握しているにチェックした人□子どもが悩んでいると子ども以上に悩んで落ち込むにチェックした人□「あなたのため」と言うことがあるにチェックした人あなたの過干渉タイプは?□わが子は年齢の割に幼い方だから、私の助けが必要にチェックした人→ガミガミ、ひと言多い、代わりにやってしまうあれこれ手出し口出し型【対処方法】物理的距離、精神的距離を置いて、言わない、やらないを徹底。そのために子どもの様子を見ないで別のことを見たり、自分のことをする。いつも3つ言っているなら、2つに減らしてみることからスタートしましょう。□友達関係や休みの過ごし方を親が決めているにチェックした人→友達も寝る時間も休日の過ごし方などの決定権をはく奪するなんでも決めちゃう型【対処方法】メリットデメリットを出して、一緒に話し合って考える。個人的意見や親としての思い、社会的な見方などは子どもに伝えて、最終決定は子どもに任せましょう。□【子どもの考えや行動はすべて把握している】にチェックした人→一から十まで子どものことは知っていないと気が済まない監視的見張っている型【対処方法】見たい、知りたい、コントロールしたいは親の欲求だと自覚すること。このままでは子どもに「あなたを信じていませんよ」というメッセージが伝わってしまい、親子関係がねじれる原因になります。□子どもが悩んでいると子ども以上に悩んで落ち込むにチェックした人→境界があいまいになっているアナタは私一心同体型【対処方法】私は私、子どもは子どもを自覚する。ペットを飼うなどして子どもへのアンテナの感度を下げる、趣味などをして自分の時間を持つ。親の不安の解消のために過干渉になっている場合が多いので「それは誰の問題?」と自問してみましょう。□「あなたのため」と言うことがあるにチェックした人→本当は自分のため。「良かれと思って」ひと言多い型【対処方法】自分がしたくてもできなかったこと、理想の子ども像を押し付けていないか、自己満足になっていないかを確認。共依存=あなたのために頑張る自分が好きにならないように、客観視することです。いかがでしたでしょうか。お子さんのためを思っての行動が過干渉になっていることもある、という気づきを得ていただければ幸いです。あさくらゆかり公認心理師・心理カウンセラー一般社団法人日本ライトカウンセリング協会代表理事、株式会社kikiwell所属カウンセラー・統括責任者幼稚園教諭・保育士・公立小学校学級支援員を経て心理カウンセラーに。2007年1月より(株)kikiwellが運営するキキウェルメンタルヘルスサービス(旧:聞き上手倶楽部)に所属。ライトカウンセラーとして活動開始。「聞ける人ほどうまくいく」をスローガンに、カウンセラー養成講座の講師を務めている。また「聞かせて下さい、あなたのお話」、このひとことを熱く胸に抱え(株)kikiwellで電話カウンセラーとしても活動している。【カウンセリング実績】電話カウンセリング11,400件、メールカウンセリング4,000件、対面カウンセリング100件。連続最長電話カウンセリング記録11時間。クライエントのリピート率は85%
2021年11月08日前回の記事では、Ruffle瑞穂FCで中学生の指導にあたる大塚哲さんに、指導者として子どもと関わる際に意識していることや、子どもと保護者の関係について伺いました。後半の今回は、親として、そしてプレイヤーとしての大塚さんの姿に注目します。会社員、二児の親、そしてプレイヤーとして日々を過ごす大塚さんは、充実した人生を送っているように映りました。子どものサッカーにばかり集中せず、ご自身の時間も大事にされている大塚さんに、引き続きサカイク10か条のひとつ「9.サッカー以外のことを大切にしよう」をテーマにお話を伺いました。(取材・文:中村僚)【関連リンク】子どもが心からサッカーを楽しむために大切にしてほしい親の心得「サカイク10か条」写真提供:エリース東京FC<<前編:社会人リーグ主将、自身も真剣にサッカーを楽しむお父さん選手がサッカー少年の育児で実践するただ一つの事■大人になってもサッカーを続けるのは当たり前のことだった大塚さんは子どもの頃からサッカーに明け暮れ、サッカーと共に暮らしてきました。生活の中心には常にサッカーがあり、それは今も変わりません。「私自身も子どもの頃からずっとサッカーをプレーしていて、幸運なことに高校時代は全国高校サッカー選手権に出場することができました。その後、サッカー部のある会社に就職し、その会社を退職して、そこからはチームを少し転々としました。そんな中で巡り会ったのが、現在所属しているaries TOKYO FC(エリース東京FC)です」日本では、学生時代にどれだけサッカーに精を出しても、高校や大学で区切りをつけて競技を引退する選手が数多くいます。大人になってからも競技を続ける選手は稀でしょう。しかし大塚さんにとっては、サッカーを続けることはごく自然な選択でした。「常に生活の中心にサッカーがあったので、サッカーをプレーできる環境を探すのは当たり前でした。ただ、妻からは『プロでもないのになんで週末もずっとサッカーしてるの?』と言われたことはあります(笑)。応援もしてくれていますけどね」■サッカーには、社会人になっても長い間熱中させる魅力があるそれだけ長い間熱中させる魅力がサッカーにはあると、大塚さんは話してくれました。「高校時代の体験は大きいですね。周囲には僕が所属していた学校よりも強豪と言われた高校はたくさんありました。しかし、試合に出ていない選手も含めてチーム全員で高めあって、全国大会に出場することができました。あの経験は忘れられません。保護者としても指導者としても、あの一体感や成功体験を子ども達に経験してもらいたいと思っています」「サッカーは時として理不尽なことが起こります。自分よりも下手だと思っている選手が試合に出たり、圧倒的に実力で勝っているはずの相手に試合で負けたり......。でもそうした理不尽な経験をすると、社会に出たときにどんな辛い目にあっても『あの時よりは全然マシ』と思えるんです。タフさは本当に身についたと思います」■サッカーを通じて自分の世界を広げることができたサッカーを続けることで、サッカー以外の世界を広げることもできたようです。「社会人のチームともなれば色々な人がいます。大企業の役員や、中小企業の社長さんもいます。そう言った方たちはサッカーをやっていなければまず出会わない人なので、あたらしい世界が広がったような気さえします。でもそんな立場も、ピッチの中に入れば全く関係ありません。そのメリハリが楽しいですよね」■自分の人生が充実した姿を見せることが子どもたちへのメッセージになるプレイヤーとしてまだまだ現役を続け、サッカーを楽しむ大塚さんの姿を見て、大塚さんのお子さんたちが感じるものもあったようです。「子どもたちは小さい頃に遊んでいるうちに自然とサッカーに興味を持ち、クラブに入りました。長男は自分と同じ高校に進学してサッカー部に所属しています。サッカーをやろう、ここに進学しようと僕から言ったことはないのですが、子どもたちが自分で決めてくれました。自分のことは自分で決めるようにすることは、僕が子どもたちに接する中で意識しているポイントです。また、自分がプレーする時もですが、子どもたちにはパッション(情熱)を持ってプレーしてほしいと思っています」前編の記事でも書いたように、子どもに干渉する親が増えている中、大塚さんは子どもの決断を否定することなく、また子どもが所属したチームの方針には素直に従い、暖かく見守っています。それは大塚さん自身が自分の人生を楽しみ充実させ、心に余裕があることも、要因の一つのようです。「僕があまりにサッカーばかりやっているので、子どもたちは小さい頃僕のことをサッカー選手だと思っていたのではないでしょうか(笑)。でも無趣味で休日に一日中ゴロゴロしているよりも、活動的に遊んでいる方が、子どもたちにもいい影響があると思うんですよね。僕がこれだけ好き勝手にやっているので、子どもたちもいつの間にかふらっと遊びにいくようになりました。僕が子どもの決断を信じられるのは、自分がこれまでの人生において自分で決断を下して、いまも自分の人生を楽しんで、心に余裕があるからだと思います。」■大人に真剣勝負の場を提供する"裏"選手権今週の土日、11月6日、7日に大塚さんが選手として所属するエリース東京FCが出場するのが、「オムロン ヘルスケア杯 全国シニアサッカー"裏"選手権」です。「"終わりなき挑戦"を続ける"生涯現役"のシニアサッカープレイヤーに"裏選手権"という『真剣な遊び場』を提供する」という大会テーマのもとで、39歳以上の選手が日本一を争います。「裏シニア選手権のような、この年になっても真剣勝負ができる舞台は本当にありがたいですし、楽しいです。自分がサッカーをプレーできることは指導でも役に立ちます。やはり実演できると選手への説得力が違いますし、逆にピッチの中に入ることで選手から教えられることもあります。こういう舞台で別のチームの方とまた新しいつながりができたりするかもしれませんね」大人になってからも必死にボールを追いかけ、相手と真剣勝負する機会はあまりありません。シニアサッカー"裏"選手権のような舞台を整え、子どもたちを見守る大人が真剣に人生を楽しむことが、子どもへのいい影響を生み出すのかもしれません。★この記事はサカイク10か条の項目第9項「サッカー以外のことを大切にしよう」に該当します
2021年11月04日子どもがサッカーを楽しむために、サカイクは保護者のみなさんに大切にしてほしい"親の心得"を10か条にまとめました。子どもは身近な大人の行動や言動を良く見ているもの。知らず知らずのうちに子どもが自分の真似をしていた、ということは多いはずです。サッカークラブのコーチは、選手である子どもの保護者と切っても切れない関係にあります。クラブやコーチの考えに理解を示してくれる保護者がほとんどですが、中には「それは本当に子どものためになるの?」と考えてしまう行動もしばしば。今回は、ご自身も東京都社会人リーグ1部の「エリース東京FC」シニア40のチームで主将としてプレーしている傍ら、東京都西多摩郡のサッカークラブ「Ruffle瑞穂FC」で指導をされている大塚哲さんにお話を伺い、サカイク10か条のひとつ「9.サッカー以外のことを大切にしよう」について、子どもや保護者とのやりとりや自身の体験のなかで感じたことを話してもらいました。(取材・文:中村僚)【関連リンク】子どもが心からサッカーを楽しむために大切にしてほしい親の心得「サカイク10か条」写真提供:エリース東京FC■保護者がどれだけ子どもに介入するかによって子どものコミュニケーション能力が変わる?主に中学3年生の子どもたちを指導している大塚さんは、基本的に保護者と接することはなく、子どもたちの指導に専念しています。その中では少し歯がゆい思いもあるようです。「チームの代表が『コーチたちには現場に専念してほしい』という思いがあるので、私たちが保護者の方と直接コミュニケーションを取る機会はあまりありません。個人的には人と話すのが好きですし、保護者の方とも気さくに話したいのですが、どうしても全員の保護者の方と平等に接することはできません。そうなると、こちらはそんなつもりがなくても『あの選手の親とだけ仲良くしているな』と見られてしまうこともあるんです。そうした軋轢を避けるために、僕たちは基本的に子どもたちの指導に専念しています」ただしそうした中でも、保護者から子どもへの影響を強く感じているという大塚さん。中学生は、人からの目線を気にしたり、自分に関わる人の影響を強く受けたりする多感な時期。最近では、高校受験を控えてサッカーを続けるかどうかという決断をする時期でもあります。「サッカーはチームスポーツなので、適切なコミュニケーションを取れるかどうかがとても重要です。子どもたちと話していると、『コーチ、俺はこう思うんだけど』とはっきり自分の考えを口にできる子と、『はい......』という淡白な返事だけになってしまう子がいます。他の場面でも、仲間と対話できる子と、言われるがままになってしまう子、などです。もちろん、同じ子でもある場面ではうまく喋れるけど別の場面では黙ってしまうことなどもあり一概には言えませんが、コミュニケーションが得意かどうかという傾向は確実にあると思います。あまりコミュニケーションが得意でない子は、保護者がクラブに意見を言うことや、保護者の考えでサッカーを休ませることが多いんです」サッカー以前の問題として、近年の子どもたちは実年齢よりも3、4歳幼い、と語る教育者の声もあります。「現場に立っている身からすると、非常に納得できる数字です。昨年からはコロナ禍の影響で選手の住所などの情報を会場に提供する機会が増えたのですが、その時に子どもが自分の家の住所を書けなかったり、提出物を忘れるのが大体同じ子だったりしました。きっと普段から、いろいろな問題が起こらないように保護者が先回りしているのだと思います。提出物も保護者が書く、忘れものがないように保護者が用意する、何をすべきかも保護者が指示する。結果、子どもは自分で判断をする機会や経験が失われていき、実年齢よりも幼く見えてしまう、ということなのでしょうか」■何も言わなくとも息子がサッカーを始め自分と同じ高校に進学した大塚さんは自身も2人の子どもの父親。そして2人ともサッカーをプレーしており、指導者であると同時にプレイヤーの保護者でもあります。どちらの立場もわかる大塚さんは、どのようなスタンスで子どもと接しているのでしょうか。「僕は基本的にあまり子どもに何かを言うことはありません。僕も学生時代はサッカーをしていましたが、子どもたちにサッカーをやるように促したことはありません。長男は気づいたら僕と同じ高校に進学してサッカー部に所属していました(笑)。とても嬉しいことですが、僕から何かアドバイスをしたことはないですね。子どもたちが所属してきたチームにも、基本的に何か意見を言ったことはありません。チームにはチームの方針がありますから、それにお任せです」「何より自分が本業、指導者、自分のプレー、そして家庭と、いろいろな自分が混在している生活を送っています。放任とも言われてしまいそうですが(笑)。ただ、自分のそんな姿を子どもたちが見て、そこから何かを感じ取ってくれた結果が、サッカーを始めたり自分と同じ高校に進学したりすることだったと思うので、少しは何かを伝えられたのかなと思います」会社員、サッカー指導者、サッカー選手、父親......いろいろな側面を持つ大塚さんの話からは、子どもに対する愛情と同時に、自分の人生をより充実させようとする姿勢が見えてきました。次回は大塚さんご自身のキャリア、そして11月に開催される「オムロン ヘルスケア杯 全国シニアサッカー"裏"選手権」についてお話を伺います。★この記事はサカイク10か条の項目第9項「サッカー以外のことを大切にしよう」に該当します
2021年11月02日初心者、低学年にはありがちですが、浮き球の対応が苦手という課題。飛んできたパスのコントロールだけでなく、ルーズボールもバウンドが小さくなるまで奪いに行けない事も。浮き球を怖がらずコントロールできるようになる、楽しい練習メニューを教えて。というご相談をいただきました。同じような悩みを持つコーチもいるのではないでしょうか?今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、浮き球に慣れるための練習メニューなどをアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(サカイクキャンプでもアイスブレイクとして手を使って投げる、キャッチする動作がある遊びを行います。写真はご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<強いボールが蹴れなくて相手に取られてばかり、強く蹴る方法をどうやって身につけさせればいい?<お父さんコーチからのご質問>こんにちは。娘がサッカーをしていて、私も最近ボランティアで指導をすることになりました。男女混合のチーム(U-10)で、女子は3人、男子が15人です。今のところ体格差もほとんどありません。ご相談したいのは、浮き球のコントロールです。年代的にまだ多用することはないのですが、全体的に浮き球への対応が上手くできません。ルーズボールなども、ボールのバウンドが小さくなるまで待ってから奪いに行く感じで、浮き球をどうしていいかわからないようなのです。ヘディングの落下地点に入れない問題と同じように、空間認識ができていないのかな、と思っています。手でボールをキャッチするのもぎこちない子たちがいるので。浮き球を怖がらずコントロールできるようになるための、楽しんでできるメニューがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。10歳以下ということなので、小学4年生でしょうか。体の大きさやそのカテゴリーでやっておきたいことを踏まえ、あくまでも楽しくできるトレーニングをご紹介しましょう。■まずは手を使って「浮き球」に接する経験をさせるまずはハンドパスゲームを行います。バスケットボールの手前で行う、ポートボールの感覚です。バスケットはリングにシュートしますが、ポートボールは台の上に立った味方に直接渡します。手から手にボールを渡す動作から始めてください。サッカーで行う鳥かごのような形にして、真ん中に守備を入れます。守備をうまく避けてボールをつないでいく。そんなゲームをすると「浮き球」に接することができます。次に鳥かごから、全員動いていいことにします。つまりはサッカーボールで行うバスケットです。どこに走って、どこに投げるとつながるか。このメニューは空間認知力を養うことにも役立ちます。ヘディングをする必要はありません。浮き球の感覚を養うための練習だと子どもたちにも話してください。■段階的にやり方を変化させる。コーチ自身も楽しんで「生きた練習」を体験させようそのなかで、少しだけルールというかやり方を変化させていきます。「浮き球が来たら、一度胸でコントロールしてから、手で取ってパスしていいよ」「浮き球が来たら、腰より下の部分(膝や足)でコントロールしてからパスしなさい」段階的にルールを変え、そのような遊びにすると、子どもはどんどんやり始めます。そのなかで感覚が養われます。加えて「最後はボレーシュートしよう!」と言うと、さらに楽しくなります。そんなふうに指導者がちょっとしたアイデアを付け加えていくと、トレーニングが豊かになります。この連載に集まるご相談は、今回のように「メニューを教えてください」というものが非常に多いです。今の時代、インターネットで検索すれば、サッカーの練習メニューはたくさん出ています。文字やイラストでの紹介だけでなく、YouTubeなど動画でわかりやすく説明されたものがたくさんあります。それらを参考にしながら、指導者自身が自分のチームに合わせて変化を加える、つまり、ルールややり方を少し変えると、生きた練習になります。コーチが「こんな練習どうですか?」と思いつく。そうすると、コーチ自身も楽しくなります。その練習が有効だとなれば、ベースはどこからかとってきたものだとしても、ご自分が生み出した練習なのですから、指導者の自信にもなります。■これからのコーチに求められるのは、既存のメニューを目の前の子どもに合うように変えられる力先日、スペインに留学し、湘南ベルマーレなどでコーチを務め、日本で初めてサッカーコーチのコーチとして起業された倉本和昌さんと話す機会がありました。そのとき私たちが話したのは「これからのコーチは、練習メニューはネットでも本でもどこからでもとって来れる。それをどう使うかだ」でした。そのメニューを、目の前にいる子どもに合うように変えられる力。そこを養わなくてはなりません。本に書いてある通りにやってうまくいくなら、全員すぐに名コーチになれますね。ところが、実際はやってみてもしっくりいかない。なんとなくうまくなっている気がしない。ではどうするか。そこは失敗しないとわかりません。したがって、さまざまな練習をどんどんやってみて、工夫していくことが重要です。人数を変えてみる。広さを変えてみる。「ダイレクト」と書いているけど、2タッチに変えてみる。そうやって、目の前の子どもたちに難し過ぎるものは簡単に。逆に簡単すぎるものは、難しくしてみる。基本的な考え方はシンプルなのです。■「こうしたら楽しくなるだろうな」という視点で練習メニューをアレンジしてみる「難しくてできな~い!」という子どもたちはどうすればいいですか?と、コーチの方に質問されます。「ニコニコしながら見ていればいいんですよ」と話しますが、今度は「どうすればできるようになりますか?」と聞いてきます。その答えは指導者自身が見つけることです。ひとつのアイデアとして、冒頭で伝えたように「足でやる前に手でやってみる」というやり方です。あとは、コントロールの回数。2タッチ、ワンタッチ、ダイレクト。もしくはルールを決めずにフリーで。やる人数。広さ。ゴールを置くか置かないか。ゴールをいくつ置くか。そこをコントロールしながら「こうしたら楽しくなるだろうな」というアイデアを考えていく。エンジョイを必ず前提にしてください。さらにいえば、「こうしたら1点ね」「ワンタッチで2回続けたら2点ね」などと、勝ち負けが楽しめるものにしてください。池上正さんの指導を動画で見る>>■10歳ぐらいの子どもたちにとって練習メニューより大事なこと(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)先日は、高校生の練習をみてきました。コロナ明けで練習が再開。しばらく公式戦もありません。そういう状態だと「基礎練習から」「体力トレーニングから」みたいなことになりがちですが、こういうときこそ「サッカーが楽しい!」という思いをさせたいと思いました。そこで、ミニゲーム大会をしました。上記のように、タッチ数を制限したり、さまざま変化を設けます。選手たちは「難しい!」と言いながら課題をクリアします。一所懸命やります。ミニゲーム大会は「このコートはJ1」、「こっちはJ2」など決めて、ゲームに勝つと「昇格」していきます。人数は4人でやりますが、人数の関係で3人チームもいます。3人が4人に勝つとすごく嬉しいですね。終わると全員が「今日は楽しかった~!」と声をあげていました。10歳くらいの子はすべてが楽しめるようにしてほしいと思います。メニューではなくて、どう楽しんでもらえるか?そこが指導者の技術というか指導力でしょう。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年10月29日ASIAジュニアカップを今年も11月~4月の日程で埼玉県北部・東部・西部の3会場にて開催します。2018年から埼玉県で開催されているこの大会は、アジア全域での事業展開を進める総合不動産カンパニー「ASIA GROUP」がスポンサードし、埼玉県を中心にサッカー、フットサル、野球のスクール運営をするリアルスポーツクラブが主催する大会で、「関東で一番子どもがときめく大会」を目指して開催しています。全国を目指して頑張っていた6年生は、秋に最後の試合が終わってしまうと中学入学まで強度のある試合は中々ありません。この大会を主催するリアルスポーツクラブは、開催意図を「目標がなくなり、どこか寂しい気持ちになってしまった子どもたちが、小学生最後まで輝いてほしいという思いで開催している」と明かします。他県の強いチームと予選から試合ができる経験はもちろん、大会の中で子どもたち同士が自然と交流できる場にもなっており、中学までサッカーの試合がなくモチベーションキープに悩む子たちに、活力を与える大会になっているとのこと。大会はU-6~U-12までが参加でき、2020年度に約3,600名の選手がプレーしています。2018年~2020年の3年間で約10,000名がプレーしてきました。未就学児や低学年は、日頃なかなか経験出来ないスポンサーがついている大会で、いつもより真剣勝負が体験できる貴重な機会となっているそうです。また、子ども達が試合の結果を見に本部に来る際にスタッフが声をかけ、他のチームとの交流をする機会を作ったり、チャンピオンシップは宿泊型にしているので自然と他チームの子と交流している機会が生まれるそう。サッカーを通じて子どもたちが交流の輪を広げる大会となっています。今年は11月~4月の予定で、埼玉県北部・東部・西部の3会場で開催されます。大会の詳細、お申し込みはこちらでご確認ください>>
2021年10月27日Jリーガーの平均身長は約178cm、近年は体格に恵まれた選手が増えているのは間違いありません。では、大きくなれないと活躍できないの?プロにはなれないの?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、小柄でも活躍している選手はいます。「小さいころから小さかったし、フィジカルは海外でもJでも弱い方」と語るセレッソ大阪の乾選手もその一人。小柄でも抜群のテクニックと判断で海外でも活躍。Jリーグ復帰後もチームをけん引しています。前編では、幼少期を振り返ってもらいながら、他よりも小柄な乾選手が、どんなことを考えながらプレーしていたのか、お聞きしました。後編の今回は、ドイツ、スペインでプレーした際に感じた小柄な選手でも活躍できる方法についてお聞きしています。(取材・文:森田将義)(C)CEREZO OSAKA<<前編:「夢中になれれば、最強」乾貴士選手が語る、サッカーが上手くなるために一番大事なこと■サッカーは騙し合い。相手が思っていないことをできるかが大事――海外でプレーする中で、日本との違いを感じた部分はありますか?海外に行ってからは、球際の競り合いの部分で違いを感じました。スペインに渡ってからは戦術理解度というか、やっぱり上手くて頭が良い選手が多いと感じました。サッカーを知っているなって。プレーの判断と言うんですかね。ここではボールを獲られてはいけない、ここでは獲られても良いから思い切ったプレーをするという判断ができる選手がたくさんいました。日本と比べると一つのミスで展開が大きく変わり、一気にやられてしまうケースが多いので、みんなが危機感を持ってプレーしていた気がします。こうした意識は変えようと思っても、簡単には変わらない部分だと思います。自分自身も含め、日本人には「これくらいなら大丈夫だろう」という感覚があるのかもしれません。スペインにいた頃は監督に指摘されながらも、一つひとつのプレーに集中していました。――屈強な選手が多いヨーロッパでは、フィジカルの部分での苦労も多そうです海外ではフィジカルの差もありましたが、自分が小さいのは昔から。フィジカルで勝てるとも思っていないので、どれだけ相手に触れられないようプレーするか常に考えています。触れられても、最悪ファールを貰えれば良いという考えです。判断が悪いから、相手に距離を詰められ、ボールを奪われてしまう。そのためにはサッカーを理解し、一つ一つの判断を速くすることが大事だと思っています。小さい頃から、「サッカーは騙し合い。どれだけ相手が思っていないことをできるかが大事」と言われながら育ってきました。相手に触れられないためにも大事な考え方だと思います。ボールが来る前から、「ここなら相手が付いて来ないだろう」というトラップの位置を見れている選手が、本当に上手い選手だと思います。久保(建英)くんとかは、そうしたタイプのプレイヤーですよね。小柄だからこそ小学生年代で身につけてほしい足元のスキルなどは特にないのですが、こうした周りの状況を見て判断することは、小学生のうちから意識できることだと思うので、ぜひ真似して欲しいですね。■ワールドカップで結果を残すには、組織的な守備がカギ――野洲高校時代の恩師である山本佳司先生は、ヨーロッパに行ってから乾選手の守備が上手くなったと仰っていましたドイツの時は、マンツーマン気味の守備だったので、フィジカル勝負になって負けることが多かったんです。サイドは特にフィジカル勝負の要素が多くて難しかったけど、スペインのエイバルでは、メンディリバル監督の下、ゾーン守備を徹底し、みんなで守ろうというスタイルでした。もちろん球際の強さも求められましたが、それ以上にポジショニングが大事。自分に合っていたのもあり、エイバルでプレーしてからは、一気に守備意識が変わりました。組織的な守備は、日本人にとって凄く大事だと思うんです。ワールドカップで結果を残したいと考えた時に、フィジカル勝負では勝てません。でも、全員で組織的な守備ができれば、チャンスがあると思っています。海外に出てから、強く思った部分です。――ゾーンでの守り方などは、日本の育成年代ではできない選手が多いように感じますピピくん(中井卓大)を観にレアル・マドリーの試合へ何度か行きましたが、スペインは育成年代から細かいポジショニングを意識してプレーしていました。そういった頭で理解している部分、「サッカーを知っている」という面で日本の先を行っているなと感じました。プロのカテゴリーでも自然と良いポジションがとれる選手が多かったけど、自分は考えながらプレーしなければいけなかった。彼らは試合中いちいち考えていません。状況ごとのプレーに瞬時に対応しているのです。それがプレースピードにつながります。日本との違いは、とても大きく、サッカーを見て学ぶ習慣が根付いている気がしました。同時に選手だけが原因でなく、もしかしたら日本の場合はポジショニングまで教えられる指導者がまだ少ないのかもしれません。■壁にぶち当たった時に、自分を変えられるかが大事――そうした気付きが、守備の変化に繋がっていったんですね昔は守備が下手というか、やらなかったんですが、海外に行ったら守備をしないと試合に出られない。自分自身が、海外のサイドアタッカーと張り合える程の突破力があるかと言えば、そこまではないので、突破やボールキープにプラスして何ができるか考えた際に、メンディリバル監督が求める守備だと思ったんです。僕は自分に対するプライドが強い方ではありません。自分のプレースタイルはもちろんありますけど、それを壊してでも試合に出たい。そこまで試合に出た方が良いのか?と悩んだり、自分のスタイルを壊したくないと思う人もいると思いますが、自分はそっちタイプじゃない。監督が求めることをやらなければと思うタイプなんです。プラスアルファでちょっと違いが作れれば良いと思いながら、プレーしていました。――監督が求めることをやらなければと考えていたのは、昔からでしょうか?セゾンFCや野洲高校でプレーしていた時はプライドの塊でしたよ(笑)。自分のやりたいことだけをやろうと思っていたから、守備をしなかった。自分がボールを持った時だけ、違いを見せれば良いと思っていました。高校に入った時くらいまでは、それでも良いと思うんです。でも、プロって上手い人たちの集まりで、それまで中心選手として活躍してきた選手ばかり。海外に行けば更に凄い選手がたくさんいるじゃないですか。そうした選手を見て、「自分のレベルはだいたいこれ位なんだな」というのが分かったけど、スペインで少しでも長くプレーしたかった。生き残っていくためにはどうすれば良いんだろうと思った時に、こうした考えに至りました。壁にぶち当たった時に、自分を変えられるかが大事だと思うんです。変えられるなら、高校くらいまでは王様でも良い。そう思うと、幼少期に考える習慣を身につけさせてもらった岩谷さんの存在は大きかった。最初に出会ったのが岩谷さんじゃなかったら、違うサッカー人生になっていた気がします。
2021年10月26日2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選がスタートした9月、日本代表ボランチ・遠藤航(シュツットガルト)が「『楽しい』から強くなれる」という初の著書を出版しました。「僕は未来の自分がサッカー選手になり、プロとして活躍している事、日本代表として活躍している事を期待しています」「世界に通用するDFとしてサッカーを楽しんでいる事を期待しています」これは遠藤選手が中学3年の時、10年後の自分に向けて書いた手紙だと言います。その内容通り、彼は日本代表となり、ドイツ・ブンデスリーガ1部でデュエル(球際)勝率1位に輝くという大輪の花を咲かせています。偉大な遠藤航選手はどのような育てられ方をしたのか......。それは多くの保護者や指導者が関心を抱く部分でしょう。その疑問に答えてくれたのが、父・周作さんです。(取材・文:元川悦子)(C)中河原 理英■「子どもに期待しない」遠藤家の育児方針茨城県で育った学生時代にセンターバックをしていたという周作さんは、航選手が横浜市立南戸塚小学校入学と同時に加入した南戸塚少年サッカークラブ(SC)で指導者として息子を指導。航選手にとって「最初の恩師」ということにもなります。「私は子育てするうえで2つのポリシーがありました。1つは子どもに期待しないこと。親の過度な期待が子どもの負担になるケースは少なくありません。内心期待していてもそれを感じさせないような立ち振る舞いに努めました。もう1つは子どもを1人の人間として扱うこと。幼いなりにも考えはありますから、彼らの頭の中をのぞきにいかないと理解できない。『この子は今、何を考えているんだろう』という疑問を持って接するようにしていたんです」周作さんは淡々とこう話しますが、子どもの側に立って考えるのは大人にとって容易ではありません。思い通りにならなくてストレスを感じたり、忍耐を強いられたりすることも少なくないでしょう。それでも、遠藤家では「あれしろ」「これしろ」とは絶対に言わず、彼らの答えを引き出すように仕向けていたというから、驚嘆に値します。■親にできるのは選択肢を与えること「長男の航を筆頭に子どもは3人いるのですが、我が家ではすぐに答えを言わないようにしていました。サッカーの指導をしていても、社会人として働いていても感じることですが、物事の答えは1つじゃない。自分なりの回答を見つけてほしいと思っていました。子どもは1つ1つの判断に時間がかかりますし、何回やってもできなかったりするのですが、それでも焦れずに辛抱強く待ち続けたんです。親にできるのは、沢山の選択肢を与えてあげることくらい。航にも小学校低学年くらいまでは野球やパターゴルフ、サッカーといろいろやる機会を作り、本人は野球にも熱を入れていました。最終的にはサッカーを選びましたが、別のトライからも多くの学びがあったはず。『好きなことを突き詰める』という今につながるメンタリティも養われたのかなと感じます」■やらなくて困るのは本人周作さんのこうしたポリシーはスポーツにとどまりませんでした。勉強に関しても「やらなくて困るのは本人。必要だと思えば自分からアクションを起こすだろう」と考え、一度も「勉強しろ」「宿題をしろ」などと言ったことはないそうです。航選手本人はもともと真面目に勉強する子どもだったようですが、サッカー強豪校で偏差値も高い桐光学園などへの進学を視野に入れ始めた中学2年の時、自ら「塾に行かせてほしい」と言い出し、積極的に通ったほど。この時点ですでに自立心と自主性に長けた人間に育っていたのでしょう。■「反抗期終わったから」と本人から報告があった「ウチは妻(母・香さん)も教育ママではないし、両親2人ともボーっとしたタイプ(笑)。航には『人に迷惑をかけるな』とは言っていましたが、怒ったことは一度もありません。思春期の中学2・3年頃、本人が『オレ、反抗期終わったから』と言ってきたころがありましたけど、反抗した印象がなかったので驚いた記憶がありますね。親から見てもあまり感情を露わにするようなタイプでもないし、つねに『もう1人の自分』がいて、客観的に自身を見ているようなところがあったんでしょう」(周作さん)こうした冷静さと落ち着きは年齢を追うごとに養われたようです。生粋の負けず嫌いの航選手は低学年の頃は負けるたびに泣いていたものの、高学年になると自分をコントロールできるようになり、周りを励ましたり、指示を送ったりもしていました。周作さんも指導者として我が子だけを特別扱いするのではなく、全員とフラットに接し、長所を伸ばそうと努めていました。チームメートに誠心誠意歩み寄る父の姿勢を間近で見て、息子はフォア・ザ・チームを養っていったはずです。■セレクション不合格でも挫折感を感じなかった理由一方で、周作さんは「子どもにはもっと広い世界を知ってほしい」とも考えていました。そこで小学4年の時、横浜F・マリノスのジュニア・スペシャルクラスのセレクションを受けるように勧めました。「航は南戸塚SCの中ではうまい方だったと思いますけど、もっとうまい子はいくらでもいる。その現実を分かってほしくて、『こんなのがあるよ』とセレクションの情報を伝えました。本人は『じゃあやってみる』と二つ返事でしたが、受かるとは全く思っていませんでした。実際のセレクションも見ましたけど、ドリブルが上手で3~4人をスイスイ抜いていくような子が何人もいて、航は決して目立ちませんでした。案の定、結果は1次テストで落選。小学5・6年の時もジュニアユースのセレクションを受けましたが不合格。本人も自分の実力を分かっていたのか、落ち込んだ様子もなかったですね」(周作さん)著書の中で航選手は「大きな挫折感はなかった。『見返してやりたい』とか『合格者がうらやましい』とも思わなかった。落ちた後もマリノスの試合を普通に観に行っていたくらいだから」と語っていますが、そう思えたのも「サッカーが好きだから続けたい」という感情が強かったからでしょう。「自分で判断して前進することの重要性」を早い段階から知らしめた父のナイスアシストによって、航選手はよりサッカーを突き詰めるようになり、現在に至るトップ選手への道を貪欲に切り開いていきました。「子ども自身が自発的に行動を起こすように親は黙って見守る」というスタンスが奏功したのは、紛れもない事実と言えるでしょう。
2021年10月22日身長169cmという小柄な体格を苦にしない卓越したテクニックと的確な判断を活かしたプレーで、ドイツ・スペインで10シーズンに渡ってプレーしてきたのが、日本代表MFの乾貴士選手です。9月に古巣・セレッソ大阪に復帰してからも華麗なプレーを披露し、多くのサポーターを魅了する乾選手ですが、幼少期から身体は小さく、プロになってからもフィジカルでは劣る選手がほとんど。そうした中で活躍できる理由を、お聞きしました。前編となる今回は幼少期についてです。(取材・文:森田将義)(C)CEREZO OSAKA■とにかくボールに触らないと上手くなれない――まずは幼少期の乾選手について教えてください小学校1年生でサッカーを始めた当初は、他のスポーツもやっていましたが、サッカー中心の生活を送っていました。でも、小学4年生くらいになると厳しい指導に音を上げて、サッカーへの熱が冷めていったんです。年上のチームでプレーさせてもらいながらも、練習をサボることも多かったですし、休むことが増えていった。一人でボールを蹴ることもなくなっていきました。高学年の頃は、みんなで野球をしていた記憶の方が多いですね。今となっては、サボってしまった時期を後悔しています。一番技術が身につく小学生から、中学1、2年生の頃にどれだけサボらないかが大事。それくらいの年齢は、ゲームなど色んな誘惑があります。サッカーが上手く行かず、違うスポーツに進む子ども出てくるでしょう。そこでどれだけ頑張れるかが、大事だと思います。僕は中学3年生から、もう一度自主練を真面目にし始めたので、ちょっと遅かったな、と今となって感じていることです。――なぜ、再びサッカーを頑張ろうと思えたのでしょうか?野洲高校の練習に行かせてもらった際に、一歳上の先輩たちの練習に混ぜてもらったのですが、岩谷さん(岩谷篤人さんセゾンフットボールクラブ代表、2003年から10年間野洲高校のコーチを務めた)から「一人だけ子どもだぞ」と言われたんです。この前まで一緒にやっていた先輩たちとプレーし、まったく自分のプレーが良くなかったので、焦りと悔しさを感じました。このままじゃまずいな、もう一回ちゃんとサッカーを頑張ろうって思ったんです。とにかくボールに触らないと上手くなれないというのを、その時にやっと感じました。チームの練習だけじゃ、上手くなれないんだって。――幼少期の指導で現在に活きていることはありますか?ドリブルや足元のテクニックを学べたのは大きかったです。なにより、高校卒業までお世話になった岩谷さんと出会えたのは大きかった。岩谷さんは教える際に、答えを言わないんです。答えを教えてもらうと選手は楽で、それをやっておけば良いと考えてしまう。でも、岩谷さんは「なぜ今のプレーがダメだったのか」、「ここを崩すためには、どうすれば良いのか」と小学生ながらに考えさせる指導でした。答えを言わず、サッカー以外の例えを言ってくれたりしました。それをちゃんと聞いていないと、岩谷さんが求めるプレーができない。話を聞いているか、聞いていないかすぐバレてしまうんです。分かっていなかったら叱られたりもするので、ある日を境に「聞かなきゃ」という意識が芽生え、一生懸命話を聞くようになりました。悩むことも多かったけど、考えて考えてサッカーをやっていたのは、凄く財産になっています。あの時がなければ、身につかなかったと思っています。■人の真似が、プレイヤーとしての成長に繋がる――技術面もセゾンFC、野洲高校のカラーが良く出ているように感じますテクニックの面では、小学生の頃からずっとやっていたジグドリ(足裏や甲を多用して行う複数のドリブルメニュー)の効果は大きかったと思います。スピードに乗った中で、どれだけ細かくタッチができるか、スピードを落とさず相手を抜いていけるのは、あの練習があったから。見た目以上にしんどいメニューでしたが、サッカーが好きなら嫌がらずにできると思うので、苦じゃなかった。野洲高校は他の学校よりボールを使うメニューが多かったというのもあるかもしれません。――野洲高校の恩師である山本佳司先生は、ずっとボールを蹴っていたと仰っていました確かに、高校の時は練習前後に高く蹴り上げたボールをトラップする練習をずっとしていました。普通にトラップするだけでも、難しいボールを単に止めるのではなく、止めたと同時にスピードに乗ったドリブルができるようになろうと思って。試合を意識した動きをしていました。当時、ロナウジーニョ(元ブラジル代表)のプレーが好きだったので、同じような動きを楽しみながら真似していました。人のプレーの真似をするのが得意というか、良い所を盗むのが好きだったんです。サッカーを始めたばかりの頃は、マラドーナのプレーが好きで、よくビデオを見ていました。■夢中になれれば、最強――努力をしている感覚ではなく、サッカーが好きで堪らなかったという感覚なのでしょうか?上手くなるには、どれだけ夢中になれるかが大事ですよね。好きになって、夢中になれれば、最強ですよ。絶対そんな選手は自ら好んで練習ばっかりしているはずなので、自然と上手くなっていく。嫌々やるのでは効果はありません。基本的にサッカー選手は、サッカーが好きな人ばかり。好きなのに努力しない人は何かの誘惑に負けているからだと思います。子どもたちにはサッカーを好きになって、夢中になるのが一番だって伝えたい。そうなれば勝手に上手くなっていくんです。――サッカー少年たちに伝えたい言葉です。サカイクの読者である親御さんには、何かメッセージはありますか?親御さんに対しては難しいですね。僕もサッカー選手の親ですが、とても難しい。教えて欲しいくらい(笑)。ほかのサッカー選手は、わが子に対してどう接していたんですかね。水沼(貴史)さんとか、プロ選手の親に聞いてみたい。自分で言うのもあれですが、プロになった位なので息子の年齢くらいの時はもっと上手かったなって感じてしまうんです。だから、できなかったことに対して指摘してしまうんですよね。学校へ行く前に一緒にボールを蹴ったりするんですが、「何で出来ひんの?」、「もっとやれよ」って言ってしまうことも......。そうしたきつい言葉をかけると、サッカーへの気持ちが離れてしまうので、どうしたら良いんだろうって常日頃から考えています。そっと見守ってあげるのが一番なのかなとは思うんですけどね。「夢中になれれば、最強」とは思っているのですが、夢中にさせるまでに持っていくのが、難しいと感じています。
2021年10月21日上の学年の試合に出してもらうが、ミスしたときなど試合中に泣いている息子。監督には「そのままでいい」と言われているが、上級生の親に「雰囲気が悪くなるから泣くのをやめろ」と注意された。監督は良いと言っているのに、他人の親に注意されてイラっとする。このことを監督に相談してもいい?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに心を軽くするアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<サッカーが嫌で辞めたい息子のやる気を引き出したいが、どこまでやれば過干渉かわからない問題<サッカーママからのご相談>10歳の息子が上の学年の練習や試合に呼ばれているのですが、ミスをして干されることがあり、試合中や練習中に泣いていたため、監督に泣くことの是非を問いかけたところ「何を考えているか分からない子どもより良いから、そのままで」と言われています。しかし、同じクラブの別の子の親がうちの息子に対し「上級生の雰囲気が悪くなるため、試合や練習で泣くことはやめろ」と注意します。他の親が人の子どもに対してのこのような発言をすることに対し、イラっときます。このような場合、監督に相談しても良いのでしょうか。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。お母さんのお気持ち、察します。その保護者と、お母さんたち親子の関係性というか、親しさの度合いによっては「雰囲気悪くなるね。どうしたらいいのかなあ?」と相談に乗ってもらえそうです。が、それほど付き合いのない方から注意されると、ちょっとイラっとしますね。■本人を飛び越え監督に話をすると、問題が拗れる可能性があるしかしながら、イラっとしたからと言って、監督に話を持ち込むのはトラブルの素になりそうです。結論から申し上げると、監督に相談しないほうがいいでしょう。息子さんに注意した上級生の親御さんの発言を問題にするというわけですよね。こういった場合、お付き合いのルールとして、まずは注意してきたその親御さんに、お母さんからお話しするのが筋だと思います。本人を飛び越えて監督さんに相談した結果、そのことを監督さんからその方に万が一「○○さんから苦情が来た」などと伝わるとしましょう。その上級生の保護者は「なぜ、直接言わないのか?」と憤りを覚えるかと思います。仮に、お母さんが何かあって他の子どもを注意したら、その子のお母さんが自分には言わずに監督さんに「○○さんが......」と相談していたことを知ったら、どんな気持ちになるでしょうか。■イラっとするが、基本的には放っておくに限るしたがって、まずはその方にやんわり話すことをお勧めします。例えば、こんなふうに言ってみることが考えられます。「息子は悔しがりなので、すぐに泣いてしまいますが、大目に見てもらえませんか?監督からも、このままでいいと言われました」そこで、相手の方が反論してきたら「一度、一緒に監督に話しませんか?」と提案してもいいかと思います。ただし、基本的に放っておくに限ると私は思います。放っておくのは、この上級生の保護者もそうですし、干されると泣いてしまうお子さんのこともです。「泰然自若」という言葉をご存知かと思います。何事にも動じない。何かトラブルが起こっても慌てない姿勢を指します。人は皆そうありたいと思いつつ、ついついジタバタしてしまいがちだから、このような四文字熟語が生まれたのでしょう。泰然としていられないけれど、せめて「そうあろう」と心がけることは大切です。イラっとするし、「悪いのはあっちの親」と思われるかもしれませんが、そこを受け流す寛容さをぜひ身につけてください。■ミスをしたら干す指導法に疑問そのほかに、気になることが二つありました。息子さんがミスをしたからと言って干す指導法については、お母さんは何も感じられないのでしょうか?上級生の親御さんの発言云々よりも、私はそのことが気になりました。ミスすると交替させられると思うと、息子さんは思い切ったプレーができません。手を使う競技以上に、足でプレーするサッカーは「ミスのスポーツ」と言われます。トラップミス、パスミス、判断ミス。さまざまな失敗をしてこそ、「じゃあ、次はどうするか」と自分で解決法を探って、次の練習や試合に活かす。そうやって上達するのがスポーツです。このままでは息子さんは委縮して、自分で考えてサッカーをすることができなくなるのではないでしょうか?もし、監督さんと話しやすい関係性を築いているのであれば、ぜひそのことを話してみてはいかがでしょうか。■他者に意見を求める前に親としてすべきこと(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)二つめは、監督さんに相談することが多いようですが、まずはお母さんご自身の考えをまとめてみることも重要ではないでしょうか。今回、私に相談してくださったのは嬉しいのですし、他者に意見を求めることは重要です。しかし、もっと重要なのは、ご自分が母親としてどう考えるかです。短い相談文のなかからお母さんの意見や気持ちを探るのは限界があるので「いや、私は自分の意見を持ってますよ」とおっしゃるかもしれません。そうであれば、まずは最初に自分が思ったように動いてみてください。「島沢さんがこう言ったから」「監督からはこう言われた」と他者の意見を過度に尊重してしまうと、うまくいかなかったときに辛い気持ちになりますよね。子育ては難しい場面もあります。私自身、家族や、ママ友や専門家の意見、本を読んだりして乗り越えてきた気がします。少し視点を変えて、ゆったりと息子さんを見守ってみませんか。泰然自若。なかなかそうなれませんが、そうありたいと思う気持ちが大切かと思います。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年10月20日「過保護」「過干渉」は親御さんの関心の高いことです。みなさんは「子どもも文句も言わないし、問題も起きていないから、私は過干渉とは違うかな」と思っていますか?前回お送りしたように、子どもを親の思い通りにすることは過干渉です。子どもが親に言われたことに文句を言わないのは、自分でどうしたらいいのかを考えることをしていないからです。子どもの考える力を育てるためには、過干渉せずサポートしたいもの。実際にあったエピソードを交えて、公認心理師・心理カウンセラーのあさくらゆかりさんと考えてみましょう。(取材・文:前田陽子)<<前回の記事:子どもの行動が気になって、つい口出してしまう。これって過干渉?過干渉が及ぼす子どもへの影響とは!?■「着替えがない」という理由サッカーキャンプに参加していた高学年のA君。キャンプ早々に雨に降られて、練習着を着替えることになりました。ですが、A君は「着替えがない」と動きません。コーチが話を聞くと、練習着はシャツ、パンツ、ソックスがセットされていて〇月〇日用とパッキングをされています。だから今日の日用がもうないので着替えができないと言います。コーチはA君に、翌日のシャツに着替えるように伝え、着替えさせましたが、翌日また「着るものがない」と。宿泊場所にはランドリーもあるので、前日雨に濡れたシャツを洗濯することもできるのですが子どもにはその想像力がないのでオロオロするばかりです。荷物をよく見ると、練習着以外にも下着や寝る時用、帰り用とパッキングされていたといいます。■親がすべて荷造りをするのではなく、一緒に支度をすることからスタートこのエピソードを伝えると、あさくらさんはこう言います。「少々やりすぎのように感じますが、子どもが迷わないのでパッキングすること自体は悪くないと思います。問題なのは、荷造りを一緒にやったか親御さんだけがやったのかという点です。荷造りなら、お母さんが2泊3日の旅行に行くならこんな風に荷物をまとめるけど、あなたならどうする?と見本を見せてやり方を考えさせるといいでしょう」持っていくべきものをまず選び、パッキングを子ども自身にやらせます。親はその様子を見ながらアドバイスをする程度で手は出さないこと。それが荷造りを『一緒にやる』ということ。できるようになったら、親は最終確認だけ。そういったことを何回か続けるうちに、すべてを任せられるようになります。どうしても心配なら気づかれないようにチェックしてもOKだそうです。ウェアの上下セットまで決めて準備をするようなご家庭では、普段着も親がコーディネイトを準備されているかもしれませんが、機能的に「どうしても」というのでなければ、色柄の組み合わせなどは子ども自身でやらせることです。大事なのはその期間に何をどれだけ持って行けばいいのかを理解する事。自分で選ぶ経験はセンスや感覚を養うチャンスでもあるので、子どもに任せましょう。■失敗と成功を繰り返さないと挑戦できるようにならない前述のA君も、雨に降られることがなければシャツが足りなくなるというアクシデントに合うことはなかったのですが、そんな時に応用力がないのはこれから先の人生においても心配ですよね。A君はこのことがあって、次からは予備を用意したり、コーチに洗濯機を使わせてほしいと頼めることを学べました。子どもたちは失敗と成功を繰り返さないと、挑戦できるようになりません。失敗をすることでそれを乗り越える力をつけることができます。サッカーは常に応用力が試されるスポーツなのでそういった力を養う事が必要です。■自分で選ぶことは「楽しいこと」だと感じさせること子どもの力を伸ばす上でも、先回りするのではなく、「雨が降って濡れたらどうしようか」などと想定できるアクシデントについて、事前に話ができるといいですね。あさくらさんがカウンセリングをされた方にこんな人がいたそうです。25歳の男性が「自分の服を一度も買ったことがなく、自分で何も決められずに人生が楽しくなかった。先日初めてTシャツを買って、すごくうれしかった」と。自分で選ぶことはとても楽しいことなので、その喜びを子どもから奪ってしまうようなことは避けたいですね。あさくらゆかり公認心理師・心理カウンセラー一般社団法人日本ライトカウンセリング協会代表理事、株式会社kikiwell所属カウンセラー・統括責任者幼稚園教諭・保育士・公立小学校学級支援員を経て心理カウンセラーに。2007年1月より(株)kikiwellが運営するキキウェルメンタルヘルスサービス(旧:聞き上手倶楽部)に所属。ライトカウンセラーとして活動開始。「聞ける人ほどうまくいく」をスローガンに、カウンセラー養成講座の講師を務めている。また「聞かせて下さい、あなたのお話」、このひとことを熱く胸に抱え(株)kikiwellで電話カウンセラーとしても活動している。【カウンセリング実績】電話カウンセリング11,400件、メールカウンセリング4,000件、対面カウンセリング100件。連続最長電話カウンセリング記録11時間。クライエントのリピート率は85%
2021年10月18日ボールを強く蹴ることができなくて、試合では相手に取られてばかり。なかなか勝つことが難しい。せめてもっと強く蹴ることができるようになればボールがつながって楽しめるのでは?と考えるが、サッカー経験が浅くどう教えていいかわからない。というご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、小学生年代の指導で大事なことをアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<味方がパスを受けやすくするための動きが分かってない子どもたちに、理解させる方法を教えて<お父さんコーチからのご質問>この春からお父さんコーチをしている者です。なかなか試合に勝つことが出来ないチームですが、それでもサッカーが少しでも楽しめるように、せめてボールが少しでも強く蹴れるようになる練習方法はありますか?ボールがほとんど蹴れないので相手に取られてばかりです。チームの半数以上がインステップキックで当てることが出来ません。リフティングも50回出来る子は全体の三分の一もいない程度です。また、私自身あまりサッカーを経験をしていないのでどう説明して良いかわかりません。相手にとられない強度で蹴る、止めるを身につけさせるにはどうしたらいいでしょうか。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。「強く蹴られるようになってほしい。どうすればいいか?」ご相談者様と同じ悩みが、サカイク編集部にたくさん届くそうです。■10歳のころのサッカーをどのように見るか、が大事指導者が選手に大きく蹴らせたいと考える理由は、相手に攻められて、逃げ出すために大きく蹴ってほしいと考えるようです。ピンチになったときに大きくクリアできないと、延々と攻撃されてしまうからでしょう。特に、ご相談者様が教えている10歳以下の子どもたちにはよくあることです。多くのコーチが子どもに強いキック力を望むのは、試合に勝つために大きく蹴られるようにしたいのではないでしょうか。攻撃面でも、裏にスペースが空いていて、そこに蹴れば足の速い子が決めてくれます。決定機を決めて、ピンチを逃れるためには、キック力が必要なのです。キック力が子どもに必要ないとまでは言いません。しかし、「10歳のころのサッカー」を指導者として、どのように見るか。そこを考えることが重要です。■ジュニア気に養うべきものはキック力ではないまず、10歳の子どもが試合をする人数やコートのサイズはどんなものが最適だと思われますか?日本は、小学1年生から6年生まで8人制のみだと、とらえている方は少なくないようです。さらに、11人制用のフルピッチで試合をさせてしまうこともあります。その大きさのコートでは、強いキック力がなければ、なかなかボールがつながらないなあという印象になりがちです。その一方で、欧州などでは、4人、5人、7人制で、小さいコートでゲームをさせます。ドイツでは低学年の子どもを中心にフニーニョという3人制も始めています。年代に合った人数と、コートサイズが相当研究されています。オランダ、ドイツやスペイン、フランスといったサッカーの強豪国が、少人数、小さいコートで子どもたちにサッカーをさせる現実から、ジュニア期に養うべきものはキック力でないことがわかります。■強く蹴らないとボールがつながらないという試合環境は小学生に適してないでは、何を養うのか。それは、私がこの連載でよくお伝えしている「認知力」です。自分で考え、判断する。周りを見てプレーする。それらを前提とした育成を指導者が理解する必要があります。強く蹴らないとボールがつながらない、もしくは守備ができないという試合環境は、小学生には適していないと考えてください。自分たちの届く長さのパスで簡単にできるところを探す。ショートパスでつないでいく。そこに指導者がフォーカスすれば、強いキックができなくてもサッカーが成立します。しかも、大きなピッチで無理にロングボールを蹴るサッカーよりもずっと、見て、動くスキルが養われます。そのような考え方、見方をしてほしいと思います。■身体の成長とともに自然と蹴れるようになる、まずは認知力をつけるのが大事これは中学生の話ですが、私が指導しているチームは、ロングキックの練習をしません。しかし、3年生になると、みんなロングキックを自然に蹴られるようになります。体が大きくなったり、筋力がつくといった成長とともに、間違いなく蹴られるようになります。なぜならば、認知力を養う練習を行うので、徐々に見える範囲が広くなります。それとともに、遠くの選手にパスをしたくなるので、選手が自ら主体的にパスしようとします。つまり、遠くでも発見できる、遠くでもパスできる。そんな力が自然についてくる年代なので、コートも広くなるわけです。いろいろな練習の中で、こちらから「インステップで蹴ってごらん。ここに当てるんだよ」などと説明するだけでOKです。10歳という年代はそのくらいの指導で問題ありません。■リフティングがたくさん出来る=サッカーが上手いわけではないリフティングがたくさんできないことも、大した問題ではありません。リフティングは、技術を計る際に、ひとつの見やすい指標ではあります。やらないほうがいいとは言いませんが、100回できる子がサッカーが上手いかと言えばそうではありません。例えば、私が現在指導に通っている高校では、ひとりでリフティングを100回できる選手に「じゃあ、2人でボールを交換しながらやってみて」と言うと、できる子が減ります。次に「3人でやろう」と言ってやらせると、ボールを落とさず交換できる子はさらに減ります。上手い子同士でやってもできません。思えば、Jリーグクラブのプロ選手が一番嫌なのはリフティングを見せることでした。子どもを対象にしたサッカー教室で「ちょっとやってみて」と頼まれることがありましたが、得意ではない選手は少なくありませんでした。ところが、私が高校生にやらせたように、3人でボールを交換しながらリフティングをして移動していくことは難なくできます。なぜなら、それはパスだからです。面白いことに、ひとりでリフティングするのは苦手でも、3人なら簡単にできる。プロになると、このように逆転するのです。小学生もリフティングが上手い子たちを3人選んでやってもらっても、移動しながらはなかなかできません。池上正さんの指導を動画で見る>>■少年サッカーは中学の予備校ではない、年代に合わせた指導を(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)このように、指導を捉え直すことが必要です。小学生のコーチにお願いしたいのは、7歳から12歳までをどんなふうに育ててあげるか。例えば、7歳まではこんなことが必要だから、よく見て考えられるよう、7歳が認知できる人数にしてあげます。例えば、5人くらいで。顔を上げると全体が見えるくらいのサイズのコートにしてあげましょう。決して少なくない数のチームが、広すぎるグランド、多すぎる人数で、サッカーをやらせています。これを6年間続けてしまうと、適切な人数と、適度な広さのコートで6年間継続した子どもたちとでは、大きな差が生まれることでしょう。少年サッカーは、中学生(ジュニアユース)の予備校ではありません。「中学で困らないように」などと考えず、その年代で大事なことを忘れず、ゆっくり育ててあげてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年10月15日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ダイレクトパスができない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。試合中は、ボールを足元でコントロールして次の動きに移ることもありますが、相手が素早く自分に寄せてきたり、早く味方にパスを繋いだ方が効果的な攻撃につながることもあります。そんな時に、来たボールをそのまま蹴る「ダイレクトパス」を使うのですが、初心者は自分に来たボールをダイレクトでコントロールするのが難しいもの。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、試合中相手に寄せられても素早くダイレクトパスで攻撃を続けることができるようになります。親は難しい動きはありません。【やり方】1.親子で離れて立ち、親は子どもの足元にボールを転がす2.子どもはダイレクトで親にボールを返す3.慣れてきたら目印を置いてその間を通すなど難易度を上げる4.上手くできるようになったら、距離を離したりボールをバウンドさせたりしてさらに難易度アップにチャレンジ【トレーニングのポイント】・親が転がすボールをよく見る・蹴り足を大きく振りかぶらない・ひざのクッションを使う・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年10月13日学校へ行く支度からサッカーの準備まで、子どもの行動につい口を出したり、手を出したりと先回り。「もしかしたら過干渉かも......」そう感じている親御さんは多いのではないでしょうか?大人がアレコレ指示をしてやらせるのは、親も子も楽な部分もありますが、結果、何もかも親任せな子になってしまう可能性も。過干渉とはどんなことなのか、子どもにどんな影響を及ぼすのかを、公認心理師・心理カウンセラーのあさくらゆかりさんに聞きました。(取材・文:前田陽子)■過干渉とは"親の思い通り"にすること干渉とは、命令的な関与や介入。立ち入って他人のものごとに関係し、自分の意見に従わせようとすること、と辞書にあります。子育てでの干渉とは、子どもの考えや行動に働きかけ、親の思い通りにさせようとするための言動で、「ごはんを食べなさい」「歯磨きしなさい」という口出しや、親が「宿題をやる(例:夏休みの課題など)」「合宿の準備をする」などが手出しに当たります。過干渉とは、「干渉」に「過」が付いたもので、子どもの年齢や発達に照らし合わせたときに、手出し口出しをやりすぎているということ。親の命令に従わせるという意味も含まれ、親子というより主従の関係になっているとも言えます。■過保護とは過干渉とどう違うのか過干渉に似たものに過保護がありますが、保護とは外からの危険に対して気を付け、かばい、見守ること。まだ正しい判断ができない子どもには必要な場合も多々あります。「危ないからやめなさい」には、内容や子どもの年齢によって、干渉にも注意喚起(保護)にもなるのでシチュエーションによって判断は異なります。「適切な干渉や保護は、子どもたちには必要なこと。何を手伝って、何を手伝わないかは、子どもの年齢はもちろん、個々の発達状態によって変わります。親の声掛けに対して、子どもが楽しそうか、つまらなそうか。進んでやっているのか、自分はやりたくないけどしているのか。子どもの様子でそれが干渉なのか、保護なのかの目安になると思います」とあさくらさんが、判断の方法を教えてくれました。■「自立」とはどういうことか言われたことに従うということが続くと、自分で決めてその通りに行動をすることが苦手になってきます。それでもつい干渉してしまうのが親心。「まずは、子どもがやらないのか、やれないのかを見極めることが重要です」とあさくらさん。例えば低学年の子に2泊3日の合宿の支度をひとりでやりなさいと言うのは、まだハードルが高いもの。でも、高学年なら可能ですよね。能力はあるのに、意欲などの理由で進まないなら、時間がかかっていても子どもに任せてみる、親は自分の支度や家事などをして子どもの様子を見ないようにする、など視界に入れつつも見守るのが良いとアドバイスをいただきました。子どもには子どものタイミングがあります。子どもが動き出すのを待ちましょう。自立とは①自分で決めて自分で行動する②自分の行動に責任を持つ③絆を大切に他者と協調することとあさくらさんは言います。■過干渉が続くと自分で決めて動けない子になる過干渉が続くと、子どもは言われたことに従うようになります。結果、自分で決めて自分で行動をすることができない子に。さらに失敗しときに「ママ/パパが言ったから」と原因は他者にあると他責的になります。また、失敗や困るという経験がないと助け合いを経験する機会も奪われ、コミュニケーションが苦手になります。自分の気持ちや考え、行動を否定されたり、無視され続けると他者の気持ちや考えを大切にできなくなります。子どものころは素直に従いますが、大人になって立場が上になると、対等な人間関係ではなく、相手を従わせる関係、上下や主従を持つことが当然となってしまうのです。その結果、相手と意見が食い違っても話し合いができず、従うか従わせるか。自立ができないまま大人になってしまう可能性があります。親が子を干渉してしまうのは、子どもがかわいいから。ですが、子どものためと思っているその行動が、子どもから考えたり、責任を取ったり、お友達や周囲の人たちとコミュニケーションをする場を奪ってしまっているのかもしれません。子どもの気持ちを尊重して、子どもがしてほしい方法で、してほしい援助ができる親になりたいですね。あさくらゆかり公認心理師・心理カウンセラー一般社団法人日本ライトカウンセリング協会代表理事、株式会社kikiwell所属カウンセラー・統括責任者幼稚園教諭・保育士・公立小学校学級支援員を経て心理カウンセラーに。2007年1月より(株)kikiwellが運営するキキウェルメンタルヘルスサービス(旧:聞き上手倶楽部)に所属。ライトカウンセラーとして活動開始。「聞ける人ほどうまくいく」をスローガンに、カウンセラー養成講座の講師を務めている。また「聞かせて下さい、あなたのお話」、このひとことを熱く胸に抱え(株)kikiwellで電話カウンセラーとしても活動している。【カウンセリング実績】電話カウンセリング11,400件、メールカウンセリング4,000件、対面カウンセリング100件。連続最長電話カウンセリング記録11時間。クライエントのリピート率は85%
2021年10月12日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブル中に足元のボールばかり見ている、顔を上げてドリブルできない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。顔を上げてドリブルできるようになると、試合中の味方の動きや相手の動き、空いているスペースを見れるようになるので、適切なタイミングでパスを出したりより効果的なプレーができるようになります。しかし、初心者のうちは足でボールを扱うこと行うのが難しく、なかなか顔を上げてドリブルできないもの。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、試合中顔を上げて周囲を確認しながらドリブルできるようになります。親は難しい動きはありません。【やり方】1.親子で離れて立ち、子どもの前に3つほど目印を置く2.子どもは目印をジグザグにドリブルして元の位置に戻る3.親が持っているボールを上に上げたら子どもはドリブルを止め、下げたらドリブル再開4.上手くできるようになったら、ドリブル中に親がボールを投げる5.子どもはボールを手でキャッチして親に返す【トレーニングのポイント】・親が持っているボールをよく見る・ドリブル中に顔を下げないという意識をもって行う・キャッチするという動作を入れることで顔を上げなければならなくなる・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年10月07日プロになった選手はみんな幼少のころから周りより上手でセレクションにも選ばれて、各年代で代表を経験している、というイメージを持つ人は少なくありませんよね。ドイツ・ブンデスリーガで日本人初の「デュエル勝利数1位」に輝き、2022年カタールワールドカップではサッカー日本代表の"要"として活躍が期待される遠藤航選手は、来年のワールドカップでも代表の中心選手として活躍が期待されるなど、今でこそ華々しい活躍をしていますが、決して"エリート"街道を歩いてきたわけではありませんでした。セレクションに落ちた小学校時代、部活でプレーしていた中学校時代。でも「挫折感はなかった」のは、「サッカーが楽しい」「もっとうまくなりたい」という純粋な思いがあったからだと言います。「好きだから楽しい」「楽しいから続けられる」「どうすればもっとうまくなるか考える」「目標をブレイクダウンする」「やるべきことをやる」――この繰り返しが、遠藤選手を一歩ずつ成長させてきたのです。そんな遠藤選手が大切にしてきたことや、実行してきたステップを明かした書籍「楽しい」から強くなれる プロサッカー選手になるために僕が大切にしてきたこと(ハーパーコリンズ・ジャパン)が発売されました。今回特別にサカイク読者宛てに直筆サインを入れていただきましたので、抽選で3名様にプレゼントします。ふるってご応募ください。遠藤航選手直筆サイン入り書籍の応募はこちらから>>
2021年10月07日サッカーが嫌いで辞めたいと言っている小1の息子に対して、サッカーを続けて成長してほしいと願い、やる気を引き出すためにサポートしているつもりだけど、どこまでやると過干渉?というご相談をいただきました。外に出たがらず運動機会が少ないのが親の悩みで、ちょうど誘ってもらった近所のチームに入ったら周りが上手くて愕然。移籍も考えるけど、チームメイトとの楽しい年間行事がなくなると考えると迷う......。というお母さんの悩み。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに、脳科学などの観点も交えてアドバイスします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<「シートベルトを着けさせない、仲間をからかう子を注意しない」コーチにモヤモヤしちゃう問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。サッカーが嫌いで辞めたいと言っている息子(6歳)に対して、サッカーを続けて成長してほしいと願っています。やる気を高めたり、練習するきっかけを作ったりというサポートをしているつもりですが、どこまでやると過干渉になってしまうのか心配です。是非アドバイスをお願いします。息子は少年団に入って一年目です。親子とも元々サッカーに興味があったわけではないのですが、自分から外に出たがらず、運動の機会がとても少ないことが私の悩みだったので、近所の方に誘っていただいたのがきっかけで入団しました。最初は笑顔で楽しく参加していましたが、月日が経つにつれ、サッカーが嫌いと言うようになりました。入る前には気づかなかったのですが、かなりレベルの高いチームで、親がしっかり子どもにサッカーを教え込むご家庭が多く、大して運動をしてこなかった息子とのレベル差が大きいのが要因でした。同じメニューをやっても、上手くできない事に自信を無くしており、行きたくないと言い始めました。息子は得意な事は張り切ってやるタイプなのですが、サッカーには苦手意識がついてしまったようで、練習でもコツが掴めていない事が多く、できなくて泣きべそをかくことも何度かありました。試合に出ても、スタミナ、スピード、どこに蹴ればいいかという判断力がまだなく、なかなかボールに触れません。イヤイヤやっているのがわかるときには、見ていて苦しいです。元々運動させる事が目的で入ったので、サッカーを辞めるという事やもう少しレベルの低いチームへの移籍も考えました。しかし、チームの活動で親子サッカーや自然体験など楽しい思い出も沢山でき、息子もとても楽しんでいたので、チームを辞めたらこういう楽しい時間も過ごせなくなるんだよと話すと、本人も惜しいと思うようです。しかし、サッカー自体に楽しさはまだ見出せていないそうです。「自分はできない」「絶対無理」を連発しており、せっかくサッカーをやっているのに自己肯定感が下がっている状況はとても悲しいです。練習すれば出来ることが増えて楽しくなるはずと思い、家で一緒に運動をする時間を作ったり、動画を流して練習に誘ったりしております。はじめは嫌がりますが、最後は一緒にやるようになりました。今は評価することはぐっとこらえ、自分に出来ることを精一杯やっているつもりです。過干渉になるのも良くないとは思いつつ、やる気を出せるようなサポートはどの程度までなら良いのか悩んでいます。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。丁寧に息子さんに向き合っているご様子、とても好感が持てます。ただ、お母さんが少し頑張り過ぎかな?という印象を抱きました。お便りからの情報だけなので私の理解が及ばない部分もありますが、その部分はご理解いただければと思います。■「頑張ったね」「楽しめて良かったね」など取り組みを認めてあげるお母さんのなさっていることが過干渉かどうかを、私が判断するのは少し難しいかもしれません。まずは、お母さんのおっしゃる「やる気を出せるようなサポート」について、脳科学に基づいてお話しさせてください。人の意欲や「やる気」にかかわる場所は、大脳基底核の一部である線条体になります。行動と情感を結びつけたり、筋肉の緊張を調整することに関与する神経細胞の集合体です。この線条体は、子どもに対し丁寧に対話して気持ちを汲み取ったり、取り組んだプロセスを「よく頑張ったね」とか「今日はサッカーを楽しめて良かったね」などと認めてあげると、線条体は活性化します。「次もやれば、ほめられる」「楽しくやれただけで認めてもらえる」というのは、「試合で必ず得点しなさい」とか「先発で出られるようになりなさい」といった結果や成果に紐づいたものではないので、やる気の条件付けがある意味簡単です。そのうえ「サッカーは楽しいなあ!」とやりがいを感じて取り組むと、脳内でドーパミンが分泌されます。ドーパミンは、技術の習熟度をアップさせ、人を成長させる脳内物質で「脳のガソリン」などと呼ばれます。したがって、楽しめているほうがサッカーもうまくなります。少しずつですが確実に子どもを成長させるこの方法を「強化学習」と言います。■誰かに世話を焼かれないと動けない、主体性のない子に育つ危険性があるその逆で、サッカー嫌々やっていたり、お母さんやコーチから「ここがダメ。あれを直せ」「もっと努力しないと試合に出られないよ」などと圧迫、抑圧される環境に身を置いていると、線条体は停止したまま動きません。ただし、ガツンと言われる、大人がよく言う「喝」を入れられると、そのことで一瞬発奮したり、発破をかけられたことは強く記憶に残るので一時的にパフォーマンスが上がることがあります。このようにして、誰かに世話を焼かれて少し上手くなったりする状態が「一発学習」です。叱られたり、怒られて取り組むことが多いため別名「恐怖学習」と呼ばれます。刺激を与えたその瞬間の教育効果は先に説明した強化学習の3~4倍と言われますが、この方法はマイナスの副作用を伴います。また、これを繰り返すとバーンアウトしやすいうえ、他者から世話を焼かれたり、強い刺激を受けないと動けない人になってしまいます。つまり、主体性のない大人に育ってしまう危険性があります。「好きこそものの上手なれ」昔の人が言い伝えてきたことは、このように科学的な根拠があるのです。このことを踏まえて、お母さんに三つアドバイスさせてください。■今のままでは自己肯定感が下がってしまう①息子さんの意見を尊重する息子さんはすでに「行きたくない」と訴えています。息子さんが自分の意思を示せているうちに、どうか息子さんの気持ちを尊重してあげてください。このように自分の気持ちを率直に表現しても、親や周りの大人が自分の声に耳を傾けてくれないことが続いてしまうと「どうせ僕のことなんかわかろうとしてくれない」と受け取り、感情を表さなくなります。中学、高校でもそのようなことが続くと、どんどん自己肯定感が下がります。自己肯定感は、何かができないとか、良い結果や良い評価を受けられないだけで下がるわけではありません。一番身近で自分のことをわかってほしいお母さんやお父さんが自分を尊重してくれないことのほうが、大きくダウンします。逆にそこがしっかりしていれば、勉強やスポーツでちょっとくらい挫折しても、難なく立ち直れるし、それを糧にする人間に成長できるのです。■現時点の息子さんに求めるハードルが高すぎ他の子と比較してませんか?②ハードルが高すぎるまだ6歳。小学1年生くらいですね。「試合に出ても、スタミナ、スピード、どこに蹴ればいいかという判断力がまだなく、なかなかボールに触れません」と書かれていますが、もともとサッカーに興味もなく、運動もせずに育ったのですから当然です。もしかしたら、他のお子さんと比べていないでしょうか?親御さんの中には「比べ癖」がなかなか抜けない方は、少なくありません。親御さんが比べている間は、お子さんは苦しいはずです。ストレスがあるのだから線条体も動きません。どうか、息子さんが意欲的になれる空気を作ってあげてください。ご相談文を拝見する限りでは、息子さんにアジャストしていない環境のようです。本人も望んでいるのですから、彼に合うチームを探してあげましょう。■「辞めたら○○ができなくなるよ」という言い方は子どもを追い詰める(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)③コントロールしようとしないことさまざま理由はあるようですが「チームを辞めたらこういう楽しい時間も過ごせなくなるんだよ」という言い方は、息子さんを追い詰めることになります。「○○したら、●●できなくなるよ」とか「○○をしないと、××(良くない状況)になるよ」といった、大人の価値観で子どもを縛るのはやめましょう。息子さんは、お母さんが思う以上にストレスを抱えているはずです。ご自分の意見や展望ではなく、彼の気持ちをたっぷり時間をとって聞いてあげてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年10月06日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブルが思い通りにできない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。試合中、ドリブルを使う場面はたくさんあります。ボールを運ぶドリブル以外では、方向を変える、スピードを変えて相手の動きを揺さぶる、止まるなどの動きがドリブル中にスムーズにできるようになると、状況に合わせたドリブルを使い分けたり、次のプレーへの移行が素早くできるようになります。しかし、初心者のうちは動きが身についてないこともあり、思い通りにドリブルで方向を変えたりスピードを変えることが難しいもの。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、試合中スピードの変化をつけたり、方向の変化など思い通りにドリブルできるようになります。親は難しい動きはありません。【やり方】1.4つの目印で四角を作り、中央に1つゴールに見立てた目印を置く2.子どもは四角の周りを回りながらドリブル3.目印間の移動はスピードアップ、曲がる時はスピードを落とす4.慣れてきたら、ボールを増やして親子で勝負するなどゲーム性を持たせる5.ドリブルで四角を一周し、スタート位置に戻ったら四角の中央に置いた目印をゴールに見立てて、当たったら得点にするなどアレンジする【トレーニングのポイント】・コントロールしやすいよう足元にボールを置く・曲がる時はインサイドやアウトサイドを使って方向を変える・四角の目印間の移動は素早く行う・曲がる時はスピードを落とす・常に顔をあげて状況を確認する・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年10月04日先般サカイクキャンプのコーチ陣がFCリアル(埼玉県)の小学3年生~5年生に「出張サカイクキャンプ」を行いました。これはサカイクキャンプの5箇条「考える力」「チャレンジ」「コミュニケーション」「リーダーシップ」「感謝の心」をテーマに1DAYで行うもので、ピッチの中では「自分で考えて判断すること」を中心にトレーニングしました。<<イベントレポートはこちら今回はトレーニングの感想や、保護者とのコミュニケーション時に感じる、「子どもたちのリアルな声」をお届けします。お子さんのサッカーを熱心にサポートする保護者のみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)(この日参加してくれたFCリアルの選手たちほんの数時間で「考えてプレーできるようになった」と成長を実感した子も)<<親たちの声「プレーにダメ出しをしたくなる」「他の子と比べてしまう」■「考えながらプレーできるようになった」ほんの数時間で変化を感じた子もサカイクキャンプでは、初めて会うコーチのもとでサッカーをします。子どもたちに話を聞くと「どんなコーチなんだろう?」「どんな練習をするんだろう?」と不安な子もいれば、「楽しそう!」と興味津々の子もいました。<サカイクキャンプの感想>「いつもと違う練習ができて楽しかった。3対3のワンツーのときにうまくできた」「普段とはトレーニングメニューが違ったので、いつもはあまり声が出せないけど、今日はよく出せた」「知らないコーチだったので、最初は何をするんだろうと思ったけど、すぐに慣れて、教えられたこともできるようになった」「こういう考え方もあるんだと勉強になった。困っている仲間がいたら助け合おうと言われたことが印象に残っている」「試合で年下の子と一緒にプレーして、教えあったり、ボールを取られたら追いかけようというのが印象に残った」「最後の試合の時にみんな声を出していて、自分もがんばらなきゃと思った」「2対1のトレーニングのときに、不利な場面でどこを守ればいいのかを考えながらプレーできるようになった」子どもたちは普段とは違った刺激を受けながら、コーチの言葉を吸収し、積極的にプレーしていました。■小学生たちは親にプレーの指摘をされたときにどう思っているのかイベント終了後に子どもたちに直接お話を聞く機会をいただけたので、ここからは、子どもたちが保護者とのコミュニケーションで感じている「リアルな声」を紹介します。親御さんの言葉は、子どもたちにどのように届いているのでしょうか?まず、「保護者とサッカーの話をしますか?」という質問に一番多かったのが「試合のあとに、良かったところ、悪かったところについて話をする」という回答です。子どもたちは「良かったところ、悪かったところを言われると、次はそうしよう。がんばろうという気持ちになる」と答えるケースが多かったですが、なかには「嫌な気持ちになる」「プレーしているのは自分だから!と言い返す」「言い返すと親が逆切れして、さらにうるさくなる」といった意見もありました。■サッカーで親に言われてうれしい言葉続いて、子どもたちに「保護者に言われてうれしい言葉」を聞くと、「あのプレーよかったね」「いいシュートだったね」「あのボール、よく止めたね」など、「良いプレーを褒められるとうれしい」と話す子がほとんどでした。ピッチサイドで子どものプレーを見ていると、「もっとこうすればいいのに」という気持ちが湧いてくることもあると思いますが、そこをぐっとこらえて「良かったプレーを褒めるだけ」にとどめておくのが良さそうです。■「ムカつくけど言い返さない」という子も少なくない次に「保護者に注意されるのは、どんなとき?」という質問に一番多かったのが「きょうだいゲンカ」です。ゲームやものの取り合いをしてエスカレートし、見かねた保護者に叱られることが多いようです。ほかにも「ゲームのゲームのやりすぎ」「勝手に外に遊びに行くと怒られる」というものもありました。サッカー面では「プレーの判断が悪いと怒られる」「練習や試合に行くとき、早く準備をしないと怒られる」「忘れ物をすると怒られる」「サッカーのときにふざけていたり、友達とケンカすると怒られる」といった声が多かったです。子どもたちに、叱られたらどんな気分? とたずねると「それはそうだと思うので、あまり言い返さない。言われるとムカつくときもあるけど」と素直に話してくれました。■小学生があこがれる選手はドリブルが得意なあの選手最後に、子どもたちにあこがれの選手は誰ですか? と聞くと、日本人では三笘薫選手、久保建英選手の名前がよく上がりました。ドリブルや個人技に優れたところが人気のようです。Jリーグの試合を見る子も多く、好きなチームは地元・埼玉の浦和レッズ、大宮アルディージャ、川崎フロンターレなどの名前があがり、レアル・マドリード、バルセロナ、パリサンジェルマンなど、ビッグクラブの人気が高かったです。■子どもの意見や考えをしっかり聞いてあげよう今回、話を聞かせてくれたのは、小学4、5年生の子どもたちです。中学年、高学年になると、考える力がついてくるので、自分の意見をはっきりと持つようになります。それにともない、親子間のコミュニケーションも、大人が一方的に言うのではなく、まずは子どもの意見や考えを聞いてあげるのが大切なようです。子どもたちのリアルな声を参考に、これからもお子さんのサッカーをより良い形でサポートしてあげてください。
2021年09月30日サッカー以前の問題を抱えるコーチのもとに居させて大丈夫?というお悩みをいただきました。車移動の際、子どもたちにシートベルトをさせない。上手い子が下手な子のボールを蹴る「からかい」があっても注意しない。コーチの振る舞いに納得いかない。サッカーを通じて感謝の気持ちや心の成長につながるチームに行ってほしいけど、本人が移籍したくないなら見守るしかない?という親のモヤモヤ。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験を踏まえ悩めるお母さんに改善のための動き方をアドバイスします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<「帰れ」「次の試合に来るな」精神的に子どもを追い詰めるコーチのもとにいていいのか問題<サッカーママからのご相談>移籍を考えているわけではないのですが、クラブについてモヤモヤしています。7歳の息子はチームの中でもすごく下手でチーム内でもいじられ気味です。それでも本人続ける気があるのでそのことは問題はないのですが、チームのコーチにモヤモヤしています。まず、送迎の車で子どもたちがシートベルトをしてないときがあること。未就学のキッズに至ってはチャイルドシートもつけてないし、サッカー以前の問題じゃないですか?って感じです。また、上手な子が下手な子のボールを遠くに蹴ってからかう、みたいなことを子どもたちがやるのですが、特に注意する訳でもなく......。見かねた親からクレームがいったのか、連絡メールで「友達のボールを遠くに蹴る行為は止めましょう」ときました。そんな当たり前のことを親への連絡メールで伝えないと分からないチームなのか? と思ってしまいます。息子のチームは、わざわざ遠くから来てくれた試合相手に「ありがとうございました!」の挨拶もモジモジして言えません。そのことも、日頃から挨拶してれば言えるでしょ?と思ってモヤモヤしてしまいます。正直親が恥ずかしいです。私と夫はサッカーに興味もないし、行くも辞めるも息子に一任しています。なので、どうせならルールを守る、感謝を持って挨拶するなど、心の成長につながるチームに行ってほしいと思っているのですが、息子はこのチームがいいみたいです。それはいいのですが、指導者の在り方やチームに対してのモヤモヤが晴れません。親としてどう考えていったらいいのでしょうか?<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。ご相談文を読むと、息子さんの意見を尊重し移籍はさせないけれど、クラブは問題だなとモヤモヤする。やり場のない憤りが伝わってきます。いつも最初に申し上げますが、実際にコーチの方々のお話を聞いてはいないので、お母さんからのメールを読んだ印象でお話しさせていただきます。■シートベルトの着用についてコーチに頼んでみよう結論から申し上げると、お母さんが書かれたコーチの方々のふるまいは、そんなに気にしなくてよいと思います。例えば、シートベルトの着用。ボランティアの方が運営している少年団なのか、それ相応の額の月謝を払っている民間クラブなのかはわかりませんが、いずれにせよ気づいたのなら「安全のためにつけさせてください」と頼んでみてはどうでしょうか。コーチの味方をするわけではありませんが、7歳児の世話をするのは大変です。また急いでいる場合もあります。もちろん事故が起きてからでは遅いです。シートベルトを着けていなかったことを知っていて放置していたら事故が起きた、わが子が被害を受けたとなると、やはり後悔されるかと思います。チャイルドシートや後部座席のシートベルト着用は義務化されているので、子どもたちの安全のためにもお願いしてみるといいでしょう。いくら言っても聞いてもらえない、となれば、子どもの安全を担保できないわけなので、その点をお子さんに話してクラブを替えることを検討してもいいのではないでしょうか。■「からかい」ではなく「いじめ行為」だとコーチに理解させようふたつめ。上手な子が下手な子のボールを遠くに蹴ってからかうことですが、「友達のボールを遠くに蹴る行為は止めましょう」と連絡メールをするのは筋が違うと感じます。ボールを蹴る行為の前に、上手な子どもが下手な子どもへのからかいでやっている、つまり、いじめ行為だということが問題です。コーチの方の理解が十分でないことは自明の理です。このことも、ぜひ気づいているお母さんがそのことをコーチに説明してあげたほうがいいと思います。ただし、相談文を読むと、コーチが暴力やパワーハラスメントなど不適切な指導をしているわけではなさそうです。ただ、シートベルトも、いじめ行為に対する注意もクラブ側に修正してほしい点です。であれば、ぜひ意見してください。わが子が所属するコミュニティを、一緒に育てていくのも親というか大人の役目だと私は思います。例えば小学校で、担任の先生にさまざま未熟な点があれば「こうしてほしい」と伝えますね。問題の大小にもよりますが、互いに意見交換せずに一足飛びに教育委員会へクレームをしてしまうと、非常に話がこじれてしまいます。一方で、目についたことを伝えないのであれば、息子さんのサッカーと距離を置いてはどうでしょうか。サッカーをするのは息子さんなので、彼が楽しければ何も問題はありません。目に着けばモヤモヤする。でも、言いたくはない。そうなるとお母さんのこころの健康に良くありません。■あいさつは大人が子どもに無理にさせるものではない三つめはあいさつについて。あいさつは、大人が子どもに無理にやらせるものではないと私は考えています。お母さんが「恥ずかしいチーム」と感じてしまうということは、きっと息子さんはあいさつをしているのでしょう。あいさつや整理整頓などは、家庭のしつけの範囲になります。それぞれ子どもの発達スピードは異なるので、早くからハキハキしてあいさつできる子どもがいれば、そうではない子どももいる。まだ7歳なのでモジモジしてしまう子もいることを、もしかしたらコーチは理解しているのかもしれません。ぜひ長い目で見てあげてください。と言いつつ、私も息子が少年サッカーの世界にいたある時期、長い目で見ていなかったと反省しています。上の学年の試合に呼ばれて丸一日参加したら、3試合ともずっとベンチに置かれました。息子は「おまえは下手だから出さない」と言われたそうで、泣きながら帰ってきました。下手かもしれないけれど、試合に出す気がないなら、同級生との練習をしていたほうが息子は楽しかったはずなのにと怒りがこみ上げてきました。息子も行きたくないと言うので「次からはもう上の学年の試合には行かせません」と伝えました。今思えば、出過ぎたことをしたと思っています。その時代、十数年前は、現在広がりつつあるような「全員出場させましょう」という習慣がありませんでした。そのコーチは、それまでしてきた指導をやっただけでしょう。それが決していいとは思いませんが、そのときの私に欠けていたのは、コーチへの感謝とリスペクトです。■親が指導者への感謝とリスペクトを持つことが、子どもの成長につながる(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)ボランティアで指導している少年団で、無償で時間を割いて指導している。決していい指導と思わないのなら、そこを伝えるべきでした。「いつもありがとうございます」と感謝を伝えたうえで、もっと楽しくなるように考えていきませんか?と提案すればよかったのです。そんな経験から、お母さんの息子さんがいるのが民間クラブで有償のコーチであっても、感謝やリスペクトする気持ちを持ってもらえればと思います。親御さんがそのような姿勢をもつことが、お子さんの成長につながるはずです。今いるクラブが意見したり話し合っても、なかなかそうならないようであれば、息子さんとよく相談し、そういったチームを探して移籍することも選択肢のひとつでしょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年09月29日